言語の指導・わたしの教室では

日本語の品詞は「名詞・代名詞」「動詞」「形容詞」「形容動詞」「副詞」「連体詞」「感動詞」「接続詞」「助動詞」「助詞」の10こに分類されます。もちろんこれを全部体系づけて指導している訳ではないですが指導者が文法について理解しておく事は必要だなと感じています。言語発達の援助指導は低学年の児童中心ですが以下のような指導をしています。

「今、ここで○○をします」の段階2歳〜4歳位

自分が今、見ているものや行動していることは一番言語化しやすいですね。
 
●児童の興味関心の強い「なまえことば」

 動物・・・ぞう きりん うま うし いぬ ねこ 
 乗り物・・でんしゃ バス ひこうき ふね 
 果物・・・バナナ みかん りんご メロン     
 食べ物・・ハンバーグ カレー スパゲテイ やきそば
 
いわゆる仲間集めですが、これらの上位概念、あるいは逆に下位概念など様々なバリエーションをつくり、絵カードや模型、表を図示したプリント等を使いゲーム遊びをしています。


● 日常的に目にする事の「ようすことば」

 大きい・小さい 暑い・冷たい 長い・短い 
 おもしろい こわい うれしい 赤い 白い 明るい

対にして反対語集めをしても面白いです。深い・浅い 広い・狭い 厚い・薄い等の概念は結構難しいようです。



● 日常的に行う「うごきことば」

 寝る 着る 食べる 歩く 走る 跳ぶ 笑う 泣く 急ぐ 起きる
  
教室から校舎の出口等まで一緒に歩きながら確かめるなどという事をすることもあります。

 立つ 歩く 開ける 閉める こける びっくりする 落とす 拾う 下 りる 出す 脱ぐ はく 帰る 乗る・・・・

<頷く><眺める><ささやく><つまづく>等の微妙なニュアンスの言葉も動作化してみましたがわかりにくい言葉もあるようです。



● 詳しく表現する「かざりことば」

 ゆっくり どんどん そうっと とても さっさと あとで 以上副詞
 大きな おかしな この その きれいな ある たいした 以上連体詞
文法的に言うと様子ことばの<大きい>は「形容詞」ここの<大きな>は「連体詞」ということになるのでしたよね、確か・・。まあ、それはそれとして子どもに文を作らせる時は
「○○が大きい」「大きな○○」いうように○○の部分を考えさせたり、逆を言わせたりしてパターン化したクイズ形式にしたりしたら良いようです。

   
● 日常目にするものの確認「なまえことば」

電気製品、家具、衣類、遊具玩具、文房具、台所用品等々、目にはしているけれど名前は知らないというものも案外多いものです。上位概念、下位概念の確認にもなります。

「きのう、どこかで○○をしました」の段階 3歳〜5歳位

子どもの意識の時間的空間的広がりの中で過去の経験の言語化も無理なくできるようになってきたら、なまえことばとようすことば・うごきことばをつなぐ助詞の意識化、現在形過去形を意識した助動詞の使用、時間や空間や数量関係あらわすなまえことばなども理解が可能になってくるらしいです。(・・?

助詞の指導には文字のさいころを使ってなまえことばをたくさん集めさせたあと指導者のほうで助詞を指定して続きの文を考えさせたり、逆に助詞だけ抜けた文を提示してそこに入る文字を考えさせたりということをしています。

 つくえ  に  (         )
 つくえ (  ) 本を置く

経験の言語化の積みあげの中で、時間的経過を意識し、二文をつなぎことばを使用して結びつけるという表現も可能になってきます。
  
 手を洗ってから、お菓子を食べた。
 けがをしたから、薬をぬった。
 
後者の<から>は、時間的経過というより、原因・理由をあらわすものであり、これが理解できるということは、思考力や社会性の育ちを意味し「どうして」「なぜ」の理解が可能になってきているということらしいです。(・・?

又、「○○した」という表現だけではなく「○○したことがある」といった表現の指導もこの時期が良いのでしょうか?

「今、ここで○○をします」
「きのう、どこかで○○をしました」 
「あした、○○します」
  過去現在未来の使い分けの段階4歳〜6歳位

今の行動の言語化や過去のどこかでの経験の言語化を経て生活そのものについて過去現在未来の時間的経過を意識して表現することが可能になってきます。
文の組み立てでいうと、単文だけではなく重文、複文といった表現法も指導としては考えていく必要があるようです。わたしはあまり意識して指導したことがなく、今回、記録を見直していて気がついた事です。

 単文 「わたしは きのう どうぶつえんに いきました」
     「わたしは あした どうぶつえんに いきます」

 重文 「わたしは どうぶつえんにいって ぞうをみる」

 複文 「わたしは ぞうがいるどうぶつえんに いく」 
 
生活経験を時間軸にそって話していく過程では当然、文と文をつなぐ 
<それから、だから>等のつなぎことばも必要になってきます。
<そして>だけで済ませてしまう子が結構いますね。色々な接続詞の使用文を例示することも大事だと思いました。
 
これ以降、動詞の連体形の活用、原因や理由をあらわす<から、 ので>の使用、動詞 形容詞 形容動詞の仮定形の使用、立場を変えた場合の表現法などの指導が考えられるということですが、そこまで意識して指導したことはないので;^_^A 省略します。

作文について

作文指導の中では、経験だけではなく思いや感想を綴らせることを大事にしたいのですが、わたしはよく
 「悲しい、うれしい、楽しい等の気持ちを表す直接的な言葉は
  使わないように」
という無茶な指導をします。

 「ドッチボールをしました。楽しかったです。」
  より
 「ドッチボールをしました。汗をいっぱいかきました。」
の方が汗をかくほど遊んだ子どもの楽しそうな顔がうかんで来るような気がするからです。その他作文の七つ道具と子どもたちには言っているのですが
 手 足・・・・したこと
 目  ・・・・見たこと 人がしたこと
 口  ・・・・話したこと
 耳  ・・・・音 聞いたこと 人が話したこと
 鼻  ・・・・におい 香り
 ハート・・・・うかんだ言葉 思ったこと 感じたこと
  
等をとにかく思い浮かぶだけどんどん書かせます。低学年の場合文の流れや組み立てはさておき、いろいろな表現法にチャレンジさせるということを第一に考えればよいのではと考えています。
  
もう一つ、これも技法的なものですが、最初の書き出しに「  」を使用するように指示することもよくあります。七つ道具で言えば「口」や「耳」から使わせるわけです。

 お母さんが
 「はやく宿題をしなさい」
 と言いました。        より

 「はやく宿題をしなさい」
 お母さんは 今日も うるさいです・・・・

と綴った方が、七つ道具の使用にも弾みが出てくるようです。

「書くこと、表現することの楽しさを教えたい」というのが作文指導のスタンスでもあります。でも、実は ことばの教室でここまでの指導をした子は1人か2人しかいません。これは1,2年生の担任をしていた頃に考え、実践していたものです。

以上、つたない指導ですが、今後もより良い指導の方法をめざして勉強をしていきたいと思います。ご意見など頂けると有り難いです。
    

    

[お願い] 
 これは障害児学級での指導をもとに、ある本を参考にしながらまとめていたものに加筆したものです。今回その本を読み返したいと探したのですが見あたりません。一部分のコピーが残っていたのですが、「第六章 言語の発達の水準とその指導内容・方法」という記述がありました。著者も出版社も不明です。どなたかご存知でしたら連絡ください。ここにも参考文献として明記したいと思います。

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