統合幕僚学校講義資料「統合LOGISTICS概論」 - K's Index

転記者注

このテキストは、私がとある退役幹部自衛官の方に頂いたものです。私が「ロジスティクスについて勉強しており、その源流である軍事ロジスティクスについて知識を得たい」とお願いしたのに対し、この資料を渡してくださったのにはかなり驚きました。何らかの一般書をご紹介いただけるのかと思っていましたので。

この資料は別段防秘というものではなく、また自衛隊のロジスティクスについての公式見解でもありません。読んでいただければ分かるとおり、統合幕僚学校(自衛隊の上級幹部養成学校。大雑把に言うと昔の海大・陸大に相当するのかな)での、いわばゼミのガイドブックとして利用されたものです。内容的にも機密にかかわるようなものは無く、軍事の観点から見た(そして1960年代初頭での)ロジスティクスの入門的な内容を記述したものです。また、私の整理が悪く、前後に欠落しているページもあります。よもやとは思いますが、この文書を取り上げて政治的な目的に利用することはお断りします(すみませんね、ロジスティクスに興味のある方には関係ない話で...)。

表紙

IM.31-41-68

講義資料

統合LOGISTICS概論

昭和36年9月

統合幕僚学校

はしがき

本冊子は「統合ロジステックスの概念」を研究するための参考として記述したものである。

現段階においてこの科目を取り扱うに際しては、その基盤となるべき諸分野・関連する諸要因に不確定可変的なものがあまりにも多すぎるので、この冊子においては主として米軍のLOGISTICSの考え方を紹介する趣旨で比較的多くの記述がそれに傾いている。このことは、日米安保条約の建前から連合LOG一辺倒と言うような態度を底流とするものではなくて、いわば先進国の教義づけられた統合LOGの実態をごく冷静かつ学問的に研究せんとする趣旨からである。

したがって、3軍の独立性の強い米軍の態様をまず念頭に置きながらその統合LOGを研究し、もってわが国の防衛におけるこの分野の研究に示唆を求めると言う態度が望ましい。

ちなみに、LOGISTICSに対するほう訳語は現状まことに区々であって、それぞれの包含する概念も複雑多岐を極めていることは本書に後述するとおりである。本校教育の本旨にかんがみて徒に用語の画一化にとらわれず、その概念を分析することによって本質を探究する趣旨から、用語は言語のまま使用することとした。

LOGの歴史(先頭3ページ欠)

....of computation)の略であると言われる(The Encyclopedia of Americana).

軍用語として適用されるのに至ったのは近世のことであって、その意義も当初部隊の行軍・宿営および給養等に限られて幕僚の業務を示すために習慣的に使用された。(仏軍のMajor Genneral des Logicの官名から出たといわれる。)

LOGの用語は米国において計画担当幕僚がWWII中に使用はしていたが、公式に陸軍用語辞典に記載したのは1944年のことであって、きわめて最近のことに属する。

さて、ナポレオン自身はLOGなる用語を使用しなかったし、クラウゼヴィッツの戦争論にもその用語は現れていない。しかし、前者はモスクワ遠征に実際的なLOG対策を大規模に行いながらもその運用上の組織機構の不備によって著名な戦史を残し、後者に会っては戦略戦術の他に戦闘力を創造し維持する分野のあることを指摘して、ともに事実上LOGの認識と研究の上に業績を残している。

アンリ、ジョミニーの著書「兵術概論」の中にはLOGについて1章を設けて述べているが、”軍隊を動かす実際の術”(Practical art of moving armies)として情報・訓練をも含む広範なもので、今日におけるものとは必ずしも一致しない。

いずれにしても、上述のように軍事行動においてLOG分野のあることは古くから知られ、それぞれの時代に対応する範囲でLOGは実施されてきたものである。したがって戦いそのものが一定の限界の中にあった時代には、LOGの地位も比較的低く組織機構や運用範囲も見るべきものが無かったのは無理からぬことである。

やがて戦争が総力戦的傾向を見せ始め、国民戦争の形態を取るに及んで、LOGが戦争構造のあらゆる部門と有機的一体性のある関係を持つにいたったことは周知のとおりである。

b. LOGからみた戦争の史的観察

(1)時代の推移に伴う戦費の増加とその原因

19世紀までの戦争における交戦各国の戦費平均は国民所得の8〜13%であったが、20世紀に入り戦争規模の拡大と質的充実によって、WWIにあっては参戦各国の戦費は平均して国民所得の50%を、更にWWIIにおいては60〜70%、金額的には直接戦費のみでWWIの5倍にも達すると言われる。これは戦争目的と戦争手段の相互関連からして、火薬の発明による銃砲火気の発達・内燃機関の開発による機動力の増加などが近代国家経済力の伸長にバックアップされ、戦争の無制限性追及を可能ならしめた結果と考えられる。

このような増大する戦費の質を検討して一貫して顕著な特徴は物件費の占める比率であって、わが国の場合には日露戦争以降76〜80%という比重であり、米国におけるWWIIの軍事費の統計も3分の2という数字を示している。

この物件費は戦争規模の拡大に比例的に常に一定率を占めるという統計の意味は、むしろ物件費が主体となって戦費を増大せしめてきたことを示すものであり、その原因としては次のことがあげられる。

以下これらの要素について若干の分析を試みてみよう。

(a)参加兵力と戦争期間の推移
[[表 : 参加兵力と戦争期間の推移 ]]

上記の表により、参戦兵力と戦争期間からWWIから飛躍的に増大長期化したことが分かり、それが軍需費(物件費)を増大させたことも事実であるが、19世紀までの戦争で参戦兵力が人口比のわずか2%以下であったことは、当時世界列強の軍事的目標として兵数の優越が叫ばれ、動員限界として総人口の10%が定説であったこととの矛盾は、一にかかって軍需増加の可能性が参戦兵力を規制したと言う事情によって説明せざるを得ないだろう。

また、戦争期間についても同じことが言えるのであって、国民戦争的規模が国民の継戦意思の母胎となり長期抗戦が軍需の増大をもたらしたことは事実であるが、個々の会戦の局面と会戦間隔について検討すればやはり軍需増加の可能性(戦力の再編成、軍需調達のリードタイムなど)が、逆に戦争を長期化せしめるひとつの要素をなしていたことがうかがわれるのである。

このように観察すれば、LOGが戦争なり作戦に占める地位もきわめて明らかであって、単に受身の形で負荷を担うものではなくて戦争構造のあらゆる部門と有機的一体性を持って戦いを規制するまでの性格を持つものであることがわかるのである。

(b)装備の高度化と消費率の増大

米陸軍を例にとれば、WWI頃の補給品装備品が約30万種であったものがWWII末期には約100万品目、現在米3軍で300万種と言われる。このことは、軍事界の科学技術の粋を追求する意欲が常に新兵器装備を生み出す一方、戦争をするのは人である以上なお昔ながらの素朴な生活用品的なものも捨て切れないために増加の一途を辿ることを示している。

消費率についても、火力・機動力等の性能の向上が弾薬・燃料等の大量消費をもたらしたのは当然である。しかし、これもやはり、国家の経済力なかんずく重工業能力が飛躍的に向上し、LOG能力が可能性を付与すればこそであって、砲弾が戦場を耕すにいたるのは生産能力が吐け口を求めたものであると言う見方もできるわけである。

例をドイツにとって見れば、その第一次産業革命は1850年代に完了したといわれるが、その内容は他国と同じく軽工業が主でありかつ普仏戦争(1870年)当時における工業生産は国民所得の50%に満たない。しかるにWWI頃には産業構造が変わって工業所得は約70%に増大し、なかんずく鉄鋼生産比は1870年頃の40倍にも達した。(一方紡錘数の増加は3倍に過ぎない)。すなわち、国の工業化こそが軍需の増大の最大原因であり、この傾向は交戦国相互が戦意の裏づけを量の優越に期待する限り避けられないものである。

結論的に、戦費増加の傾向に併行するものは国民所得特に工業生産によるものであり、参戦兵力・戦争期間増加の傾向は統計的には逆カーブを描く様相にあることは、戦争を歴史的に概観すれば明らかであって、軍需の増加が主として経済力なかんずく工業力に依存していることが推定できるのである。

なお、消費率の増加で付言すべきは戦争様相の苛酷化に伴う損耗の増大も大きな要素であることである。このことは基本的には人名の尊重・死傷数減少という考え方がより高度の装備やより多くの補給品の代償の上に求められる傾向で裏打ちされるわけでもある。

(c)輸送手段の発展

軍需の量的変化について今ひとつの大きな要因として輸送手段の飛躍的発展を見落とすことはできない。

特に顕著なのは、陸上輸送力と空中輸送力であって、馬から自動車への転換は積載量において10倍、速度において4〜5倍、支援距離限界において約5倍の能力を増加した上に、人力の節約に著しい効果をあげたし、パイプラインの採用はトラック数百両分の燃料を数百キロメートルにわたって輸送を可能にした。航空機の発達については多く語る必要を認めない。

このような輸送手段の発展と言うレールの上を、既述のような工業力の成果がLOGの果実となって流通し、よく膨大な軍需の量が処理されたことは誰の目にも明らかである。

(2)軍需の質の変化について

質がおおむね同程度の場合には量的優越が勝敗を決したが、その場合においても常に質への優越に転化する努力が行われ、その結果質の優越が勝敗を決した事例は極めて多い。

弓矢が鉄砲・火薬に転化し、人力が機械エネルギーに進化した軍事界の初期の技術革新はさておいて、WWIIにおけるレーダーおよび航空機性能の問題はその顕著な事例であろう。更に最近における技術の進歩は、異常な速さで兵器としての実用化を促進され終に技術水準の違いが「戦いにならない戦い」を生むに至っている。このような質の変化の問題は、現段階にあっては、単に戦術レベルを変更することによって救済できるような過去のあり方から大きく転換して、戦略をさらには戦争の性質・構想さえ揺り動かすほどの比重を持っているし、また、軍事上の要求に基づいて計画的に推進されかつそれが国家的に全施策の総合的有機体的一体性のもので着々と成果を上げてきている。

このことは、量として捉えた軍需が国の経済特に工業力の可能性のもとに増加しつづけているのと同じように、国の技術力と結びついた工業力の可能性がこの問題を規定するとともに、政治がその目的のためにこれをさらに規制していることを意味する。当初は技術優越と言う見地で開発されたと見るべき核兵器の問題において、特にこのことが強く感ぜられる。本稿においては核問題に触れるのが本旨で無いので割愛するが、ここでは広義のLOGの取り扱いにおいては研究開発もその範疇に含まれる解釈もあるので、戦争の姿の変化の必然性の中においてLOGのあり方の一面を考察する考え方も必要であることを強調することにとどめる。

(3)軍需の時間的要求について

最後に今ひとつ、LOGの側面から戦争を歴史的に考察した場合の重要な要素として、時間的な要求の問題がある。WWIIにおける有名なV-2号完成の次期におけるアイクの述懐、わが国の航空機産業転換磁器についての当時の識者の詠嘆などはその顕著な事例であろう。

現代戦においては、時間的要求すなわちタイミングの重要性の問題は国家段階から端末部隊に及ぶ各段階において正しく把握されなければならない。

この時間的要求を満たしうる最大の要件は、正鵠な将来の洞察力に基づく国家的施策の強力な推進にあることは、戦後米国の国防政策にてらし明らかである。このことは中小国においても規模の差こそあれ考え方としては同じである。LOGの要則として先行性が強調され、人口に膾炙する所以もまた故無しとしないところである。

c.LOGの地位

(1)国家経済との関係

WWI以前において通用したLOGの概念はあくまで軍事機構として処理しうる範囲のものであったことは明らかであり、その点ではLOGは主人である作戦用兵に常に追従を要求される従者であるに過ぎなかった。

〔陸・兵站綱要〕

しかしWWIは、国家の経済力をあげて軍需の量的優越の獲得を目指して戦われ、勝敗の欠は国家の相対的な力関係における戦勢の差として現れたところから、総力戦思想の芽生えとなりLOGの概念は急速に総力戦力のなかの総合的有機的一体性として捉えられるべき地位に昇格されるに至った。

そして更にWWIIは、その軍需資材の品種および数量の驚異的増大が一大特質となり、LOGに徹底した国家的施策なくしては戦勝を得ることは負荷のであることを実証した。つまり

  1. 国の経済の全ての戦力化
  2. 戦時経済における強力な施策
  3. 全面的統制経済乃至計画的経済の必要
  4. 平時からの有事即応の全般的準備

という形に変化したわけであり、以上のうち特に強調されることは、平時からの準備施策の必要性、および膨大な武力戦力の造成維持と国民経済の生存維持を両立せしむる必要性の問題である。

すなわち、LOGを概念的に国家LOGと軍事LOGに分けるとしても、軍の所要量に関しては配分・取得の関係において一つに繋がるものであり、結局は国家として軍需を以下に処理するかは国防のあり方を決定する鍵であるし、具体的には民需と軍需を以下に調節するか換言すればどの程度まで民需を圧えうるかの政治的な基盤とするものである。かくして所要量の割り当てと言う形で示された軍に対するLOGの総枠は、軍事行動の可能性、ひいてはその限界を規定することになるわけである。

(2)作戦用兵との関係

軍レベル(国防省段階)におけるLOGは、あくまでも軍事機構内の問題であって、もとより国家LOGに関して執行的権限も責任もない。しかし軍事LOGの枠内である所要量の請求取得をする過程において密接な形の関係を持つのは当然である。かくして最終的に決定された軍需の割り当ては、国家的見地において許容されたものとしては軍事行動の限界を規定するものであるから、LOGは作戦用兵の根本を決したと見るべきものである。この点からかつての主人と従者の関係は明らかに変貌をきたしたものと言えるであろうし、少なくともLOGに協力者としての地位を与えることを認めなくてはならない。

作戦用兵とLOGの間の相互作用、関係の相対性および循環性の原則が認識されるならば、戦略がまず独自に決定されるべきものではなく、LOG Feasibility Testを経て総合的に検討されるべきものであることは明らかである。もちろん、LOGはそれ自体が目的となることはありえず、確立された目的を達成するためのSupportを本質的使命とすることには疑問の余地が無い。

(3)集団安全保障との関連

最近における集団安全保障体制の現状からこれをLOG的に観察するならば、連合予国の相互支援関係は集団国家LOGの概念を生み、したがって国家LOGにおいても軍事LOGにおいても連合LOGの紐帯の強さが国家国民の生存に連なり、また軍の戦力造成維持の主たる条件となる。特に中小国の立場から見れば、その軍事作戦は連合LOG能力によりその限界が規定されると見るべきであろう。つまり国家LOGと軍事LOGの連繋もさることながら、軍事LOGの能力は国家LOGからの寄与以外に多くのものを連合LOGに期待することになるわけであって、これがためには国防に関する政府組織を整備して、平時から連合LOGに連なる国の能力に相応したLOG施策を行うのは当然のことである。細部については連合LOGの章において後述する。

3. LOGの意義と範囲

a.分析

以上のようなLOGの実態の概観に基づいて、次にLOGの意義と範囲を「何を」「誰が」「何時」「いかに」「何故」という5つの要素から分析見当を試みることにする。

(1)LOGの対象は何か(何を)

WWI以前においては、LOGが主として完成軍需品、および量として捉えた人・軍用動物を対象とする限られた分野の業務を行ったことは明らかであるが、WWIIを景気とした軍需の国家経済に占める比重はきわめて大となり、もはや単なる完成軍需品を対象とするごときLOGは戦争において完全な機能を発揮することができなくなった。すなわち、同じく物的戦力と言う概念の中においても、その資源・精算・調達をも含めて物資乃至資材(Mareriel(※))という広義の取り扱いが至当となったのである。(※ - 転記者注。"Material"の誤記ではありません。「(軍隊などの)設備,施設; 軍需品.」)

また人類文明の発達の度は、必ずしも物の範疇に属さないサービスと言う概念を生み、時代の推移と共に近代産業の中にもこれを確立するに至ったが、用語としてもLOGの対象として取り上げられるようになっている。なお施設はいわば物と人との混合物でもあろうが、広義には物的戦力に属するものと見られよう。LOGがこれを対象とするのは当然である。

さて、米軍を初めいくつかの国においては有形要素として人員の徴募・分類・配員を、更に厚生・訓練をもLOGの範疇に含めているものがある。広義の解釈において人員をLOGの対象に含め、その関連業務もLOGの範疇に入れることもありうるが、いづれにしても人の取り扱いは物とは別の立場から別個の系統・期間によって行われることは各国共通のことである。

(2)LOGは誰がやるか

今日のLOGは国家の全ての組織がそれぞれの機能に応じて業務を分担し、一途の方向に全てが価値付けられた真の意味の国家の総力戦体制下にあって初めて成立することは既述のとおりである。したがって国家LOGの機能は、国家の物的総力を把握し、開戦の可否、戦争の目的・範囲・手段等を決定するための重大な要素となるとともに、外交内政などにわたって政策の背景となるものであり、政府の責任に属することは明らかである。

軍事LOGは、既述のとおり所要量の取得以後における国防省以下のレベルにおいて取り扱う分野であって、国軍の編成によって各軍省の段階、更には下部の機関・部隊などの段階から端末の個人に至るまで、一貫的にそれぞれの任務に応じて執行されるわけである。

(3)LOGは何時行われるか

LOGの成否の大部分は平時において決するとはよく言われるところである。今日のLOGを戦時または緊急事態を予期しうるに至ってからの仕事であるとするのは大きな時代錯誤であって、国家の全活動に関連するLOGを数ヶ月で再編成しうると言うことはもはや非現実的であって、動員そのものの考え方すら再検討を要する時期にあると言うべきであろう。特に、現在の冷戦事態において米国が既に常時国費の50〜60%を国防関係費に拠出している事実を、冷静に観察する必要があろう。

(4)LOGは如何に実施されるか

一般経済界にあっては生産(供給)が消費(需要)を生むと考えるのが一般的であるのに対して、我々が考えているLOGにおいては所要量の算定と言う形で需要(消費)が先行し供給(生産)がこれに応ずるという形を取る。もちろん何れの場合においても、生産と消費の間には相互調整作用が働くのであるが、武力戦力の造成維持と国民経済の生存維持の両立すべき両命題が、双方とも一国の運命にかかわる直接的な比重を持つだけに、軍民間の調節は国の政治として直面する基本的かつ困難な問題となるわけである。

いずれにしても国防の方針から導き出されて国家経済の枠内で決定された軍需は、生産→取得(調整)→配分(補給)→使用の過程を経るが、これに付随して研究開発・貯蔵・整備・回収・輸送・建設・サービスなどの業務が行われる。また衛生に関する広範な業務と、そして厚生関係の業務がLOGとして処理される。

(5)LOGの目標(何故?)

このことについては多く触れる必要は無い。LOGそのものが明らかに手段であって、それ自体が目的ではないことは既に明らかである。そしてその目標は、

あらしめるにある。

特に、軍事的特性からして、上記のうち時期と場所の制約の大きいことが、量の取り扱い処理と共にきわめて重要な意義をもつのである。

b.LOGの現用邦語訳とその内容について

自衛隊においては、その成立の経緯からしてLOGに相当すると思われる法令用語として「後方補給」という用語を用いているが、その意義についてはまだ明確に定められたものはない。

教育目的および有事即応の用語として、3自衛隊において実用している用語には各種のものであり、その内包する概念も区々である(その現状については別紙第1について研究されたい)。

このことは、LOGがそれを取り扱う立場と段階によって機能的に差があることを物語るものであり、総括的に定義づけまたは的確な一つの概念を与えることはけだし容易なことではあるまい。

c.要約

以上の分析検討のまとめとして、LOGの意義と内容を結論付けるとおおむね次のことが言いうるであろう。