凸凹道中記

 

 第6日目 カイロ "聖地巡礼?"   

 

今日で観光は最後だ。バスはカイロ市内を抜けドームヤシの木が並ぶ道を走り、古都メンフィスへ到着。そう、『王家』のメンフィス王の御名の由来の地である!もう、古代エジプト式に平伏して両手を上げたいくらいだ。

約五千年前、古代エジプトの初めての首都がここなのだ。でも辺りは畑ばかり。遺跡らしいものは車中からではほとんど見えない。ラムセス2世の巨像がある建物の庭に、周辺で発掘された像が置かれている。ラムセス2世の像は長さ約15m、あまりに大きいので建物の2階から1階に横たわっている像を見下ろすのだ。庭にはアメンホテプ3世のアラバスター製のスフィンクスがちまっと座っていた。クリスマス休暇が始まった欧米人がたくさん詰め掛けて、バスの駐車場は喧嘩騒ぎのパニック状態になったので、早々に出発した。もっとゆっくりいたかった…。  

クロブチが昨日の強行スケジュールのせいか、「だるい。」と言い出した・・・。

次に絨毯工房へ行ったのだが、すぐバスに戻って休んでいた。そういえばKさんのお母さんも今日の観光に参加していない。昨日アブ・シンベルから帰りの機内でKさんはジュースが危ないのを知っていたが、自由席だったので席が離れてしまったお母さんに話すのを忘れて、お母さんは飲んでしまって腹痛でダウンしてしまったそうだ。  

それから世界最古の石造建築物であるサッカラのジェセル王の階段ピラミッドへ。凹凸のあるピラミッドを囲む周壁と、ギザギザのある柱がきれいに復元されている。中に入ると広場があってその奥に6段のピラミッドがある。約四千五百年前の建物がしっかり残っているのである。設計者は王の宰相イムヘテプ。『王家』の宰相はイムホテップ(笑)。ピラミッドに近寄るともう石は角が無く、ただ積んであるだけに見えるがよく崩れないものだ。中は見学できない。 ガイドさん「『メレルカ』の墓、見れるかな?」 みんな   「・・・・・・(^^;。」  

次にメレルカのマスタバ墳墓を見学。四角い箱のような建物の中に、迷路のようにたくさんの部屋が作られている。一番奥には彩色されたメレルカの像があった。メレルカは大臣で、テティという王に仕えたそうだ(『王家』のキャロルの侍女と同じ名前だ!)。壁画は彩色されておらず浮き彫りのみで、狩猟の絵があって犬が描かれていたが、両耳がピンと立ってる。王家の谷とかで見た野良犬はみんな、耳は垂れていたのに…。  

緑濃い郊外からまた埃っぽい市内へ戻って、中華料理店で昼食。日本で食べる普通の中華料理と変わらない味だった。ここで熱海のIさんが昨日ホテルでうっかり生水を飲んでしまって腹痛がする、といって一人でタクシーで帰って行った。店を出てバスに向かおうとすると、黒いベールをまとった中年女性数人が私達に声をかけてくる。中には赤ちゃんを抱いてる人もいる。言葉が解からないのでガイドさんに聞くと、「物乞いですよ。この子はお腹をすかせている、かわいそうでしょう?と言ってるんですよ。」とのことだった。  

昼食は食べたものの、クロブチは熱が出てきたらしくぼーっとしている。でも最後まで観光すると言ってきかない。まあ、確かにエジプトまで来てツタンカーメン王の黄金のマスクを見ないで帰るというのも、つまらないだろう。バスは渋滞を抜け、最後の観光場所、エジプト考古学博物館へ着いた。何が見たい!なんて言えない、ただガイドさんに必死に付いて行くのみである。入り口を入ると『王家』の7巻でキャロルがママにいろいろ説明していた中央広間。そこにどうやって運び込んだの?と思ってしまうほど大きなアメンホテプ3世と王妃ティイの座像があって、来訪者を威圧しているかのようだ。小学生の時買ってもらった『地理と歴史』という本で初めて見た古代エジプトの遺物が、ラーヘテプ王子と妻ネフェルトの像。まるで生きてるかのような目をした、本物を見る事ができた。カフラー王像、鴨の図など、ずっと見たいと思ってた憧れの物ばかりだ。2階にあがり、いよいよツタンカーメン王の秘宝である。ガイドさんの説明の後のわずかな自由時間、クロブチはだるそうに壁にもたれかかり「行っといで〜。」と言う。私は綱を放たれた犬のようにあちこち歩き回る!黄金のマスク、棺、黄金の壁のような厨子、メンフィスがしているような鉢巻形王冠、王と王妃の仲睦まじい姿が描かれている玉座などなど…本当に、素晴らしい細工の物ばかりだった。その中で、誰も見ていないガラスケースがあった。王墓から出土した花束だった。花束といっても葉だけになってしまって、誰が奉げた何の植物だかは分からない。でも『王家』の1巻で発掘されたメンフィスの棺に入っていた花束を思い出さずにはいられず、一人で見入っていた。最後に特別室であるミイラ室へ入った。もちろん、撮影禁止である(撮りたい人なんているのかしら…)。お目当てはラムセス2世。本当に金髪巻毛で鷲鼻だった。あのアブ・シンベル神殿を作らせた人の遺体が残っているなんて、エジプトってすごい所だなぁ、と今更ながら感動してしまった。もっとも泥棒に墓を荒らされ、後世の神官がミイラだけを隠し場所へ運んだから残っていたのだが。

ホテルへ戻ると、クロブチはベッドへ直行。完全に熱がある。添乗員さんに鎮痛解熱剤をもらい、残念だったけど夕食のディナークルーズは二人ともキャンセルした。カタコト英語でルームサービスを頼み、クラブハウスサンドイッチとミネストローネを食べたがとても美味しかった。

ホテル: ナイル河の中洲のゲジーラ島の東岸、7月26日橋の近くのカイロ・マリオット。新館で部屋は広くて綺麗だったが、壁が薄い!隣りの部屋の水音がまる聞こえだった。ロビーから部屋まで15分位かかった。

お土産: 午前中行った絨毯工場では小さい玄関マットくらいでも300LE以上したので、いくら私が古代エジプトのモチーフの物が大好きでも、高すぎて買わなかった。

考古学博物館では出入り口のブックショップで35LEの博物館のガイドブックを英語と日本語のを買ったが、ワープロで打っただけのようなお粗末な本でがっかりした。『黄金のツタンカーメン』という英語で黄金のマスクの表紙が美しい本を100LEで買った。しかし、そこにはミュージアムグッズが何も無い。Sさんの奥さんと首をかしげながら玄関を出ると、反対側に発見!具合の悪いクロブチをSさんに見ててもらい、奥さんと二人でダッシュ!集合時間まで15分しかない。中は博物館の壁画や像のレプリカがいっぱい。でも日本のエジプト展で売っている物より細工が粗い。直径20センチの銅製でファラオが戦車で弓を引いてる絵柄のお皿が25LE、銀製のペンダントヘッドや指輪、小さな猫の像などが1個20LEくらいだった。ホテルの大きなショッピングモールにはお土産は勿論、ブティックやベーカリーまであった。お土産屋さんで『ピラミッド・チョコレート』なるものを発見。茶色の三角の箱に、金紙で包んだチョコが20個入って10LE。会社用に買って、後日私も食べたが砂糖の塊みたいな甘さだった(笑)。

それから銀器を売ってるちょっと高そうなお店へ。仲人さんへのお土産にアラビア文字と文様が描かれた銀のお皿を選んだ。

クロブチが部屋で寝込んでて時間があったので、最後には従業員さんがもう家へ帰る時間だからその値段でいいよ!と言うまでたっぷり値切った。400LEを270LEにしてもらった。

: メンフィスのラムセス2世の巨像の庭で、茶色っぽいのを拾った。サッカラの階段ピラミッドの柱廊で白いのを、そしてピラミッドの石の上に積もって硬くなってる砂の塊をとってきてしまいました!

 

BACK:5日目 NEXT:7日目