TEACCH その2

構造化とコミュニケーションスキル

環境の構造化と、コミュニケーションスキルがどうもTEACCHを学ぶ上でのポイントのようだ。

構造化を理解面の、
コミュニケーションスキルを表出面の、
キーワードとして考えていくとわかりやすいような気がする。
 
 構造化は、自律性の獲得のための手だてでもある。すなわち、構造化、視覚化することにより、見通しを持ち、他からの指示を待つことなくひとりで判断して行動ができることが可能になるであろうということだ。

 コミュニケーション手段の獲得は、自発性獲得のための手だてにもなる。音声言語のみでなく、実物や写真、絵、シンボル、文字等を伝達の手段として活用するスキルを獲得することで、意志や要求を自分で伝えることのハードルが随分低くなることが考えられる。

 ところで余談になるのだが、初めてTEACCHのビデオを見た時、そこに写された子ども達に、その理念からはかけはなれた
「やらされている姿」
を感じてしまった私だが、その事について、調べてみた。

 TEACCHでは、療育内容のあらゆる場面で上述の自律性と自発性を伸ばすための配慮がなされているようである。
たとえば、活動、作業内容はお仕着せではなく、子どもが選ぶという行為を介在させている。これは、自発、自律的行為へと発展させていくための布石だと考えられる。
又、
活動、作業内容は視覚的な情報によって指示・手順が与えられおり、内容、手順を自分で理解し、指示待ちではなく自分で判断して行動できるようにすることを目指している。これも、自律、自発的行為、行動へのステップであると考えて良いのだろう。
                              <なるほど・・・!!

 ただ、疑い深い私としては、まだ不安はあるわけで・・・(^^ゞ
長く、その段階に留まっていれば、それは単に
「やらされていることに過ぎなくなる」
可能性も、やはり否定はできないように思う。
 でも、だからこそ、
一人ひとりの子どもの成熟度と伸び具合に応じて、頻繁にPEPが改訂され、その時々の機能レベルを詳細に把握する事が重要視もされるのだろうとは考えられる。


PEP(心理教育診断検査)では、一般能力や発達水準、病理行動の有無と程度が評価される。

■一般評価
(1)模倣・・・・・・・・言語、動作
(2)知覚・・・・・・・・視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
(3)微細運動・・・・・・描画、動作
(4)粗大運動・・・・・・歩行、走行、ボール投げ
(5)目と手の協応性・・・絵や図の模写
(6)言語理解
(7)言語表出


その評価法
合格・・・・完全にできる
不合格・・・検査に応じられない、全くできない
芽生え反応・課題に取り組んで達成しようとするが、間違っていたり不完全にしかできない

の3段階に評定され、この中でも特に「芽生え反応」が具体的治療プログラムの計画、実施の際の重要な手がかりであるとされる。すなわち、芽生え反応で示唆される能力や後述の病理の有無こそが、教育上の課題や内容設定の手がかりである。ゆえに、その発達を促すことを中心に指導の中味を考えていくわけだ。


■病理行動
(1)対人感情
(2)対人関係
(3)対物関係
(4)感覚様式
(5)言語

その評価法
健常児との発達の差を基盤に、
課題に合格するか、しないか。
課題への取り組み方の病理的異常の有無とその程度はどうか。

という観点で、正(ない)・少(軽度)・多(重度)の3段階に評価される。

これらの評価の情報を元に、指導プログラムを組んでいくわけである。
そこで獲得をめざすスキルは、芽生え反応や、潜在能力のみきわめにも注意が向けられた総合的なものである必要があるのだろう。

ショプラー教授の言葉を借りれば
「それによって自分自身について"OK"と感じることができ」
「構造化された環境の中で、外界を"OK"と感じ」
「その中で新しいスキルを身につけることによって、自分自身にも"OK"を感じ」
「さらに他に積極的に関わって行けるように成長し続けていけるよう」
ということが、最終的な目的とも理想ともされるわけである。

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