2006.8.28

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状況の認知絵カード4


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指導事例

(1)「先生のものではないから、先生には返さない」


「この男の子、女の子のキーホルダーを持っているね。それで先生が何か言っているね。何と言っている?」
「先生に返して」
「そうね。先生は返してもらいたいんだね。返してもらったキーホルダーを先生はどうするつもり?」
「キーホルダーだから、かぎにつける。」
「でも、これ先生のもの?」
「・・・この女の子のもの」
「うん、この女の子のものなのに、先生に返してって言っているんだね。どうしてだろうね。」
「・・・」
「先生は、このキーホルダーが女の子のものだと知っている。だから、女の子に返してあげようと思っているんだよ。男の子から受け取ったあと、女の子にわたすつもりなのだろうね。」
「・・・」
「絵でかくとこういうこと。」
  三者のキーホルダーのやり取りを絵図にして説明する 
「そうか」
「先生から女の子に返すつもりなんだね」  
「裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 



この男の子は、女の子の持ち物のキーホルダーを持って行ってしまいました。先生はそれを返すように言っています。でも、男の子は、女の子の持ち物を先生に返すのはおかしいと思って返すのをいやがっています。
先生は、男の子から渡してもらったキーホルダーを女の子に返そうと考えています。でも、この男の子はキーホルダーを先生に渡した後、先生が女の子に返すことが想像できず「先生には返さない」と言ってしまったのです。
キーホルダーは、先生から女の子に返してもらうことも、男の子が自分から女の子に返すこともできます。自分で返そうと考えているのなら「自分で女の子に返します」と答えると良いです。
(2)「残っている! それなら、食べてしまおう!」

「みんなでスイートポテトを作って、食べているところなのだけど、この男の子どうしている」
「食べている」
「自分のスイートポテト?」
「うん」
「でも、先生、あわてているよ。ほら、ここ。これ、校長先生の分ではないの?」
「そうか」
「ね、校長先生用に残しておいたのを食べてしまっているんだね。自分のを食べてしまって、残っているのみつけて・・給食の時みたいに、早いもの順で食べても良いと思ってしまったのだろうね。こういう時はどうしたら良いのだろうね?」
「食べたらだめ」
「うん、どうしてだめなのか、どうしたら良いのかが裏に書いてあるから読んでみよう」 



生活科の時間に、クラスでスイートポテトをたくさん作りました。それをみんなで食べているところです。この男の子は、みんなで分けた後にもまだスイートポテトが机の上にあるのを見て、残っているのだと思ってしまったようです。
でも、残っているからといって、勝手に食べても良いわけではありません。給食では、残っている分は、早く食べた人が自由におかわりをして食べても良い決まりになっていることが多いです。しかし、生活科の時間などに作る時は、初めから人数分より多く作ることがあります。このスイートポテトは、配った後にたまたま残ってしまったのではなく、校長先生に食べてもらう分としてとってあるのかもしれません。残っていると思っても、食べても良いかどうかを確かめることが大切です。
(3)「何という名前なの?」「たくやだよ」


「このおばさんの言っていることばを読んでみて」
「たくやくんこんにちは」
「もうひとつあるよ」
「何という名前なの」
「うん。それで、たくやくんは、何と答えている?」
「たくやだよ」
「これ、何かおかしくない?」
「どうして?」
「このおばさん、たくやくんの名前を聞いているの?」
「そうだよ」
「でも、このおばさん、もう、この子の名は“たくや”だって知っているよ」
「どうして?」
「だって、ほら、たくやくんって呼んでいるから。」
「ええっ、本当だ?」
「ね。ということは、おばさんの聞きたい名前はだれの名前?」
「犬の名前?」
「そう。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」



男の子が犬と散歩をしている時に、近所のおばさんが、
「たくやくん、こんにちは」「何という名前なの」
と声をかけてきました。
ここでおばさんが聞いているのは、この子の名前ではなく、一緒に散歩をしている犬の方の名前です。でも、男の子は自分の名前を答えてしまっています。このおばさんは「たくやくん」と呼びかけているので、男の子の名前を知っていることがわかります。「何という名前なの」と聞いた時には、おばさんは犬の方を見ていたかもしれません。このような時は、おばさんのことばや様子で、何を聞いているのかを考えて答えると良いのです。
(4)「ちがいます! 次の時間は体育です!」


「先生が2時間目の算数が終わったのに、3時間目も算数をすると言っています。それを聞いた男の子は何と言っている?」
「ちがいます。次は体育です」
「そうね。黒板に書いてある時間割では、3時間目は何?」
「体育です」
「では、男の子の言っている方が正しいね。先生は次は体育だって知らないの?」
「・・・・」
「先生は知っているんだよ。ここの先生のせりふを読んでみて」
「雨がふっているからこのまま算数!!」
「そうそう。この意味は、次は本当は体育だけれど雨がふっているからできない。だから算数をするっていう意味ね。どうして雨がふったら体育はできないの?」
「雨で、ぬれるから。」
「そうね。多分、先生は、今は体育の代わりに算数をして、体育は他の日にしようと思っているのだろうね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 

 

男の子の言うとおり、黒板には3時間目は体育と書いてあります。
でも、2時間目の算数が終わったのに、先生はこのまま算数を続けようとしています。どうしてでしょうか?
先生は「雨がふっているから」と言っています。雨のため運動場が使えなくなってしまったのです。もちろん、体育館を使えば雨の日でも体育はできますが、この日は体育館も使えないのかもしれません。
だから先生は体育の代わりに、算数の続きをすると言ったのです。今日できなかった体育は、他の日にすることもあります。その時は、他の日の算数の時間と交かんすることになるかもしれません。
(5)ここは乗り物(エレベーター)の中
バスの運転手さんが
「つめてください」
と言っていたから、そうしよう。



「ここはエレベーターの中。この男の人と女の子は親子。小さい子の親は、子どもにぴったりくっついて行動することが多いよ。この親子、何か不思議そうだね。『?』 って書いてあるし。何が不思議なのかな?」
「・・・・・・」
「この足の所を見て。この男の子、エレベーターの中でこの親子連れにぴったりくっついて来たのね。きっと、混んでいるバスに乗った時に運転手さんが『順番に中につめてください』と言ったのを覚えていてエレベーターの中でもそうしなければいけないと思ったんだろうね。」
「こんなふうにすいているエレベーターやバスの中でも、つめた方がよいのかな?」
「つめなくてもいい」
「そうね、つめるのは少しでも沢山の人が乗れるようにするため。人があまり乗っていない時には、間をあけるようにした方がよいよ。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 
 


男の子がエレベーターに乗っています。中には三人しか乗っていないのに、この男の子はよそのお父さんにぴったりくっついています。
男の子は、前にバスに乗った時、運転手さんに「順につめてください」と言われたので、どんな時もつめて乗らなければいけないと思っているようです。混んでいたバスと、すいているこのエレベーターのちがいがわかっていないのかも知れません。
すいている時には、他の人との間かくをあけるのがマナーです。知らない人がそばに近づいてくると、たいていの人は不安になるものだからです。だから、すいている時は、できるだけ人のいない場所に立つようにします。反対に、混んでいるときは、なるべく多くの人が乗ることができるように、つめて乗るようにすると良いのです。
(6)「そこにすわるので、荷物をどけてください」


「この子、何と言っている?」
「すわるので 荷物をどけてください」
「そう言われて、このおばさん、びっくりしているね」
「うん」
「どうしてびっくりしているの」
「荷物をどけてって言われたから」
「どけてって言われたから、このおばさんは荷物はどけた方が良い?」
「別に・・・」
「荷物をどけなくても、この子がすわるところは外にある?」
「ここ」
「そう、そう。このとなりも、もっと外も空いているね」
「うん」
「電車の放送で、荷物はひざや網棚にのせて下さいっていうことがあるけど、この公園には外にすわるところもあるね。混んでもいないし、そうしなくても良いね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」   



「電車やバスに乗った時には「荷物は、ひざの上におのせ下さい」と放送されることがあります。
でも、ここは公園です。公園のベンチは、どこかに行くために乗る電車やバスとはちがって、ゆっくり休むためのものです。だから、公園ですわる時には、普通は、荷物をひざの上にのせなくても良いのです。
周りにはたくさんのベンチがあります。人がすわっていないベンチもあります。空いているベンチがある時は、人がすわっているベンチにはすわらないのがマナーです。知らない人がそばに近づいてくると、たいていの人は不安になるものだからです。
 でも、たくさんの人が公園に来ている時は、一人でも多くの人がベンチにすわれるように、荷物をおろしたり、つめたりすることもあります。
(7)「こんなところいやだ!」
(意味がわからない/うるさい/へんなにおいがする)



「今、全校朝会で大勢の子が体育館に集まって校長先生のお話を聞いているのね。○○さんの学校の校長先生は、体育館でどんなお話をされる?」
「忘れた」
「いつもお話を聞いている時は、何を話しておられるかわかる?」
「忘れた」
「うん。校長先生は全員にむかってお話をされるからね。聞き取りにくいものね。この男の子もきっと、何を話しているのかわからないし、大勢が集まってガヤガヤうるさいし、色々な臭いもするしいやになっているんだろうね」
「○○さんは、体育館はうるさいと感じたことある?」
「忘れた」
「そうなの。担任の先生が、体育館にいる時の○○さんは、何かいやな事があるのではないかって気にしておられたよ。もし体育館でいやになることがあったら、先生に相談すると良いよ。 では、裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 
 


「校長先生や他の先生が、大事なことを知らせるために、学校の子どもみんなを集めてお話をすることがあります。このような集まりでは、学校でみんなが気持ちよく過ごすために守ることや、知らせたいことなどのお話があります。先生のお話しをよく聞いていないと、後でこまるかもしれません。
また、友だちがかいた絵や作文が賞をもらったお知らせがあることもあります。自分のことではなくても、しっかり聞くようにします。
でも、子どもが大勢集まる朝会などは、みんながさわいでうるさかったり、服などのにおいがきつかったりすることがあります。
どうしてもがまんできない時には、大きな声で「いやだ!」と言うのではなく、そっと先生に伝えると良いのです。
(8)「あいつが動いたのが悪い。ぼくは悪くないからあやまらない」


「この子が投げたボールが友だちの頭に当たったので、先生があやまりなさいと言っているね。この子はなんと答えている?」
「あいつが動いたからだ」
「そうね。もうひとつは?」
「ぼくは悪くない。あやまらない」
「えっと、どういうことかわかるかな?」
「・・・・・」
「ちょっと、絵を描いてみるよ。(男の子が立っている絵を描きながら)この男の子がここに立って・・・・何をしたんだっけ?」
「ボールを投げた」
「(ボールを投げてボールが飛んでいく方向に矢印を描きながら)ボールを投げたのね。そのボールが(矢印の延長線上にもう一人の男の子の絵を描きながら)この男の子に当たったんだね。この子は初めからここにいたの?」
「そう」
「動いたって書いていてあるよ、ほらここ。(矢印の方向の少し右あたりを指して)この辺にいたけれど、このボールの飛んで来た方に動いたんだね」
「ふうん」
「こうやって見ると、男の子が動いたから当たったのは確かだね。でも、この動いた方の男の子は、ボールが飛んでくるのは見えてなかったのではない? その辺を走りまわって遊んでいて、たまたま進んで行った方向にボールが飛んできたんだね。
投げた子もわざとぶつけたわけではない。でも、相手は当たって痛い思いをしている。わざとではなくても、当たってしまったことをあやまらないとね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
  


「この男の子が1人でボール遊びをしている時に、投げたボールが友だちに当たってしまったようです。でも、男の子は、
「あいつが動いたから当たったんだ。ぼくは悪くない」
と言って、あやまろうとしません。
ボールを投げたりけったりする時は、人や物に当たらないように気をつけます。それでも当たってしまう時があります。そんな時にも、あやまることはとても大切です。あやまるのは、わざとボールを当てた時だけではないからです。わざとかわざとでないか、どちらが良いか悪いかには関係なく、ボールが当たってしまったことをあやまるのです。
(9)「こっちを見て何か言っている。きっとぼくの悪口だ。」
 

「この男の子、なんと言っている?」
「きっと ぼくの悪口だ」
「えっ、だれが悪口を言っているの?」
「だれも言っていない」
「この女の子たちは言っていないの?」
「うん」
「でも、この男の子、女の子たちが悪口を言っているんだと思っているんだろうね」
「違う!『 体操服忘れた!!』って言っているんだよ」
「あ、確かに。・・・絵があるからね。この絵は女の子が心の中で思っていることね。男の子には『・・・・・』の女の子たちの会話は、聞こえていないと思うよ。遠いからね。」
「そうか」
「こっちを見て話しているから、自分のことを言われているような気がするかもしれないけど、そうであるとは限らないんだね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」



女の子二人が、男の子の方を向いて何かひそひそと話しています。よく見れば、女の子たちは、この子の横の時間割を指差しているのがわかります。でも、男の子は自分のことを言っているのだと思っているようです。
このように、自分の方を見て話しているように見えても、自分のことを話しているとは限りません。それは、指差している方向や、その先になにがあるか確かめてみればわかります。人の悪口を言っているのではなくても、ヒソヒソと話すことはあるのです。
(10)「ごはんを食べに行こう!」 「いやだ、おかずも食べたい!」


「おかあさんが『ごはんを食べに行こう』と言っているね。後ろに見えるレストランに行くんだね。お母さんはレストランで白いごはんだけを食べようと思っているのかな? 」
「違うよ」
「女の子はそう思ったんだね」
「○○ちゃんは、レストランに行った時は何を食べた?」
「忘れた」
「じゃぁ、お子さまランチと、オムレツと、スパゲッティのうちで、食べたことあるものは?」
「わからない」
「レストランで、お家の人が白ごはんだけ頼んで食べたことある?」
「ない」
「うん、白ごはんだけ頼むこともできるけどね。でも、『ごはん』ということばには『食事』という意味もあるよ。だから。『ごはんを食べに行こう』というのは『食事をしに行こう』という意味ね。
裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 
 


この女の子は
「ごはんを食べに行こう」
とお母さんが言ったのを聞いて、主食のごはんだけを食べるのだと思ってしまったようです。しかし、ごはんという言葉には食事という意味もあります。朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんという時は、主食とおかず全部をふくめた食事のことをさします。
ここで、お母さんが「ごはんを食べに行こう」と言ったのは「食事をしに行こう」という意味です。
(11)「上ぐつを持って帰ればいいんだね」


「先生は何と言っている?」
「上ぐつを持って帰ってね」
「上ぐつを持って帰ってどうするの?」
「・・・・洗う?」
「そうそう、そう言うこと。良くわかったね」
「だって、ここ、靴を洗っているもの」
「本当だ、絵があるとわかりやすいね。では、この絵とは関係なく、金曜日のお帰りの時間の様子を話すから聞いていてね。ここは教室です。皆、ランドセルに教科書やノートを入れて帰る用意をしています。
その時、担任の先生が言いました。『今日は、金曜日だから上ぐつを持って帰ってね』。先生は、金曜日の放課後に上ぐつを持って帰って洗って乾かしてねと言う意味で言ったのはわかったね。その乾いた靴、次はどうしたら良いのだと思う?」
「はく?」
「うん、そうそう。又、月曜日に学校に持って行ってはくんだね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  



先生が「上ぐつを持って帰ってくださいネ」と言ったので、男の子は上ぐつを家に持ち帰りました。でも、持ち帰った上ぐつを机の上に置いたままにしています。
先生が上ぐつを持って帰るようにと言ったのは「よごれた上ぐつを家に持って帰って、洗ってからまた学校に持って来てください」という意味です。自分で洗えない人は「家の人にわたして洗ってもらってから、また学校に持って来てください」という意味になります。
(12)「3時31分だから、ぼく帰る」


「遊ぶ約束をしたんだね。右のこの男の子、大急ぎだね。何と言っている?」
「3時30分の約束だったよな」
「うん、3時30分から遊ぶ約束をしたのね。こっちの子は怒っているね。何と言って怒っている?」
「3時31分だ。ぼく帰る」
「約束の時間を過ぎたのに来ないから怒っているのね。何分過ぎたの?」
「1分」
「1分ってどのくらいの長さだろうね。ちょっと実験してみようか。○○さん、この教室から出て、1分ぐらいたったら帰ってきて」
「・・・・?」
「では、ゆっくり歩いて廊下にある消化器にタッチして帰ってきて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「はい、1分3秒。1分ってすぐだね。ちょっと忘れ物をしたりトイレに行ったりしたらすぐに約束の時間を過ぎてしまいそうだね。そんなこともあるし、少し待ってあげると良いね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」



この男の子は、3時30分に友だちと待ち合わせをしています。今は3時31分です。約束の時刻を1分過ぎたので、おこって帰ろうとしているようです。
約束の時刻を守ることは大切なことです。電車などに乗る時などは特に、少しでも遅れると乗れなくなってしまうことがあるからです。でも、お店や病院の予約など、約束していたその時刻ぴったりには始まらないこともよくあります。
男の子の友だちは、何か理由があって遅れてしまい、今、約束の場所に向かっている途中なのかもしれません。約束の時刻ぴったりに来なくても、少し待ってあげることも大切です。
(13)「ぼく、そういうのは食べない主義なんです」

「この右の男の子、何と言っている?」
「保存料と着色料が入っていますね。ぼく、そういうのは食べない主義なんです」
「なるほど。保存料、着色料って何か知っている?」
「当然! うちのお母さん、△△は食べたらだめだって」
「そうなの、○○君の所も食べないように気をつけているの」
「でも、この絵のお家はそうではないんだね。家によって、考え方や大切にしていることが違うからね。このおばさん、なんかびっくりしたような、いやそうな顔をしているね。どうしてだと思う?」
「この子が批判したから」
「批判?」
「保存料や着色料はだめって」
「あっ、そういうことね」
「この子はこれを食べたくない。このおばさんがいやな気持ちにならないように食べたくないことを伝えるには、どうすれば良いのか・・・裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 
 


友だちの家に遊びに行った男の子が、出してもらったお菓子のふくろに書いてある成分を見て「ぼく、こういうのは食べない主義なんです」と言っています。お菓子を出してもらったら、まずは「ありがとう」と言うのが礼儀です。この場合の「ありがとう」は、お菓子を出してもらったことに対するお礼です。実際には食べなくても、出してくれた気持ちに感謝するのです。
好き嫌いやわがままではなく、健康のために保存料や着色料の入ったものやカロリーの高いものを食べないと決めている人や、お医者さんから食べないように言われている人もいます。
「すみません。ぼくの家では保存料や着色料が入っているものは食べないことにしているのです」
と食べない理由を伝えるのは悪いことではありません。そのようにきちんと伝えると、相手も気分を悪くしないで、次からは出さないように気をつけてくれるかもしれません。初めから、食べても良いお菓子を(友だちの分も一緒に)持って行くのも良い方法です。
(14)「間違えた。全部、消してしまおう!」


「この子、カタカナでマヨネーズと書いていて一字だけ間違えたのだけど、どの字?」
「ズ」
「そうだね。『ズ』が裏返しだね。この子、全部消そうとしているね。『ズ』の他は合っている?」
「はい」
「だったら『ズ』だけを書き直したら良いんだよね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  



間違いは誰にでもあります。間違えたことに気がついて直すことは良いことです。
でも、間違えていないところまで全部消してしまう必要はありません。間違えたところだけを消して直し、次に進むと良いです。
(15)「こんなわからない問題を出す先生はひどい!」


「この子、何と言っている?」
「『こんなわからない問題を出す先生はひどい!!』と言っています」
「うん、わからないのがよほど悔しかったのですね。全部わからなかったのかなぁ・・。良く読んだら、わかる問題もあったのではないかなぁ。どう思いますか? ○○さんは、わからない問題があって悔しかったことありますか?」
「あります」
「その時、そこに書いている問題の全部がわからなかったですか?」
「・・・・・・」
「わかるのもあったけれど、わからないものもあったということですか?」
「・・・そうです」
「この後ろの方の子も今、一生懸命考えています。もしかしたら、この子たちも、わかるのもわからないのもあるかもしれないです。わからないのがある時は、わかるのを先にやってしまって、あとからゆっくり考えると良いのです。
勿論、それでも、わからないもこともあります。でも、考えてみることが大事なのです。裏に、この絵の説明文があるから読んでみましょう」  



友ふつう、テストの問題は、今まで勉強したところから出ます。勉強したことがそのまま問題として出る場合もあるし、勉強したことを元に自分で考えなければならない問題が出ることもあります。わかる問題もあれば、すぐにはわからない問題もあります。
この男の子は、今まで勉強したことそのままではない、自分で考えなければならない問題が出たので「先生はひどい!」と怒っているようです。
わからない問題があった時は、わかる問題を先にやってしまう方法があります。その後で、わからない問題を見て、もう一度落ち着いて考えてみると良いのです。
(16)「ぼく、もうこのおもちゃで遊ばない!」


「ここを見て。何と書いてある?」
「かしてあげる」
「そうね。これは、この黄緑の服を着た男の子が、友だちから借りたものなんだね。借りているこのおもちゃにあきてしまって、『ぼく、もうこのおもちゃで遊ばない!』と言っているのね。
あれ?そのおもちゃの車を小さい子が蹴って遊んでいるよ。あれ、この車、タイヤがどうなっている?」
「壊れた」
「うん、この車だれのだった?」
「この子」(黄色い服の子を指さす)
「そうだったね。友だちの車が壊れてしまったんだ。困ったね。どうしたら良かったのかな。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」


この車のおもちゃは友達から借りて来たおもちゃです。部屋に放りっぱなしだったので、弟が遊んでこわしてしまったようです。
借りたおもちゃは、責任を持って持ち主に返します。もうこのおもちゃで遊ばないのなら、約束の日までどこかにしまっておきます。約束の日よりも早く返しに行くこともできます。
どちらの場合でも、借りたものはていねいにあつかうことは、とても大切です。
(17)「体育もできないようでは、教師の資格はありません」


「この男の子、何と言っている?」
「体育もできないようでは教師の資格はありません」
「だれに言っているの?」
「この人」
「この人はだれ?」
「お母さん」
「あっ、お腹に赤ちゃんがいるから? もうすぐお母さんになる・・・この子の担任。担任の先生は体育ができないので、今は、この男の先生が体育の先生ね。 担任の先生は、どうして体育ができないの?」
「体育が嫌いだから」
「体育は嫌いでも好きでも、今はできないの。 お腹に赤ちゃんがいるからね。走り回ったりして転んだり、ボールがお腹に当たったり したら、赤ちゃんが苦しいよ。赤ちゃんのお母さんである先生の健康の為にも激しい運動は良くないんだよ。だから、体育は代わりの先生がするんね」
「この先生?」
「そうそう、この人が代わりの先生。裏に、この絵の説明が書いてあるから読んでみよう」 



担任の女の先生は、お腹の中に赤ちゃんがいます。そのために、先生は体育の授業をしません。先生が体育をしないことを、この男の子は怒っています。
赤ちゃんがお腹の中にいる時は、うまれてくる赤ちゃんのためにも、先生の健康のためにも、はげしい運動はしない方が良いのです。
決して、ずるをしているわけでもさぼっているわけでもありません。体育の時間には代わりの先生が来てくれています。体育の授業はしばらくその先生とすることになります。
(18)「たおれたのは、お母さんのせいだ!」


「この男の子、自分でするのはこわいので、お母さんに頼んだのね。でも、失敗してしまったみたい。それで怒っているんだね。何と言っている?」
「お母さんのせいだ」
「お母さんのせいなの?」
「そう。お母さんが倒した」
「この子がお母さんに頼んだんだよね」
「そう」
「この子が自分でしたら倒れなかった?」
「倒れ・・・・ない」
「うん、倒れなかったかもしれない。でも、倒れたかもしれないね。それはお母さんも同じ。うまくいけば倒れなかったかもしれないけれど、この時は倒れた。この時、お母さんに頼んだのはこの子。自分がその方法を選んだんだね。
 裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 



この男の子は女の子とブロックを引き抜いていくゲームをしていま
す。男の子は、ブロックがたおれるのがこわくて、お母さんに代わっ
てもらいました。でも、お母さんがブロックをたおしてゲームに負け
てしまったので「おかあさんのせいだ!」と怒っています。
男の子が自分で頼んで代わってもらったのですから、負けたのも自分の責任です。
(19)「ぼく、荷物は持っていないんだけどな」


「この男の子、自分でするのはこわいので、お母さんに頼んだのね。でも、失敗してしまったみたい。それで怒っているんだね。何と言っている?」
「お母さんのせいだ」
「お母さんのせいなの?」
「そう。お母さんが倒した」
「この子がお母さんに頼んだんだよね」
「そう」
「この子が自分でしたら倒れなかった?」
「倒れ・・・・ない」
「うん、倒れなかったかもしれない。でも、倒れたかもしれないね。それはお母さんも同じ。うまくいけば倒れなかったかもしれないけれど、この時は倒れた。この時、お母さんに頼んだのはこの子。自分がその方法を選んだんだね。
裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」 



ここはジェットコースターの乗り場です。ジェットコースターは、荷物を持って乗ると危険です。だから、乗る前に荷物を預かってもらいます。そのために、乗り場には「荷物をお預け下さい」と書いたかんばんがあります。
荷物を持っていないこの男の子は、このかんばんを見てこまっているようです。でも、このかんばんは、荷物を持っている人のために書いてあるものなので、荷物を持っていない場合はそのまま乗れば良いのです。
(20)「今日は、花の水やり当番なんだ。」


「この子水やりの当番なんだね。いつも忘れないでしっかり当番活動をしているんだろうねぇ」
「お花にお水をあげるのはなぜ?」
「あげないと枯れるから」
「そうね、水をあげないとしおれたり枯れたりしてしまうね」
「今、雨が降っているね。雨も水だよね?」
「雨は、雨」
「うん、雨と水道の水とは違うけれど、雨水というぐらいだから水には違いないよね。じょうろでの水やりは今日はお休みしてもよさそうだよね。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」
    


雨が降っています。この男の子は、いつもと同じように花に水をやっています。
草花や木には雨の水が必要です。水が足りないと、かれてしまうからです。でも、晴れたり曇ったりと天気はいろいろで、いつも必要なだけ雨が降ってくれるとは限りません。それで、学校では水やり当番を決めています。
(21)「赤組が負けたのは、白組のおまえらのせいだ」
  


「運動会だね。この子、何と言っている?」
「白組のおまえらのせいだ」
「何が、白組のせい?」
「?」
「この子は赤、白、どっち?」
「赤}
「そうね。この子は赤。今日は運動会かな。運動会で赤と白、どっちが勝った?」
「白」
「そう。この子の赤組が負けてしまった。負けたのは勝った白組のせいだと言っているのね。白が勝ったら、赤が負ける。赤が勝ったら、白が負ける。勝負は、そういうことだね。
勝つことも負けることもある。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  



赤組白組などに分かれて競い合う運動会には、勝ち負けがあります。勝つという目標にむかって、みんながまとまってがんばることができるからです。
勝ってうれしい人も、負けてくやしい人も出てきます。この子の赤組は負けてしまったようです。しかし、負けたことは悪いことでもはずかしいことでもありません。自分たちが負けたことで相手を責めることの方がはずかしくて良くないことです。
くやしいと思うこの男の子のその気持ちはとても大切です。そのくやしい気持ちが、この次にもがんばる力の元になるからです。
(22)「誰だ、ぼくをなぐったのは?」


「運動会だね。この子、何と言っている?」
「白組のおまえらのせいだ」
「何が、白組のせい?」
「?」
「この子は赤、白、どっち?」
「赤}
「そうね。この子は赤。今日は運動会かな。運動会で赤と白、どっちが勝った?」
「白」
「そう。この子の赤組が負けてしまった。負けたのは勝った白組のせいだと言っているのね。白が勝ったら、赤が負ける。赤が勝ったら、白が負ける。勝負は、そういうことだね。勝つことも負けることもある。裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう」  



この男の子は水筒を振り回しながら歩いていたので、それが自分に当たってしまったようです。当たったのが水筒だと気付かず、まわりの友達が自分をなぐったのだとかんちがいしています。
ひものついている物は、振り回すと思いがけない動きをします。人や自分に当たることもあります。特に、頭の上やうしろなど、自分の目で見えないところで振り回すとたいへんきけんです。長いひものついている水筒は、肩からかけて、ぶらぶらしないように気をつけて歩くようにします。

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