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搭乗ゲート
見送りに来て息白くからみあふ
待つことのひと日ひと日にさくら咲く
葡萄酒にはるかな昔ある春夜
不揃ひな菜箸春の来てをりぬ
花の夜の先に帰つてしまひけり
薫風や木にも目覚めのあるといふ
告白のとき焼酎の酔ひ少し
いつしんに雨を受けたる額の花
いちにちを微熱に過ごすさくらんぼ
会はぬ日の背筋をのばす夏料理
風鈴のひそかに人を迎へけり
沈黙の鮮やかなりし緑夜かな
ゆかりなき人と手花火ともにして
空梅雨の旅の支度のはかどらぬ
出国の列長かりし暑さかな
鐘いくつ鳴れば始まる夏の宵
旅先にもらひし薔薇の開きけり
搭乗のゲートの先の星月夜
長梅雨や直すつもりの好き嫌ひ
風の日は風に任せて冷奴
誰も居ぬ広間へと鮎運ばるる
相席を拒んでをりし冷酒かな
汗かすか人の背中に手をやれば
終戦日パウンドケーキ切り分けて
朝顔の留まる空を探しけり
ややありて次のひぐらし鳴きにけり
秋うらら思はぬ客の下手より
裏方に確かに渡す秋扇
気を許す秋の畳に並びゐて
行くも帰るもコスモスの揺るる中
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