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「激動の1750日」
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1990年 115分 東映
製作
:
俊藤浩滋、高岩 淡
監督
:
中島貞夫
原作
:
志茂田景樹、斯波道男
脚本
:
中島貞夫、村尾 昭、大津一瑯
撮影
:
佐々木原保志
美術
:
佐野義和
音楽
:
小六禮次郎
出演
:
中井貴一、中条きよし、岡田茉莉子、
有森也実
、萩原健一、火野正平、陣内孝則、渡瀬恒彦、夏八木勲、丹波哲郎、三上真一郎、他
作品解説:「激動の1750日」
1750日というと、約5年(4年と10ヶ月)ということになります。短いようで、結構長い日数です。(小学校は卒業とはならないものの、中高大学(大学の医学部は除く)ならば、入学から卒業の期間よりも長いのですから...)本作のタイトルにもなっている1750日というのは、この作品で描かれている年月を表しています。本作では、日本最大の暴力団・神岡組の跡目争いから組織分裂までの間をドキュメントタッチで描いているのですが、その描かれている年月が1750日ということになります。ドキュメントタッチとはいえ、約5年という期間を描くとなると、それなりに難しいものがありますが、出演陣も頑張っていて、見応えは十分ある作品となっています。(しかも也実さんは重要な役を演じていますので、出番もたくさんありますから...)でも、それを2時間弱で描くのですから、大変なものですね。
東映というと、一時期は「ヤクザ」路線ということで多くの作品が製作された(「仁義なき戦い」などが有名)のですが、本作は「極道の女たち」と共に新たに製作されることになった路線の一つに含まれる作品です。しかし、「極道の女たち」はシリーズ化されましたが、本作は単発ということでした。(まあ、シリーズ化するのであれば、最初から5年という期間を描くことはしなかったでしょうから、東映サイドには単発作品ということで企画を進めたのでしょう。)ということもあって、日本映画界ではビッグな顔ぶれが本作には揃っています。(昔ほどではないにしろ、やはり特定の映画会社の作品にしか出演しない人もいるので、)也実さんにとったら、また一つステップを上ることになったのは間違いないでしょう。(が、本作出演時には、
「キネマの天地」
の時と違って、也実さん自身もビッグに含まれる一人に成長しています。)そんな中で、也実さんが本作で演じたのは、主演の中井貴一さんの妻の役。(女性陣の中では、岡田茉莉子さんと共に非常に重要な役でした。)中井さんとは
「キネマの天地」
でも相手役でもあったということになり、再会というところになるのでしょうか。(こういう関係というのは、何でもないようにも感じますが、フィルモグラフィを見てみると、大きく成長するきっかけになったりするものなので、見過ごさないようにしたいと思います。)
ただ、この頃の也実さんの印象は、テレビでも優等生という印象のあるヒロインを演じていることが多く、
「星空のむこうの国」
のヒロイン・理沙のイメージの延長線上の可愛いお姉さん、ということもあって、本作のような作品に出演するということで、ちょっと驚いたものでした。(が、そのイメージを壊すようなことは本作ではありませんでした。)この後、彼女はテレビでも難しい役(ちょっとひねた役だとか、ヒロインのライバル役、ちょっと嫌な役(代表としては、
TARGET=TOP>「東京ラブストーリー」
があります)などで、演技力がないと務まらない役で、しかもその作品の鍵を握る重要な役など(完全に一本立ちしました。ただ、どうしても「星空のむこうの国」が頭から離れないので、嫌みに思えることは全くありませんでしたが...(そもそも、演じた役と也実さんは別人物ですからね...))に取り組むようになり、女優として更に成長していくことになるのですから、ちょっと複雑な思いがします。本作では変身するチャンスでもあったと思いますが、これまでのイメージを壊さない役を演じるのも、それはそれでまたたいへんなものです。色々と苦悩があったことだと思います。が、やはり、「ただ者ではない」ということを十分証明したのではないかと思います。(ただ者でなかったからこそ生き残っているのでしょうが...)
Written By MEICHIKU
脱線メモ:「激動の1750日」
この頃、陣内孝則や柳場敏郎といった若手によるニューウェーブ・ヤクザ路線により、会社のカラーとも言える任侠路線を続けてきた東映が、久々にオールスター・キャストで望んだ本格派実録ヤクザ大作。また、それまで清廉なイメージの役が多かった中井貴一が、ヤクザ映画のしかも主役を張るというのも話題の一つであった。極道の姐を演ずる岡田茉莉子は、松竹のトップスターでもあった人ゆえ、中井貴一の父である故・佐田啓二とは、「集金旅行」「土砂降り」(共に中村登)、「女の坂」(吉村公三郎)など共演作も多い。
なお、
「キネマの天地」
でも組んだ中井・有森コンビは本作では夫婦役であり、お腹に座布団を仕込んだ妊婦役の有森さんを中井氏がボクシングの格好で打ち込む真似をするなど、和気あいあいとした現場だったそうである。
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