月刊さっぽろ(平成8年7月)|
毎週とまではいかないが金曜日、カーラジオのチャンネルをAir-G・FM 北海道に私は合わせる。 中田美知子さんの声が終日聞けるからだ。 パーソナリティー、キャスターにとって栄誉あるギャラクシー賞に中田美知子さんは輝いた。 大胆にして繊細。 こわもてな発言をしても嫌味なく暖かい。 車(走る部屋)と共に過ごしてくれる中田さんは声の友達、恋人、母、妻の役割を私にとってもたらせてくれる存在だ。 モノ・コト・ヒトの関わりを中田美知子××歳。 CM用語になぞらえるなら人生の違いがよく分かる語り部として評価された受賞なんだろう。 信号待ちでギアーを落とした私は「たいしたもんだ中田の姉御」とつぶやいた。車を発進させた。 折しも角川映画で流れていたと思われる曲が私の耳に飛び込んできた。 と同時に、映画を通して私が人間の存在について抱いた思いは「肉体はマシーンであり魂は不減のガソリンである」と語った角川春樹氏の言葉を思い出した。 中央区にある鈴木葉子さん経営のギャラリーユリイカで角川照子主宰「河」の俳画展が六月上旬開かれた。 強烈な個性がマスコミを賑わせる角川春樹氏の作品のなかで私は「比良八荒仏間の奥も湖の音」「向日葵や信長の首切り落とす」が印象的だ。 今回の俳画展に寄せられた句は「獄を出て時雨の中を帰りけり」。 麻薬関連の事件によって獄に捕えられた体験をした春樹氏の偽らざる心境がそのまま表現されている。 しばらく「河」俳句月例会から離れている私にとって敬服してやまない吉田鴻司先生の「草餅やいつもどこかに東山」といった軽妙な言葉遊びに脱帽したり「花会式鬼に乳首のありにけり」という角川賞、林佑子さんの手慣れた句に関心するのみであった。 「明け方の小さないびき花の宿」春木太郎。 古希を過ぎかくしゃくとされている「ながき髪一気に切りてさくら見ず」山口律子。 「銀杏の実匂ふどこかで昼の火事」藤田美和子。 これ等の作者と旧交を暖めた。 季語とリズム。 映像としての復元力が求められる「河」俳句の会は心地好いものだった。 トム・クルーズ主演、「ミッションインポッシブル」やスピルバーグの「ツイスター」を始めシュワルッツネーガ主演「イレイザー」といった夏の超話題作の試写が10日以後に目白押し。 従ってシネマの周辺は次号で詳しく、となる。 |
