サキグロタマツメタガイが盤洲干潟で繁殖中

〜盤洲干潟の砂を三番瀬へまくのは危険〜


小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会 御簾納照雄



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 (2002年)4月17日に開催された第3回「三番瀬再生計画検討会議」(通称・円卓会議)では、県などが円卓会議の議論と別個に実施する覆砂や市川航路浚渫が問題になりました。
 このうち覆砂は、木更津市海岸の小櫃川河口干潟(盤洲干潟)の浚渫土砂を船橋沖にまくというものです。この覆砂事業について、風呂田利夫委員は次のように指摘しました。
 「小櫃川河口干潟の澪(みお)を浚渫し、その浚渫土を同じ干潟にまくのはかまわないが、別の干潟(三番瀬)にまくのは好ましくない。三番瀬以外から土砂を運んでまくと、たとえばサキグロタマツメタガイがもちこまれる恐れも危惧される。アサリを食害するこの貝は、いちど持ち込まれたら、どんどん増え続ける。そうなったら、とりかえしのつかない結果になる。じっさいに宮城県では大きな被害がでている。したがって、覆砂の実施にあたっては、諸問題などを慎重に検討すべきだ」
 じっさいに、「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」のメンバーが4月4日、盤洲干潟の貝類を調査したところ、同干潟でサキグロタマツメタガイが数多く発見されたそうです。
 以下は、同連絡会の御簾納照雄事務局長のレポートです。





御簾納照雄さんのレポート


 4月4日、鈴木優子さんから小櫃川河口の貝類調査に同行しないかとの誘いを受け、「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」の小関公平代表と参加した。薄日の射す風の強い日であった。
 小櫃川河口右岸の黒松林前面を沖へ向かって200〜500メートルの範囲で3カ所、サンプリングした。ところが、その周辺に象の鼻状に砂が盛り上がっている箇所があちこち見られ、その数力所をシャベルで掘ると、二枚貝に覆い被さった丸い貝がコロリと出てきた。殻高35〜40ミリ、殻径30〜35ミリの大きさを多数見かけた。
 鈴木さんがこの貝を持ち帰って専門家に確認したところ、タマガイ科のサキグロタマツメタガイと判明した。宮城県や九州有明で二枚貝を食害することから問題になっているこの貝は、朝鮮半島や中国からアサリを輸入して撒(ま)いために広まったとのこと。盤洲干潟でも同様のことが実際に起きていることになる。
 船橋漁協が「アサリ漁場の環境改善」を目的として、小櫃川河口の砂1500立方メートルを三番瀬へ移入することを計画しているが、これは全く逆効果であることが濃厚になってきた。早急にこのことを船橋漁協に知らせたい。
 金田漁協の元組合長は、私たちとの話し合いのなかで、昨年まで「上流にダムができたことから河口は砂が減ってしまった。干潟が大切というなら小櫃川上流から正常に砂が運ばれるようにすることも市民運動として必要なことだ」と発言していた。これが事実であるとすると、「盤洲から三番瀬へ砂を移動すること」は二重の過ちを犯すことになる。

(2002年4月) 









4月4日に小櫃川河口干潟(盤洲干潟)で数多く発見されたサキグロタマツメタガイ(タマガイ)。殻高は35〜40ミリ、殻径も同じくらい。(写真撮影は鈴木優子さん)








サキグロタマツメタガイはツメタガイの仲間です。ツメタガイと同じように肉食で、砂に潜ってほかの貝を捕まえ、鋭い歯で貝殻に穴を開けて食べます。このため、「アサリの天敵」となっており、定着すればアサリ漁業に大きな被害を与えます。
 この貝の分布域は、本来は中国や朝鮮半島です。日本では、有明海や瀬戸内海の一部の水域にみられるといわれています。しかし近年、潮干狩り場などで価格の安い中国産のアサリがよくまかれていることから、これらに混じってほかのアサリ漁場にも移入される恐れが強まっている、と専門家は指摘しています。じっさいに1999年、宮城県の万石浦でサキグロタマツメタガイが大量発生し、アサリの大量死をもたらしました。アサリだけでなく、オキシジミにも大きな被害を与えたそうです。









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