海外の作家さん。
順不同。


 コナン・ドイル
  『シャーロックホームズ』シリーズ 
   一つ一つの感想はいつか気が向いたらやるとして、ホームズとワトソンとの絶妙なコンビはやっぱりいいもんだ。
   昔読んだ島田荘司の『漱石と倫敦塔殺人事件』(題名あっているだろうか?)をふと思い出してしまった。
  折しもNHKで再放送をやっていたので二度楽しめた。

 ジョンストン・マッカレー
  『怪傑ゾロ』
   アニメとの設定の違いが多いことに気づいた。ディエゴは性格がいいような悪いようなで、結構「おいおい」
  と突っ込みを入れてしまいたくなる。(笑)鞭は使わず、銃で脅すことが多い。
   結局Zのマークはレイモンドとの決闘でしか登場しなかった。そうだったのかー

 S.マルシャーク
  『森は生きている』  
   久しぶりに読んだ童話。人形劇で見たものが印象的で、つい借りてしまった。
  女王様はすごくわがままというか、自分勝手。ままむすめは誰からも愛される少女。老婆親子もすごく
  自分勝手だし、犬になってしまったのは自業自得か。
   十二月の精たちは森を通していろいろな人々を見てきたんだと思う。

 エラリー・クィーン 
  『ローマ帽子の謎』
   たぶん、初めて読むエラリークィーンの著書だと思う。帽子の中に何か隠しているんだとは思っていたけど、
  あの人が犯行に及んだとは考えもつかなった。
   あの有名な「謹んで読者に・・・」というのがあり、ああこれがそうなのかと思った。あそこまで読んでいて
  私は誰が、どうやって行ったかわからなかったけど。
   お互いを頼りにしあっている親子だというのが第一印象。エラリーのほうが旅行に行ってしまうと、まるで
  片割れを無くしたかのように元気を無くしてしまうクィーン警視がほほえましく思う。
  旅先から電報を送って示唆するエラリーも憎らしいけど。(笑)

  『恐怖の研究』
   倫太郎親子の元になったエラリー親子の作品。
   切り裂きジャックの事件を題材にして、シャーロックホームズがその事件に挑んだというワトソンの手記が
  手元に舞い込んだエラリー。現在と過去を交互に出しながら真実を見つける。
   国名シリーズよりも読みやすかった。

 エリスピーターズ
  『修道士カドフェルの出現』 
   短編集。テレビはよく見ていたけど、原作を読むのは初めて。
  読みやすい文章だったので、長編にもチャレンジしてみようかと思う。
  短編集のなかでは「光の価値」の話がすき。   

 ロバート・アスプリン
  『マジカルランド』シリーズ  感想書いているものと書いてないものがあります。
   スキーヴがどんどん成長していく姿がよくわかる。オゥズの教えをどんどん吸収していって、一人前の
  魔術師の道へと歩んでいきそうです。このままだと泥棒になれないかも(苦笑)

  『大魔術師も楽じゃない!』
   オゥズ救出のために未知の異次元へとくりだすスキーヴ一行。ほんとにオゥズ無しでの行動は
  ドキドキもの。前回の時も似たような感じだったけど、今回のことでさらに大魔術師への一ページを
  記したかのよう。日に日に成長していってるし、度胸もついてきた感じ。
   オゥズのスキーヴへの師匠としての提言(?)がなんとも良かった。人だからこそ短い命の間に
  様々なことを教えてやりたいんだー、というオゥズの気持ちがまさにくすぐったい。

  『魔法無用の大博打!』
   スキーヴはほんとギャンブル運が強いともいえるし、人脈の強さも天下一品。
  巻数ごとにふえていく愛すべき人物達。ほんとうに悪い人なんていないんだよね、スキーヴのまわりには。
  ある意味、人のあしらい方が上手いともいえるし、その人にあった役割分担の術を知っている。
   今回はスキーヴの危機にみんなが一致団結する感じ。みんなスキーヴの「家」の居心地の良さに気づき、
  自分自身を振り返っている。

  『こちら魔法探偵社!』 
   スキーヴ、成長したというか性格変わっちゃった。
   「はじめに」とあるように、今回からスキーヴの視点だけではなく、まわりの登場人物達の視点もあった。
  その中での驚きは、ギャオン!やっぱりただのドラゴンじゃなかった。すごい知的に物を考え、あまつさえ
  人間を飼っているという感覚。意外や意外。達観してるね。
   順調に会社が成り立っているとはいえ、オゥズの存在はスキーヴにとって無くてはならない存在。さぁ、
   どうなる?

  『魔物をたずねて超次元!』 
   トラブルメーカーというよりも、騒動を知らぬ間に連れてきていたスキーヴ。
   書き置きというか退職届を出して姿を消してしまったオゥズは一体どこへいってしまったのやら。
   途方に暮れつつもオゥズの出身地へ単身やってくるスキーヴ。ここでは今までの肩書(?)なんて通用しない。
   一人のスキーヴとしての行動が試される。

  『魔法探偵、総員出動!』  
   スキーヴとオゥズが居ない間、グィド達はヘムロック女王の野望を阻止せんが為にそれぞれ行動を開始。
   前はギャオンの視点があったけど、今回はグィド。
   行動とは裏腹な展開にたじたじ。何事も統率力と指導力か?

  『大魔法使い、故郷に帰る!』 
   ヘムロック女王から突きつけたれた難題をいかにうまく(?)処理するか悩むスキーヴ。こと女性に関しては
  まったくわからない所にかつての人があらわれたり、知り合いに女性を紹介してもらったりと俄に華やかな
  かんじ。だがしかし別の問題も浮上し、さらに悩む。酒は飲めども飲まれるな〜
  今回は悩みっぱなしのスキーヴ。
  そしてにわかにギャオンに対する疑問がふつふつと沸き上がったとき、とんでもない事態へと発展。


 ロバート・ジョーダン
  『竜王伝説1 妖獣あらわる!』
   なんだか久しぶりにファンタジィ物を読んだ。
  主人公は「あくまでも自分は羊飼いで、タムの息子」ということを強く強く思っている。
  村では、とても「竜王」「世界創世」「伝説、神話」等の物語があくまでも物語として伝わっている。もちろん
  遠隔の地という閉ざされた土地柄のせいもある。村人達は春の祭りに吟遊詩人や花火、商人が来ることを
  心待ちにし、新たな生活の活力としている。
   そして村の中での二つの評議会の存在。魔法、というか超越した力のあり方。独自の方法でおもしろい。
  これからこの仲間でどう展開していくのか、ミルドラルがどんな目的を持っているのか。

  『竜王伝説2 魔の城塞都市』
   ミンの予言のような姿見の言葉にすごく興味を持った。
  おそらく過去(?)と未来のもののイメージなのかなとは思うんだけど、今後の展開にどう結びついていくのか
  知りたい。
   フェイン親方ってえらく疑わしい。

  『竜王伝説3 金の瞳の狼」
   3つのグループに分かれてしまった一行。それぞれの思いを胸に、闇をおそれつつ、再び出会うために
  進み続ける。
   ナイニーヴの心情の吐き捨てがもういやかも。私自身がモイレインを信じているせいもあるけれど。
  だけど、あの世界にとって異能者の存在は忌み嫌われている者だから仕方がないし、エグウェーンの生死が
  知りたいのもごもっともだ。
   3匹の狼に心惹かれてます。つかず離れず心をかわした者の周りにあり、かの存在を守っている。
  心の絆で結ばれてるね。そんな感じ。

  『竜王伝説4 闇の追撃』
   徐々に集まりだしたというか、集結?しだしてきた。おそらく分かれてからも歴史の織り目の一つなので
  あろう人々の出会い。
   追っ手を恐れる者達にとって、見知らぬ土地、人々の存在はとても脅威。たえず人目を気にし、たえず
  闇への恐怖を感じる旅。仲間の生死もわからない不安な日々。
   異能者の予言は何を写し出すか。

  『竜王伝説5 竜王めざめる!』
   これで第一部完。長かった。2巻3巻めはあんまり心惹かれるものはなかったけれど、4巻目からテンポが
  ぐんぐん早くなっておもしろくなってきた。そして5巻。
   <緑の男>に会うために<全界の眼>を目指す一行。途中ラン様の過去を垣間見、あの無表情の中に
  様々な思いがあったことがわかる。そして三角関係。たしかにいつもナイニーヴは文句を言いながら、助けを
  求めてたね。
   <緑の男>がすごく印象的だった。木々と共に生き、木々と共に埋もれる。その風貌と仕草に寂しさがある。
  やさしく花々を愛でていた。そしてあそこの空間に、長い長い年月を自然と役目と共にすごした<緑の男>
  にやすらぎがおとずれるように祈りたいと思ってしまった。
   あとロイアルが良いね。その容姿はすごいけど、好奇心に満ちていて、考え深くて、仕草が可愛らしかった。
   一つの問題をクリアした一行、これからお互いが何処へ向かうのか、そして苦悩の日々がどうなっていくのか
  楽しみかな。

  『聖竜戦記1 闇の予言』 
   久しぶりに続きを。
   アル=ソアの被害妄想っぷりが、彼の「恐れ」をそのまま形にしているよう。あまりにも、うだうだうだうだしてるので
  とりゃーと背中を叩いて送り出したいくらいだ。
   ラン様がいつにもまして楽しそう。モイレイン様は他の異能者達から不審がられているというか、立場が危うくなって
  きそうな雰囲気。

  『聖竜戦記2 異世界への扉』
   アル=ソアにとっておそれていたアミルリン位との対話もひとまず無事に終える。エグウェーン達は異能者になるべく
  タール・ヴァロンヘ、アル=ソア達は奪われた角笛を奪還しに捜索へ。
   ランとナイニーヴの行方も気になるところ。前回過去編(短編)で指輪の記述が出てたけど、あれってかなり大切なもの
  だったはず。モイレイン様は別にかまわないのかなぁ。信頼であって愛情ではない?それにしてもナイニーヴは激情型。
  表の感情に反して心はメラメラ。
   セリーンはいったいどうやって来たんだろうか?アル=ソアになにかをさせようとしている印象があるけれど、とても
  得体の知れないかんじ。。
  ロイアルの「歌」を聴いてみたい〜   

  『聖竜戦記3 異能者の都』
   モイレイン様の決意。その先にある未来を見ている。それはとても哀しいような感じ。   
   異能者になるべく特訓を受けるナイニーヴとエグウェーン。ナイニーヴの内面の葛藤。エグウェーンが出会った人々は
  これからの大切な仲間になるような予感。それにしてもアル=ソアは女性に強い印象を与えているようだ。
   私の中のロイアルのイメージがウサギ。困って垂れ下がる耳とか本を読んでるところとかを想像すると可愛い。  

  『聖竜戦記4 大いなる勝負』
   ショーンチャン人のことがいまいちよくわからなくて、というよりこの人たち何?という印象だった。巻末の用語解説を
  読んでなんとなく理解。自分たちの意見を有無を言わさず押しつけてくる。
   「大いなる勝負」という探り合い。いるだけの人の数によって解釈が生まれ、どうなっても終わらないんじゃないかという
  気がするんだけど。
   フェインの目的って何だろう。・・・って闇王復活だろうけど、それよりも何かあるような感じがするんだよね。

  『聖竜戦記5 復活の角笛』 
   アル=ソア達を追ってタール・ヴァロンを出た4人。だがしかし計略にはまり、女奴隷としてエグウェーンとミンが囚われの
  身になってしまう。飼い主と女奴隷との関係は鎖に繋がれた主従関係。絶対力を操るという点で飼い主もやっぱり女。
   アル=ソアのうだうだっぷりも相変わらずだけど、剣さばきではランの特訓の成果は出ている模様。

  『神竜光臨1 魔人襲来!』 
   またばらばらになったアル=ソア御一行。
  悩める人アル=ソアは、一人どこかへと大暴走。でも結局、巻き込みたくないという気持ちと追いかけてもらいたいという
  気持ちが混在していて、なんだかなぁという感じ。
  それを追いかけるペリンは、モイレイン様との関係に納得がいかず「なんで俺が雑用係なんだ!」と腹立ちまくり。
  その割には、時々モイレイン様を頼ってるんだよね。
  ロイアルの憤慨っぷりはなんか可愛い。
   ヴェリンが怒るほどの三人(ナイニーヴ、エグウィーン、エレイン)の思慮の無さには呆れてしまう。怒りにかられて自分達
  の立場を忘れているというか、自分の操れる絶対力を過信しているようで、もっと状況を考えて行動しろよーと思ってしまう。
 
  『神竜光臨2 白き狩人』
   なんとか無事にマットをタール・ヴァロンへ連れていくことができた三人。再び白い塔での修行がはじまることになるが、
  無断で塔を出ていったことに対しての処罰が彼女たちを待ち受けていた。事情を話すことが出来ないもどかしさ、そして
  行く前と行った後での塔の状況変化が彼女たちを大きく取り巻き、不安を増大させる。アミルリン位に命じられた事柄が
  更に塔の逼迫した事態をも表す。

  『神竜光臨3 夢幻世界へ』
   夢見人の才能を開花させつつあるエグウェーン。入り込んでしまった世界(夢)は現のごとく幻のごとく。夢から夢へと
  渡り歩き、どうやら他人の夢の中にでも入り込んでいるかのようなんだけど、そこから何を見いだすのか。
   ようやく塔の中で再会するマットとエグウェーン達。三人からとある依頼をうけたマットは断ることも出来ず。むしろ外へ
  出る機会をうかがっていたマットにとっては渡りに船だったのでは。

  『神竜光臨4 闇の妖犬』 
   ペリンの見る夢、エグウェーンの見る夢。夢は現実の如く、闇の者たちの存在を浮き彫りにする。
  自ら「ハヤブサ」と名乗るザリーヌに振り回されるペリン。エレインから手紙を託されたマットはなんとかシームリンへ。
  その幸運はどこから来るものなんだろう。怖いぐらいに賭事は勝ちまくり。だけど常に死と隣り合わせの運。振られるダイス
  はどちらを見せる?
   三人の娘達が出会うアイール人達一行。アイール人達の予言は何を意味するのだろうか。そしてどこへ向かわせるの
  だろう。

  『神竜光臨5 神剣カランドア』 
   続々とティアに集結していく面々。すべては<ティアの石城>で待ち受けている、神剣とともに。
  知らず知らずにアル=ソアも運命に導かれるようにやってくる。・・・というか誰にも咎められずにあっさりと入ってる?
  モイレイン様はなんか強い決意とどこか悲痛な思いを持って行動しているよう。それはランをも動揺させるように。
   せっかく助けに来たのに、怒れる三人組にタジタジというか、とばっちりを受けるマット。敵にまわすと怖いことが判明。
  それにしてもあの態度はあんまりだ。


 マーセデス・ラッキー
  『女神の誓い』
   展開の仕方が早い。最初と終わりがあって、中で在ったはずの出来事が書かれていないときもあったり
  する分、時の流れ方が早い感じかな。そして二人の様々な冒険(?)が書かれている。
   一族を皆殺しにされ、生き残ってしまったタルマ。復讐をするために女神に<誓い>をかけ、旅へ出る。
  不思議な<師>との訓練。そして剣に導かれタルマの前に現れるケスリー。
   本当の姉妹以上に相手を信頼し、共に戦う存在となる。

  『裁きの門』
   前作の続編。一族の再興と学校を開くことを目標に、着実に必要なものを得ていく二人。
  二人は傭兵として<太陽の鷹>に入り、部隊をまとめる隊長とは最も信頼できる仲間となり、彼女は二人に
  とって姉のような存在でもあった。だが、レスウェラン国の兄弟間で王位継承問題起こり、かつて王位継承者
  でもあった隊長は一時帰国するが・・・。
   ジャドレックや<白き兄弟>達との出会い。そして衣装を黒く染められた意味。<誓いを破りし者>に対して
  復讐を誓い、集まり出す人々。彼女らの怒りにものすごく同化して読んでた。
   <誓いを破りし者>に対する裁きの門。彼女の眼差しがまぶしかった。

  『誓いのとき』
   タルマ&ケスリーシリーズ短編集。この方の短編ってすごく内容が凝縮されてる。
  流れは「女神の誓い」〜「裁きの門」そして、その後の話。
     「護符」 信じることの強さ。そして目くらましの魔法の意味。
     「英雄の話」 <運命の車>が気になる。これも<誓いを立てし者>と同じようなものなのだろうか?
     「伝説はこうして生まれる」 吟遊詩人レスラックの苦悩の日々(笑)
     「同士討ち」 質の悪い呪い。
     「毒薬」 悪いことは最後に自分に返ってくる。公害問題についての一つの答え。
     「炎の翼」 子供達の登場。力は束縛するものではない。自由に羽ばたく姿こそが美しい。
     「フォルスト・リーチの春」 荒れる馬。ビーカーとジョディのその後。
     「誓いのとき」 冷静な判断力が自分を助ける術となる。子供達の成長の一端。 

 ハリィ・タートルダヴ
  『精霊がいっぱい! 上』 
   絨毯が人々の足になり、魔法や精霊が生活に密着しているもう一つの地球。
  環境保全局の捜査官であるフィッシャーは、魔法処理場から何かが漏れだしているという情報を得、
  調査を開始する。置き換えれば、ゴミ焼却場からとんでもない汚染物質が漏れて、周りの環境に影響を
  しているようなこと。その周囲では魂のない子供が三人も生まれていた。
   魔法はなんらかの代償を支払って、使うことが出来る。力が大きければ大きいほど、それだけの代償が
  どこかでかかる。その為、かかってしまった代償(物質)等を処理しなければならない。それを処理するのが
  魔法処理場。いったいなにが起こってしまったのか。だが、並行して様々な出来事が起こる。
  中央情報局はでてくるは、命は狙われるはで、どうなる、フィッシャー?
   エラスムスとブラザー・ヴァーハンの再会に感動。私の中ではエラスムスはかわいい精霊。 

  『精霊がいっぱい! 下』
   ミヒャエル〜なんていい人だ。気に入ってしまった・・・。
  この世界というかこの地域には仏教が存在しないようだということにふと気づく。日本人(日系?)はいた
  けれど。それに宗教というものがすごく魔法に関わってきているね。魔法ってそもそも西洋的なものだったか。
   ついに恋人ジュディが何者かによって誘拐されてしまうフィッシャー。その事件が重くのしかかるも、助ける
  ためには今抱えている問題の元をたぐり寄せなければならない。そして次第に見えつつある<力>の存在。
   終焉を迎えるまでの大スペクタクル。狙った天敵をバリバリ喰いつくす存在はかなり怖い。バチカンの絨毯
  まで登場しちゃうし。最初はえらい説明的だったけど下巻になるにつれて読む速度が早くなった気がする。
   高徳現実の世界って興味深いね。

 ジョナサン・キャロル
  『空に浮かぶ子供』 
   最初は気づかなかったけど、どうやらこれはシリーズ3作目のようだ。
   突然の親友の自殺。そしてその友人から送られたビデオテープにある事実。
  すべてが自分の手にかかっている。生かすも殺すもすべて誰かの采配。恐怖という意識。目に見えるものも
  そうだけど、意識の下に沈む潜在的な恐怖は、ほんの隣の存在。何気ないことが、小さな事が、ちっぽけな
  ことが、一番の恐怖。  

  『死者の書』
   残された言葉と生み出される言葉。今は亡き一人の作家フランスが最後に過ごした町、ゲイレン。町の人々が願って
  いる事と作家の娘が願っている事は同じ。彼らの望む、フランスの伝記を書く人間が町にやってきたとき、綻びはじめた
  町に小さなさざ波が姿を見せる。
   敷かれたレールの上を間違いなく進めることを望むことは、楽しいのだろうか。だけどそれが当たり前となったとき、
  道から外れることは不安を生み出す。左右されないことを望んでいるはずなのに、どこか左右されることを求めている。 


 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
  『魔女集会通り26番地』 ダイアナ(ディアナ)・ウィン・ジョーンズ
   クレストマンシー!素敵〜
  一気に読んでしまって、その夜夢に見るというおまけ付き・・なんでだ?
   海の事故で両親が亡くなり、二人っきりの姉弟となってしまったグウェンダリンとキャット。
  その二人がちょっとしたきっかけで謎の人物クレストマンシーにひきとられたことからはじまる物語。
   登場人物達のアクの強さというか、一人一人魅力的。
  グェンダリン嬢の気の強さ。認めてもらうまでというか、相手を圧倒させるまで、これでもかこれでもか!!と
  押し続けること。しかもその方法もなんというか・・・・思いのままに。
  生まれもって出た才能というのかな、これも。魔法を使える使えないは別としても、自分のもてる力や考えを
  どう生かすか、使いこなすかということをよく知っている。自分の思い通りになるように。
  たとえ他人を考えず唯我独尊で行こうともね。
   <家族>で一番強いのはミリーさんではないのかな。ほわほわんとした方だけど、クレストマンシー含め 
  <家族>からの全幅の信頼を持っている。居るだけで安心を与えてくれるような人。来たとたん、御方の
  パワー全開だったようなのは気のせい?

  『九年目の魔法』
   実際何が起こっているのかはよくわからない。だけどその「何か」の正体がじわじわとわかりつつある時、
  現実と空想の世界が重なり合うかのように呼応していることがあきらかになる。つねに何者かの気配を
  感じながら。
   気が付いたとき、今までの記憶が食い違っていることに気づいたポーリィ。原因を探るべく、昔の記憶を
  掘り出すと9年前の葬式の記憶が甦ってきた。そこからはじまる物語。
   なんかもう年の差にメロメロ・・・駄目じゃん自分。リンさんにウットリ〜。

  『わたしが幽霊だった時』
   気が付いたら自分の存在は幽霊だった。いったい「わたし」に何が起こったのか、そして「わたし」は誰?
  でも誰も私の姿を見ることはできない。どうすればいい?ふらふら彷徨ううちに見覚えのある場所へ。
   4姉妹の性格と生活の凄さ。なんだか脱帽・・・野生児のようでもあるが、さびしがりやでもある。
  幽霊に関しても、なんかすごい方法で対処しようとするし。尋常じゃないよ〜黒ミサ状態。
  そして次第に「原因」がわかってくるとともに動き出す姉妹の姿。未来と過去を繋ぐ「今」の姿。 
  
  『魔法使いハウルと火の悪魔  空中の城1』
   わけもわからず荒地の魔女に呪いをかけられ、18歳のソフィーは老婆の姿になってしまった。家族に
  心配をかけるわけにもいかず、家を出、おぼつかない足取りで行くあてもなく歩く。気が付けば頭上高くに
  かの悪名高い魔法使いハウルの城が浮かんでいた。
   ハウルさんは言葉では表さないんだけど基本的にやさしいんだよね。でもって相当頭が切れるし、魔法は
  強いときてる。身だしなみにはものすごぉーく気を使うのに普段の生活はまるで無頓着。
   ソフィーのことこっそり気遣ってるのもポイント高し。

  『いたずらロバート』
   ヘザーの住む古い館はいつも見学者達でごった返している。両親がここの管理人をしていたからだ。
  館近くの場所に封印された魔法使いロバートの目覚め。ヘザーが日頃から思っている事をほいほいと
  やってしまうロバート。いつもと逆の立場から物事を見ることとなったヘザーにとって長い長い一日の話。  

  『ダークホルムの闇の君』
   もしテーマパークが本当の世界を浸食して造られていたなら。1人の男が自らの私欲のために行っていた「巡礼」。
  もはやその世界は危機に瀕していた。
   ダークは疲れてるとどんどんあらぬ方向(というか自分の世界へ)思考が飛んでいく。子供達やグリフィンはみんな
  個性的でキラキラしてる。家族が巡礼のせいでばらばらになっても、お互いを尊重し、すこしづつ認めあって成長して
  いく過程をみているかのよう。
   あらゆる方向から無理難題を押しつけられ、頼られ、へとへとにさせられ、果ては家族はバラバラ。いつしかダークに
  降りかかる災難は自分自身にもおよび、その間の子供達の活躍はめざましい。
  最後の最後まで気が抜けないのはジョーンズの物語だなぁというかんじ。

  『グリフィンの年』 
   ひ、久しぶりに読んだ。
  人(でないものばかりだけれど)それぞれに抱える問題が山積みで、それはどうしようもなく途方もなく難問ばかり。
  大学は逼迫した財政にあっぷあっぷで、手立てた手段がのちのちの災いを生むことになってしまう。
  人に教わるということから、次第に自ら学ぶことを身につけていくエルダとその仲間達。種族もまるで違う彼らがまとまって
  いくさまをみて、あぁ学校って仲間を作るところなんだなぁと思ってみたり。

 




 ブライアン・ラムレイ
  『タイタス・クロウの事件簿』 
   短編集。惚れたよ(苦笑)
   『誕生』 運命とはこういうことなのかもしれない。
   『妖蛆の王』 クロウ29歳。ひたすら耐えることのためにコーヒー漬けの日々。(ちょっとちがうか)
            おそろしい量を飲んでるし・・・・ 
           知的に逞しく、そして何事にも冷静で困難な状況に逃げ出すことのない精神力。
           普通逃げ出したくなる状況だというのに、あえて戦うことを選択。すごい。
   『黒の召喚者』 「それ」を捨てに行ってしまう姿に半ば呆然としつつも、悪には悪で返す対決。
   『海賊の石』 呪いは生き続ける。
   『ニトクリスの鏡』 クロウの友人の話。夜中の鏡って普通の鏡でもちょっと怖い。
   『魔物の証明』 クロウ氏の持ち物って一体・・・・でもあのハンガーは素敵かも。
   『縛り首の木』 これも一つの生命力?
   『呪医の人形』 移し身。
   『ド・マリニーの掛け時計』 本が傷められていく事に対してクロウの動揺ぶり。お金以上の価値あるもの
             だから。そして知らないから出来ること。いや、知らないからこそ出来ること。必然的に狂って
             いる時計は空間の歪みと共に時を曲げる。
   『名数秘法』 クロウの予感。複数の数の意味するもの。
   『続・黒の召喚者』 存在無くとも影響するもの。

  『地を穿つ魔』 
   近年感じることが多くなった地震。もしかしたら、もしかするかも!!・・・などと本を読んでいるうちに、そう考えずには
  いられない。地下で今か今かと。
   クロウが夢や肌で感じ取るただならぬ気配。行動を開始し、情報収集から導き出したクロウの答え。だけど<彼ら>は
  それよりも早く動いている。姿を見せることなく浸食していくものは、人の心を狂わし、大地を揺るがし、人知れず闇から
  闇へと葬り去る。クロウと同様に<その者たち>を追う機関の人々の死闘。終わることのない精神的圧力との戦い。
  そして・・・なんだってぇぇぇぇ。
   次はいつ出るんですかーーーーー。

 エレン・カシュナー
  『吟遊詩人トーマス』  
   トーマスを含めた四人の視点による物語。
  諸国を旅し、広場で、王宮で歌を紡ぐ吟遊詩人。そして恋多き男トーマス。なんか、た、たらし・・・。
  常にそのそばには女がいるというような印象。
  <あちら>での生活、そして戻ってからの生活。口から紡がれるのは物語であり、真実であり。

 J・ポーキングホーン
  『科学者は神を信じられるか クォーク、カオスとキリスト教のはざまで』 
   ふと「科学は死んだ宗教の記録である」などという某文句を思い出してしまった。それはおいといて。
  科学は神に挑むものなのだろうか?未知のものを探求する。何かを見つけだすということ。物事の成り立ち
  というか、その姿を知ることの意味。過程がわかっても、それを証明することがなければ認められない。
  祈りの言葉。真実の探求。その行く先にあるもの。神はどこまで私たちが「知る」ことを許すのか。
   ここで語られているのはキリスト教における奇跡や復活に関しても含めたもの。
  ただ、生と死は隣り合わせ。科学の発展が死への隣り合わせをも生む。そんなことをふと思った。  

 アレイスター・クロウリー
  『ムーンチャイルド』 
   ・・・・・・なかなか読み終わらなかった。さっぱしわからなかったというのがホントのところ。結局、何に対し
  ての事だったのかがよくわからない。ホムンクルス、諜報活動、対峙する二人、心の均衡及び精神の果て。
  言葉は二重三重に衣が着せられて発し、真実は虚構と共にやってくる。
  シリルがしたかった事って何だったのだ?ホムンクルスもそうなのかもしれないが、なんか違う気がするし。
  うーーーーむ。
   訳者あとがきの最初の言葉が『本書の著者は尋常の人間ではありません』・・・っておいおい。
  確かに二十世紀最大の魔術師にして極悪人というわけのわからないレッテルを貼られている人で、私は
  タロットカードに関連する人、ぐらいしか知識がないんだけど。

 ディリア・マーシャ・ターナー
  『半熟マルカ魔剣修行!』
   タイトルと内容がちょっと違うような気もするけど・・・・・・。
  「ご主人様」から逃げ、魔力者矯正機関「監視局」にも追われ、たどり着いてしまったのがロダーの宇宙船。
  そこでの生活、とでもいったらいいのか。
   マルカにとって、人の心や感情を理解しがたい物のように捉えてる。マルカ自身、「かまって欲しくない。
  ほうっておいて。」と心で唱え、他者に対し近づいて欲しくないような膜を張っているけれど。次第に気に
  なるものとして捉えている。だからこそ自分が気がつかないうちに、結果的に他者のために行っているた
  のではないのだろうか。  

 アキフ・ピリンチ
  『猫たちの聖夜』 
   飼い主と共に引っ越した先に待っていたのは同類の悲惨な死だった。目の当たりにした僕、フランシスは
  見慣れぬ土地で、強力な仲間を作りつつ調査を開始する。
   キーボードを華麗に操る足さばき。数匹が寄り添ってパソコンに向かっている様子を想像するとかわいい。
  緊迫した状況にもかかわらず。

 ディ・キャンプ&ドレイク
  『勇者にふられた姫君』 
   二編とも現代社会から異世界へ行く羽目にはなった男の話。
   「勇者にふられた姫君」 L・スプレオグ・ディ・キャンプ
    押し問答ならぬ禅問答。ひたすら帰るために逃げの一手だったのに気がつくと、本人にとって事態は
    どんどん悪化している。といっても考えようによっちゃ、上手く進んでるんだけど。
   「兎にされた姫君」 ディヴィット・ドレイク
    間違えたバスに乗る羽目になった途端、行く先は別世界。偉大なる魔法使いと間違えられて竜退治の
    手伝いをさせられてしまう。こっちはちょっと読みづらかったかな。      

 ウンベルト・エーコ
  『薔薇の名前』 上 
   見よ、そして考えるのだ。見えているものに何を見いだし、何が提示られているのかを。
   ひとり、またひとりと。長い長い一日の流れの中にある会話の意味。そして人々の中に見え隠れし、そびえ
  立つ文書館。
   本を写し取るという作業。書物に傾ける情熱。護るべきモノの存在。頑なに近づけまいとさせる僧院長。
  言葉の裏に行動の裏にあるものは一体何なんだろうか。
   宗教というものは難解だ。多く語れている事柄。あまりにも多すぎて大混乱。どれがどうなんだか・・・
  枝分かれしていった(といって正しいかはなんともいえないが)人々が互いに憎みあってるようにも思えてしまうん
  だけど。正しいことを知っているから悪がわかり、異端を知っているからこそ正統がわかる?うむむむ。
  みんな元は同じなんだよね。ただ、どこからか違う道を気が付いたら歩んでいるのだろうか。
  異端、異端と言え、何を持って異端となすのか。書の正しい解釈というものは、多数がいてこそ成り立つのか。
  なんだか宗教の歴史を習ってるかのようにも思うんだけど。
   修道士といえばカドフェル。なのでなんとなくそんなイメージでウィリアムの風体を見てる。
  付属でついていた登場人物表が大役立ち。みんな長い名前なので、時々何処の人かわからなくなりそうに
  なる。
   迷宮の文書館。そこに真実を見いだせるのだろうか?

 『薔薇の名前』 下 
   かなり違うけど、パズルのピースのように少し事柄が符合するような気分にさせる記事を見たので、要約
  してみたりすると「フランスで修道院内の図書館と外部を繋ぐ秘密の抜け穴を見つけた男が2年近くにわたっ
  て稀覯本(約1000冊)を盗み出していた」というもの。古書マニアだったそうで、丁寧に自宅で保存。
  本を読んだ後だったのでなんとタイムリーな!と驚いたわけで。とはいえ、「修道院」と「本」ぐらいしか符合
  しないけれど。修道院の図書館って今までただの図書館だと思ってたけど、そうじゃないんだよね。歴史や
  知識、紙(写本から印刷)の流れを知るための重要な書物が戦火をくぐり抜けているのだから。
  仏教でいうところの写経みたいなもんだろうか?(なんか違うような?)
   次第に得体の知れない書物の存在が明らかになってくるが、ウィリアム達はそれに翻弄され、一人、また
  一人と消えていくのを黙って見ていくしかなかった。目の前にそびえ立つ文書館。ここは図書館でいうところの
  閉架式。その迷宮の果てにあるもの。  
   小さな後押しのようでもあり(だがそれは最も効果的であり)、人を動かす方法を心得ている。ただ「見て」
  るだけのようでもあり、最後のウィリアムの言葉が示したように、なんだったのか・・・、というような気分にも
  感じさせられる。騒乱の中の人々の思惑。神が与えた試練だとでもいうのか。朽ち果てていくその姿が、
  誇りと象徴を示していた姿が、崩れ去っていくと同時に何もかも無へと還っていってしまったかよう。
   例の方法に関して言えば、知り合いがよくやるなので、そういう方法もあるのかと心に留める。年配の人が
  よくやるよね。ま、自分の資料に対して目の前でやられると、やめてくれーと心で叫んでるけど。
  (おかげで見るたびに思い出しそう)


 チャールズ・デ・リント
  『ジャッキー、巨人を退治する!』
   ほんとうは見えるはずのものを見ていないんだとしたら。
  裏側でもあり、こちら側でもある妖精郷。人は見ることを忘れている。その存在は物語の中でしか語られる
  ことがない。だがジャッキーが赤い帽子を手にしたとき、見えなかったものが見えてくる。
  自分が住んでいる町、自分がそこで普通に過ごしているように、彼らもまた生きているのだ。
  けっこう描写が生々しいかもなどと思いつつも、巨人に立ち向かうジャッキーは何もできない女ではなく、
  一人の勇者だ。 

  『月のしずくと、ジャッキーと』 
   <塔>に住む二人の巻き込まれ。そしてもう一つの出会い。
   見慣れぬ者(物)を見てしまったときの戸惑い。その当事者であるジョニーとその友ヘンクが妖精郷の
  存在を受け入れるまでの心の動き。かつてケイト達が体験したように。
   二つの物語が重なるまでのドキドキ感。いつ気づく(?)んだろうかといつ出会うんだろうかと思うと先が
  気になってしかたがなかった。        

 ジャン=ジャック・フィシュテル  
  『私家版』 
   人が復讐をしようとするとき、相手にとってなにが一番効果的なのかを考える。たとえばそれが作家だと
  したならば。
  影に生き、それでいて精力的な活動家。一人の男との出会いによって狂わせられた人生。
  たった一編の小説が人を不幸に陥れられたなら、同じようにたった一冊の本で人を陥れることが出来る。
  その為の緻密な計算、労力、時間、お金を惜しまないことだ。そしてその機会に巡り会ってしまうこと。
   予想していた展開にはならなくて、ええ〜っと思ってしまった。こういうのってたいていそうじゃなくて、むしろ
  ニコラ側の状況からの脱却を描いたものが多いような気がする。  
   それでいいのか!?と思うんだけど・・・結局「他人」を借りての発表だし、これからも「他人」なんだよね。
  けして自分ではない。そしてやっていることは前と変わりない。ただ生きているか生きていないかの違い。
   例えば同じ題材で有名な人が書いものと無名な人が書いたのとでは、どっちが人に手に取ってもらえるか
  といえば前者が圧倒的に有利なわけで。たとえどんなに悪くても、だ。名前の力って大きいし、人はそれで
  判断してしまうことだってあるから。彼にとってそんなことはどうでもよいのかもしれないが・・・。
  なんとなく踏み台のようなかんじ。