2000.5.25

構音指導 私の教室では

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指導の前に
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●時期
構音指導開始時期は、およそ4歳頃と言われる。
指導者の言語指示を理解したり、課題に集中したりすることが可能な時期と言
うことである。発達に遅れがみられる場合は、まず言語の発達を促す指導を優
先し、様子を見ながら、それらの指示が可能な時期に指導を始めるというのが
一般的である。


●始める前に
ところで、構音器官に器質的な異常等があれば、練習だけで正しい構音を獲得
していくのは困難な場合もある。
たとえば、鼻咽腔の閉鎖機能に不全があると構音操作に必要な口腔内圧が得
られず、他の代償構音が習慣化してしまう事がある。
従って構音指導を開始する前には機能に不全はないか等のチェックは欠かす
事はできない。明らかに不全がある場合はそのための病院等での治療を優先
させるかどうかの判断が必要であるわけである。


上述、鼻咽腔閉鎖機能不全があると、
・声が鼻にかかる。
・パピプペポ→ファフィフフェフォ
・フープーシーやプププププ等を鼻息鏡で調べると漏れが見られる。
・やぶのなかからかえるがぴょこんとでてきました。
   ↓
 やぶのなああら


等々の状態が見られる。このほか当然であるが、聴力検査、言語発達そのもの
の検査等もしておくことが望ましい。

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指導内容
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●内容
・語音の弁別

 正しい音と誤り音の違いに気付かせる。
 気付いていない場合は、聞き取りの練習をする。


・正しい構音操作の形成
 誤り音を正す。構音指導のメインの部分である。

・正しい音の般化練習
 単音→無意味音節→単語(語頭・語尾・語中)→文・会話


●一般的な音の構音指導法

パ行音
・口腔内圧が上がらない理由を見分けやすい音でもある。


「プのささやき声」
 閉じた下唇の下に人差し指を横にして置き、軽く上にはじく。
 慣れたら、呼気を前に出すときに口唇をはじいてみる。
 ろうそくや紙片などで確かめると意識化しやすい。
  ↓
 「声を出してプの模倣」
  ↓
 語頭(プリン・プロペラ・プラネタリウム)
 語尾(スープ・トランプ・チューリップ)
 語中(ポプラ・テンプラ・シャープペンシル)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「ポ・パ・ペ・ピ」も同様に。




カ行音
・ストローなどで、水を少しふくませる。
・「ンー」と鼻に抜ける音を出す。
・「ガー」と発音する。
・「ンガー」という。
・「ガー」だけを発音する。
・ささやき声で「ガ」の発音をする。(ささやき声のガはカとほぼ同じ)
・ささやき声の「カ」の後に、声を出して「ハー」という。
・「カーハー」の間隔を短くすると「カ」になる。
  ↓
 語頭(カニ・カルタ・カスタネット)
 語尾(シカ・メダカ・ケーブルカー)
 語中(キカイ・ゲンカン・シンカンセン)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「コ・ケ・ク」も同様に。




タ行
・ 舌を平らにして出し、上下の口唇で挟む。
 (舌が丸くなる場合は、「マンマンマン」と発音する。)
・そのまま、ささやき声の「パ」を発音する。
・そこで舌を引っ込めると、ささやき声の「タ」になる。
  ↓
 語頭(タコ・タマゴ・タンバリン)
 語尾(イタ・カルタ・カゾエウタ)
 語中(イタイ・シイタケ・イタダキマス)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「テ・ト」も同様に。




シャ行のシ
・4センチ位に切ったストローを歯に挟み、ささやき声で「ヒ」を発音する。
 この時、ストローの中に息をふき込んで鳴らすような感じ。
・水道のホースなどを使い「シー」の音を聞かせると、子どもが発音する音も
 徐々にその「シー」に近づいてくる。
・その「シ」の後に「イ」をつけて「シーーイーー」から「シーイー」「シイ」
 から「シ」を導く。
  ↓
 語頭(シカ・シッポ・シンタイケンサ)
 語尾(イシ・ブラシ・テントウムシ)
 語中(ミシン・クツシタ・クイシンボウ)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「シャ・シュ・ショ」もほぼ同時に教える。




サ行
・舌を出して「フー」と息をはくと「スー」という音がする。
・又は、舌先を下歯茎の裏につけ、前舌と上歯茎の根元の間に隙間を作って、ゆっ
 くり息を出し「s」音を導く。
・「スーアー」から「スア、スア、スア」と「サ」を導く。
・「ツ」が出ていればささやき声の「ツ」から導く。
  ↓
 語頭(サメ・サンポ・サンドイッチ)
 語尾(アサ・ヒガサ・アナウンサー)
 語中(ウサギ・アジサイ・ヒトサシユビ)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「ス・セ・ソ」も同様に。




ラ行
・舌の動きそのものが未熟な場合は、
  
  出したり引っ込めたり 
  左右の口角にふれる
  タタタをルズミカルに発音する
  舌をとがらす
  舌先を上唇中央、下唇中央、上歯、歯茎の裏につける
  等の練習を繰り返す
  
・舌先を硬口蓋の方へそり上げる。
・その状態から舌を弾くような感じで「ウーラ」から「ラ」を発音させる。


  ↓
 語頭(ライト・ライオン・ライスカレー)
 語尾(サラ・サクラ・オーケストラ)
 語中(アラシ・ムラサキ・オシクラマンジュウ)
 短文の復唱、会話などで般化
 
 「り・ル・レ・ロ」も同様に。



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