VAIO SRシリーズ用バッテリー PCGA-BP2Sセル交換方法
文責:遠山の金さん
本ページは,VAIO SRシリーズ用バッテリー PCGA-BP2Sのセル交換について記載したページです.
1.はじめに
PCG-SRシリーズ,SRXシリーズは,それまでの505系で使用されていた3セル式バッテリの2倍の容量のバッテリーパックを標準としています.そのため,カタログ値で5時間程度と,大変長いバッテリー稼動時間を実現しました.いわゆるモバイルノートですから,このスタミナは大変うれしいものでした.
しかし,バッテリーセルは消耗品ですので,永久に使えるわけではありません.また,6セル式としたことで,新品バッテリーの価格も大変高いものになってしまいました.
SRシリーズは発売終了後かなりの時間が経過しています.ユーザーの方々はバッテリーの寿命問題に悩まれていることと思います.かくいう私も,SR9とSRX3Fユーザーで,BP2Sの問題は深刻です.なるべく安価にバッテリーを復活させるべく内臓セルの交換に挑戦したところ,一応成功しましたので,ここに遺しておくこととします.
2.注意
本ページ内記載の情報を参考に所有の機械に手を加え,その結果不具合が生じたとしても,筆者は責任を負いません.特にリチウムイオンバッテリーの取り扱いには注意が必要らしいです.取り扱いを間違えると,発熱,発火,最悪爆発の可能性もあり大変危険です.あくまで自己責任において作業してください.
3.方法
3-1 用意する物
・ドライバ(小+)
・ドライバ(中−)
・トルクスドライバ(5番)
・ニッパ(大)
・ラジオペンチ
・半田ゴテ,半田
・ステンレス用フラックス
・カッターナイフ
・度胸
3-2 BP2Sの分解とセルの取り出し
BP2Sです.6セル内臓しているだけあって,重いです.3年前に購入したSR9に付属していたものです.1年以上前から全く充電されない状態です.もちろんACアダプタを抜くとその瞬間本体の電源が落ちます.今回はこのセルを交換します.
写真-1 PCGA-BP2S
四箇所にあるシールをカッターではずします.その下のねじを外します.これらのねじはトルクス5番で外せます.

殻割します.両手で力を入れ,少しずつひねります.だんだん緩くなってきたら,隙間の広い場所をきっかけにマイナスドライバーをこじ入れ,割ります.ツメは主に後方側でひっかかっているようです.前方をきっかけにするとツメを壊すことなく開けることができます.ツメがしっかりしていれば,最後にきれいに戻すことができます.
私個人の感覚としては,BP51よりも殻割しやすいと感じました.軽量化のためか上部側に当たる部分にはシール状の薄い素材が多く使われています.

バッテリーセル,内臓基盤を取り出します.セルは例によって両面テープでとまっているだけですので,写真のようにマイナスドライバでこじって外します.

ばらばらになりました.

タブからセルを切り離します.私はマイナスドライバを使い,テコの原理でこじってスポットを外しました.

外したセルです.18650GRタイプです.

3-2 未使用バッテリーからのセルの取り出し
さて,交換用のバッテリーです.おなじみ?吉野電装さんにお願いしました.
リチウムイオン電池US18650GR(3.7V1800mAh)×2本パックを3セット注文しました.下がそのバッテリーです.なんでしょう,SONYのビデオカメラか何か用のようですね.

こちらはセルのみが必要ですから,大型のニッパーで一気にバキバキと割って行きました.下の写真が中の様子です.直列に二本入っています.多くの方は元のタブを残して流用しているようですが,私はきれいに外しました.フラックスを使えば半田付けも楽ですし,タブ合わせの手間もないと考えたからです.

3パック分取り出しました.

3-2 セルの取り付けと確認
写真のステンレス用フラックスを使って半田付けしました.フラックスも半田もほんとにちょっとだけしか使いませんでした.以前BP51で半田を厚く付け過ぎてしまい,元通りケースに収めるのに大変苦労した挙句,元のセルが変形してしまったので,その反省からです.
半田付けには注意が必要です.リチウムイオンセルは熱を加えると爆発の危険があるということですので,半田作業はセルを冷ましながら少しづつ行いました.私は20Wのものを使いましたが,コテも大容量のもので一気にやっつけた方が若干気が楽だと思います.
後は元に戻すだけです.今回はきれいに入りました.

この状態で本体に接続し,AC駆動した結果,1時間たっても41%のまま・・・.LEDはベカベカ二回点滅していますが,一向に充電されません.今回はヒューズが原因でしたか・・・.
3-2 ヒューズの取り外しと取り付け
電圧チェックもヒューズの導電チェックもしないまま作業するなということですね・・・.というわけで,ヒューズを交換します.ヒューズは写真の位置にあります.BP51とほとんど同じ感じです.左の写真がヒューズです.今回はペンチで強引にパキッっと剥がしました.
もとの位置に写真の様にワイヤーを半田付けします.ヒューズとして機能するかどうかはナゾですので,絶対に真似しないでください.
今度はきちんと充電されました.バッテリーでの起動も大丈夫です.機能しなかった直接の原因はヒューズのようでしたが,まあ,使用年数からしてどうせセルもだめでしょう.よって,セル交換も意味があったと解釈しました.
外観もまあ普通どおりです.

4.終わりに
リチウムイオン電池2,670円と手間,そして高いリスクでBP2Sを復活させることができました.強引さが必要な殻割,繊細さが必要な半田付け,と,かなり疲れる作業です.最近では,リフレッシュサービスを請け負う業者さんもいらっしゃいますし,社外のバッテリーも発売されるようになりましたから,ここまで自分でやるメリットはないかもしれませんね.
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2003年09月23日