米文学史

(0) シラバス 2010

 


 ●前期 ●2単位 ●3

 米文学史A

 

授業の到達目標及びテーマ

 (1)アメリカ文学の流れをたどり、その特質を考えることと、(2)積極的に作品を読み文学テキストに触れること、により、アメリカ文学の歴史的なパースペクティヴを得ること。

 

授業の概要と方法

 アメリカ文学とはどんな文学なのか、歴史的に概説する。どんな作家がいてどんな作品があるのか、どのような背景があるのか、どんなふうに読み取れるのか、どんなふうにむつかしいのか、おもしろいのか、などを解説していきたい。背景の知識についても触れる。参加者は自分から積極的に作品を読むことが求められる。
 前期のAでは17世紀初頭の植民地時代から南北戦争のころまでを扱う予定。

 講義。ほぼ毎回ハンドアウト(プリント)を配布する。(前回のプリントの残りを毎度教室に持っていくとは限らないので、休んだ者は601研究室にもらいに来るなり、友人のをコピーさせてもらうなりの努力をしていただきたい。)

 

テキスト

 プリントを配布する。研究書・論文・参考書等は折に触れて提示したりプリントを配ったりリストを配ったりする。レポート課題作品はかつて、レポートの作品を自由にしたら内容がばらばらどころか人によるとぶっとんでいたので、レポート該当作品も含めて代表的作品リストを初回に配布する。

 

参考書

 現在日本人の書いたもっとも充実した米文学史の本は、渡辺利雄の『講義 アメリカ文学史 [3]』(研究社、2007)であろう(2010年内に第4巻が補遺として出ると聞く)。英語で書かれたもので、すぐれたものは、やや古いが、Marcus Cunliffe, Literature of the Unites States (1964; rpt. Pelican Books) だと思う。多文化主義的な文学史の見直しの流れを受けとめたうえで詳細なのは Emory Elliott The Columbia Literary History of the United States (Columbia UP, 1988) 1263pp.である。おそらく最も短くて文学趣味的なのはアルゼンチンの作家ボルヘスの文学史講義をもとにした Introduction to American Literature (Schocken, 1974) 95pp.である。
 さまざまな主題からの文学史的な本は、授業で折に触れて紹介する。一冊だけ前もってあげておくなら、正統キリスト教の視点から書かれた、ホーソーン学者Randall Stewartの、 American Literature and Christian Doctrine (1958)(邦訳『アメリカ文学とキリスト教』)。

 

 

 

授業計画

(前期)

米文学史A

各回のテーマ(目標)

各回の内容

第1回

移民の国アメリカ

イントロダクション:アメリカという国の性格について。

第2回

植民地時代の文学I

ピューリタニズムとタイポロジジカルな想像力。

第3回

植民地時代の文学II

エレジーと名前の重要性。

第4回

ベンジャミン・フランクリンの自伝

理神論(Deism) について。プロテスタンティズムと資本主義の精神。

第5回

チャールズ・ブロックデン・ブラウンとアメリカン・ゴシックの伝統

ノヴェル対ロマンス。ゴシック・ロマンス。

第6回

ジェイムズ・フェニモア・クーパー

Leather-Stocking Talesとウェスタン的英雄像

第7回

ワシントン・アーヴィング

ゴシックの変容とアメリカ的ユーモア

第8回

エマソンとアメリカ超絶主義

アメリカ的ロマン主義と自己信頼。ソローとホイットマン。

第9回

エドガー・アラン・ポー

ゴシックの多様性。芸術至上主義と象徴主義。

10

ホーソーンとロマンス

ホーソーンの小説論

11

メルヴィルの小説

小説の極限について

12

南北戦争その他

奴隷制の問題、『アンクル・トムの小屋』、スレイヴ・ナラティヴ。

13

ホイットマンとディキンソン

詩の独自性と現代詩へのつながり。

14

リアリズムの興隆と南北戦争

ジャーナリズムと文学。

15

オルコットと家庭小説

女性作家とリアリズム小説。

 

成績評価基準

 (1)授業内小テストと (2)作品4冊を読んでの試験およびレポートで総合的に評価。

 

その他

 後期の「米文学史B」との継続履修が望ましい。

 

 


 ●後期 ●2単位 ●3_

 米文学史B

 

授業の到達目標及びテーマ

 (1)アメリカ文学の流れをたどり、その特質を考えることと、(2)積極的に作品を読み文学テキストに触れること、により、アメリカ文学の歴史的なパースペクティヴを得ること。

 

授業の概要と方法

 アメリカ文学とはどんな文学なのか、歴史的に概説する。どんな作家がいてどんな作品があるのか、どのような背景があるのか、どんなふうに読み取れるのか、どんなふうにむつかしいのか、おもしろいのか、などを解説していきたい。背景の知識についても触れる。参加者は自分から積極的に作品を読むことが求められる。
 後期のBではリアリズムの成立から現代までを扱う予定。

 講義。ほぼ毎回ハンドアウト(プリント)を配布する。(前回のプリントの残りを毎度教室に持っていくとは限らないので、休んだ者は601研究室にもらいに来るなり、友人のをコピーさせてもらうなりの努力をしていただきたい。)

 

テキスト

 プリントを配布する。研究書・論文等は折に触れてプリントを配ったりリストを配ったりする。レポート課題作品はかつて、レポートの作品を自由にしたら内容がばらばらどころか人によるとぶっとんでいたので、レポート該当作品も含めて代表的作品リストを初回に配布する。

 

参考書

 現在日本人の書いたもっとも充実した米文学史の本は、渡辺利雄の『講義 アメリカ文学史 [3]』(研究社、2007)であろう(2010年内に第4巻が補遺として出ると聞く)。英語で書かれたもので、すぐれたものは、やや古いが、Marcus Cunliffe, Literature of the Unites States (1964; rpt. Pelican Books) だと思う。多文化主義的な文学史の見直しの流れを受けとめたうえで詳細なのは Emory Elliott The Columbia Literary History of the United States (Columbia UP, 1988) 1263pp.である。おそらく最も短くて文学趣味的なのはアルゼンチンの作家ボルヘスの文学史講義をもとにした Introduction to American Literature (Schocken, 1974) 95pp.である。
 さまざまな主題からの文学史的な本は、授業で折に触れて紹介する。一冊だけ前もってあげておくなら、正統キリスト教の視点から書かれた、ホーソーン学者Randall Stewartの、 American Literature and Christian Doctrine (1958)(邦訳『アメリカ文学とキリスト教』)。

 

 

 

授業計画

(後期)

米文学史B

各回のテーマ(目標)

各回の内容

第1回

南北戦争とアメリカ文学のリアリズム

前期のまとめ的に。

第2回

サミュエル・クレメンズと語りのスタイル

American Vernacular と呼ばれる文学的文体について。

第3回

ヘンリー・ジェイムズと視点の問題

小説における the point of view 、小説の閉じ方 (open ending)について。

第4回

アメリカの自然主義文学

フランク・ノリス、セオドア・ドライサー、スティーヴン・クレインなど。

第5回

アメリカ文学の世紀末

世紀末思想とアメリカ文学。エコロジー、神秘主義、神秘学。

第6回

ロスト・ジェネレーションの文学I

第一次大戦後の社会と文学。アーネスト・ヘミングウェイ、ウィリアム・フォークナー

第7回

ロスト・ジェネレーションの文学II

F・スコット・フィッツジェラルド、ジョン・ドス=パソス

第8回

シャーウッド・アンダソンの『ワインズバーグ、オハイオ』

小説の主人公と近代的自我。

第9回

ウィラ・キャザーとジョン・スタインベックの小説

ノスタルジアと暴力。自然主義とロマンス。

10

SFと探偵小説

小説とジャンルの問題

11

エリオット、パウンド、スタイン

モダニズムの問題

12

ビート・ジェネレーションの文学

第二次大戦後の社会と文学。

13

カウンター・カルチャーとアメリカ文学

トマス・ピンチョンその他。

14

ニュー・ジャーナリズムとリアリズム

1980年代のアメリカ短篇小説の流行

15

同時代作家たち

現在のアメリカ文学

 

成績評価基準

 (1)授業内小テストと (2)学年末60分定期試験と (3)作品3冊を読んでのレポートで総合的に評価。

 

その他

 前期の「米文学史A」との継続履修が望まれる。