2005年10月17日
内閣総理大臣
小泉 純一郎 様
                                         小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟団

                           抗 議 声 明

本日、10月17日、ついに小泉首相は靖国神社への参拝を強行した。まさに常軌を逸したというべき今回の首相の靖国参拝に対して、私たち「アジア訴訟団」の原告は、憤激な思いをもつて抗議する。
天皇制国家体制を正当化し、賛美する靖国思想の中でどれだけ多くの人々が傷つき倒れていったことか。今なお、そのような国家神道が生き続けている靖国神社に、一国の首相が参拝し、戦没者を顕揚することが、どのような意義を持つものか、もはや言うを俟たない。
私たちはこの靖国訴訟において、様々な重圧を被りながらも、ひたすら人格権としての信教の自由を求め、精神の苦痛を訴え続けてきた。そのような原告の思いを、まるで切り捨てるがごとき今回の首相の行為に対して、私たちは言葉を失うほどの屈辱をおぼえるものである。
小泉首相は現在、全国五地域において「靖国神社参拝差し止め」、「精神的苦痛に対する損害賠償」を求める裁判の被告として提訴されている真っ直中にある。
しかも、「アジア訴訟(第二次)」大阪高等裁判所判決(9月30日)は、小泉首相の靖国神社参拝が、このように国家神道の跋扈を再び許さないために設けられた憲法20条に違反する行為であるときわめて明解な警告を発しており、この判決は確定している。
憲法第九十九条に「天皇又は摂政及び国務大臣…は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と規定されているように、憲法を最も遵守すべき立場にある首相が、判決に対して、なんの意にも介せず、「なぜ憲法違反なのかわからない、私は憲法違反だと思わない」(大阪高裁判決に対する談話)と判決を一蹴した。
日本の最高権力者が憲法を無視して、思惑のままに自らの行動を正当化することができるならば、そもそも憲法も法律も不要である。
そのような小泉首相の、資格においても思想において破綻した「確信的な行為」を、なお支え続ける国民の存在することを熟知して、日本国家と国民とを一定の方向に向わしめようとする、その政治姿勢は、まさしくファシズムというべきものである。
現代日本の精神状況を支配し続ける国家のかかる策謀を阻止していくために、私たちは「屈せざる魂」をもって、あくまで抗する立場を貫いていくことをここに表明する。