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悪魔との契約

海外の某大手企業が行った調査結果を見たR8は愕然とした。

2004年。
世界平均は年間103回だったのに対し、日本は46回と半分にも満たない。

こんなことでグローバルスタンダードの荒波を乗り切っていけるのだろうか?過激化する中国・韓国の主張や、全頭検査もしない不良品の牛肉を輸入しろと脅してくる殺人集団USAと戦うにしては、わが国の力は脆弱すぎる。

竹村健一をゴジラ松井の次に敬愛する国際人のR8は、この国の行く末が無性に心配になって鼻をかんだ。

しかし彼の鼻セレブには透明な鼻水がキラキラと何事もなかったかのごとく輝いているだけであった。

何も知らぬがゆえに無垢な光りを放つ鼻水。
それを眺めながらR8は思った。

知らないという事は、時に幸せなのである。
我々人間は「知っている」がゆえに過ちを犯し、他人を傷付け、そして自らも傷付くのである。

子供達を見よ。
彼らは何も知らないからこそ輝ける未来を歩む事が出来るのだ。
彼らだって現実を知ってしまえば枯れた大人だ。

「知る」という事は、言うなれば悪魔との契約である。
我々は知ってしまったがゆえにどれだけの辛酸を舐め続けてきたかわからない。しかしそれでも知りたいと思ってしまう。知識欲や不安感に負けて知らなくても良い事を知ってしまう。自分だけが知らなかったら遅れてしまうと焦り、余計なことに首を突っ込んでしまう。

しかし我々には「知る」事で発展し、繋がり、そして敵を屈服させてきた歴史がある。それはまさに諸刃の剣だが、触れるものみな切り裂くその切れ味は、一度覚えてしまったら手放せない。例え明日は我が身と知っても、だ。

 

話は戻るが冒頭の調査は、1年間で性交渉を何回したかという調査の結果である。そう、みんなの大好きなエス・イー・エックスの回数だ。

確かに日本人の性交渉の回数は少ない。それが良く分かる調査結果ではある。しかしR8はそれを知ったとき、言い得もせぬ絶望感と無常観を同時に感じ、心の中で呟いた。

「僕は10年も掛けて、他の人の1ヶ月分しか…して…な…いの…か…?」

「知る」という事。
それはまさに悪魔との契約で得た凶刃。
切れ味鋭いその刃は、時に持ち主さえも傷付ける。

 

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