日本のNGOが国連改革に関する共同提言を外務省に提出

 2005年7月4日、市民外交センターの上村英明、ピース・ボートの川崎哲、日本国際ボランティアセンターの高橋清貴は、賛同団体5団体、個人賛同者35名のリストとともに、平和、人権、開発の分野で長年活動してきたNGOが作成した国連改革に関する共同提言を窓口である外務省国際社会協力部政策課に提出しました。提出に当たっては、南博政策課課長および大塚建吾同部人権人道課兼国際組織犯罪室課長補佐と意見交換を行いました。

 国連改革は、2004年12月2日に「ハイレベル委員会報告書」(A/59/565)が提出されたのに続き、2005年3月21日にはコフィ=アナン国連事務総長による報告書(A/59/2005)が発表され、これらの報告書に基づいて、改革のあり方がすでに国連各機関・加盟各国で議論されてきました。その成果は、2005年9月の第60会期国連総会中に開催されるサミット(9月14日〜16日)で、確定される予定で、これに向けて6月3日にはジャン=ピン総会議長による「成果文書草案」も発表されています。また、ピン総会議長からは各国政府に対し、改革に関する総括的な意見提出が7月10日までに求められています。

 今回の国連改革の重要ポイントは、国連が新たに「安全保障」、「開発」、「人権」を3つの柱とし、さらにこの3つの分野の緊密な協力を図ることで、国際社会の問題解決に関する国連の信頼性を回復することが求められています。しかし、日本政府は、安全保障理事会の改革、具体的には自らの常任理事国入り(これに関連したODAの増額)のみを問題にし、本来の改革目的全体に日本がどう応えるのかを明らかにしてきませんでした。6月28日に外務省から発表された「国連改革:日本の優先事項」も残念ながら、現状の問題分析がなく、改革全体に対しほとんど何も具体的な提言を行っていません。

 こうした状況に危機感を感じた、上記の平和、開発、人権NGOの手で、外務省が文書を発表したのと同じ6月28日、「国連改革に関する日本NGOの共同提言:世界市民に責任を負う国連へ」がまとめられました。この提言は、非戦・非暴力・非武装の徹底、人権と人間の安全保障の実現、二重基準の排除と普遍性の実現などを基本理念とし、権利アプローチの重要性、周辺化された人々の救済、財政基盤の確立、スタッフ・トレーニングなどを原則として、平和、開発、人権、市民参加に対して、独自で建設的また具体的な提言を行っています。

 外務省での話し合いでは、この提言をもとに8月下旬に国連改革に関するパブリック・フォーラム開催とその準備が合意されました。国連改革の全体像が広く市民に公開され、日本が国際社会で何をなしうるかがはっきりと議論されることこそが常任理事国入りの議論の前に不可欠だと考えられます。

担当:日本国際ボランティアセンター:

提言本文
賛同団体(2005年7月4日現在)