成田空港問題円卓会議の主目的は空港拡張だった


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 私たちはこれまで、三番瀬円卓会議と三番瀬再生会議(円卓会議の後継組織)について次のようなことを言い続けてきました。
     「県は、市民運動(埋め立て反対運動)の高揚でいったん白紙撤回された埋め立て計画を、形をかえて実現しようとしている。円卓会議や再生会議は、市民運動を封じ込めたり、自然保護団体の妥協を引き出し、公共土木工事を進める手段に利用されている。これは、成田空港の拡張を進めるために利用された成田空港問題円卓会議と同じである」
 その成田空港問題円卓会議について書かせていただきます。


■政府が「話し合い路線」に変更

 1991年秋から3年あまり、成田空港をめぐって公開シンポジウムと円卓会議が開かれました。運輸省(現国土交通省)、空港公団、千葉県と空港反対同盟が同じテーブルにつき、話し合いによりさまざまな問題を解決していこうとするものです。その主な目的は、千葉県収用委員会委員の全員辞任によって強制収用が不可能となったため、話し合いによって用地取得を進めようとするものでした。
 シンポと円卓会議には、成田空港反対同盟3派(北原派、小川派、熱田派)のうち熱田派だけが参加しました。
 議論の中で、運輸省は過去のやり方を謝罪しました。また、未買収地の強制収用を断念するとともに、話し合いによる姿勢を打ち出しました。
 こうした結果、円卓会議に参加した熱田派の地権者の一部は移転契約に応じました。また、円卓会議に参加しなかった小川派も、代表の小川嘉吉氏が拡張予定地内の所有地を売却するなどの変化がありました。これらの人びとは、約30年間におよぶ空港反対運動に終止符を打ちました。


■円卓会議の目的は懐柔とアリバイづくりだった
  〜「話し合い」の横で拡張工事を強行〜

 しかし、政府(運輸省)の基本姿勢はあくまでも拡張推進です。「話し合い路線を選択したはずの政府だが、時に強硬手段が顔をのぞかせる」(『読売ウィークリー』2002.12.22)といわれるように、シャニムニ拡張を進めます。
 「2期の用地取得は話し合い」で言いながら、他方では、2期工事をどんどん進めたり、暫定滑走路を開業したりするのですから、反対派農家が政府の姿勢に疑問をもったり反発するのは当然です。反対同盟北原派の農家などは、引き続き、空港反対の姿勢を貫きました。
 新聞もこう報じています。
    《反対派は「国・公団が今年初めから東峰地区に何度も足を運んだのは、誠心誠意やってきたことを示すアリバイづくりにすぎなかった」と言い切り、「裏で暫定案を考えていたんだから」と国・公団を痛烈に批判する。「今までは、世間話ぐらいはしてたのに……」と、別の反対派の一人も裏切られたとの思いをつぶやく》(『東京新聞』1999.5.23)

    《成田空港問題シンポジウム、同円卓会議で、国はそれまでの強制的な手法を謝罪した。(中略)反対派農家は「これで平行滑走路はできない」と信じたが、国はその後、新滑走路計画を発表。農家にとってまさに「寝耳に水」だった。しかし、同時の認識のズレは、今も深い溝を残している》(『東京新聞』2002.5.2)

    《今の状況は「話し合い以前」と思わざるを得ない。ある農家が、「滑走路工事を一時やめるのが筋だ。動く重機の横での交渉は、地上げ屋と話すのと同じ」と申し入れたが、空港公団の担当者は「公団レベルでは決められない」と言う》(『毎日新聞』2002.5.17)

    《ある反対派農家は「シンポ以降の公団の姿勢を見ると、公団が何を考えているのか分からない。何も伝わってこない」と疑念を抱く》(『毎日新聞』2004.3.31)

    《地区住民は総裁の「真意」に疑念を抱いている。用地交渉の一方で、320メートル短縮させられた暫定滑走路を、北側に延長することで打開しようとする構想をほのめかしているからだ。いわゆる「北延伸」である。(中略)「北延伸」構想は「交渉に応じなければ北に延ばす、という脅しではないか」と、住民は疑心暗鬼に陥っている」(同)
 以上です。
 こうしてみれば、三番瀬の円卓会議や再生会議は、成田空港問題円卓会議とよく似た状況になりつつあることがわかるでしょう。


■成田空港は必要性に疑問の多い国際空港

 ちなみに、成田空港は、もともと必要性に疑問の多い国際空港です。「欠陥国際空港」とも呼ばれています。ですから、たとえば海外から要人(VIP)が来るときは、必ず羽田空港を使います。
 そして今、羽田空港の国際空港化がなし崩し的に進んでいます。「成田空港は近い将来、貨物空港になるだろう」と言う人も少なくなりません。

 こうなると、なぜ成田に空港をつくったのかという根本問題を問わなければなりません。莫大な税金を投入してつくられる予定の成田新高速鉄道も、壮大なムダの一つではないでしょうか。

(2006年1月)





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