興味づけ.lzh
pLaTexソース & dvi /

通常の授業だけでは、
進んだ興味を持つ生徒を引きつけることはなかなかできません。
授業を越える内容を与えることにより、能力の高い生徒の興味を引きだして、
学力を伸ばしてやろうと始めました。
フェルマーの小定理
a,bを整数とし、nを自然数とします。
a, b をnで割った余りが等しいとき a≡b (mod n)と書き、
a, b は n を法として合同であるといいます。
n は省略することもあります。
さてpを素数とするとき
a^{p-1}≡1 (mod p)
が成り立ちます。
ただしa^{p-1}はaのp-1乗を表しています。
証明
a^1,a^2,...,a^p はp個あり、どれもpで割り切れないので
余りが1,..,p-1のいずれかになるので、余りが一致する
ものが存在します。それをa^n,a^m (n>m)としましょう。
このとき a^n-a^m=a^m(a^{n-m}-1)がpで割り切れますが、
a^mは割り切れないのでa^{n-m}≡1となります。
つまり、a^k≡1となるものが存在します。
このときkはp-1の約数になるので、a^{p-1}≡1となります。
約数になることを証明しましょう。
G={1,2,...,p-1}, H={a,a^2,...,a^k=1}とおきます。
さらに G の要素gをとって gH={ga,ga^2,...,ga^k=g}とおきます。
このときgHとhHは一致するか共通部分を持たないかのどちらかに
なることが容易にわかります。
このことから、GはgHの形の集合の和集合として書けますが、
それらは共通部分を持たないk個の要素からできています。
したがってkはp-1の約数になります。
フェルマーの小定理(オイラーによる拡張版)
nを自然数とします。
nと互いに素で、n以下である正の整数の個数をφ(n)で表します。
a,nを互いに素な自然数とすると、
a^{φ(n)}≡1 (mod n)
が成り立つ。
証明
a, b を n と互いに素な整数とすると、
ab も n と互いに素な整数となる。
この事実から、1,2,...,n-1 の中で
n と互いに素な数全体を考えることにより、
フェルマーの小定理と同様に証明することができる。
NEW!
No.46 正七角形に関する問題です。
瀬山先生から聞いた問題です。
正七角形の辺と2本の長さの異なる対角線をそれぞれa,b,cとすると,
1/a=1/b+1/cというきれいな関係があるそうです。
これを示して下さい。
ちょっと長くなるので、概略だけですが。
三辺の長さが a, a, b の三角形と、
b, b, c の三角形はともに同じ円に内接しているので、
外接円の半径を R, 辺に対する円周角を θ=π/7 とすると、
a/sinθ=b/sin2θ=c/sin3θ=2R となる。
これから、
1/a=1/b+1/c <=> 1/sinθ=1/sin2θ+1/sin3θ
<=> cos5θ+cos2θ=cos4θ+cos3θ
となりますが、
θ=π/7 のとき、この式は左辺も右辺もともに0であり、
成り立つ。
これはきれいな関係なので、例えば、正奇素数角形に対して
成り立つなんてことは無いかなあ〜〜〜。
No.45 数3の極限の問題です。
x が -∞ になるとき、分子は正で分母は負です。
したがって結果が1になることはありません。

または t=-x とおくことにより

と考えても分かり易い。
No.44 空間ベクトルの問題です。
空間内の点A(-1,2,-2)から直線 (x,y,z)=(1,1,0)+s(1,1,-1)
へ下ろした垂線の足Hを求めたい。
H(1+s,1+s,-s) とかけるので (-1,2,-2)・(1+s,1+s,-s)=0 を解けばよい。
冬休み前の試験で多くの生徒がこうやっていましたが・・・
点の座標とベクトルを混同しているようで、
はっきり H と 直線 が垂直だとかいてあった生徒もいた。
小文字化(位置ベクトル化)は内分点、外分点の計算にはよいが、
成分が入ってきたとき終点の座標とベクトルの違いを認識しないまま
学習を進めている生徒が多いようである。
問題とした式は というものなので、
聞かれた問題の解答にはならない。
正しくは
である。ともに結果は s=0 となるので混乱が生じやすいが、
逆に疑問を持った生徒の定着は良いようである。
No.43 1つの数字をいくつか使って、100を作れ。
瀬山先生のwebページに、上記の問題がありました。
33×3+3÷3 や 99+9÷9 が例です。
1+1+...+1 (1を100個足す)も例なので、
いかに少ない文字数で表すかが問題ですね。
上記webページには、3つと2つの表し方があるとだけ
かいてありました。この話をクラスの生徒にしたら、
早速いくつか作ってきました。
No.42 か
試験前に生徒に聞かれました。
間違っていることはわかっているのですが、
でも、どうして間違っているのか納得ができないそうなのです。
だから、定義が違うというのは無しですよ。
分母を払った式
が成り立つか?
と考えてみましょう。
このとき、dx^2 は1次微分の2乗で、
d^2xは2次微分なので、例えば x が t の1次関数なら、
dx^2は定数だが、d^2xは0になってしまう、と説明したら
わかったような顔をしていました。
厳密には、高校で「微分」を教わらないので、
説明もいい加減ですが・・・
ところで、このように微分を前面に押し出すと、
が成り立つとは限らなくなる。
「エー」と思う方は、
日本評論社 dxとdyの解析学 高瀬正仁 をお読みください。
No.41
3,3,8,8 の数字と四則演算、括弧のみで24を作れ
これは難しい。生徒がこれはどうだと言ってきたものです。
といっても、1分でできた者、5分でできた者、
1時間かかった者、5時間かかった者と様々でした。
25, 23, 48, 12 なら簡単なのにねえ。
8÷(3-8÷3) = 24 です。
8÷1/3 つまり、逆数で割るというのは気づきませんでした。
難しいといえばわり算しかないと考えるなら、
すぐに気づくようです。
No.40
直線は垂直か
2直線 mx-y-m=0, x+my-2m=0 の交点の軌跡を求める問題は
よくありますが、これらが直交することを使う解答があります。
y=mx-m, y=(-1/m)x+2 ゆえ傾きの積が -1 となるので直交する
と書く生徒がたくさんいます。これは正しいのでしょうか?
m=0 の場合を無視しています。
どんな実数mに対しても、つねに直交するということを
示さなければなりません。m≠0のときの証明としては良いのですが、
「m=0のとき2直線は y=0, x=0 となってx軸、y軸を
現しているので直交する」と述べなければなりません。
「どんなmに対しても成り立つ」という認識を持つことが
苦手ですね。中学では具体的認識が重要ですが、
高校ではすべての場合に気を配る必要があります。
ぜひ身につけたい重要ポイントです。
No.39
数字4個と四則演算で10を作る
この問題はむかしはまったことがあって、
正の異なる4個の場合はすべて可能でした。
0が入ったり、同じ数字があった場合は難しくなります。
1,1,9,9 と+−×÷と()のみを用いて10を作れというのは
一番難しい部類でしょう。昔考えたときはできませんでした。
今回あるwebを見ていてやっぱりわからなかったのですが、
昔答を見たせいなのか、今回は10分程度でわかりました。
この問題も修学旅行中に生徒に出していたら、
もう少し簡単な問題がありました。
(1)2,2,2,2で10を作れ
(2)3,3,3,3で10を作れ
(3)8,8,8,8で10を作れ
(4)9,9,9,9で10を作れ
(5)2,6,8,8で10を作れ
ところで、できるかと聞いているのだから
出来ないというのはどうでしょう。
例えば1,1,1,1ではできないことを示せ。
こちらはクイズというより、立派な数学です。
1は直感的に正しい理由がありますが、
4,4,4,4などは難しいでしょうね。
(1÷9+1)×9 = 10 です。
計算の最後にならないと整数でないというのが
難しい原因なんでしょうね。
(1)2×2×2+2, (2) 3×3+3÷3,
(3)(8+8)÷8+8, (4) (9×9+9)÷9,
(5)(2-6÷8)×8
No.38
ハンバーガーを均等に分ける
パン2枚の間に1種類の具を挟んだ物を
考えます。形はきれいな対称形とはかぎりません。
これにまっすぐ(斜め可)包丁を入れ、
上下のパンも中の具もちょうど半分にしたいのです。
次のように考えてみました。
上のパンの重心をP, 中の具の重心をQ, 下のパンの重心をR とするとき
3点で決まる平面に沿って切ればよい。
この方法は、3種類ものであれば必ず3種類とも当分に
分けることができることを示している。
正三角形の重心を通る直線で面積は2等分にできません。
だから、この方法では無理ですね。
中間値の定理を使って考えてみましょう。
昔からある問題のようにも思いますが、
先日のSEMの雑談の中で出ていた話題です。
No.37
ピタゴラス数の性質
a^2+b^2=c^2 を満たす自然数の組(a,b,c)をピタゴラス数と
いいました。a,bのどちらかは偶数だという事実はよく知られていて
ピタゴラス数を全て求めるのに使います。前日生徒が言ってきたので
気づいたのですが、a,b,c のいずれかは5の倍数になります。
またa,b,cのいずれかは3の倍数になります。
mod 5 で考えると、0^2≡0, 1^2≡1, 2^2≡-1, 3^2≡-1, 4^2≡1
ゆえ、a^2+b^2=c^2 を mod 5 で考えると、
0+0≡0, 0+1≡1, 0-1=-1, 1+0≡1, 1-1≡0, -1+0≡-1, -1+1≡0
しかない。したがってa, b, c のいずれかは5の倍数である。
3の倍数であることも同様である。
No.36
素数の表示
pを奇素数とするとき、p!を展開した数に現れる数字を全て足すと
3の倍数になる。例えば5!=120だから1+2+0=3
3の倍数だから当たり前^^;
生徒が見つけたんだけど、
当たり前だということに気づくのに1日かかっちゃった。
No.35
瀬山先生の問題3
どんな素数も9...9という形の数の約数として
現れる。
フェルマーの小定理を使いましょう。
フェルマーの小定理から
任意の素数pに対して、
10^(p-1)≡1 (mod p)
が成り立つ。
したがって 10^(p-1)-1=9...9 (9がp-1個続く)は
pを因数に持つ。
No.34
瀬山先生の問題2
適当な自然数nを使えば、
3^nの最後が ...0...01 とできる。
ここでの0の個数はいくつにもできる。
フェルマーの小定理を使えばできます。
使わなくてもできるそうですが。
φ(10^n)=10^n(1-1/2)(1-1/5)=4×10^(n-1) なので
3^(4×10^(n-1))≡1 (mod 10^n) ゆえ
これが答えを与える。
例えば、3^40, 3^400, 3^4000, ... である。
aが10と互いに素、つまり2や5を因数に持たなければ
a^40, a^400, a^4000, ... は同じ性質を持つ。
No.33
瀬山先生の問題1
6=1+2+3のように、
ほとんどの自然数は連続する自然数の和として表せる。
だめな数はどんなの?
表し方は何通りあるのだろう。
球を等脚台形の形に積み上げることと同じである。
奇数段の場合、中央段の数×高さ=総数である。
偶数段の場合、中央2段の平均×高さ=総数である。
したがって、奇数(=高さ)×a, 奇数/2(=中央段の平均)×偶数
の形になったときである。
また、奇数因数を持たない数は、このような和に書くことはできない。
18=3^2×2ゆえ、
3×6, 9×2, 3/2×12, 9/2×4から
5+6+7, 3+4+5+6 の2通りである。
2番目と3番目に対応する和はない。
No.32
不等式の証明
a^2-ab+b^2≧0 であることを示すのに,
左辺=(a-b)^2+ab≧0 としました。
もちろん間違いですが,この後続けて正解にできますか?
K君の解答です。
ab≧0 なら成り立つ。
ab<0のときは,
左辺=(a+b)^2-3ab>0であり成り立つ。
ちゃんと等号も分かります。
No.31
数の不思議
692307 と 923076 の最大公約数は 230769
461538 と 615384 の最大公約数は 153846
230769 と 307692 の最小公倍数は 923076
です。飯高茂氏の講演で出てきた話です。
どうしてこうなるか? 他にも作れますか?
Hint : 1/13
692307 = 999999×0.\dot69230\dot7=9×999999/13
923076 = 999999×0.\dot92307\dot6=12×999999/13
だから,GDC(692307,923076)=3×999999/13=999999×0.\dot23076\dot9=230769
後は同じですね。
同じ数字が繰り返しが現れるのは,同じ数で割ったわり算の商を使うからです。
あまりの出方に規則性があるので,商は数字がずれてでてきます。
No.30
続ピタゴラス数
(3,4,5)のように,最大の数と中間の数の差が1となることに
注意が向くことは多いですが,
この事実から,無限に多くのピタゴラス数を
小学生でも分かるように,簡単に見つけることができます。
5^2=25×1=(13+12)×(13-12) だから 13^2=5^2+12^2
7^2=49×1=(25+24)×(25-24) だから 25^2=7^2+24^2
これは,奇数の平方数に対して必ず作ることができます。
生徒H君のレポートを見ていて気付きました。
No.29
上手く数字を入れてください。
次の()に適する数字を入れてください。
この枠内には
0が( )個,1が( )個,2が( )個,3が( )個,4が( )個,
5が( )個,6が( )個,7が( )個,8が( )個,9が( )個
あります。2002.10.3
公演の最中に出されたこの問題を解いて,
ピーター人形をもらってきました。
握手もしてきたぞ。
この枠内には
0が( 4 )個,1が( 5 )個,2が( 7 )個,3が( 2 )個,4が( 2 )個,
5が( 2 )個,6が( 1 )個,7が( 2 )個,8が( 1 )個,9が( 1 )個
あります。2002.10.3
かなり難しいですね。一般に解く方法があるのか,分かりませんが,
ピーターは次の事実を言っていました。
()内の数を全部足せば当然のことに 27 となる。
実際にはこのような数字の組み合わせが無いことも,
複数あることもあるそうです。
複数あるのは時間をかければわかるかもしれませんが,
無い場合の証明は厳しそうですね。
修学旅行中に生徒にこの問題を出したら、
N.S.君が解いてきました。上と違うので、
あげておきますね。
0が( 4 )個,1が( 5 )個,2が( 6 )個,3が( 3 )個,4が( 2 )個,
5が( 2 )個,6が( 2 )個,7が( 1 )個,8が( 1 )個,9が( 1 )個
あります。2002.10.3
No.28
ピタゴラス数
l^2+m^2=n^2 となる正の整数の組(l,m,n)を
ピタゴラス数といいます。直角三角形を表す整数の組ですね。
普通 n^2-l^2 を因数分解するか,(l/n)^2+(m/n)^2 の有理点を
考えるのですが,次の方法はどうでしょうか。
x^2+(2x+1)=(x+1)^2 だから 2x+1 が平方数なら良い。
実は,この方法は容易に一般化できて,
かなり多くのピタゴラス数を文字で表すことができます。
x^2+(2nx+n^2)=(x+n)^2 だから
2nx+n^2=p^2 となればよい。
p は n の倍数だから p=nq とおくと,
x=n(q^2-1)/2
上の議論はちょっと間違いがあります。
分かりますか?
間違ってなければ,すべてのピタゴラス数が
こう書けちゃうもんね。
No.27
平方数
121=11^2 ですよね。
じつは,12321, 1234321, 123454321 等はすべて平方数です。
10201 等のように 0 が入っても成り立ちます。
理由は簡単ですが,分かりますか?
ところで,これは私のクラスの生徒Wさんが見つけました。
121 = 110 + 11 = 11*10 + 11 = 11*(10+1)=11*11
12321 = 11100 + 1110 + 111 = 111*(100+10+1)=111*111
1234321 = 1111000 + 111100 + 11110 + 1111
=1111*(1000+100+10+1)=1111*1111
以下同様ですね。
No.26
正15角形の作図方法
正三角形の作図方法はわかりますよね。
正5角形の作図は結構難しいのですが,
ここではそれを使って正5角形の作図も出来たとしましょう。
このとき,正15角形の作図って出来ますか?
ガロア理論を使わなくても,簡単にわかりますよ。
hint : 2/5 - 1/3
2/5 - 1/3 = 1/15 ですね。
これは,1つの頂点をあわせて,
同じ円周上に正三角形と正五角形の頂点をとったとき,
3番目の正五角形の頂点と2番目の正三角形の頂点の
間の弧が正15角形の1辺に対する弧になることを
示していますよね。
一般には,辺の数が 2^lp_1p_2...p_n の正多角形だけが
定規とコンパスだけで作図することが出来ます。
ただし,p_i はフェルマー素数(2^2^l+1の形の素数)です。
上の事実から,フェルマー素数に対して正多角形の作図が出来れば
それを組み合わせた正多角形の作図も出来ますね。
No.25
絶対値のはずし方
|A|=A (A≧0), =-A (A<0) と教科書に書かれています。
では,次のように書いてはいけないのでしょうか。
|A|=A (A>0), =-A (A≦0)
-0=0 なので,もちろんかまいません。
さらに,
|A|=A (A≧0), =-A (A≦0)
としてもかまいません。しかし,
|A|=A (A>0), =-A (A<0)
はいけません。
A=0 の場合が抜けているからですね。
No.24
因数分解は1つだけ?
よくある複2次式の因数分解の問題です。
「x^4-6x^2+1を因数分解せよ。」
答えは,
x^4-2x^2+1-4x^2=(x^2-1)^2-(2x)^2=(x^2+2x-1)(x^2-2x-1)
で良いですか?
x^4-6x^2+9-8=(x^2-3-2√2)(x^2-3+2√2) や
x^4+2x^2+1-8x^2=(x^2+2√2x+1)(x^2-2√2x+1)
も正解ですね。
他にはないのでしょうか。
それを証明できますか?
No.23
複素数をベクトルと見る
複素数α,βに対して,ベクトルαβという使い方はよいかと話題になった
のですが,この問題はいかがでしょう。
原点中心の単位円周上に5点をとり,正五角形を作ります。
A(1), B((cos72度+i sin72度)) とします。
頂点を A から B に向かって C, D, E とおきます。
B(α)とするとき,2直線 CB, EA の交点の座標(複素数で!)をαで表せ。
求める座標を z とおくと,
ベクトル方程式を考えることで,
z-1=t(1-1/α), z-α=t(α-1/α) を得る。
これから z を消去すると,1=t(1/α+α).
ゆえにz=1+...= と簡単に求まる。
このベクトル方程式は,A, B を中心に開いた角が180度であることを
複素数を使って表しても得ることが出来るが,
複素数の問題を,ベクトルや座標幾何を使って良いという認識が
無いようなので上げてみました。
いかがでしたか?
No.22
式の値
a, b, c をすべて異なる数とします。
(b^3+c^3-a^3)/a^2=(c^3+a^3-b^3)/b^2=(a^3+b^3-c^3)/c^2=k とおくとき
次を証明せよ。
(1) a+b+c=k/2
(2) ab+bc+ca=0
(3) abc=k^3/24
アイディアが無くて,やみくもに計算してもうまくいきません。
条件が a, b, c について対称なので,一般には和や差を取るのが良いとされていますが?
No.21
多項式の係数を求める方法
多項式の2次の項の係数を求める方法について考えます。
(1)1次以下の項を消す魔法はありますか?
(2)3次以上の項を消す魔法はありますか?
具体的には,(x+1)^5 の展開式における x^2 の係数を求めてみてください。
x^2 の係数を A とすると,
(x+1)^5 を x で2回微分すれば 20(x+1)^3=x(多項式)+2A となるので,
係数は x に 0 を代入して 10 とわかります。
(1)の答えは微分することで,(2)の答えは x=0 とすることです。
この方法で,(x+1)^5(3x+2)^3 の展開式の係数もわかります。
センターの演習で生徒に見せたらかなり感激していました。
No.20
楕円のパラメータ
楕円 x^2/a^2+y^2/b^2=1 上の点P(a cosθ,b sinθ)について,
線分OP とx軸の正の方向とのなす角はθですか?
円上の点Q(a cosθ,a sinθ)については,
線分 OQ と x軸の正の方向とのなす角はθです。
OP はこの線分とは傾きが異なるので,
正しくありません。
No.19
漸近線
y=x+√(x^2-1) の漸近線を簡単に見つけられますか?
x の絶対値がとても大きいとき,
y=x+√(x^2-1)≒x+√(x^2)=x+|x|
なので,x→∞ のとき y≒2x だし,
x→-∞ のとき y≒x-x=0 です。
これがわかれば,実際に確かめることは容易ですね。
一番大きい次数の項を残して他の項を無視すれば,
教科書によくある分数の形の場合,漸近線があるかないか,
漸近線は何か,簡単にわかります。
No.18
神様の順列
5個の青球,3個の赤球,2個の白球の中から何回か1個ずつ選ぶ。
選んだ球は元に戻さないとき,
(1) 3回目に赤球を選ぶ確率は簡単にわかりますか?
10個の球の中に当たり(=赤球)3個が入っていると
考えましょう。くじ引きの公平性から,
3回目に当たる確率は最初に当たる確率と
同じなので,3/10 です。
(2) 1回目から順に青,赤,白と選ぶ確率は簡単です。
(3) では,3回目から順に青,赤,白と選ぶ確率はどうでしょう。
実は(1)と同じように,順番に依らないので
1×1×5/10×3/9×2/8×1×・・・×1=1/24 となります。
すべての場合を順列で考えると,分母は 10! です。
分子は3回目から青赤白と並ぶ順列は,
最初から青赤白と並ぶ順列とちょうど同じだけありますから,
分子は 5×3×2×7! となって,(2)の解答と一致します。
ここで重要なのは,すべての場合を見渡してみると,
順番に依らなくなるということです。
この事実を神様の順列というようですね。
No.17
三角関数の...
という計算は正しいですか?
cos1/2=cos(90/π)°≒cos28.6°です。
Mathematica で計算したら約0.878 でした。
間違えないように一所懸命に覚えたのだろうけれど,
ここに cos や sin をつけてはいけないのですよ。
No.16
ベクトルの表限
矢印が出せないので,補って読んでね
3点A, B, C の位置ベクトルをOA, OB, OC とします。
三角形ABCの重心の位置ベクトルは,ベクトルOA, OB, OC を足して
3で割ったものですよねえ。
3で割るとよく言いますが,ベクトルのわり算はありません。
あくまでも 1/3 倍ですからかけ算ですよ。
No.15
複素数の角
複素数平面上に「く」を左右逆にした形の角を作り,
下の点からα,β,γとする。
このときarg(γ−β)/(α−β)は左の鋭角を表しますか?
それとも右の鈍角を表しますか?
ただし角の向き(正負)は表現しにくいので無視しています。
辺αβを正の向きに回転させて辺γβに重ねるように
動かすときに出来る角がarg なので,右側の角です。
何となく角の小さい方という感じがすることがあり,
間違いやすい角です。
No.14
角の二等分線
三角形ABCの頂角Aの二等分線が辺BCと点Pで交わるとき,
AP : PB = AB : BCとなるが,この性質を使って
ベクトルAPをベクトルAB, AC で表すのが普通である。
しかし,この性質を使わなくても,
簡単なベクトルの性質で出来ないだろうか。
AC倍のベクトルAB+AB倍のベクトルAC は直線AB, AC を辺に持つ
ひし形の対角線となるので,角Aの二等分線となる。
よって,ベクトルAP=(AC倍のベクトルAB+AB倍のベクトルAC)/(AB+AC)
となるから,AP : PB = AB : AC がわかる。
No.13
有理点を持たない図形
円x^2+y^2=1上にはx座標もy座標も有理数である点(有理点という)が
ある。実はこれらの有理点は((1-m^2)/(1+m^2),2m/(1+m^2)), (-1,0)と
完全にわかる。さて,有理点の無い簡単な図形はあるだろうか。
もちろん係数が有理数の方程式で与えられる図形を考えている。
x^2+y^2=3 はどうだろう。
x, y に有理数を代入して整理すると,
自然数の平方和が3の倍数となる。
このとき,両方の自然数が3の倍数となり,
x, y が既約でなくなってしまう。
No.12
交点を通る図形
円x^2+y^2=1と円(x-1)^2+(y-1)^2=1の交点を通る図形の方程式を
(x-1)^2+(y-1)^2-1+k{x^2+y^2-1}=0・・・@として考える方法があるが,
交点を通る円や直線の方程式は@の形をしているのだろうか。
x軸(y=0)とy軸(x=0)の交点を通る直線は
y+kx=0 という形をしているわけではない。
この中には,y軸は表現されない。
問題の場合,kにどのような数を代入しても
(x-1)^2+(y-1)^2-1の影響を消し去ることは出来ないので,
x^2+y^2=1を表現することは出来ない。
それ以外の図形を表現することは可能だが,
証明することは難しい。
No.11
i と -i は区別できる?
「i は2乗して -1 となる"数"である。」と定義した。
その直後に (-i)^2=-1 であることを確認した。
i と -i はどこが違うのだろうか。
1 と -1 の違いと比べてみよう。
1 と -1 は正と負の数で区別できる。
しかし,i が正という概念は存在しないので,
実数と同じように区別することは出来ない。
2乗して -1 となる数は,方程式 x^2=-1 の解であり,
i と -i である。
この方程式は実数係数としては因数分解できない。
従って,必ず i と -i はセットで現れる。
つまり,この2つの虚数は区別できない。
実は共役複素数はすべてそうである。
従って -i を虚数単位といっても良いし,
\sqrt{-1}=-i と約束しても良い。
ただ,いったんどちらかに決めたら,
その後は i か -i かは自動的に決まってゆく。
No.10
i>0 ?
虚数単位 i は正の数ですか? それとも負の数ですか?
実はどちらでもありません。
i>0 とすると,その両辺に正の数 i を掛けたとき,
不等号の向きは変わっては困ります。
だから i×i>0×i=0 とならなければなりません。
しかし,i×i=-1 なので -1>0 となって矛盾が生じます。
だから i>0 ではありません。
i<0 としても同じように -1>0 となって矛盾します。
もちろん i=0 ではありません。
これは,i と 0 の間には,
四則演算とかみ合う大小関係を考えることが出来ないことを
示しているのです。
2次方程式を必ず解くことが出来るように数の範囲を拡張した
引き替えに,大小関係を捨てざるを得なかったのです。
実は,複素数よりもっと数を拡張することも出来るのですが,
その場合,ab=ba という性質や,a(b+c)=ab+ac という性質を
捨てなければならないようになります。
No.9
文字 a は正の数か ?
文字式 a と -a を比べましょう。
a は正の数で,-a は負の数ですか?
文字は数や式が入る箱ですから,文字自体に正負はありません。
実際 a に 1, 0, -1 が入れば,
a の符号は +, 0, - に変わります。
このように,文字式の符号は変化すると考えないと,
|a|=a または -a や \sqrt{a^2}=|a| などの式が理解できませんよ。
No.8
比べてわかる?
「初項から第n項までの和S_nがn^2+nである。
第n項a_nを求めよ。」
という問題で,
「n^2+2n=2×n(n+1)/2 + n = Σk+Σ1=Σ(k+1)」
だからa_n=n+1だと結論づけても正解でしょうか。
もしそうなら一般にも成り立つのでしょうか。
もちろん明らかでなければ,証明が必要ですよ。
a_n=n+1 なら成り立つことは明らかですが,
この一点をもって明らかに成り立つというのは早すぎます。
単に,必要条件を満たしているにすぎません。
十分であることは,n=1, 2, 3, ... と次々に考えてみれば
わかります。数列の帰納的定義ですね。
No.7
場合分けをせずとも
「(x-1)(y-x)(y-x^2)≧0, 0≦x≦2 を満たす領域をかけ。」
という問題を場合分けでかくと面倒なだけでなく,
間違いやすいのですが,場合分けをしないでできますか。
境界 x=1, y=x, y=x^2, x=0, x=2 をまずかいておきます。
次に,x≧1, y≧x, y≧x^2, 0≦x≦2 の場所に斜線を引きます。
この領域内の点から連続的に点を動かして境界を1つだけ越えて
隣の部分に移ると,x-1, y-x, y-x^2 の項のうち1つだけ符号が
変わるので,全体の符号も変わります。このことから
1つ置きに斜線を引けば求める領域を簡単にかくことができます。
No.6
to be or not to be
アメリカのテレビ番組に次のようなものがあります。
3つのカーテンがあります。
1つには車が一台隠れています。
他の2つのカーテンには山羊が隠れています。
あなたは3つの内から1つのカーテンを選びます。
その中に車があればその車をもらうことができます。
この番組のおもしろいところは、カーテンを選んだ後で、
司会者がカーテンの後ろに回り、はずれのカーテンを一つ開けてしまうことです。
はずれが2つありますからこれはいつでも可能です。
さて、司会者は、次のようにあなたに聞きます。
"選んだカーテンを違うものに交換しますか。"
さあ、交換した方が良いのでしょうか。
A, B, C のカーテンがあり、あなたは A を選んでいるとしましょう。
A, B, C の順に、当たっているときは ○、はずれているときは ×、
カーテンを開けたときは − で表すことにする。
○×× なら ○×− または ○−× となり、確率はそれぞれ 1/6
×○× なら ×○− となり、確率は 1/3
××○ なら ×−○ となり、確率は 1/3
B を開けたとき、A が当たる確率と C が当たる確率の比は 1 : 2 となる。
C のときも同じ。従って、交換した方が有利である。
最初に選んだカーテンが当たりの確率は 1/3
この状況はカーテンを司会者が開けても変わらないから,
選ばなかったカーテンに当たりがある確率は,
余事象の確率から 2/3
従って,交換した方が有利である。
No.5 α+β>0,αβ>0ではあるが,α>0,β>0ではない数を1組求めよ。
2次方程式の解の分離などでよく使われる事実ですが,
判別式の条件が先にないと上の主張は同値になりません。
だから,判別式の条件を先に書かないと正しい答えにならないのに,
気にせず最後に判別式の条件を追加して書く生徒が多いのです。
α=1+sqrt{-2}, β=1−sqrt{-2} とすればよい。
このとき,α+β=2>0,
αβ=1+2=3>0 となるが,
α,βは実数でないから,もちろんα>0やβ>0は成り立たない。
No.4 次の数学的帰納法はどこが間違っているのだろうか
【問題】
この世の中にある碁石は1色であることを示せ。
【解答】
碁石の個数nについての数学的帰納法により証明する。
[1]n=1のときは明らかに成り立つ。
[2] ○○○○○○○ k+1個
○○○○○○ はじめのk個
○○○○○○ 後ろのk個
n=k のとき成り立っているとする。
はじめのk個は、帰納法の仮定より1色である。
後ろのk個も、帰納法の仮定より1色である。
あいだの色に注目すれば、それらが同じ色であることが
わかる。したがって、n=k+1個の場合も、1色である。
[3] [1],[2]から、任意の自然数nに対して、
n個の碁石は1色であることがわかった。
k=1, n=k+1 のとき,はじめのk(=1)個と後ろのk(=1)個には
あいだの(重なった)碁石が無い。
従ってこれらが同じ色になることはないから,
ここで帰納法が破綻している。
No.3 関数の逆数の定積分
『区間[a,b]での関数f(x)の積分の値がA以上B以下のとき、
[a,b]での関数1/f(x)の積分の値が1/B以上1/Aになるか』
という問題です。もちろん、関数は[a,b]で正とし、
簡単のために連続としましょう。
また、A, B は正の定数としましょう。
[a,b]の内部の[c,d]において,f(x)=e(>0, ≒0)としても,
条件を満たすようにできるが,
eの値を0に近づけていけば,1/f(x) の値はいくらでも大きくすることが
できるので,答えは NO です。
No.2 正三角形の条件
大学入試問題で、どのような三角形になるか問うたところ、
重心と外心が一致するから正三角形だという答えが
多かったそうです。
明らかですか?と大学の先生から聞かれたのですが、
証明できますか。
明らかと思うなら、それに耐える証明が欲しいですね。
外心は各辺の垂直二等分線の交点,
重心は中線の交点だから,辺の中点と重心(=外心)を結べば,
それは垂直二等分線で,頂点を通り,二等辺三角形であることがわかります。
これが他の2辺でも言えるので,正三角形となります。
No.1 数列の一般項は1つだけ?
例えば数研の数学Aの教科書に、
『次の数列の一般項を求めよ。1,2,4,7,11,...』
という問題があります。
通常では階差数列を使って解く問題です。
さて、この問題の答えを2つ求めてください。
普通にやれば,階差数列を使って
(n^2+n+2)/2 となりますが,この問題は5項目までしか明示されていないので,
(n^2+n+2)/2 + (n-1)(n-2)(n-3)(n-4)(n-5) も答えになります。
|