
ラスト サムライ
| テーマ |
6 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
5(10) |
| 映像 |
6 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
4 |
| 助演 |
5 |
| おすすめ度 |
5 |
| 総合点 |
50 |
監督:E.ズウィック
公開年:2003年
日本の幕末(とおぼしき)時代を舞台に、アメリカの兵術を日本の政府軍指南するため来日した主人公が、敵対するサムライのグループに捕らわれる。そして、逆にサムライの生き方に感銘を受け、最後には一緒に政府軍に立ち向かうというお話。
最近いろんな映画が撮られているニュージーランドでのロケ。久しぶりに迫力のあるサムライの合戦シーンを見ました。やはり、CGでない実写はいいですね。
この映画、サムライの描き方が今までのアメリカ映画の中で一番いいと評判ですが、逆に言うと、それぐらいしかほめるところがなかったということでもあります。
そのサムライの描き方にしても、欧米人(特にアメリカ人)があこがれるサムライの姿を、日本好きの映画監督ズウィックが一生懸命リアルに描いたもので、そのまじめさはいいのですが、「武士道=死ぬこと」という図式にとらわれて深みが足りません。
確かに渡辺謙や小雪など日本人俳優が多数出演し、熱演している姿を見ますと、同じ日本人として「よくがんばった」と拍手を送りたい気持ちです。しかし、脚本、演出がまずいので、彼らの熱演が100パーセント生かされているとはいえません。まず、渡辺謙のサムライの大将の役。物語を進める上で仕方ないのかもしれませんが、しゃべりすぎです。あれでは、まるで英語がよくできる中学生か高校生がアメリカ人相手に話術を披露しているようにしか見えません。もっと寡黙なキャラクターにしたほうが重みがあり、サムライにはふさわしいと思うのですが。また、小雪の演じる役も、夫を殺した男の世話をする女の苦悩が、一応描かれていますが通り一遍のもので、心に迫るほどではなく、中途半端です。それから、真田広之や福本清三らの俳優も、設定はおもしろそうなのですが、キャラが立っておらず、もったいない感じです。主人公が食われそうなので加減したのかな?
エンディングも救いがあるとも言えますが、あれだけ銃弾を受けて、ちょっとあんまりでは・・・。
この映画、「日本人(サムライ)のすばらしさを描いた初めてのハリウッド映画、すべての日本人に見てほしい」というような「宣伝コピー」の大合唱がいろんなメディアを使って流されました。それなら、日本人の負の部分を鋭く描いた「鬼が来た!」を見て、バランスをとることをお勧めします。

監督:ニコ・フォン・グラッソウ
公開年:2004年
レンタルDVDのジャケット、安易な日本タイトルなどから、B級、C級の戦争アクション映画かなと思ってみたら大違いでした。
映画で描かれているのは、第二次世界大戦中、ドイツでヒットラーユーゲントなどに反発した子どもたちの集団「エーデルワイス海賊団」の
話です。私は映画を見るまで、「エーデルワイス海賊団」の存在は知りませんでした。ネットで調べてみると、当時は「不良」的な集団と見られていたらしく、映画でも描かれているのですが、ジャズなどアメリカの文化を楽しんだり、ヒットラーユーゲントと対立して、けんかを仕掛けたりといったグループのようです。一部は共産主義の影響を受けたり、武装闘争に入ったりしていたようですが、それほど組織化されていたわけではないようです。でも、ゲシュタポからは目を付けら、逮捕されたり、裁判抜きの処刑が行われていたようです。
ドイツでも、最近まであまり知られていなかった、この「エーデルワイス海賊団」ですが、当時のことを書いた本が話題になり、それを元に映画化されたということです。
映画は、ドイツ、スイス、オランダ、ルクセンブルグの共同製作で、このような歴史の中に埋もれたエピソードを紹介しようという姿勢は、素晴らしいと思います。
前半部分では、「エーデルワイス海賊団」の仲間達の描写や、ユダヤ人をかくまったり、反政府的な活動家が入り込んだ主人公の家庭の様子などを描いており、ややメロドラマ的な展開で、ちょっぴり退屈な部分もありますが、ゲシュタポが出てきた中盤あたりからは、緊迫した状況が続き、なかなか見せます。
もちろん、ゲシュタポの残酷さの描写もいたるところにあり、物語は悲惨を極めますが、最後に少しだけ救いがあるのが、ほっとさせられます。
自国の陰の部分であり、忘れたい歴史でしょうが、戦争の悲惨さを伝えるためにも、このような映画を作ることは意義のあることだと思います。
前半部分の描き方は、人物描写がステレオタイプなところもあるため、退屈な部分もありますが、それを乗り越えれば、あとは物語にぐいぐい引き込まれます。単純なアクション映画と思ってみた人は、途中で放り投げるかもしれません。仕方ないかもしれませんが、「エーデルワイス海賊団」についての予備知識がまったくないため、前半は「?」マークの連続です。レンタルDVDなので、途中で止めて調べることもできますが、映画館で見るとしんどいかもしれません。分かりやすくするため、物語にもう一工夫あってもよかったかもしれません。

ラッシュアワー
| テーマ |
6 |
| 脚本×2 |
5(10) |
| 演出×2 |
6(12) |
| 映像 |
5 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
5 |
| 助演 |
5 |
| おすすめ度 |
5 |
| 総合点 |
54 |
監督:B.ラトナー
公開年:1998年
久しぶりにジャッキー・チェンの映画を見たくなったので、レンタルビデオ店から借りてきて見ました。
ニック・ノルティとエディ・マーフィーの「48時間」のリメイク版といったところ。お手本がいいので、そこそこの出来にはなっています。
ジャッキーはいつものように体を張って大熱演。でも、ハリウッド進出第一作でちょっと緊張していたのでしょうか、少し元気がなかったような気がしました。
最初と最後に出てきた誘拐される女の子(生意気そうですが)を、もっとうまく使えなかったものでしょうか。主人公2人の絡みも、FBIとの確執も、今までに何度も見たような話なので、ジャッキー・チェンと女の子との話を中心に据えると、いくらか面白くなったかもしれません。
ジャッキー・チェンの映画の醍醐味は、彼のコミカルな味と、何といっても体を張ったアクションです。その意味では、最後に巨大な垂れ幕を滑り落ちるシーンはありましたが、それ以外では、びっくりするようなアクションは少なく、他の俳優ならともかく、ジャッキー・チェンにしてはもの足りませんでした。次回作に期待しましょう。

LOVERS
| テーマ |
5 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
4(8) |
| 映像 |
6 |
| 音響 |
7 |
| 主演 |
7 |
| 助演 |
6 |
| おすすめ度 |
4 |
| 総合点 |
51 |
監督:チャン・イーモウ
公開年:2004年
前作「HERO」に続くチャン・イーモウ監督の武侠映画第2弾。
どちらかというと、市井の人たちの営み、歴史に翻弄される市民の姿などを描くことが多かったチャン・イーモウ監督ですが、「キープ・クール」とか、新しいジャンルにも意欲的にチャレンジする監督でもあります。そのようなチャン・イーモウ監督は、「初恋のきた道」あたりから、世界を意識した、より親しみやすい映画を作るようになっており、アクション映画も手がけるようになったのが前作「HERO」でした。「HERO」は、登場する男たちがいずれも魅力的で、色彩を使い分けた画面など「チャン・イーモウ・ワールド」いっぱいの傑作でした。
さて、この「LOVERS」、今度は女1人、男2人の3人が、愛と策略の中で翻弄されていきます。
主役のチャン・ツィイーは大変魅力的だし、色彩の魔術師チャン・イーモウも健在。アクションシーンは、さらにパワーアップして、前作の「HERO」を上回るほどの迫力です。でも・・・・・・・・。
チャン・イーモウ監督・・・・どうしたんですか。中国が誇る超一流監督が、まるで三流監督になったみたいです。
「HERO」とばかり比べて申し訳ないですが、「HERO」では、秦の始皇帝を相手に、国を憂う男たちの生き様がかっこいいし、スケールも大きく、最後には大きな感動が待っています。それと比べると「LOVERS」は反乱軍の「飛刀門」とその首領の抹殺を命じられた王朝側の捕吏という物語の中で、女1人、男2人の愛の葛藤を描いていますが、この三角関係が軸になるので、どうしてもスケールが小さくなった感があります。
そして、雪原での対決。インタビュー記事によりますと、突然大雪が降ってきたとのことですが、あれはやりすぎです。観客席からは失笑が漏れていました。まるで三流のメロドラマ、いまどき使うかと思うような、古色蒼然とした描写で、ずっこけてしまいました。
アクションシーンは、それなりに迫力があり、いいと思うのですが、全体的に散漫。そして、最後に来るであろうと期待していた「飛刀門」と「朝廷側」の死闘がどこかへいってしまいました。この手の映画では、それはないでしょう・・・・・。どうとでもはめ込み方はあったはずです。
チャン・イーモウ監督の映画は、半分近くは見ていると思いますが、どの映画もすばらしい出来で、点数も70点台を下るものはなく、安心して見ることの出来る数少ない映画監督の一人でした。チャン・イーモウ監督、どんどん前に進むのはいいと思いますが、どうぞ「映画の心」は忘れないでください。

ラン・ローラ・ラン
| テーマ |
8 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
8(16) |
| 映像 |
8 |
| 音響 |
7 |
| 主演 |
7 |
| 助演 |
7 |
| おすすめ度 |
6 |
| 総合点 |
67 |
監督:T.ティクビア
公開年:1998年
始まってから30分、ローラが警察官から撃たれたとき、思わず「おい、これで終わっちゃうのかい」と叫んでしまいました。そして、また最初から物語が始まりました。いいですね、こんな仕掛け。私が昔、こんな映画あったらいいなと思っていた、その通りの展開。うれしくなりました。
映像もいいですね。映像の楽しみ、映像の喜びといったものが感じられます。
途中で遭う人々の映像の後に、その後のその人の運命といった映像がインサートされるという手法も、この映画にはぴったりです。
でも、後半に入るところから心配になってきました。その訳は下を見てください。
第1話、第2話が終わり、第3話が始まったところで心配になってきました。「この映画、どうやって決着つけるつもりなんだろう」。そして、心配した通りになりました。最後は単なるハッピーエンド。思わず、ずっこけてしまいました。
運命というテーマもいいし、演出も細かいところまでよくできています。映像も楽しさいっぱい。それだけに最後はもう一ひねりも二ひねりも欲しいところです。あー、残念!
おもしろい映画ですからお勧めはしますが・・・。

猟奇的な彼女
| テーマ |
8 |
| 脚本×2 |
7(14) |
| 演出×2 |
8(16) |
| 映像 |
8 |
| 音響 |
8 |
| 主演 |
9 |
| 助演 |
7 |
| おすすめ度 |
9 |
| 総合点 |
79 |
監督:K.ジェヨン
公開年:2003年
おもしろそうな映画だとは思っていたのですが、「猟奇的」というタイトルに恐れをなして見るのを躊躇していたところ、ラジオで紹介があり、見てみました。なるほど、50を過ぎた私が見ても、切なくなるいいラブストーリーですね。
<ネタばれ注意> 基本的には岩井俊二監督の「Love Letter」のパクリですが、切ない哀しみのままで終わる「Love Letter」と比べると、「猟奇的な彼女」の方は、基本的にコメディ仕立てで、出演者も軽いノリで、でもじわじわと感動が盛り上がり、そして最後がハッピーエンディングなのが、いいですね。見終わっていい気持ちになる映画です。
話変わって、驚いたこと。ヒロインの登場シーンのすごさです。いままであんなのは見たことがありません。駅のホームで、酒に酔って今にも倒れそうになっている彼女の顔のアップ!完全にいってしまった、ふぬけの顔で登場するあの女優の勇気にはびっくりしました。そのあとのシーンは、お食事時にはお勧めできません。
もう一人の主役の男の子のほうは、最初どうかなと思っていたのですが、割と素直な今風の大学生の雰囲気がよく出ていて、物語が進むにつれてよくなり、そのあたりが映画のうまさかなと思いました。
欠点を挙げるといろいろありますが、映画全体の持つパワーを評価しての点数となりました。
なんといっても、この「猟奇的」というタイトルは二の足を踏ませるタイトルだと思います。英語のタイトルの「SASSY」は直訳すると「生意気」ですので「生意気な彼女」であれば、映画の内容にぴったりです。しかし、「猟奇的」という言い方が韓国ではやっているということですし、確かに「猟奇的」ですと、人目をひきつける効果はあります。議論の分かれるところだと思います。
それと、基本的に映画が長すぎる感じがします。適当にギャクが入って笑わせてくれるので、それほど退屈はしないのですが、特に脱走兵のエピソードは映画の流れを遮断しており、なくてもよかったのではないかと思います。
テレビで人気の古色蒼然としたメロドラマ「冬のソナタ」はともかく、この「猟奇的な彼女」は「今」の韓国映画界の勢いを示すいい作品です。「韓国の映画なんて」と食わず嫌いにならずに是非ご覧ください。お勧めです。

レギオン
| テーマ |
4 |
| 脚本×2 |
3(6) |
| 演出×2 |
3(6) |
| 映像 |
4 |
| 音響 |
4 |
| 主演 |
5 |
| 助演 |
4 |
| おすすめ度 |
3 |
| 総合点 |
36 |
監督:スコット・スチュアート
公開年:2010年
アメリカの砂漠の中にポツンと建つ店に集まる様々な人たち。老女が突然牙をむいて男性の首に噛み付くといった異様な出来事を皮切りに、ゾンビのような異形のものが襲いかかってきて、世界で何事か起きていると感じさせる出だし。そこに、なぜか大天使ミカエルが人間になって登場し、多数の銃器を渡して、「戦うしかない」と言い放ち、一軒家の店を舞台に銃乱射のサバイバルが始まるといった物語。
「トレマーズ」を思わせる内容との映画レビューを見て、B級アクションとして面白そうと思いレンタルで見ました。
出だしは悪くないんですが、まずその設定である「神が人間を見限って、人間を滅ぼそうとするのを、大天使ミカエルが神にそむいて御心(?)にしたがって人間を助けるために天使軍団と戦う」というのが、なんか無茶苦茶な話ではあります。
まあ、B級アクションですから・・・いいかなと思って見続けますが、中盤、店に集まったそれぞれの人物の過去の告白合戦で、緊張感とテンポが大きくそがれます。
一方、ガンアクションの方も、「トレマーズ」とは比べ物にならないぐらいお粗末。200発や300発は連射できるサブマシンガンやアサルトライフル。サバイバルゲームじゃないんだから、あんまりです。こんなところをいい加減に作ると、緊迫感などは消し飛んでしまいます。
物語は、「ターミネーター」をベースに、あれこれくっつけた感じ。ラストも、もろ「ターミネーター」です。
出だしは、まあまあよかっただけに、力不足、途中で失速、最後は墜落といった感じ。ちょっと残念ですね。

レザボア・ドッグズ
| テーマ |
7 |
| 脚本×2 |
7(14) |
| 演出×2 |
7(14) |
| 映像 |
7 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
6 |
| 助演 |
6 |
| おすすめ度 |
6 |
| 総合点 |
66 |
監督:Q.タランティーノ
公開年:1991年
タランティーノ監督の「ジャッキー・ブラウン」がとてもよかったので見てみました。何というか、仕掛けの好きな監督ですね。
失敗した強盗のメンバーが一人、また一人と登場し、それぞれの視点からの物語を語ります。ほとんどの場面は逃げてきた倉庫の中で展開され、登場人物が語る強盗のシーンが断片的にフラッシュバックで入ってきます。舞台劇のようでもあり、なかなか面白い構成ですが、これって黒沢明の「羅生門」と同じ?
この映画、あまり金がかかっていないようですが、アイデアと情熱次第で、面白い映画ができるという見本を見せてくれました。
興味深い構成で、タランティーノ監督がこの仕掛けを気に入って面白がっているのはよくわかります。しかし、それぞれの登場人物の内面が今ひとつ描ききれていないこともあって、映画に深みが足らないような気がします。「えっ、これで終わり?」といった感じで、あっさりしすぎかな。仕掛けの面白さだけで突っ走った映画かな。

RED ZONE 熱砂の激戦
| テーマ |
6 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
5(10) |
| 映像 |
7 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
5 |
| 助演 |
5 |
| おすすめ度 |
5 |
| 総合点 |
52 |
監督:ロヘリオ・バリス
公開年:2008年
アンゴラ内戦の時、軍事顧問団として派遣されたキューバ兵の目から見た内戦の悲惨さを描いた映画。
当然、キューバ映画で、とてもレアです。
戦争映画としてはオーソドックスな作りで、激戦地「カンガンバ」に送られたキューバ兵の日常や戦闘への備え、そして戦闘。現地の人々の苦悩と交流、本国の司令部の様子も、会議室の描写だけではありますが、ちゃんと描かれています。
物語は、激戦地に送られた歴戦の勇者の苦悩と、現地の女性との恋を中心に置いて、異国の地で「戦闘の意義に少し疑問を持ちつつも」戦うキューバ兵の姿を描きます。
「ソ連、ロシア兵器萌え」の私としては、出てくる武器や車両、航空機がすべて本物なのがうれしいです。銃はAKMを基本に、RPKなど。相手側はAKMに加えて西側の武器も使用。車両は、戦車がT−54かT−55。それに装輪装甲車のBRDM−2がちょっぴり姿を見せるのもうれしいところです。航空機はヘリコプターのMi−8がふんだんに出てきますが、何といってもすごいのは、戦闘機のMig−21がたくさん見られるところです。夕陽をバックに飛行する姿やコクピット内の映像など、これだけMig−21の魅力を映し出した映画はなかったのではないかと思わせるぐらいたくさん出演します。
全体的には、アメリカが戦ったベトナム戦争を連想させられる内容で、冷戦時代の代理戦争は、西側も東側もあまり変わらないな、といった印象を受けました。
戦争映画としては、なかなか真面目に作ってあって好感を持てる出来です。
しかし、主軸に置いたキューバ兵と現地の女性との恋は、とってつけたみたいで、メロドラマ風。もう少し、表現を工夫したほうがよかったんじゃないかと思いました。また、冒頭で出てくる記録班の兵士は、最初のうちは、カメラを回したりしてよくでてきますが、途中でどこにいったかわからなくなり、最後にまた姿を見せるといった感じで、そのあたりは、ちょっと雑かなとも思いました。
いずれにしても、キューバ側の視点で作った映画ですので、相手は西側(南アフリカ)の支援を受けたヤクザな集団といった描かれ方です。戦争の苦悩は描かれていますが、一方的な映画だとはいえます。

レッドプラネット
| テーマ |
4 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
5(10) |
| 映像 |
6 |
| 音響 |
5 |
| 主演 |
5 |
| 助演 |
5 |
| おすすめ度 |
4 |
| 総合点 |
47 |
監督:A.ホフマン
公開年:2000年
21世紀半ば、地球の環境汚染がひどくなったため火星地球化計画が進められ、その成果を確認するため初の有人宇宙飛行が行われたというお話。
NASAの影響なのか、最近火星ものの映画が続いている。
「トップ・ガン」のヴァル・キルマーや「マトリックス」のキャリー・アン・モスなどおなじみの顔が出てきて思わずうれしくなってしまう。
話としては割とオーソドックスな宇宙ものの展開です。
「ミッション・トゥ・マーズ」ほどひどくはないけど、時流に乗ったいかにもハリウッドの映画商売といった感じのややお手軽な映画。お話も先が簡単に見抜けるようなものでいただけません。仕方がないのかもしれませんが、気が滅入る話です。まあ、これもハリウッド映画おなじみの主演2人の恋の話でいくらかは救われますが・・・。
火星からの脱出があんなにうまくいくとは、ご都合主義のストーリーではしらけてしまいます。

監督:ソフィア・コッポラ
公開年:2004年
これは「コメディ映画」だそうです。なるほど、世界の常識とは大いに異なる「奇妙な日本人の生態」を切り取り、コケにして笑い飛ばす・・・。確かに笑えます。特に、ウイスキーのコマーシャル撮影のため日本を訪れている主人公を接待しようと、ホテルの部屋に派遣される日本人娼婦のシーンなど笑い転げてしまいました。
でも、笑ったあと、心の中に残る奇妙な感情・・・・。そうです。笑われている日本人としては、複雑です。というより、不愉快です。
ソフィア・コッポラ監督の実体験を基にした脚本だそうで、確かに映画に描かれている日本人の生態は、指摘されている通りかもしれません。監督は、日本人の生態をあくまでもクールに切り取ります。そして「笑い」ます。そこには、異文化に対する尊敬の念と理解しようとする気持ちは感じられません。ただ、「変な日本人」という、昔からの日本人感です。
これと比べれば、たとえ極端で偏りがあったとしても、「キル・ビル」でタランティーノ監督が描いた日本人の方が、もっと温かい眼で見ています。
コメディ以外の部分では、異郷に来た寂しいアメリカ人の男女同士の単なる不倫物語。主人公と妻との電話のやりとりが描かれますが、「家庭が上手くいかないのはあんたが優柔不断だからでしょう」と突っ込みを入れたいぐらい。いい歳をした大人になっても自分探しをしている人間が多いなどと指摘される日本人ですが、アメリカにも自分探しをするいい歳の大人が多いんだろうなと思わせます。女性監督の決め細やかな表現と言えなくもないですが、だからどうしたというレベルです。
それにしても、映画の中でウイスキー会社が実名で出てきますが、あれ本当に、映画の内容を分かった上でOKを出しているのでしょうか。それとも、F.F.コッポラ監督の娘ということで内容も検討せずにOKしたのでしょうか。どう見ても企業イメージに悪影響を与えると思うのですが、どうでしょうか。

ロード・オブ・
ザ・リング
| テーマ |
9 |
| 脚本×2 |
8(16) |
| 演出×2 |
9(18) |
| 映像 |
10 |
| 音響 |
9 |
| 主演 |
9 |
| 助演 |
9 |
| おすすめ度 |
10 |
| 総合点 |
90 |
監督:P.ジャクソン
公開年:2002年
いやーこれは完全にゲームの世界です。それもそのはず、ロールプレイングゲームの元祖「ダンジョン&ドラゴン」。その元になったトールキンのファンタジー小説「指輪物語」の映画化なんですから。
80年代の「ダンジョンマスター」から最近の「ディアブロ」に至るゲーム好きの私にとっては、これはまさに本家の物語。テレビゲームのおかげで日本でもポピュラーになったロールプレイングゲーム(RPG)の世界がスクリーンに展開されます。
映画としてもとてもよく出来ています。最初の迫力ある戦闘シーンでつかみも十分。のどかな村の描写が続き、幸せに暮らしていたポビットたちの生活の様子もよく分かります。そして、あとは世界を救うために冥王サウロンの指輪を捨てにいく、ホビット、人間、エルフ、ドワーフ、魔法使い合わせて9人のパーティーと、それを追いかける冥王サウロンの手下たちとの息詰まる追撃戦で一気に最後まで持っていきます。
戦闘シーンはとにかく人間やエルフたちがかっこいいの一言。どうやって撮ったのか感心するカメラワークもあり、もちろんCGは多いものの、CGだけに頼らず実写のおもしろさ、すばらしさに溢れています。
そして何より9人のパーティーに限らず、悪役や端役を含めて、すべてのキャラクターが立っています。「スターウォーズ(もちろん1作目)」や日本で言えば「踊る大捜査線(TV版の方)」やあの「機動警察パトレーバー(これもTVシリーズの方)」のような作品と同じで、このあたりが優れた作品の要素なのかもしれません。
ピーター・ジャクソン監督は小さい頃に見た「キングコング」で映画の世界に引き込まれたようですが、この「ロード・オブ・ザ・リング」はまさに、「キングコング」のような動く映像のおもしろさ、楽しさという、映画の根元的な魅力が一杯詰まった作品に仕上がっています。
最初から三部作と分かっていたので、それほど感じませんでしたが、やはりあの終わり方は何とかならなかったものでしょうか。「スターウォーズ」の最初の三部作では、すくなくとも1作目はそれなりにちゃんと終わってくれました。この映画では「続く」といった感じの、あっさりとした終わり方になっていて、観客にとっては見終わったときの満足感が「100パーセント」になりにくい感じです。
映画というものは時代の産物であり、時代と切り離すことはできませんが、この映画の場合は、深読みをする必要はないでしょう。映画の楽しさを単純に味わえばいいと思います。
最後に、ほとんどの映画を一刀両断にこき下ろし、あの「ハリー・ポッターの冒険」に至っては、特集を組んで念入りにけなした週刊誌「ニューズウィーク」の映画評では、なんと「秀作」という評価です。「最初の30分間は退屈」とけなすことは忘れていませんが、「早く2作目を見たい」と手放しのほめようです。アカデミー賞は有望かもしれません。

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
|
王の帰還 |
二つの塔 |
旅の仲間 |
| テーマ |
9 |
9 |
9 |
| 脚本×2 |
8(16) |
8(16) |
8(16) |
| 演出×2 |
7(14) |
8(16) |
9(18) |
| 映像 |
10 |
10 |
10 |
| 音響 |
9 |
9 |
9 |
| 主演 |
9 |
9 |
9 |
| 助演 |
8 |
8 |
9 |
| おすすめ度 |
10 |
10 |
10 |
| 総合点 |
85 |
87 |
90 |
監督:P.ジャクソン
公開年:2004年
現在のファンタジーの原点「指輪物語」の映画化。実写では誰もなし得ないと思われていたことに挑戦した「ロード・オブ・ザ・リング」。3部作を一度に撮影して、3つに分けて紹介するという珍しい方式で上映された作品がいよいよ完結しました。
大フアンのわが家では、1作目、2作目を再度DVDで見直して復習をし、関連の雑誌を買い込んで予習をし、満を持して劇場に向かいました。
結果は・・・3部作の最後としてはGOODです。
前にも書きましたが、この映画は3部作であり、3つの作品を別々に評価するのは難しいと思います。左に3作の自分の評価を並べました。しいて3作を別々に評価するとこのような点数となります。しかし、「ロード・オブ・ザ・リング」全体の評価としては最初の「旅の仲間」の点数、90点でいいと思います。
今回はフロド以外のホビット、サムやメリー、ピピンの活躍シーンがそれぞれあり、個性がよく出て楽しめます。アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人も相変わらずカッコよく強い。ある意味で、2作目の中心であったゴラムも最後まで物語に絡み、映画を盛り上げてくれます。
なんといっても戦いのシーンの迫力、スピード感は圧倒的で引き込まれます。映画のおもしろさというのがよく出ています。
毎回、楽しみにしていた「ロード・オブ・ザ・リング」3部作が終わり、ちょっぴりさびしい気持ちがしますが、ジャクソン監督の次回作は「キングコング」とのこと。彼なら、あの傑作、1作目の「キングコング」に迫る作品が作れることでしょう。また、楽しみができました。
3作で1本と考えれば仕方がないのですが、この「王の帰還」だけ取り上げて見ると、戦闘シーンに入る前の前半部分が、物語を進めるための説明が多く、やや単調な感じがします。なんか、いろんなことを急いでばたばたと描いているという感じがします。
また、敵のサウロンも、すでに1作目、2作目で十分描いているからでしょうが、3作目では登場が少なく、弱くなったような感じがするのが残念です。このような映画の場合、敵は強ければ強いほどいいのです。
原作は原作として、もっと大幅に変えて、3作それぞれのバランスを考え、エピソードを新たに作るぐらいしたほうがいいと思うのですが、原作のファンからは総スカンを食うかもしれませんね。そこが難しいところです。
ジャクソン監督は撮影した部分をだいぶカットしたようで、サルマンも登場しませんが、それは映画を作る姿勢としては正しいと思います。映画は「いかに切るか、捨てるか」です。撮ったものをあれこれ入れる特別編をよく見かけますが、よくなったという印象を持ったことはありません。くどいですが、あくまで原作は原作、映画は映画です。
戦いが終わったあとの後日談が結構長い時間続きます。これもこの3作目だけを考えると長すぎますが、これは9時間にも及ぶ長い物語の最後としては必要だとも言え、私としては納得しています。
いずれにしても、このようなすばらしい映画を作ってくれたジャクソン監督に感謝したいと思います。多分、ルーカスは超えられたと思います。

監督:P.ジャクソン
公開年:2003年
待ちに待った2作目。もちろん我が家のメンバー4人は公開初日、最初の上映に並んで見てきました。
「ロード・オブ・ザ・リング」のところでも書きましたが、ロールプレイング・ゲームの元祖「ダンジョン・アンド・ドラゴンズ」の元となったトールキンの「指輪物語」を描く3部作の2作目、中間にあたります。その期待に応えて、バラバラになった3つのパーティーのそれぞれを描きつつ、映画のスペクタル表現の最新の映像効果として歴史に残るかもしれない最後の大戦闘シーンまで、見せ場は十分です。
最初のシーン。洞窟の底に落ちていったガンダルフのその後の死闘を描くシーンは、スピーディーで迫力十分。つかみとしては成功です。
そして、新キャラクターとして登場するなかで一番印象的なのは、なんといってもCGで描かれたゴラム。最新の技術がここまできたかと感心すると共に、善と悪の間で揺れ動く心情がよく描かれ、リングの重さに押しつぶされそうな主人公、フロド・バギンスの苦しみと相まって、この映画のテーマが見るものの心に深く刻まれます。
そして、1作目から、そのかっこよさが魅力のアラゴルン。人間より長い寿命を持つがゆえに苦悩するエルフのアルウェンとの恋に悩みつつ、新たにローハン国王の娘から思いを寄せられる・・・。でも自分の愛する人はただひとりと必死にアルウェンへの思いをつないでいこうとする姿が哀しく、しかし、真に男らしいと私は思います。
アラゴルンと一緒に旅をするレゴラス、ギムリの2人も1作目に引き続き大活躍。特にドワーフのギムリは、ユーモアのあるシーンで笑わせる役回りとなり、1作目以上に印象的でした。
そのほか、ホビットの3人も相変わらずいい味を出しています。
見終わった感想としては、映画黎明期、映画が誕生して情熱がいっぱいの頃の、大スペクタクル映画、例えば「キングコング」や「ノートルダムのせむし男」などの映画を彷彿とさせる、動きのおもしろさにあふれた作品だと思います。
この映画は、3部作を一度に撮影し、1年おきに公開するという、たぶん今までに例のない方式の映画です。それだけに、この2作目だけを完結したひとつの映画として評価するのは難しいと思います。本来なら、3部作全てを見たあとで、トータルとして評価できるものでしょう。
ですから、現時点では、1作目と同じ点数をつけるべきかもしれませんが、あえてつけてしまいます。
上の方で書いたように、全体的には期待を裏切らない、おもしろい映画です。しかし、ホビット庄を出た主人公、フロド・バギンスらの一行に、次から次に敵が襲いかかり、この先どうなるんだろうとハラハラさせられ、最後まで一気呵成に見終わった1作目と比べると、やや冗長です。ローハン国の物語をもう少し整理して短くし、原作にはないのかもしれませんが、アラゴルンらの活躍する印象的なシーンをもう少し前の方で加えたら、すっきりしたのかもしれません。
でも、最後の終わり方は、大満足。気持ちよく見終わることができました。
DVDの発売、そして1年後の完結編が待ち遠しい、そんな映画に出会えたことがうれしいと思います。

RONIN
| テーマ |
4 |
| 脚本×2 |
4(8) |
| 演出×2 |
4(8) |
| 映像 |
6 |
| 音響 |
6 |
| 主演 |
7 |
| 助演 |
6 |
| おすすめ度 |
5 |
| 総合点 |
50 |
監督:J.フランケンハイマー
公開年:1998年
ロバート・デ・ニーロとジャン・レノの競演。それぞれの持ち味が生かした2人の演技を楽しむ映画でしょう。難を言えば2人ともRONIN(浪人)で悪に荷担しているはずなのに善人に見えるところ。
クライム映画、アクション映画としては普通といったところですが、何といっても見せ場はアクション映画には欠かせないカーアクション。計っていませんが10分以上続く追っかけっこは、特に後半の逆走が圧巻。でも、あんまりやりすぎると、「そんな馬鹿な」となってしまい難しいところです。
「四十七士」を例にしてRONIN(浪人)の説明があります。まあ、ちょっとおかしいような気はしますが、西洋人の解釈としてはそんなものかなと思います。でも、この映画、看板に偽りありです。これじゃ、「浪人」ではなく、「隠○○」です。ですから「浪人」の哀しさ、厳しさが全く表現されていません。
大御所、J.フランケンハイマー監督の演出も大味かな。適当に見せ場を散りばめて最後まで飽きさせないようになっているが物語が平板で盛り上がりに欠けるという、最近のアメリカのアクション映画によく見られる欠点がここでも感じられます。
それと、敵役の非情さをあれだけ見せつけている割には、最後はあっけない幕切れ。もっと、いじめなきゃだめですよ。

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