AKS−74U
フォールディングストック製作記
              
                                  
                       

AKS−74Uのフォールディングストックの作り方について、問い合わせがあり、それに答えるため文書を作りました。いい機会なので、それを公開させていただきたいと思います。



製作の前に

まず簡単なものでいいから、設計図(実物大の銃の側面のコピー)が必要です。
これを作ることにより、およそのサイズも分かり、立体化のイメージもわきます。参考としては、床井雅美さんの「AK−47&カラシニコフ・バリエーション」(大日本絵画・3900円)が、お勧めですが、GUN専門雑誌など、ほかに適当なものがあれば探してください。

材料

ストックは強度の点から、できれば「鉄」「ステンレス」が望ましいですが、専門の旋盤機械がないと、難しいので、私は、アルミを使いました。これだと、「鉄」などと比べて強度は劣りますが、人力だけでカットしたり曲げたりできます。
作業のしやすさと強度の兼ね合いで、私は「厚さ1・5ミリ」のアルミ板を使いました。もし、できるなら「2ミリ」のほうがよかったかもしれません。(それだけ力が必要にはなりますが…)
これを設計図にあわせてカットします。

整形

カットしたアルミ板を手で曲げてカーブを出していきます。一番のポイントは、上下の2本の横棒です。先端部分のおよそ5センチぐらいは、「コ」の字の断面ですが、中間部分は「U」の字のように緩やかなカーブを持つ断面となっています。

先端5センチぐらいを万力に固定し、正確に90度に曲げます。これを4ヶ所繰り返します
絵が下手ですみません。下図は、万力に固定したところを上から見た図です。90度に曲げるところだけを万力にはさみ、アルミ板に力を入れて曲げていきます。

 

4ヶ所を90度に曲げた後は、上図のように中間部分が、まだほぼまっすぐになっています。
中間部分全体に力を入れる形で、断面図が「U」の字になるように、ゆっくり曲げていきます。急ぐと、角ができるおそれが、ありますので、ゆっくりと作業してください。
完成したら、下図のようになります。これを上下2本作ります。
当然ですが、設計図にあわせて上下の長さなどは変わりますので、計測しながら作業を進めてください。

接合

つぎはパーツの接合です。実物は溶接してありますが、私にはアルミを含めて溶接の技術はありません。ハンダ付けも強度の関係で不安があります。
このため、外観上は実物と異なりますが、リベットで接合することにしました。これだと、十分な強度が出ます。ホームセンターなどで売っている簡単なリベット打ち機を使って作業しました。
まずは、バットプレート部分と横棒2本を接合します。双方にドリルで穴を開け、リベットを通して専用器具でかしめます。

  

同じように、バットプレートの側面のアルミ板も横棒にリベットで接合します。
これが上下とも完成したら、下図のように、今度はフォールディングストック基部の取り付けです。
基部もバットプレートと同じように、「コ」の字型の部品を作り(この部品は強度を出すため、厚さ2.5ミリ程度のアルミを使っています)
これに、上下の横棒をそれぞれリベットで固定します。
そして、最後に五角形をしている基部のサイドプレートを リベットで接合して終了です。

  

以上で、フォールディングストックの製作は終わりです。出っ張りなど各部をやすりなどで整形します。この説明は、私が行ったものを再現したもので、これを参考に製作される方があれば、自分にあったように改良、変更をして製作してください。

ストックの開閉機構の製作

一連の製作で、開閉機構の製作が一番の難関です。
基本的には、おおよその形で作った部品同士を、細かくすり合わせしながら、ジャストフィットさせる必要があります。このあたりは、文章で説明できない部分で、各自で慎重に作業を進めてください。

● 開閉機構については、実物と同じように作ろうとしたのですが、
残念ながら、内部の部品が干渉して不可能でした。実物の開閉ボタンの位置や固定具の位置、形状を大きく変えるのであれば、できたかもしれませんが、それではプロポーションが崩れるので、外見上はなるべくそれらしく見せ、機構的にはアレンジを加えた形としました。
説明をするために、まず実物の開閉機構からです。写真でしか見たことがないため、細かいところは想像で書いていますが、おおむね下図のような仕組みとみられます。
この図は、上から見た図で、分かりにくいかもしれませんが、グレーで塗ったところが、開閉機構の可動部分とストックを固定する部分です。

●実物の開閉機構(かなり想像で書いています)

● 自作モデルの開閉機構

機関部が当たるため、それを迂回する形で開閉機構のロック装置を作らなければなりません。したがって、本来ボタンがある場所にはダミーのボタンを接着し、ロック装置の本当のボタンは、かなり後にオフセットした形となっています。
なお、ヒンジ部分は市販品の流用です。
分かりにくいので、同じ部分を銃の真後ろから見た図を下記に示します。
ロック解除用の小さなボタンを押すと、「A」の部分とストック基部の「B」の部分の接合が外れる仕組みです。

   

このあたりは、ラフに作ると、固定がうまくいかず、ぐらぐらになりやすいところですので、慎重に、少しずつ削りながらやってください。
私自身、出たとこ勝負みたいな感じで製作していましたので、これよりも、もっといいロック機構があると思います。
自分でいろいろ工夫して、チャレンジしてください。

●フォールディングストック止め

折りたたんだフォールディングストックを止める金具も必要です。
金具は、厚さ2.5ミリのアルミ板で作りました。基部にドリルで穴を開け、本体の下から長いねじを差し込んで固定します。
金具の途中には突起をつけ、そこに小さなばねを取り付けて動くようにしてあります。

●銃本体との結合

できたフォールディングストックを銃に取り付けなければなりません。
バッテリーの制約から、私は「AK―47S」を使いましたが、本体の後のほうが、かなり斜めになっているため、プラ板やパテ、接着剤などを使って加工する必要があります。

最後に

手作りですので、状況に合わせて寸法を変更したり、デフォルメしたりしなければならないことが出てくると思います。もっと、簡単な作り方もあろうかと思います。
また、最近では、お金さえ出せば、ショップ製の上等なものも手に入るようになりました。
でも、完成すると、世界にひとつだけの自分だけの「AKS−74U」が完成します。

以上で、フォールディングストック関係の製作は終わりです。