恥ずかしい心臓
 
入念な(笑)下見の甲斐あって、翌日の試験日は遅刻もせず無事に試験会場へ行けました。
試験開始までまだ少し時間がありますので、廊下では皆さん最後のあがきをしておられます。
僕も最後の最後のあがきです。時間になり、試験会場に入室します。最初は、試験官の注意事項の説明や、
手続き等の説明があり、いよいよ無線工学の筆記試験です。
これが無線工学の問題です。いたるところに書き込みがありますが分かるでしょうか?

回答はマークシート方式の解答用紙に鉛筆でマークしていきます。時間は2時間とたっぷりありますので、計算の遅い僕でも安心です。

試験問題は、4〜5つの選択肢から正解を択一する問題が20問(1問5点)と正誤式あるいは穴埋め補完式の問題が5問(1問 1点×5箇所)の合計
125点満点です。法規の問題構成もこれと同様です。
これは、択一式を1問間違えば5点も失いますが、正誤・補完式は、1問が5つの得点源に分かれていますので、全部間違えない限り0点にはならない事を意味しています。

択一式の中には、補完式の回答の組合せを5種類並べ、その中から正しい組合せを選ばせるような問題もありますが、補完式であれば1箇所間違えれば4点ですが、択一式では1箇所間違えただけで0点になります。それゆえ択一式の回答には、慎重にも慎重を要します。

さすがに着実に勉強した甲斐があって、無線工学は新問題以外は多少時間がかかっても難なく解けます。
試験開始から1時間を過ぎる頃から退出する人がぼちぼち出始めます。僕は、解答用紙の見直しを2度ほどやって、
試験時間を30分残して退出しました。

休憩時間を挟んで、いよいよ僕にとっての正念場、電気通信術の試験です。僕が受けた会場では、中型の
MDラジカセによって行われます。

耳慣らしのため、試験官がMDからモールスを流します。それを聞いてびっくり!
むちゃくちゃショボイ音なのです。事前の情報で音が反射して聞きにくいことがあるとは
聞いていましたが、ここまでショボイ音とは思いませんでした。例えて言えば、小学3年生が作ったブザー式の
モールス練習機って感じです。

2回のA〜Zまでの耳慣らしの後、練習で耳慣れた ・・・・ ・−・ ・・・・ ・−・ −・・・−で本番スタートです。
しかし、HRが始まった頃から脈拍が跳ね上がり始め、本文が始まる頃には、推定ですが脈拍120、血圧160ぐらい
になってしまいました。普段の脈拍は65前後、血圧に至っては100そこそこですから激変です。
耳から心臓が出てくるのではないかと思うぐらい、はっきりと早鐘のような鼓動の音が聞こえます。
こんな緊張、生まれてこの方経験ありません。入社試験の面接より、大学の合格発表を見る直前より、彼女と
初めてエッチした時より、はるかに強烈な心臓の反応です。

だけど不思議な事に、体は糸の切れた凧のような状態なのに、頭は変に冷静で、「試験中に心臓発作で倒れたなんて
事になったら恥ずかしいなあ」とか「人間の心臓ってここまで運動以外で高鳴るものなんだ・・・」とか、試験中にも
かかわらず要らぬことばかりが瞬間的に頭をよぎります。符号が鳴る度に「カタカタ」と言う、ほかの受験者が
鉛筆を走らせる音もはっきり聞こえます。

そうは言ってもやはり試験中、符号に食らい付く様に聞き取っていきます。脱字4文字ぐらいありましたが、どう考えても
前後の関係から「U」しかあり得ない部分があったので、終了寸前にヤマカンで「U」を入れます。
でもこれは真似しないほうがいいです。間違っていた場合、傷口が広がりますから(笑)。

つくづく本番に弱い、恥ずかしい心臓であることを思い知った電気通信術の試験でした。

電気通信術でいやと言うほど緊張したため、もう怖いものなしです。
昼食を取った後、午後の法規は楽勝気分でちゃちゃっと1時間で終わらせました。(皆さんそんなもんでしたけど・・・)