ユー・ガット・
メール
| テーマ |
1 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
4(8) |
| 映像 |
5 |
| 音響 |
5 |
| 主演 |
4 |
| 助演 |
4 |
| おすすめ度 |
2 |
| 総合点 |
37 |
監督:N.エフロン
公開年:1998年
Eメールを使ったラブストーリーというところが新しいところです。それ以外は、とても最近作られた映画とは思えません。
まず、テーマがいけません。大資本の書店に抵抗して頑張ってきた小さな書店の女性が、そのままの形で大資本の書店のオーナーの玉の輿に乗ってハッピーエンド・・・。何かおかしくないですか。私があの女性だったら、最後にプロポーズを受けた時に、「馬鹿にするな」とひっぱたいてやります。Eメールの相手が、メグ・ライアン扮する小さな書店の女性だったと分かった後の、トム・ハンクス扮する大書店のオーナーの取った行動は、にやにやしながら相手を試している嫌らしい男でしかありません。アメリカに限ったことではありませんが、こういう映画が作られるということは、ウーメンズリブが起こらざるを得なかったアメリカの現実の一端を示していると思います。従って、せっかくの魅力的な主演の2人も台無しです。
脚本に至っては、Eメールで知り合った2人がどうなるかという一番のポイントを生かしきっていません。終盤近くでようやくEメールが活躍し、話が盛り上がってきたところで上に書いたような展開になり、転けてしまいました。これだったら、この映画を参考にした(と思われる)テレビの「ウィズラブ」の方が数段上です。
おすすめしません。

U−571
| テーマ |
4 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
5(10) |
| 映像 |
7 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
5 |
| 助演 |
5 |
| おすすめ度 |
4 |
| 総合点 |
49 |
監督:J.モストウ
公開年:2000年
第二次世界大戦でドイツ軍の暗号機「エニグマ」を潜水艦のUボートから奪うという特殊任務に出撃したアメリカ軍の潜水艦乗りたちの物語。「エニグマ」は手に入ったものの、奪ったU−571で逃げなければならなくなり・・・。
お金をかけて実物大の潜水艦のレプリカを作った効果は絶大。
迫力ある映像に仕上がっていて、水兵たちの勇気ある行動を織り交ぜながら「愛国心」を盛り上げる。
これは「プライベート・ライアン」でも書いたことなんですが、戦争映画はたとえそれがアクション娯楽映画であったとしても、結果として戦争を賛美する映画は認めたくありません。
戦争は悪です。これははっきりしています。映画で英雄的な行為を持ち上げることは、すべてだめとは言いませんが、結果として「愛国心」を盛り上げることになり、「戦争賛美」にすり替わってしまう危険性があります。
「プライベート・ライアン」では、戦闘の完全な再現を試みることで戦争の疑似体験をさせ、戦争の残酷さを描こうというエクスキューズがあったんですが、「U−571」では、それすらありません。
一方、脚本、演出に関しても、ご都合主義のオンパレードで緊張感ゼロ。潜水艦ものというのは、密室劇で緊迫感あふれる物語が作りやすいと思うんですが、これがうまくいっていません。潜水艦の故障が直って危機脱出というシーンが何カ所もあります。これで物語を盛り上げようという算段でしょうが、これを繰り返されると「どうせギリギリで助かるんだ」ということになり、逆効果だと思います。ドイツ映画の「Uボート」とは月とスッポンほどの差があります。
せめて脚本、演出にもう少し冴えがあれば、少しは点数が上がったと思うんですが・・・。
それと、銃器に関心のあるものとして見ると、ストック折り畳み式のトンプソン・サブマシンガンはご愛敬としても、ピストルの構え方が、現代風のウィーバースタンス(要するに両手で銃を保持する構え方)には笑ってしまいました。まあ、ほとんどの観客にとってはどうでもいいことでしょうが、リアリティという面では、そこまでのこだわりも必要かもしれません。

容疑者 室井慎次
| テーマ |
3 |
| 脚本×2 |
3(6) |
| 演出×2 |
2(4) |
| 映像 |
3 |
| 音響 |
3 |
| 主演 |
4 |
| 助演 |
3 |
| おすすめ度 |
2 |
| 総合点 |
28 |
監督:君塚良一
公開年:2005年
「踊る大捜査線」シリーズから派生した映画。「交渉人 真下正義」に続いて公開された第2弾。
今度は警察庁から警視庁に出向している柳葉敏郎扮する室井管理官が、捜査指揮の不手際で被疑者を死亡させたとして、特別公務員暴行凌虐罪で逮捕されるという話。裏には警察庁と警視庁の幹部の覇権争いがあり、それに室井を助けようとする若い女性弁護士やそれに対決して、あの手この手で攻める弁護団が絡みます。柳葉敏郎や筧利夫、真矢みき、それにスリーアミーゴスなど、おなじみの面々が登場。ファンにはうれしいところです。
でも、これ映画になっていません。
まず、以前から指摘していることですが、「踊る大捜査線」シリーズの素晴らしいところは、そのリアリティです。コメディでありながら、警察の描写などは、誇張はあるにしろリアリティがあり、それがドラマをしっかり支えています。君塚監督も、最初からのスタッフですから、そのあたりは認識していると思うのですが、「容疑者 室井慎次」では、そのリアリティはめちゃくちゃです。これなら、「踊る」以前の刑事ドラマの方が、まだマシといった感じです。警察署での容疑者の取調べが、いくら任意の取り調べとはいえ、数え切れないくらい大勢の警察官が取り囲んでいるというシチュエーションはありえないでしょう。最後のクライマックスの取調べも同様です。また、逃走した容疑者を警察官が追いかけるシーンも、映画的に派手にしたかったのかもしれませんが、数十人で追いかけるのはやりすぎです。あれでは、マラソンのスタートです。
それ以外にも、室井管理官の過去の恋人の話の部分も問題です。これまで語られることのなかった彼の過去を描くシーンは、この映画のポイントにもなるということで、かなりの時間を割いて描かれていますが、なんと、それがすべてセリフだけで表現されています。ここは、もう少し映像的な取り組みが必要だったのではないでしょうか。観客はただ延々とセリフを聞かされるだけで、映画的ではありません。
それから、物語の柱となる警察庁と警視庁の確執も、最初からすべてさらけ出しているので、謎解きの興味はまったくありません。ここは、中盤まではある程度隠したほうがよかったのではないでしょうか。このため、物語が最初から最後まで一本調子で盛り上がりません。
また、「踊る」シリーズの特徴は、主人公だけでなく、脇役の隅々までキャラが立っているところです。今回の「容疑者 室井慎次」では、哀川翔の扮する刑事がその予感をさせますが、結局たいした活躍もなく、今ひとつでした。
このほか、実際の刑事は一見ヤクザみたいな人も多く、そのあたりは、これまでのシリーズでも描かれてきましたが、今回は、全員がヤクザというかホームレスみたいで、それはあんまりでしょう。このあたりもやりすぎです。
この前の「交渉人 真下正義」が、意外と面白かったので、少しは期待したのですが、残念です。第3作も予定されているようですが、ふんどしを引き締めて製作してほしいと思います。

40歳の童貞男
| テーマ |
8 |
| 脚本×2 |
7(14) |
| 演出×2 |
7(14) |
| 映像 |
7 |
| 音響 |
7 |
| 主演 |
7 |
| 助演 |
7 |
| おすすめ度 |
8 |
| 総合点 |
72 |
監督:J.アパトー
公開年:2006年
いやー、すごいタイトルですね。英語の原題をそのまま訳した形ですが、そのものズバリ。電気販売店で働く40歳の男性が、3人の同僚の男たちに、童貞であるということが分かってしまい、3人のちょっと変なアドバイスを受けながら、好きになった子持ちの女性と、何とか初めてのセックスをしようとして悪戦苦闘する姿を描く、ちょっぴりエロチックな、でも心温まるラブコメディです。
少しキワモノの映画かなと思って見てみたのですが、コメディとしては、なかなかよく出来ています。性的なセリフがどんどん飛び出し、ちょっぴり下品なネタの笑いなんですが、主人公の童貞の男性がトラウマになっている若い頃のセックスでの失敗や、胸毛取りに挑戦するシーンなど、久しぶりに大笑いしてしまいました。コメディを沢山見ているわけではないのですが、これだけ笑わせてくれる映画は、そんなに多くはないと思います。
それから、登場人物のキャラが立っていますね。主人公の男性や、いろいろアドバイスする同僚の3人、主人公が好きになる3人の子持ちで孫もいる女性は当然のこと、電気販売店の女性店長やほかの同僚たち、好きになる女性の娘など、出番が少ない人たちもそれぞれ目立っています。このあたりは、邦画の傑作コメディ「踊る大捜査線」と同じで、キャラが立つということは、重要なことだなと感じました。
そして、これも「踊る大捜査線」と類似しているのですが、コメディとして笑わせながら、その訴えるテーマが素晴らしいことです。この映画のテーマは、ちょっと教訓臭くはありますが、「愛のないセックスはむなしい、愛があるから、素晴らしいセックスができる」ということです。そういう意味では、大人向けのファンタジーとも言えるかもしれません。すべての人たちが幸せになるという、ちょっと出来すぎの話ではありますが、この場合はOKです。ちょっぴり下品ではありますが、いやらしさを感じることはなく、見終わったとき、本当に心が温かくなります。
そして、エンディング。ネタばれになるので書きませんが、「こんな終わり方があったのか」と、一本取られたような感じです。GOODです。
レンタルで見たのですが、この映画の場合、細かい言い回しが分かった方がいいと思い、吹き替え版で見ました。字幕版と見比べてはいないのですが、そのほうがよかったのではと思っています。それでも、部分的にギャグが分かりにくいところがありますが、それは文化の違いか、単に私が知らないだけかもしれません。一部、省略のためでしょうが、展開が分かりにくいところや、中盤ですこしだけ話がだれるところがありますが、全体からすれば些細な問題で、気楽に楽しんでご覧ください。
最後にひとこと。DVDに「無修正完全版」とあったんですが、別にそれらしきところはないんですけど。ひょっとしたら、セリフが「無修正完全版」なんでしょうか。よく分かりません・・・?

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