ポールマッカートニーワールドツアー

DRIVING JAPAN
ライブレポート

(写真はプログラムから:US TOURの模様だが構成はほとんど変わらないと思われる)
1989年に来日した時は、切符を予約していた公演がポールの体調不良ということで中止になって
後味の悪い思い出が有った。(下の写真は当時のプログラムから)
元々ビートルズマニアといってもジョンのファンなので、ポールというとどこか冷めた思いも有ったのかも知れない。
今回のツアーも随分前から情報は有ったが、食指が動かないまま直前まで無関心だった。
東京ドームの公演であまり良い思い出がなかったのも一因だった。
しかし、ジョージの死という残念な出来事がリフレインして来て、「もしかするとポールも最後になるかも知れない」という思いがぐーっとこみ上げて来て、いても立っても居られなくなった。
インターネットでぴあをのぞくと公演直前だというのにチケットが余っている。
これは「行け」という事だろうと思い、チケットを予約した。
そして東京公演ラストの11月14日、定時で仕事を終えると、速攻で東京ドームへ・・・・。
開演30分前には麦酒も飲み終えてスタンバイ状態、2500円のパンフレットを買って目を閉じて開演を待った。
結局7時スタートの予定が、前座のパフォーマンスが始まったのが7時20分。いきなり中型のバルーンがドーム内を徘徊し始めるとステージ上にはイギリス王朝を思わせる服装のパフォーマーたちが登場し、バルーンを持ったメンバーと合流しステージ上でのパフォーマンスが展開。
中国、東南アジア、中東そして日本(やはりヨーロッパ調の)をイメージしたキャラクター達が入り乱れてのイリュージョン。
異文化交流と世界平和というメッセージなのか、パフォーマンスが終わると、シルエットのポールが現れ、「Hello Goodbye」から一気にライブが展開。
ビートルズナンバーとウィングス、そして今回のツアー前に出したアルバムの曲を交え、場内は興奮のるつぼへ。
ポールも出来るだけ日本語を使ってコミュニケートしようと努力しているが、それに呼応するように大型ビジョンに字幕で同時通訳が出るという仕掛けが披露され、演奏者とオーディエンスの距離がここでも大きく縮まるのを感じた。
あいさつは『オッス!』(押忍)
ウイングス時代の曲はあまり好きではなかったが、それでも良く知っている曲ばかりで、ついつい一緒に歌ってしまうのだった。
真ん中でポールがギター1本で登場すると、『ここからは僕と君達だけだよ』との言葉に、思わず気持ちが高ぶるのを抑えきれなかった。
We Can Work It Out
公民権運動に触発されたという「Black Bird」(ポールは『JINKEN』とつぶやく)
題名は判らなかったがジョンとの会話を歌ったという曲。
Michelle」・・・・そして「Yesterday
ギター一本で聴かせるポールの世界にしばし酔いしれる。(写真は昨年のマジソン・スクエア・ガーデンのもの)
サイケデリックなピアノ(あれは何というネーミングだっただろう)を弾きながら歌う「Fool On The Hill」「Lady Madonna」・・・・
生ピアノでは映画「死ぬのは奴らだ」のテーマ曲。
曲が展開するところで“ドーン”と空砲が鳴る脅かし。
曲が終わると煙を払いながら次の曲に持って行く心憎い演出。
亡きリンダに捧げるという「My Love」。
2回のアンコールに応える余裕。
Back In The U.S.S.R,Can’t Buy Me Love,All My Loving,Oh! Darling,Long And Winding Road,Let It Be,Getting Better,Eleanor Rigby・・・・
ライブでは初めてという「She's Leaving Home」。
ウクレレを持ち出して『ジョージはウクレレの名手で、彼の家に招待されると食事の後に必ずウクレレが出て来たんだ』と前置きし『この曲はウクレレで生れた曲だ』との前置きで始まった曲が「Something」。
ウクレレで、しかもポールが弾き語りのこの曲は、おそらくビートルズ関係の歴史の中でもそうそうはないことだと思う。
『みんなと一緒に歌いたいんだ』の言葉で始まる「Hey Jude」。
東京ドームの数万のオーディエンスの心が一つになっての全員合唱。
「da-da-da-da,da,da,da」の部分は本当に気持ちがいい!
本当のラストでは「Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band」(アルバムのエンディングのバージョン)からメドレーで“Abby Road”のB面「You Never Give Me Your Money」から「Golden Slumbers」「Carry That Weight」そして「The End」へと息つくひまもないくらいドラマティックな展開。「The End」ではポールと他の2人のギタリストと3名で替わるがわるアドリブの応酬。そして文字通り“The End”
全体を通してポールの実力と人間性が伝わってきた素晴らしいライブだった。