ラムサール条約の決議と私たちの東京湾

〜決議とガイドラインの連続学習会〜

JAWANと三番瀬署名ネットが開催




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 日本湿地ネットワーク(JAWAN)と三番瀬を守る署名ネットワーク(署名ネット)は、連続学習会「ラムサール条約と私たちの東京湾」を開催中です。
 これは、ラムサール条約の中身をよく理解するために開いているものです。署名ネットはいま、三番瀬をラムサール条約に登録するため署名活動を進めています。そういうなかで、国際的な湿地の専門家の汗と涙の結晶でもあるラムサール条約締約国会議での決議やガイドラインなどを学び、湿地保全活動に活かそうとするものです。
 その第1回学習会が、6月26日に和洋女子大(市川市)で開かれました。
 テーマは、「私たちの湿地保全にとって今一番大切なことは」(浅野正富さん)、「ガイドラインに沿った湿地の保全・管理を」(JAWANの柏木実さん)、「三番瀬は指定登録に匹敵する豊かな湿地です」(今関一夫さん)の3つです。


■ラムサール条約の決議などは、湿地保全にとって重要な武器になる

 弁護士の浅野正富さんは、ラムサール条約の意義や内容などをくわしく話しながら、こんなことを述べました。
 「かつては湿地(干潟や浅瀬など)は“不毛の地”としてとらえられ、埋め立てなどによって次々とつぶされていった。その後、湿地の大切さが認識され、保全するためにラムサール条約がつくられた」
 「条約そのものは内容が簡素になっているので、締約国会議の決議や勧告がすごく重要になっている」
 「日本政府は国家湿地政策を策定していない。だから、いたずらな議論が今も続いている。たとえば三番瀬では、人工干潟をつくるべきだということが相変わらず議論されている。いったん保存が決まったはずなのに、再び開発がもちあがる気配もある」
 「ラムサール条約の決議やガイドラインなどは、湿地保全にとって重要な武器になるはずだ。それをよく学んで理解し、武器にするとともに、全国各地の保全団体が協力・連携していってほしい」  「湿地や里山などの魅力は、すぐにはわかってもらえない。だから、自然の良さがわかる仲間をひとりでも増やすとともに、理論武装することが必要だ。そのキーポイントは持続可能性だと考える。持続可能性でない活動がどんどん進むと地球はまちがいなく滅ぶ。だから、持続可能な社会を実現することが重要になっている」


■条約会議や事務局にどんどん意見をだしていくべき

 JAWANの柏木実さんは次のようなことを強調しました。
 「ラムサール条約の決議内容は、NGOの要請や働きかけが濃く反映されている。だから、NGOが湿地保全をめざすうえで有効な武器になる。また、決議は、それぞれの現場から見て、役に立つ部分がたくさんある。決議内容をみんなでよく読み、知見を得て、大いに活用すべきだ」
 「三番瀬再生計画案には、“順応的手法”でやれば海に砂を入れても大丈夫と書かれている。それは違うのではないかということを、国別報告書としてラムサール条約の会議や事務局にどんどんだしていくことが必要ではないか。とにかく、政府だけにまかせずに、意見をだしていくことが必要だ」


■三番瀬の2005年登録をめざし、署名活動を推進

 三番瀬のラムサール条約登録署名活動で奮闘している今関一夫さんは、こんなことを述べました。
 「三番瀬円卓会議は、ラムサール条約については正味4時間ぐらいしか議論しなかった。そして、この問題を先送りした」
 「県は、三番瀬に第二湾岸道や市川漁港をつくりたいという意向もあり、“漁業者の反対”を理由にして登録に消極的である」
 「円卓会議の後継組織がつくられることになっているが、それを待っていては登録が進まない。だから、なんとしてでも、2005年の登録にむけて、私たちが運動をしなければならない。署名は10万をめざしている」


■マイポ保護区と谷津干潟に学ぶ

 第2回学習会は、同じ和洋女子大で7月31日に開かれました。テーマは、「ラムサール登録湿地マイポ保護区はこんなところです」(シンバ・チャンさん)と、「谷津干潟の広報普及啓発活動から」(井浦宏司さん)です。
 シンバ・チャンさんは、かつてマイポ自然保護区のレンジャーを務めていました。この保護区は、香港の北西部にある広大な泥質干潟です。1984年から世界自然保護基金(WWF)香港が保護区(約380ha)の管理を行うようになり、1995年にマイポ湿地保護区とその周辺をあわせた1500haがラムサール条約の登録湿地になりました。
 シンバさんは、この保護区の自然の様子や、環境教育・研究活動などをくわしく話してくれました。

 井浦宏司さんは習志野市の職員です。かつて、ラムサール条約登録湿地である谷津干潟の自然観察センターに務めていました。井浦さんは、渡り鳥のシギ・チドリにとって谷津干潟が重要な中継地になっていることや、周りがすべて埋め立てられてしまったなかで谷津干潟が保全されたいきさつなどと話してくれました。
 こんなことも話しました。
 「観察センターは、鳥に関心を持つ人たちだけの施設であってはいけない。市の施設なので、市民が多く来館するようにしないと、観察センターの維持運営予算は確保しづらい。そのための施策として、市内小学校の教師と情報交換会をおこなうなどして、よりよい環境教育学習施設となるように努めている」
 「観察センターの入館者数は年間5万人である。そのうち、2割が習志野市民である」

 最後は、三番瀬のラムサール条約登録に関する堂本知事や地元漁協の姿勢、市川塩浜地先での「砂護岸」(石積み護岸+土砂投入)建設計画、ラムサール登録署名活動などをめぐって討論がおこなわれました。

(2004年8月) 










ラムサール条約の決議などを熱心に学ぶ







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