ニューヨーク引きこもり日記過去ログ(2002/03)

2002/03

03/31

きょうはIKEAに新居の家具を見に行って、と考えていたのだが、予定が狂ってしまった。このIKEA(アイケアと呼ぶらしい)は、スウェーデンから出てきた家具・雑貨のお店。インテリア小物やキッチンウエアなども扱っていて日本人観光客にも人気らしいが、もちろんベッドや机なども大物家具も扱っている。ニューヨーク近郊ではニュージャージーのエリザベスにモールがあり、週末はポートオーソリティー・バスターミナルから無料の送迎バスが運行されている。

で、バスターミナルに出かけてバスを待っていたのだがどうも様子がおかしい。しばらくすると駅員(じゃないけど)さんがやってきて一言。「今週末はイースターだからIKEAはお休みだよ」。むぅ、昨日の日記に自分でイースターとか書いておきながらこの体たらくとは…。

しょうがないから予定を変更し、前から話の種に乗ってみようと思っていたAMTRAKに乗ってみることにする。このAMTRAKというのはアメリカの全国鉄道で、とかいう話は別に良いよね。今回は「乗ってみる」ことが目的なので、ほんとに一駅、ニュージャージーのNewarkまで行ってみることとした。ちなみにこの一つ先の駅が、日本からノースウェストが乗り入れているニューアーク国際空港駅になる。で、ペンステーションに行ってみたのだが、予想に反してかなりの混雑。テロ後に飛行機を怖がる人が増えたと言うのは本当だったようだ。列車はローカルだったこともあり、日本の古めの在来線特急といったところ。片道15分の旅に$21も払ってしまったので、帰りは節約のためPATHで帰ってきた。このPATHは、ニュージャージーとニューヨークを繋ぐ地下鉄である。MTAではなくNJTransitが管理しているのは、やはり州をまたがるからだろうか。

PATHの終点はホボケンという街。この街は交通の結節点で、マンハッタン側からはPATHとフェリー、ニュージャージー側からはバスと近郊鉄道(前に紹介したLight Railも乗り入れの予定がある)と、さまざまな交通機関が集まっている。その昔、マンハッタンに渡る方法が渡し舟しかない時代に栄えた街で、フェリー乗り場と隣接した駅は実に堂々とした風格がある。グラセンやペンステーションは地下駅なので、駅らしさとしてはニューヨーク近辺一なのではないだろうか。実際、SPEEDの「GO!GO!HEAVEN」のビデオクリップでも使われてたしなぁ。って、懐かしいなSPEED。ところで、HITOEってまだニューヨークにいるのだろうか。これ見てたらメールください(笑)

ホボケンについては日をあらためてじっくり書きます。

03/30

今週末はイースターということで、ここニューヨークも少しだけ春めいてきた感じがする。日本から着たばかりの僕にとってはようやくコートを脱いで歩けるかな、といった程度なのだが、地元の(whiteの)人はいきなりカットソーで歩いてたりするので凄い。思うに、これは「暑いから」というよりも、「陽射しを肌で感じたいから」というヨーロッパに住んでいた先祖の習性を遺伝的に引きずっているからではないだろうか。

陽気が良くなれば浮かれる人間が出てくるのは古今東西変わらないらしく、今日MoMAでチケットを買う列に並んでいたらすぐ前にいたカップルが3分ごとにチュウをしていやがる始末。

「狩るぞコラ」

とか思ったのだが、僕も大人なのでそういったことは態度にも出さず(←当たり前だよ)おとなしく列に並んでいた。日本だったら完全にバカップルだが、こちらでは男女交際の特定のステージではああいったことが必要なのだろうか。文化の溝は深い。

話がずれた。MoMA、ニューヨーク近代美術館である。ご存知の方も多いと思うが、5番街を入った所にある本館は現在改装中で、しばらくはクイーンズに引っ越すことになっている。現在の展示が今の建物での最後の特別展になるのだ。

日本では良く「欧米では凄いコレクションを持っている美術館に格安で入れてすばらしい」という話を聞くが、少なくともニューヨークではそのままは受け取れないと思う。まず、入館料については$10〜$12程度ちゃっかり取られる。年会費も$80前後。日本の美術館と比べてそんなに安いわけではない。ただ、地元に住んでいて「貧乏だけどどうしても絵を見たい!」という人は、週に一度くらい無料(任意寄付)の解放日があるのでそれを利用することは出来る。

コレクションについては、まぁメトロポリタンは別格で文句のつけようが無いのだが、他の大手美術館、MoMA・グッゲンハイム・ホイットニーといったあたりは、大英博物館やテートギャラリーのように「歩いても歩いても名画ばかりで圧倒される」という程ではない。もっとも、レイアウトが整理されていて歩きやすいこと、MoMAに付いては僕は改装中しか知らないことは割り引いて欲しい。あと、後ろ3館は企画展を結構やっているのだが、こちらのほうは必ずしも『泰西名画』様がお出ましになるとは限らない。というより、どうも「〜美術館名品展」というのは少ないみたいなので、「教科書に載っている絵」を求めて企画展のコーナーに紛れ込むと「へ!?」ということになる。

悪口っぽいことを多々書いたけれども、すばらしい美術館ばかりなのは確か。ただ、日本にも国立静養美術館やブリジストン美術館、大阪だったら東洋陶磁美術館といった世界レベルのコレクションを持つ美術館があるので、日本にいるときにはそういった美術館も大事にしてあげてくださいな。

03/29

いきなりで何だが、僕はちょっとだけ株をやる。いや、日本だと株を「やる」というとトレーディング(短期間に売買して鞘を抜くこと)の意味になっちゃうから、株を「持っている」というほうが良いのだろう。ふだんはやりくりした生活費の残りで1万円・2万円と投資信託を積み立て、ボーナス月に10万円から20万円程度の売買単位の株を一つ買うというペースなので、株との関わりという視点ではもっともささやかな部類だと思う。

アメリカでは株の売買が一般に非常に浸透していると聞いていたのだが、今のところ接している情報では「それほどのものかなぁ」というのが正直な感想。もちろん、僕は上に書いたようにトレーダーでは無いのでその視点からの評価は出来ないが、例えば書店に並んでいる投資雑誌は日本の良心的な雑誌とではそれほどレベルが違うとは思えない。また、証券会社の売買手数料も、オンライン大手で$10、激安所で$5と、大体日本と同程度である。少なくとも「余裕が出来たら少しずつ買い足していく」というタイプの人間にとっての差はこれらの部分には無いはず。

何が違うのかと考えてみると、結局「(実質的に)銀行で株を売っている」「売買単位が小さいので自由度が高い」の2点にたどりついた。銀行で株を売っているというのは、株を売っている子会社のサイトが銀行のサイトに組み込まれていて、実質上銀行の機能の一部としてアクセスできるようになっていること。例えば、日本でもおなじみのシティバンクでは、"cititrade"という名前で証券会社の機能を提供している。預かり残高の大きい顧客は、キャッシュカードでの預かり金へのアクセスやネットでの小切手の振り出し機能など、本来なら銀行の持つ機能も利用可能だ。

もう一つの「売買単位の小ささ」だが、こちらの売買単位は基本的に一株である。例えばIBMの$100というのは非常に高額なほうで、AT&T Wireless(最大手の携帯キャリア)なぞは$8などとなっている。売買手数料を考えるとせいぜい$1,000程度で売買しないと割に合わないのだが、それでも「買う株数は10株にしようか8株で良いか」とか「思った以上に値上がりしたので、手数料は割高になるが半分売って利益を確定しよう」といったことが出来るとずいぶん気が楽だし、何より楽しいと思う。

個人的には、前者の「銀行での実質的な株の売買」を日本のシティバンクでも始めて欲しい。株の残高も預かり資産に算入できるようにして…。

03/28

こちらの電気屋を見て思うのは、「補助記憶装置のメディアがほとんど置いてないな〜」ということ。特にPDやMDは見かけない。CD-Rと2HDフロッピーを別格とすれば目立つのはやはりZIPだが、それでも250Mのメディアは店頭においてないのだ。

ノートパソコンを持ち運び、出先でデータ交換をしようとすると、どうしても何らかの補助記憶装置のお世話になることが多い。勝手にLANに繋いで、という訳にはなかなか行かないのだ。アメリカでは ZIP が非常に普及していると聞いていたが、少なくとも勤務先ではあまり見かけない。最近はUSBタイプの超小型のストレージが出回っており、値段も8MBで$30くらいと手ごろなのだが、NTなどにデフォルトで対応してない(ドライバのインストールが必要だと意味ないでしょ?)しで必ずしもそれだけで済む訳ではない。結局は2HDのフロッピーを利用することになってしまう。

今使っているノートではFDDは別売なので、アメリカに来るときにUSBタイプのものを買ってきた。Panasonic LK-RF240Uという240MByte SuperDiskに対応したドライブで、これが結構優れもので気に入っている。SuperDiskは前から気になっていたのだが、この製品は一世代前の製品より小さくなった上USBからの給電が可能になったのが購入の決め手だ。良いところは、240MBという大容量メディアに対応している・ドライバ無しでも大容量記憶デバイスとして認識可能・普通のフロッピーに32MBのデータを保存できる。USBケーブルを本体横に格納できる・普通のフロッピーの読み書きも早い、と言ったところでしょうか。これで税別\14,800だったので、USBのFDDを別売で購入しようという方はご検討のほどを。

03/27

先日の Liberty Landing Marina事件で「やっぱ携帯いるよなぁ〜」ということを実感。だって、途中で足でも挫いてたらそのまま死んでたっておかしくないわけだし…

なのだが、こちらの携帯は物欲を刺激しないこと著しい。サイズは一時ほどゴツいという訳ではなくなったらしいのだが、とにかく液晶の表示エリアが狭い。雑誌や掲示板を見てると、普通のアメリカ人のニーズは「大画面やカラーで高価になったり電池の持ちが悪くなったら困る。電話は通話が出来ればそれで良し」ということのようだ。それはそれで見識だとは思うが、こんな状態でモバイルインターネットとか立ち上がるのかねぇ。

そんな中から目をつけた端末は、SANYO SCP-5150とKYOCERA QCP-6035の2機種。SCP-5150は日本でも定評のあるC401SAをベースにしたもので、外観や操作性などはほぼそのまま。呆れたことに、現在のアメリカではカラー液晶画面の携帯電話はこの一機種のみである(PDA一体型では他にもある)。他方のQCP-6035はPalmと携帯との一体型端末。200gと軽量ながらPalmの機能と携帯の機能とが上手く融合してると評価が高い。

どっちにするか、で結構悩んでいる。QCP-6035は、何よりソフトを入れると日本語が通る。日本語のWebやメールを単体で見れるわけだ。こちらではPalm対応の面白そうなソフトもちらほら見かける。が、携帯電話としてはやはりゴツいし、PDAはHP-200LXを使っているので2台はいらない。反対に、SCP-5150は電話としてのギミックはおそらく申し分ないだろう。が、日本語のサイトを全く見れないというのはちょっと寂しそう。もともと外回りでバリバリ使うとか出張が多いとかそういったニーズがある訳ではなく、せいぜいが通勤時間の暇つぶしという目的のためかえって決めかねるのだ。

う〜む。いっそ何ヶ月かプリペイドの安いやつで凌いで、3Gサービスが本格化したあたりで決めるか。そもそも与信チェックがあるからすぐに契約できるか分らないしな。ちなみに、こちらの携帯の料金は、安いプランで$20(60分の市内通話込み)、今回チェキっている端末が利用できる会社では$40(250分の市内通話・Webサービス利用料込み)といったところ。アメリカにはPHS相当のサービスは無いので、日本とおおむね同じぐらいではないでしょうか? プリペイド端末は$70で60分無料通話がついてくるが、45日ごとに$25のカードを買ってチャージしなければならないので、例えばイギリスのようなお買い得感は無い。

03/26

こちらで口座を開設している銀行から手紙がきたので開けてみると、「あなたの当座預金で overdraft が発生したので手数料$30を徴収しました」との内容。この overdraft とは、当座預金から切った小切手が回収に廻った時点で残高が不足していた場合に銀行が立て替えると言うもの(当座貸越というらしい)。口座を開設した時点で充分な入金は済ませており、残高が不足しているなんてことは絶対に無いはず。支店に行って理由を聞くと、「口座開設から一ヶ月間は、入金から7営業日経たないと全額の引出しができないようになっている」とのこと。って、そんな話聞いてないしな〜。ネゴの末、この手数料は返金してもらえることになったが、取引明細書を見るまで結果は分らない。

クレジットカードでも似たようなことがあった。クレジットカードを日本で申し込んでおいたのだけど、こちらに着任してから送付を依頼すると、年会費の支払い締切が到着の翌日。こちらではクレジットカードの支払いは銀行自動引き落としではなく、小切手を切って支払うことになるので、これでは間に合わない。「そんな理由で遅れちゃうんですが」と言っておいたのに、翌月の請求を見るとちゃっかり支払い遅延料金がセットされていた。こちらも事情を再度話したらちゃんと返金してくれることになった。

ちょっと神経質に見えるかもしれないが、アメリカはクレジットヒストリというものにかなりうるさいらしい。お金をちゃんと支払わなかったと言うことになると、それが記録に残り、色々な面で不自由が出てくるらしいのだ。ということで、慣れない金融用語を使って窓口と応対しなければならないのであった。

ちなみに、こちらで日本人が新規にクレジットカードを作るのは結構面倒らしい。できれば下のリンクにあるどちらかのカードを作ってくることがお勧め(もう一つAMEXという手もあるらしいのだが、結構利用できない店が多いので…)。

03/25

バスに乗っていてふと屋根を見ると、坊主でガタイの良いにーちゃんが腕立て伏せをしているポスターが貼ってあった。付いていたキャプションは:

EVERYDAY YOU HAVE TO TEST YOURSELF.
IF NOT, IT'S A WASTED DAY.

www.marines.com
THE FEW, THE PROUD.

「直球やなぁ。海兵隊式のスパルタ教育をやる学校か何かか?」と思っていたが、部屋に戻ってサイトをのぞいてみると本当に合衆国海兵隊のサイトだった。

う〜む、海兵魂。そもそも、軍隊のような政府機関のドメイン名は .gov じゃないのか? まぁ、このサイトは募集情報オンリーのようだったので、普通の広報用のサイトは別にあるんだろうけど。そういやこの前TVでは陸軍の新兵募集CMが流れてたなぁ。と言うようなことを考えている間、私の頭の中には敬愛するフォークパンクバンド「ガガガSP」が歌っていた曲「自衛隊に入ろう」がぐるぐる流れていたのであった。

この曲、高田渡の反戦フォークのカバーで、原曲は放送禁止曲らしいんだけど、アメリカの人には歌詞の皮肉が通じなさそう。そのまま軍隊のCMに使われても全然違和感を感じないんだろうなぁ。

03/24

こちらに来た時からず〜っと工事中だった吉野屋タイムズスクエア店がいきなりオープンしていた。つい先週まで"Coming Soon"とかの張り紙も出てないままだったのでちょっとびっくり。

で、客層は日本人7割に地元客3割といったところか。面白いのは、地元客はほとんどが(着てるものなどから見て)低所得層と思しき人たちだということ。「日本食とか話題になってるらしいし喰ってみてぇけど、ノブとかは敷居が高いなぁ」ということなのだろうか。あ、もちろん店内は明るく清潔で、入るのを躊躇するなんて事はないですよ。ただ、店員は全員アメリカの人らしいので、「つゆだく」とか「ねぎぬき」なんて注文が通用するかは不明。

ともあれ、beef bowlの味は日本と同じ(こちらの吉野家にはチキン照り焼き丼や野菜丼なんてのもあるが試していない)。嬉しいことにraw eggもある。アメリカ人は普通は生卵を食べないのだ。4ドル弱で本物の吉牛を食べられるとなると、なんだか毎日通い詰めてしまいそうで怖い…。

ちなみに、場所は42nd St.の7th Ave.と8th Ave.の間の北側。Port Authority Bus Terminalの北東の角から看板が見える。隣にはサンリオショップがあって、こちらもまた濃い電波を放っている。

03/23

ニューヨークに来たからには一度は行っとかないとと思っていた自由の女神に行ってきた。本日は天気晴朗なれども強風なり。東京では桜が満開らしいと言うのにニューヨークの体感温度は実に氷点下である(例えではなく、ニュースで本当にそう言っていた。実際昼になっても氷が融けてなかったしな〜)。警備のために女神像の中には入れないのも、まるで空港にあるような機械でボディチェックをされるのも我慢するが、吹きさらしのバッテリーパークで2時間半待たされるのは勘弁して欲しい。

もう少し何とかならないものかと思い、帰りはニュージャージーに抜けてみた。案の定こちら側のフェリー乗り場には人影はまばら。こちらから乗ればほとんど待たずにリバティー島に渡れるはずだ。このルートを取るには、バッテリーパーク側のフェリー乗り場から Liberty State Water Taxiに乗って Liberty Landing Marinaに渡り(所要15分、毎時15・45分出発、料金$5)、そこから5分ほど海側に歩けばリバティー島へのフェリー乗り場に着く。ここからのマンハッタンのビューは圧倒的だし、古い駅舎などもある広々とした公園になっているので結構穴場かもしれない。

もっとも、これは後で調べて分ったことで、当日は道に迷ったりしながら散々歩いてバス停に辿り着いた。公園の外れにある Liberty Science Centerという所の前だったのだが、さすがに入る元気は…。そこからLight Railという路面電車(!)に乗ってNewarkに出て家路に着いたのだが、この Light Rail、車内が異様に小奇麗な上に車窓からの風景も明るく、「川一つ渡るだけでマンハッタンとこんなに違うものか」といたく感心したのであった。


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Last modified: Tue Apr 16 23:38:01 LDT 2002
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