2003.6.4

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六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六六

状況の認知絵カード2 

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指導事例

(1)"立入禁止"と書いてある。座った姿勢で入ればだいじょうぶ?
"アヒルのえさ 百円"と書いてある。アヒルが百円玉を食べるのかな?


「この子、何をしているの?」
「何か投げている。」
「何を?」
「・・・。」
「これは財布みたいよ。」
「お金、100円。」
「100円を食べるのかな?」
「・・・・・さぁ・・・・・・食べるのかなぁ・・・・。」
「ここに何か書いてあるよ。読んでみて!」
「あひるのえさ100円。」
「あひるが100円を食べるなんて聞いたことないよ。
 あひるのえさ100円って、あひるが100円を食べるのではなくて、何か
他の意味があるんじゃない?」
「・・・・・。」
「ここに何かあるよ。これが餌なんじゃないの?
という事はあアヒルのえさ100円というのは、どういう意味?」
「アヒルのえさが100円する。」
「そう、アヒルのえさを100円で売っていますってことね。」
「こっちの子は何をしているの?」
「座っている。」
「うん、ここに何と書いてある?」
「立ち入り禁止。」
「立ち入り禁止って?」
「ここに入ったらだめってこと。」
「そうね、この子、立ってはいるのではなくてすわって入るのなら良いと思
ったのかもしれないね。」
「裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう。」



立て札には“立入禁止”と書いてあります。それを見て座った姿勢で入り
込んでいる子がいます。
これは“立って入るのを禁止する”という意味ではありません。
立ち入るというのは、ある場所の内に入るという意味です。
“中に入ることを禁止する”ということなのです。
また、向こうの方には“アヒルのえさ 百円”という字を読んで、アヒルに百
円玉を投げている子がいます。
 アヒルは鶏と同じ配合飼料を食べます。他にもクローバーやキャベツや
レタスやもやしなども食べます。かたいお金は食べません。
立て札のすぐそばにアヒルのえさが置いてあります。
“アヒルのえさ 百円”というのは、“売っているこのえさの値段が百円”と
いう意味です。


他にも、身の回りには、いくつかのことばを省略した文は沢山あります。
(2)あのおじさんの頭は禿げている。頭には髪の毛があるものなのに、なぜ?

「この子何と言ってる?」
「おじさんの頭はどうして禿げているの?」
「おじさんはそう言われてどう思っているだろうね?」
「いや?」
「おじさんはどんな顔をしている?」
「目の所が赤い顔」
「うん、はげていると言われて、平気ではなさそうだね。」
「迷惑?」
「どうかなぁ・・。じゃぁ、これ、この子のお母さんだと思うけど、何をしている?」
「捕まえている。」
「うん、口を押さえてとめているんだね。何をとめているの?」
「おしゃべり?」
「そうそう、お母さんはこの子に言って欲しくない事があるんだね。何を?」
「あ、おじさんの頭はどうして禿げているの?」
「そう。お母さんは、おじさんにそんな事を言ったら失礼だから口を押さえて
止めたんだね。」
「裏に、この絵の説明文があるから読んでみよう。」



この子は、それが不思議だったので、その場でおじさんに聞いてしまったよう
です。
でも、おじさんの方は、なぜ禿げているのかを聞かれていやそうな顔をしてい
ます。人は顔や体つきなど容姿に関することなどを言われると、いやな気持ち
になることが多いです。だから、口に出さない方が良いのです。
髪の毛がうすくなる理由を知りたいのなら、あとから自分で本を読んで調べる
こともできます。
お母さんやお父さんや先生に教えてもらうこともできるかもしれません。
(3)部屋におもしろそうなおもちゃがあったので、手にとって遊ぼうとした。
そうしたら弟が急に泣き出した。お父さんが
「何をやっているんだ!! 何回言えばわかるんだ!」
と聞いた。だから
「おもちゃで遊んでいるんだよ。2回めだよ。」
と答えた。



 「これ、兄弟だね。お父さんが何か言ってるよ、読んでみて。」
「何をやっているんだ。何回言えばわかるんだ。」
「何をやっているの。」
「遊んでいる。」
「うん、この自動車で遊びたいみたいね。」
「でも、どうしてお父さんはこんなことを言っているのだろうね。」
「わからない。」
「おとうさん、おこっているのではない?」
「・・・・・。」
「このおもちゃは、もともと、この小さい方の子、弟が遊んでいたものね。
この大きい方の子、お兄ちゃんがそれを無理矢理とったのかもしれないよ。」
「あ、そうか。」
「だったら、おとうさんは何をおこっている?」
「おもちゃを取るな!」
「うん、そうだろうね。何回言えばわかるんだっていうのは?」
「・・・・。」
「おとうさんは、前にも何回か、このお兄ちゃんを叱ったことがあるのではない?
だから・・・・・。」
「これで、何回目か聞いている。」
「うん、聞いているというよりこの場合、何回も何回も同じことを言わせないで
くれって怒っているのよ。」
「裏の説明文を、読んでみよう。」



この子が遊ぼうとしたおもちゃは、弟が持って遊んでいたものです。
弟にしてみれば、遊んでいたおもちゃを取り上げられたことになるので、
泣いてしまったのです。
お父さんは、それを見て、“弟からおもちゃを取り上げるのはやめなさい”
という意味で、
「何をやっているんだ!!」
と怒鳴ったのです。ここでは“何をやっているんだ!!”という言葉には、
“今、弟のおもちゃを取り上げたね”という意味が含まれています。
“何回言えばわかるんだ!”という言葉にも、“前にも、弟のおもちゃを取
ってはいけないと言っただろう。何回も同じ事を言わせないでくれ。”とい
う意味が含まれているのです。


人が手に持っているものは、どんなに面白そうに見え、欲しくてたまらな
いと思っても
「貸して。」
と声をかけるものです。
そして良いと言う返事があったら貸してもらいます。それがルールです。
(4)クラスにとても太っている子がいる。そのお母さんに、太りすぎだから子ども
の栄養を考えてあげなければだめだと説明してあげよう!
 


 「この子、何と言っている?」
「おばさんの子は太りすぎだから、栄養を考えてあげなければいけないよ。」
「そうね。そう言われたおばさん、どんな顔をしている?」
「はずかしい。」
「う〜ん、このおばさんは、大人だから、どうしたら太るかは知っているかも
しれないよ。
だから、そんな事、子どものあなたに言われなくてもわかっているって、思
っているかもしれない。だから、言われるのが・・・・・。」
「いや?」
「そうそう、そうだろうね。」
「裏に説明文があるから読んでみよう。」



この子は、“おばさんに、肥満について自分が知っている正しい知識を教
えてあげよう”と思ったのかも知れません。おばさんは、もしかしたら子ど
もが太っていることを気にしていて、人に言われたらいやな気持ちになる
かもしれません。知っているからといって、人に言ってはいけないことが
あるのです。
人がいやな気持ちになることは、口に出さないように気をつけることは、と
ても大切なことです。
(5)お母さんに
「お皿を運んでね。」
と言われた。だから、お皿だけ運ぼう! 


 「お母さん、何て言っている?」
「お皿を運んでね。」
「この子は何をしているの?」
「おかずを、こぼしている。」
「うん、お皿だけを運ぼうとしているんだね。お皿に残っているおかずは、
テーブルに残したら良い?」
「だめ。」
「そうね。片づけて、きれいにするんだものね。
「お皿を運んでと言われたら、お箸とか、コップとかは運ばなくても良いの?」
「うん。」
「でも、お母さんは、今から食器を洗う所ね。
 洗うのはお皿だけで、お箸とかは、洗わないの?」
「洗う。」
「だったら、お母さんは、お皿もお箸もコップも全部運んで欲しいよね。
 使ったものを、全部洗ってきれいにしたいのね。」
「うん。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



お母さんは今から洗い物をしようとしています。
ここでいう“お皿”という言葉には“お皿とお皿に残っている食べ物”の
両方が含まれます。
そして、ふつう、お皿だけではなく、コップやおはしも一緒に洗います。
だから、お母さんが言っているのは、
“ここにある食器は全部、流しに運んで”ということなのです。
(6)お母さんと訪問した家で自分の嫌いなにおいがした。だから
「この家、くさいね。」
と言った。
 
 「この子、何と言っている?」
「この家くさいね。」
「くさいと感じたから、そのまま言ったんだね。どうだろう、こんな事言って、
周りの人どう思っているかな?」
「・・・・・・」
「顔を見てごらん。おばさんは?」
「なんか、けむりが出ている。」
「けむり? どういうこと。」
「なんか、怒っている?」
「うん、どうして怒っているのかな?」
「・・・・・。」
「お母さんは?」
「えっ、おばさんと違う顔。恥ずかしい。」
「そうね。」
「どうしておばさんは怒っているか。どうしてお母さんは恥ずかしがって
いるか・・・。難しい?」
「難しい。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



家の中には色々な臭いがあります。トイレ、台所、下駄箱、ペットや
タバコ等、気がつかない
うちに臭いがしみついていることもあるのです。
このおばさんの家は、きちんと整頓されています。いつも掃除をして
清潔にしているのかもしれません。それでも、ニオイがなかなか取れ
ないこともあります。
人は、“くさい”とか“汚い”とか“散らかっている”などの否定的なこと
ばを言われると、いやな気持ちになることが多いです。だから、それ
らのことばは、口に出さない方が良いのです。
でも、どうしても気になるにおいがあったら、小さな声でお母さんに、
「このにおい何のにおい?」
とそっと聞いてみる方法もあります。
(7)「絵の具を持って帰りなさい。」
と言われた。絵の具セットから絵の具を出して持って帰ろう!



 「先生は、何て言っているの?」
「絵の具を持って帰りなさい。」
「この子はどうしている?」
「絵の具を、出している。」
「出して、どうするのだと思う?」
「持って帰る。」
「○○君も、絵の具って、中身を出して持って帰る?」
「違う。」
「先生は、絵の具を持って帰りなさいって言ったよね。だから、
この子は絵の具だけを持って帰ろうとしているね。
 先生のことばの通りやっているのだから、これで良いのかな?」
「・・・・・。」
「先生は絵の具を持って帰りなさいって言ったけど、絵の具の中
身を出して持って帰りなさいって意味ではないんだね。」
「持って帰らなければならないのは何?」
「絵の具の道具全部。」
「そうそう、そう言う事ね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



絵の具と筆や水入れは絵を描く時にセットで使います。
ここで“絵の具を持って帰りなさい”というのは、“絵の具セットを
持って帰りなさい”という意味です。先生は、しばらく使わないので
家に持って帰るように言ったのです。
まわりの子もセットごとそのまま全部持ち帰っています。なぜ持っ
て帰るのかを知り、その意味を考えて行動することはとても大切な
ことです。
(8)病気で休んだら、友だちがお見舞いカードを持ってきた。だけど気に入らな
  いので、
  「こんなのいらない。」
  と言った。


「この子たち何をしに来た?」
「お見舞いに来た。」
「このベッドにいる子は、何をしているの?」
「友だちをバシンと叩いた。」
「ああ、叩いたのではなくて・・・・ほらこれは何?」
「鶴の絵。」
「お見舞いにカードを持ってきてくれたんだね。この子は、何と言っている?」
「いらない。」
「そう、カードなんかいらないって、放り投げたんだね。」
「お見舞いに来たこの子たち、どんな顔している?」
「失礼な顔?」
「失礼というよりは、そんな事するなんてひどいよって怒っているみたい。
 女の子は、何か悲しそう。」
「この男の子、人の親切を知ってない。」
「そうね、せっかく心配してお見舞いを持って来てくれたのにね。」
「裏の説明文を読んでみようか。」



このカードは、友だちが“早く元気になってねと言う気持ち”で作ってくれた
ものです。
人は、一生懸命に作ったものをいらないと言われると、とても悲しくなって
しまうものです。
心配して作ってくれたカードは、
「ありがとう。」
と言って受け取ります。
“心配して作ってくれた友だちの気持ち”を受け取ることはとても大切な
ことです。
(9)徒競走で一番になりたい。でも、なれそうもない。もう走るのはやめたい!

 
 「この男の子、どうしたの?」
「なんか、一番になりたがっている。だだっ子している。」
「うん、そうね。どう思う?」
「よけいに恥ずかしい。」
「凄い、○○君。○○君もゲームに勝ちたいとか、1番になりたいとか
 思う事はあるよね。」
「うん。」
「でも、いつもいつも勝てるわけではない。かけっこも、4人で走ったら、4人
とも一番になるわけではないよね。」
「うん。」
「この子も、○○君のように早くその事に気が付くお兄さんになってくれると
いいね。」
「では、裏の説明文を読んでみようか。」


この子は、一番が好きなようです。
でも、人は、いつもいつも一番になれるとは限りません。勝つこともあれば
負けることもあるからです。二番になる時も、三番になる時もあるし、もっと
後の順番になることもあります。
けれど、一生懸命、最後まで走る子は、どの子も“一番がんばる子”です。
(10)中学生が数名集まって、タバコを吸っている。 
「20歳にならないと吸ってはいけない。」
と教えてあげよう!


 
 「このお兄さんたちは中学生かな。あ、たばこを吸っているね。
中学生は、たばこを吸っても良かったんだっけ?」
「だめ、二十才にならないと。」
「うん、そうだね。この男の子、何か言ってるよ。」
「20歳にならないと吸ってはいけません。」
「この中学生たちは20歳にならないと吸ってはいけないって知らないのかな。」
「そう。」
「でも、たばこの箱にも書いてあるしね、お家の人からも学校の先生から
も教えてもらっているし、知っていると思うよ。知っているけど、ルールを守っ
ていないのかもしれないね。普通、いくら正しいことでも、それを小さい子に言
われると、腹をたてる人がいるんだよ。腹を立てて、暴力をふるう人もいるかも
知れない。
この小さい子一人が、この大きな中学生と喧嘩になったら怪我をするような事
になるかもしれないね。」
「中学生は強い。」
「正しいことでも、自分で直接言うのではなく、先生や、お家の人など大人の
人に伝える方が、良いかもしれないね。」
「裏の説明文を読んでみよう。」



この子は“たばこは20歳からというきまりは守らなければいけない”“それを
知らない人には教えてあげなければいけない”と思ったのかもしれません。
でも、たぶん、この中学生もそのきまりは知っているのです。知っているのに
守っていないので、それを小さい子に指摘されたら腹を立てるだけかもしれ
ません。
正しいことでも、教えたり注意したりすると怒る人や乱暴なことをする人もい
るのです。
自分の身の安全を守るために、時には間違いを指摘することを避けるのは、
決して悪いことではありません。
(11)持って来たはずの筆箱がない。先生にも
「筆箱を忘れたのかな? 忘れ物をしないようにしようね。」
と言われた。



「この女の子、どうして泣いているのかな?」
「・・・」
「先生、何と言っている。」
「忘れ物をしないようにしようね。」
「この子、何か忘れたの?」
「消しゴムと、えんぴつ2本と、筆箱。」
「忘れたのかなぁ・・。後ろの子を見て。何か意地悪かいたずらをした
ような顔をしているよ。」
「・・・」
「あのね、実は、この女の子、筆箱を忘れたのではなくて、持って来
たのだけど、どこにいったのかわからなくなったので泣いているのよ。」
「・・・」
「先生は、筆箱がなくなった事を知っているの?」
「・・・」
「ここ。先生は何と言っているのかな。」
「筆箱を忘れたのかな?」
「先生は、忘れたと思っているんだね。なくなったのだという事を知らな
いんだね。先生には、言わないとわからないね。何と言えば良い?」
「・・・」
「先生、筆箱を持って来たのに、なくなったんです・・・・事実をそのまま
伝えれば良いんだね。言わなければ、先生にもわからないからね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



 この女の子の筆箱は、後ろの席の男の子にいたずらで隠されたの
かもしれません。
でも、女の子はそれには気が付いていないようです。
確かにあったものがなくなって混乱している上に、先生にも、
「忘れ物をしないようにね。」
と言われたので泣いてしまったのです。
この先生は、筆箱がなくなってしまったことも、女の子が忘れてきたの
ではないことも知らないので、そう言ったのです。
「持ってきたのになくなった。」
と、困っている理由をはっきりと伝えることは大切なことです。
(12)テストを返してもらった。僕は100点なのに友だちは80点なので
「なんだ、80点か。」
と言った。


 「この緑の服を着た男の子、何か言ってるよ。何と言っている?」
「なんだ80点か。」
「座ってる子はどんな顔している。」
「なんか口をぎゅっとして・・・・怒っている?」
「そうみたいね。どうして怒っているのかな?」
「自分は100点で、この子に80点かって言ったから。」
「なんだ80点かって言われたから、ばかにされたような気がしたんだね。
そんな言い方をすると、相手はとてもいやな気分になるんだね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



この子は、前の席の子が自分よりは良くない点だったのでそれを口に
出してしまったようです。テストの点を見たり、その点を大きな声で言った
りすると、人は気分を悪くします。
相手は、“100点がとれなくて残念だ”と思っているかもしれないし、
“80点も取れて良かった”と思っているかもしれないからです。
「なんだ、80点か。」
と言うと、“君はその程度なんだ”と相手をばかにしていることにも、
“ぼくは君と違って賢いんだ”と自慢していることにもなります。
人がいやな気持ちになるようなことを口に出さないように気をつけることは、
とても大切なことです。
(13)「ねぇ、遊びに行こう。」
と友だちに言った。でも、遊んでくれない。



「この黄色い服を着た男の子、何と言っている?」
「ねぇ、遊びに行こう」
「こっちの子も遊びに行きたいみたい?」
「何か迷惑。」
「うん、行きたくなさそうな顔ね。どうして?」
「あのう、宿題のノートがないから、何かあのう・・ストレスって感じ。」
「ストレス? 宿題ノートがみつからないのが気になるって事?」
「出さないと、先生が怒る。」
「先生、宿題ノートを出すのを待っているね。この子も早くノートを探した
いんだね。
遊びたくても遊べないね。自分は遊びたくても、相手は遊べないことも
あるんだね。」
「では、裏の説明を読んでみよう。」



友だちは困った顔をしています。でも、この子はそれに気が付いていな
いようです。
友だちは持ってきたはずの宿題ノートがないので探しているのです。
この子は
「一緒に遊びたい。」と言っていますが、友だちは宿題が見つかるまでは
とても遊ぶ気にはなれないかも知れません。先生に怒られるのではない
かと、心配しているからです。
自分は遊びたくても、相手は遊べない時や遊びたくない時もあります。
相手のようすを知り、都合を考えるのは、とても大切なことです。
(14)電話で
「お母さんいますか。」
と聞かれたので
「はい、います。」
と答え次の質問を待った。でも、相手は何も言わない。


  「この絵、どういう意味?」
「どういう意味って?」
「この子お母さんいますかと聞かれたんだね。お母さんはいるの?」
「いる、ほら、ここ。」
「いるね。この子は何と答えた?」
「はい います。」
「いるからいるって答えたんだね。それで良いよね。それで電話はおしまい?」
「違う。」
「えっ、どうして?」
「・・・お母さんがいたら、お母さんにかわる。」
「そう。お母さんいますかっていうことばには代わってくださいという意味があ
るのね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



電話の相手は、お母さんに用事があるから電話をかけてきたのです。
だから、“お母さんいますか”と言うのは、お母さんがいるかどうかを、確か
めるだけの意味ではありません。
“お母さんがいたらお話をしたいので代わって下さい”
という意味です。
電話の相手は、お母さんに代わってもらえると思って待っているのです。
(15)友だちに話しかけた。それなのに友だちは
「ダメ!」
と言った。
「ダメって言ったあ! 頭に来た!」


「この子、何と言っている?」
「ダメって言った。」
「ダメって言われたことが、いやだったんだね。」
 でも、こっちの男の子、どうしてダメって言ったんだろうね。何がダメ
なのだと思う?」
「・・・」
「今、授業中ね。先生はプリントの説明をしている。それがヒント。」
「わからない。」
「先生が大事な連絡をしている。それを一生懸命聞かなければいけ
ない時に話しかけられたらどう?」
「いや。」
「そう、わからなくなるものね。この緑の服の子がこっちの子に何か
言おうとしたので、『ダメ。今はダメ。』って言ったのかもしれないね。」
「裏の説明文を読んでみようか。」



今は、授業中です。友だちは先生の話を聞いています。
そんな時に話しかけられたら、話の内容が分からなくなってしまいます。
友だちはこの子のことを“ダメ!”と言ったのではなく、“今は話しかけな
いで先生の話を聞こう。今、話しかけたらだめだよ”という意味で言った
のです。 
(16)「お風呂、見てきて。」
と言われたのでお風呂場を見に行った。言われた通りに見てきた。


  
  「お母さんは何と言っている?」
「お風呂を見てきてちょうだい。」
「お風呂を見てきてちょうだいって、どう言う意味?」
「お風呂を見てくる。」
「うん、お風呂を見に行ってお風呂があるかどうか確かめてくるの?」
「違う。えっと・・・・。」
「うん、お風呂があるかどうかを見て来てという意味ではないんだね。
 でも、この男の子はお風呂を見て来ただけみたいね。
 今、お風呂はどうなっている?」
「お湯が・・・こんなに・・なっている。」
「お湯があふれているね。こんな時、○○さんのうちではそのままにしておく?」
「止める。」
「そうだね。じゃあ、このお母さんがお風呂を見てきてと言ったのは・・・・・、」
「こんなんになっていないか、見てきて・・。」
「うん、そうだろうね。入るのに丁度良いお湯になっているかどうか見て来て。
 そうでなかったら、教えて。あふれていたら止めて来て。」
という意味があるんだね。」
「では、カードの裏の説明文を読んでみよう。」



“お風呂、見てきて”というのは、“お風呂に入るのにちょうど良いお湯の量、
湯加減かどうかを見てきて”という意味です。ただお風呂を見てくるだけと
いう意味ではないのです。
少し難しいですが、
“お湯がまだ足りないときは教えて。ちょうど良い時や、それより多かったり
溢れてしまったりしていたらお湯を止めてきて”という意味が含まれているの
です。
(17)たこ焼き屋さんに、
「次のぼくは、いくつ?」
と聞かれたので
「7歳です。」
と答えた。


  「「たこ焼き屋さんでたこ焼きを買ったことある?」
「ある。」
「このたこ焼き屋さん、何か聞いてるよ、何?」
「次のぼくはいくつ?」
「この子は何と答えた?」
「7歳です。」
「このたこ焼きやさんは、この子の年を聞いているの?」
「うん。」
「でも、このお姉ちゃん、笑っているよ。この子勘違いをしているんじゃな
いの?」
「・・・」
「いくつって言うのは年のことではなくて、何かの数のことなのではない?」
「・・・」
「ここで売っているものの数。何を売っているの?」
「たこやき。」
「そう、このたこ焼きやさんは、次の男の子にたこ焼きは何個いるの?と、
聞いているんだね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」


たこ焼き屋さんでは、注文を聞きながら焼いています。だから、次に並ん
でいる人は何個買おうとしているのかを知りたいのです。
だから、
“いくつ?”というのはこの子の年齢の事ではなく、たこ焼きの数の事です。
つまり、
“次の君は、たこ焼きをいくつ買うの?”と聞いたわけです。
たこ焼き屋さんは忙しいので、“次は?”という聞き方をすることもあるか
もしれません。
その時も“次の人は、いくつ欲しいの?”とたこ焼きの数のことを聞いてい
るのです。
(18)教室の入り口の所に立っていたら、友だちが
「じゃまだ、どけ。」
と言った。 じゃまだって? 腹が立つ!


  
  「「この子、怒っているみたいよ。何を怒っているの?」
「じゃまだ、どけ・・って言ったから。」
「えっ、邪魔? 何が邪魔なの?」
「・・・あっ、掃除中だから。」
「掃除中? 」
「掃除の・・・バケツを持っている。」
「うん、バケツを持ってどうしようとしている?」
「掃除をしようとしている。」
「今、入り口の所にいるんだね、バケツを持って中に・・・。」
「入る。」
「そうそう、この子が入ろうとしているのに、ここに立ったままの人が
いるから、入れないんだね。だから、どいて欲しいんだね。でも、
じゃまだ どけ なんて言われたら、腹が立つよね。
この子はどうしたら良いのか、もう一人のこの子はどうか、裏の説
明文を読んで確認してみよう。」


今は掃除時間中です。バケツを持った友だちは、水を汲んで帰って
来たところです。
教室に入ろうと思っているのに、この子が入り口に立ちふさがるよう
な形になっているので、
「入るのにじゃまだ、どけ。」
と言っているのです。
普通、黙っていてもよける人が多いので、この友だちは少しいらだっ
て乱暴な言い方をしてしまったようです。
でも、
「教室に入るから、そこをどいて!」
と言えば、この子も腹を立てずにすんだかもしれません。
(19)先生に
「友だちをたたいてはいけません。」
と言われた。たたくのがいけないのなら、かんでやろう!



「この緑の服の子、どうしている?」
「けんかをしている。」
「うん、叩いているね。この先生は何を言っている?」
「友だちを叩いてはいけません。」
「この子、叩いていないよね、だから、良いのかな?」
「いや、ダメ。」
「どうして? 叩いてないよ。」
「でも・・・・・、」
「叩いたり、蹴ったり、噛みついたり、引っ掻いたり・・・こんなことをまとめ
て何というのかな?」
「けんか、。」
「けんかするときに使う暴力だね。」
「この先生は、叩くのも、蹴るのも、噛みつくのも、引っ掻くのも、皆暴力
だからダメって言っているんだね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」



“たたいてはいけません”
というのは、ここでは人に乱暴をしてはいけませんという意味です。
  この子のようにかみつくのも、他には、ひっかくのも、つねるのも、
すべて人に乱暴をすることです。
この場合の“たたいてはいけません”ということばには、“乱暴などせず、
相手がいやがらない
方法で、いやだという気持ちを伝える事が大切だ”という意味があるの
です。
(20)友だちが
「そこ、持って。」
と言ったので、言われた通りに持った。


  
「今、みんなで何をしている?」
「跳び箱を運んでいる。」
「そうだね。体育で使った跳び箱やマットを運んでいるんだね。」
「この男の子、何と言っている?」
「そこ、持って。」
「うん、こっちの男の子は、そう言われて持っているね。これで良いの?」
「うん。」
「この、跳び箱今からどうするの?」
「片づける。」
「そう、片づけるんだね。動かないで持っていれば片づく?」
「片づかない。」
「そうだね、だったら、跳び箱を持つだけではなくて、運ばなければいけ
ないってことね。」
「では、裏の説明文を読んでみよう。」


 今は、跳び箱やマットを片づけているところです。
だから友だちの言った“そこ、持って”ということばには、
“この跳び箱を運ぶから、持って一緒に運んで”という意味があります。
 この子が跳び箱を持っただけで動こうとしないので、
「そこ、持って。」
と言った友だちは、あきれて少し怒った顔をしているのです。
(21)朝の支度時、
「服を着て、ランドセルを背負って。」
と言われた。だから、服を着てランドセルを背負った。
  


  「お母さんは、何と言っている?」
「服を着て、ランドセルを背負って。」
「そう言われて、この子はどうしている。」
「着ている。」
「あれ、でも、この服の着方、何かおかしくない?」
「パジャマ着ている。」
「お母さんは、服を着なさいって言ったね。
 だから服を着たのだけど、これで良いの?」
「だめ。」
「じゃぁ、どうしたら良いの?」
「ランドセルを背負う。」
「うん、ランドセルは、服を着てから背負うね。服を着る前にすることは何?」
「歯を磨く。」
「うん、歯も磨くね。この絵を見て考えて。服をきてしまっているけど、下に
着ているパジャマは?」
「パジャマを脱ぐ。」
「そう、パジャマを着たままだから脱がないといけないね。」
「うん。」
「では、裏の説明書を読むよ。」



今、この子は学校に行くための支度をしています。だから、お母さんの
“服を着て”という言葉には“学校に行くのだから早く服に着替えなさい”と
いう意味があるのです。
パジャマは脱いで服に着替えます。そして、ランドセルを背負います。
(22)色々な気持ちや表情があります。人はどんな時にそんな気持ちになるの
かな?
教えてもらったり考えてみたりしてみよう。
 


 遠足

やった・・お弁当のおかずに、大好きなハンバーグが入っていた。
たのしい・うれしい・・公園で遊んだりお弁当を食べたり。
がっかり・・朝から雨が降っている。中止かな。
かなしい・・一緒にお弁当を食べようと思っていたお友達が風邪をひいて
お休みだって。
わくわく・・明日は遠足。晴れたら良いな。今日は早く寝よう。
まんぞく・・お弁当もおいしかったし、友だちといっぱい遊べたし。
くやしい・・そう言えば、お弁当を食べているときに、○○さんが、ぼくの
お弁当を見て、「なんだ、ハンバーグ?」って言ったな。何も言
えなかったけど、「そうだよ。それがどうした?」って言い返せば
良かった。
たいくつ・・お弁当を食べ終わった。友だちはまだ食べている。何もするこ
とがない。
こわい・・わぁ、向こうからぼくの苦手な大きな犬が来た。
つかれた・・今日は、いっぱい遊んだ。お風呂に入ったらもう寝たい。
おこる・・お布団に入っていたら、妹がぼくの足をぎゅっと踏みつけた。何をする
んだよ
.

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