|
ピアノマン
ピアノマン。世間じゃオレをそう呼ぶらしい。
オレの素性は誰も知らない。
オレの素性はオレさえ知らない。
あらゆる機関が調査してるが何も掴めるわけがない。
オレ達は何もわかっちゃいないんだ。自分が本当は何者か。何の為に生きるのか。何故今ここに存在するのか。
真実なんかありゃしねえ。
あるのは欺瞞に満ちた世界。
お前は「自分」を知っていると胸を張る。
お前は自分の意志で生きていると目を輝かして主張する。
オレにはお前が羊に見える。現実に追い立てられてる憐れな羊だ。
お前が歩むその先に、お前らしい未来があるのか?
羊飼いの価値観に踊らされちゃあいないかい?
オレはわからないと認めたぜ。自分の事さえわからないと知ったんだ。
オレを自由にできるのはこの世で一人。オレだけだ。
誰かが決めた枠組みは、壊すためにあるんだぜ。
オレもお前も元は同じさ。ただ生き方が違うだけ。
だから特異な目で見るな。
オレとお前の何が違う?
あんただって、明日はオレのようになるかもしれないぜ?
と、ダンボールハウスのおじさんに言われたら面白いのに。
|