高速度鋼を発明したりして、生産性の向上に貢献して来た。然し何処でも何時
でも順調に成功出来たわけではなく、むしろ何れの場合でも相当苦労しなけれ
ば成果を上げることは出来なかった。その結果、最終的に、彼が云う【 科学
的管理法 】に到達し、それを熱心に提唱したのである。.........
2.テーラーは、多くの科学的研究による発見や発明が「智慧を集め分類し、ある..
目的のために組み立てられた結果であること」に気が付き、此れこそが、本当
の【 科学的方法 】であると考えたのである。..............
3.即ち、工業に於いても、一人の作業者の経験や、思いつきに頼るだけでなく、..
「管理者が現場の智慧を集めて新たな法則や方式を考え、人材も適材適所に配
置し、新たな方式が現場で実現出来るように教育訓練を現場で行い、そのため
に作業者側と管理者側が協力して、それぞれの責任を果たすこと」以外に最善
の方法はないと云う結論に達した。そして、此れこそ工場管理の科学的方法だ
と考えて、彼の究極の工場管理法を【 科学的管理法 】と名付けたのである。
4.しかし、この名付け方については多くの物議をかもし、また誤解を生ずる原因..
になった。科学的管理法と云うからには、所謂【 科学的に発明された最新の手
法が使われる方法 】だと思った人達が多かった。そうでない方法だとわっかっ
た人達の中には、そんな方法に【 科学的 】と言う言葉を使うのはおかしいと
異論を唱える人もあったのである。...................
5.また、工場の現場でそうするためには、労働者と管理者或いは経営者が、従来..
のように【 対立し、いがみ合っている状態 】では、到底出来ることではなか
った。今までのような立場を離れ、新しい観点に立って【 話し合い、知恵を出
し合えるような状態 】になる必要があった。...............
即ち、労使双方が共に利益を得るためには、従来の労使関係とは違った、双方
ともに従来の立場にこだわらず話し合いの出来る【 近代的な労使関係 】に変
わる必要があることを主張した。....................
6.そして、これこそ、唯一無二の工場管理法である科学的管理法を実施する前提..
であって、【 その基盤 】と【 科学的管理法 】の展開無くして生産性の向上
はないと強調したのである。しかし、テーラリズムは、旧い考え方の人達に受
け入れられることはなかった。.....................
しかし、現実には、其のような旧い環境の中で、生産性の向上を期待すること
は大変難しく、事実、彼の考え方は間違いではなかった。.........
7.また彼は、作業研究法など、彼が以前に考え出した手法が、何時でも何処でも..
成功しているわけではないことから、其れらがしっかりした【正しい考え方】
によって活用される必要があることに気づいたのである。「そうでないと手法
だけが迷走し、或いは暴走して、むしろデメリットとなる場合がある」ことに
気が付いたのである。.........................
彼は、科学的管理法の本質の説明に当たって、次のように云っている。...
8.一般に行われている管理法の中で一番いい形式は、作業員は出来るだけ仕事に..
精進し、その代わりに特別の奨励を出す管理法である。一般の管理者にとって
これ以上の管理法があるとは思えまい。しかし、.............
「 科学的管理法 は、その精進と奨励の管理法よりましどころではなく、はる
かに勝れた管理法である」。しかし、.................
「 それをなるほどと合点させることは大変困難なことである」。また、...
9.「 科学的管理法は能率の仕掛けではない。出来高払い法でもない。作業員の...
.そばに立ち時計を持って何か紙の上に書くことでもない。時間研究でもない」
「 その他一般に科学的管理法と云った時に、多くの人が心に浮かべる工夫を..
さして云うのでもない。勿論、これらが総て能率を増す工夫である限り、そ
れを軽んじるものではない」。しかし、................
「 これらの全体、或いはその一つが科学的管理法であると思ってはならない。
これらは科学的管理法にとって大切な付き物であると同時に、他の管理法にと
っても大切な付き物である」と言っている。更に、............
10.「 如何なる手法も、しっかりした【 正しい考え方 】に基づいて活用されなけ...
れば、真にその成果を発揮することができない」ことを強調している。...
兎角 【 Technique Oriented (手法志向)】 の現状に於いては、充分に、噛
みしめなければならない名言であろう。.................
§1 終わり................. 次 §2 へ