インクジェットプリンター・後編 2003.2.19 before next前回は今までのプリンターについて述べた。今回は各社のプリンター全般について、ネット上や雑誌の記事などの情報などから、個人的見解をまとめてみた。
先ずシェアトップのエプソンである。エプソンは当初から相当な写真画質にこだわり、インクヘッドにはインクを精密にコントロールできるピエゾ素子によるオンデマンド方式を用いていた。ピエゾ素子は電圧をかけると変形する素子で、これによりノズルのインクが押し出され印刷される。
このピエゾ素子、エプソンの写真画質を支えてきたのであるが、一部で言われているのが劣化が速く、ある一定時間使わないと完全にインクが固まってしまうと言う欠点がある。そのため電源投入時に必ずヘッドクリーニングを行いインクの消費量も多い。インク凝固を防ぐため、インクに混ぜられる溶剤の割合を増やしたが、よりインクの消費を増やすことになっている。
一方キャノンは、インクの一部を加熱し、気化により出来た泡の広がる勢いによりインクを噴き出す、バブルジェット方式が採用されている。hpも加熱場所は異なるが同様の方式である。インターネットの評価を見ていると、こちらの方がヘッドの劣化は少なく、インク凝固に強いシステムのようである。
エプソンのインクジェットプリンターは光沢紙などの専用紙に写真を綺麗に印刷する時のみ有効であり、多数のテキストを印刷する目的にはあまりおすすめできない。また、ヘッドの取り替えは保証期間内であっても、保証対称外で有償扱いになる。一部では数百枚の年賀状印刷で壊れたと言う話しも聞こえてくる。キャノンは今まで使ったことが無いので何とも言えないが、独立タンク式は大量の年賀状やカラーイラストを印刷するときに有効である。しかし一部で聞いたところによると、インクタンクが透明なため頻繁に使わないと、タンク内でのインクの凝固が起きやすいと言う。インクヘッドの劣化については、毎日使っている販売店のデモ機ではトラブルは起きないと言う。ヘッドの取り替えも比較的容易で、補修部品扱いで取り寄せ可能とのことである。以前のF300・600シリーズでは、サプライ品としてインクヘッドの販売を行っていたが、十分信頼性があると言うことで、補修部品という扱いになったらしい。
hpについては、最新のdeskjet5551および同機をベースにした多機能プリンターpsc2150などは、フォトインクを採用しdeskjet990cxiなど900シリーズで後れをとっていた写真画質も十分にエプソンキャノン両社に肩を並べ、日本国内におけるシェア拡大に力を入れている。
しかし、hpのプリンターには構造上の致命的欠点があり、今のところ4辺縁なし印刷が出来ないのである。4辺縁なし印刷はエプソンがこれを初めて採用し、ユーザーからの要望が多くキャノンも後に追随した。
しかしhpのプリンターは前面給排紙システムのため、どうしても下端部を印刷するとき機構上、1cmほどの空白が生まれる。A4サイズの紙を使う場合あまり気にならないが、L版のフォト用紙は使い物にならない。またはがきでは官製はがきの差出人の郵便番号枠が印刷不可能となる。デジカメが普及した現在では大きなマイナスポイントであるし、プリンターの使用目的のうちの大きなウェートをしめる年賀状印刷ではデザイン面で大きな制約が生まれる。deskjet5551からは何とか3辺縁なしに対応し、下端部の空白は切り取ることで対応している。
hpは前面給排紙構造で4辺縁なしが出来るように研究しており、この欠点が解消されたとき、日本国内でのhpのシェアはエプソンキャノン両社に肩を並べるのではないかと思う。最後にもう一度エプソンの話題であるが、同社のインクジェットプリンターはPMシリーズ以降写真画質に特化した製品を作ってきたが、キャノンやhpに比べ普通紙印刷が苦手で最近シェアを落とし気味であった。そのため顔料系インクを使った、PX-V700および複合機CC-600PXを最近発表した。このPXシリーズによるエプソンの巻き返しも注目される。