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テーブルマナー
←「オペラ座の怪人」のファントム風R8(ひろろさん画)
今回は、5万ヒット記念として絵日記コラボです。
とろろんのひろろさんに僕の写真を送り、リアルな僕を描いてもらいました。
でも、ちょっとカッコ良過ぎです。ひろろさんの画力が実物を上回ってます。
ちなみに上の絵の英語は、「わずかに微笑を浮かべて…」という意味だそうで、「フッ…と静かに笑うイメージ」から付けてくれたそうです。
気取り屋の僕の特徴をよく捉えてますね。
では今回は気取り屋の僕らしく、マナー講座でも開いてみますか。
礼儀作法というものは古来から伝わる先人の知恵が込められたものです。堅苦しい作法にも、一つ一つにきちんとした意味があります。これを面倒臭がっておろそかにすると、大抵は後悔するはめになるというのは、誰しもが経験でわかっている事ではないでしょうか。
特にその中でも「テーブルマナー」というものは、「食」という人間に不可欠な行為を皆が楽しめるように考えられた、社会になくてはならない暗黙のルールといえるでしょう。
例えばナイフを右手に持つのは、騎士達が食事中に敵に襲われてもすぐに剣を抜けるようにと左手でフォークを使った伝統によるものですし、食事中は両手をテーブルの上に出しておかなければならないのは、食事を共にする相手を傷付けたりはしないという意思表示(テーブルの下に手をやると、武器を構えるつもりかと疑われる為)です。
これらは欧米の戦乱の歴史の中で、「食事中も敵からの攻撃に備えなければならない」という考えや、「一緒に食事するんだから、お互いに安心して食べよう」という協調姿勢など、さまざまな必然が重なり合ってできたのが現在のテーブルマナーです。
ところが日本の食事のマナーは、どちらかというと見た目の美しさや食材の風味を味わう事を重視しており、欧米のテーブルマナーとは少し観点が違います。どちらがいいとかそういう話ではなく、観点が違うのです。
例えば、庶民の食である「蕎麦」。
これを食べる時の正式な作法は、このようなものです。
1.見た目や香りを先ず楽しむ。
2.箸を綺麗に割る。
3.つゆを付けないで麺だけを食べる。
4.今度はつゆを少し飲み、麺をどの程度付けて食べるかを決める。
ちなみに麺は1/3以上つゆに付けてはならない。
5.薬味を入れずに、麺をつゆに付けて食べる。
6.食べるときは数本の麺を一息ですする。
7.その後、薬味を入れて食べる。
尚、わさびは麺につける事!つゆに入れるのは厳禁!!!
これらの作法は蕎麦の風味を最大限に楽しむための、必要不可欠な行為です。
例えば、蕎麦は音を立ててすすらなければなりませんが、それは蕎麦の香りを最大限に楽しむためなのです。
そういえば意外と蕎麦は噛まずに飲むのが正しいと思っていらっしゃる自称蕎麦通の方が多いですが、そんな作法はありません。それは単なるセッカチな江戸っ子です。消化に悪いし、よく噛まないと蕎麦の豊富な栄養分はほとんど摂取できないので、改めましょう。
皆さんはこの蕎麦の作法、いくつ守っていますか?
ちなみに僕は、2番以外は一つも守ってません。文句ありますか?
旨けりゃいいじゃんか。ねえ?
サビを麺に乗せて食べるなんて、単なる罰ゲームでしょ。なにそれ?
鼻にツーンときちゃって蕎麦の香りなんかわかんないって!
でも僕は前々から書いているとおり蕎麦が大好きなのでよく食べるんです。
先日も品川駅の蕎麦屋で長テーブルに座って蕎麦を食べていたんですけど、僕の隣の席の人(温水洋一似)がざる蕎麦を注文したんですよ。で、蕎麦が来たんですけど、僕の前に箸や楊枝や一味が置いてあって、その人のところには置いてなかったんです。
それでその人が僕の前に手を伸ばしてきたので、僕は蕎麦屋でも英国紳士らしく4様並みの微笑みと共に「どうぞ」と、自分が食べるのを中断して箸を取りやすいように身を引いたんですよ。
その時の僕のジェントルマンぶりと来たら、次期007候補はキミしかいないとイアン・フレミングが僕の脳内で語りかけたほどの勢いで、多分、そこのお店に居た婦女子の皆さんは僕の優雅な立ち居振る舞いに胸キュンキュンで、急いで離婚届を市役所に取りに行く人や、恋人にサヨナラメールを2万5千文字ほど打ってしまう人なんかも居たとか居なかったとか。
で、その人が箸を取ったので食事を再開しようとしたら、またその人が「すいません」と手を伸ばしてくるんですよ。なんだろう?と思って見ていたら、その人は僕の目の前にあった一味唐辛子を取り、それをざる蕎麦の麺にわさわさと振りかけ始めたのです!!!
← 取り合わせ間違ってるよ!(ひろろさん画)
「やって良い事と悪い事があるだろ?」
僕の心の中の天使と悪魔が声を揃えてそう言ったのですが、僕には当然、
その人の蛮行を阻止する権利は無くて、ただ唖然と眺めていました。
しかし、その人はまるで悪魔に魅入られたかのごとくその手を緩めずに一味を振り続けます。ざる蕎麦だから海苔が掛かっているんですけど、実はそんなものは最初から存在しなかったんじゃないのかというほどに朱に染められたざる蕎麦を見て、僕は思いました。
「正式な作法のサビを一味に変えたと思えば良いのか」、と。
礼儀作法は奥が深いねぇ。
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