マイノリティ・
リポート
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 55

監督:S.スピルバーグ  
公開年:2002年

傑作SF映画「ブレードランナー」などの原作者フィリップ・k・ディックの短編小説を原作に、スピルバーグが監督し、トム・クルーズが主演したSF映画。
近未来に犯罪を事前に予知できるようになり、犯罪が起こるのを未然に防ぐ犯罪予防局が活動しているという設定。犯罪予防局のチーフを務めるトム・クルーズは、自分が見たこともない人間を殺すという予知結果が出たため追われる立場になり、真相を突き止めようとします。そして、彼の突き止めた真相とは・・・。
SFですが、サスペンスタッチが強く、観客をぐいぐいと引き込んでいくところは、さすがスピルバーグといったところです。
良くできた映画ですが、何か印象が薄い感じがします。何故でしょうか?
ひとつは、「犯罪が予知できる未来社会」という設定に問題がありそうです。SFの設定としては独創的でおもしろいんですが、それを予防する司法組織の存在意義を観客の立場からまじめに考えると、「いかさま」であることがすぐに分かります。今ひとつ、うそ臭くて物語にのめり込めないといった感じです。
主演のトム・クルーズも可もなく不可もなくといった出来。
そして、なにより、SF映画では大きな要素である特殊撮影やCGを使った映像にインパクトがないということでしょう。未来都市の交通システムなどは、より現実的に考えて作ってありますが、「だからどうしたの?」という程度のもので、映像に対する情熱といったようなものが感じられないと思います。「スター・ウォーズ エピソード2」などもそうなんですが、CGを使った特殊撮影の技術としては世界最高のものを持つ「ILM」が陥った落とし穴のようなものを感じます。


マトリックス
テーマ
脚本×2 9(18)
演出×2 8(16)
映像 10
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 86

監督:A.ウォシャウスキー
    L.ウォシャウスキー
公開年:1999年


人類がコンピュータに支配され、それを隠すために仮想現実を見せられているという状況の中で、それに気づいた一部の人々が戦いを挑む。その戦いも仮想現実の中で行われるというよく練られた設定。カンフーの技などを生かしながら生の俳優の動きとミックスされた特撮映像も迫力があり、20数年前に「スター・ウォーズ」を見て特撮の素晴らしさに感動した時に近い感情の高まりを感じました。その意味で、技術的には進化しているものの第1作を超えるほどのものとはいえなかった「スター・ウォーズ エピソード1」と比べて、映画館での観客の熱気はこちらの方が高かったかもしれません。
全体的な話の運びは、「ターミネーター」に近いものがあります。最後、ぎりぎりのところで反撃に転じたときのカタルシスは気持ちのいいものでした。
主演のキアヌ・リーブスは、彼の個性でもあるのでしょうが、よく押さえた演技で「スピード」の時より好感が持てました。
「スター・ウォーズ エピソード1」でも感じた「コンピュータを多用した映像への飽き」というようなものは、肉体の動きを使ったことで、うまく処理されているなと感じました。この問題は今後の映画の大きな課題といえると思います。
注文をつけることは余りありませんが、公開前のプロモーションで見せられた映像が全てで、映画館ではそれ以上の映像はありませんでした。見せすぎるのも問題だと思います。


マトリックス
リローデッド
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 81

監督:A.ウォシャウスキー
    L.ウォシャウスキー  
公開年:2003年
コンピュータに支配された世界という独特の世界観、ワイヤアクションを使ったダイナミックな動き、スローモーションや特殊カメラを使った斬新な映像などで大ヒットした「マトリックス」の続編。
人間たちの最後の砦となった都市「ザイオン」に脅威が迫る中、ネオ、トリニティー、モーフィアスたちは、コンピュータとの最後の戦いのため、再びマトリックスに侵入。そして、1作目の「マトリックス」では分からなかった謎と罠が明らかに・・・。
事前の映画評や先に見た人の感想などでは、「理解しにくいストーリー」 「特殊撮影に頼りすぎた映画はダメ」「つまらない」と悪評が多かったことから、1作目が良かった映画の2作目はダメというジンクスもあって、あまり期待せずに見に行きました。
結果は・・・「見に行って本当に良かった!」
2作目としては、かなりいいできです。1作目をちゃんと見ていればという条件付きですが、2作目はストーリーがかなりシンプルにしてあり、それが功を奏した感じです。ネオとトリニティーの愛を中心に据えて、「キーメーカー」を捜す一本道のストーリーですが、そのため、「マトリックス」らしいスタイリッシュなアクションを思う存分楽しむことができます。
CGの多用については私も大いに疑問を持っています。しかし、この映画の場合、CGを使った映像と、実際に身体を使ったワイヤアクションがうまく融合していて、「スターウォーズ エピソード2」のようなひどいCG紙芝居映画になることを免れています。
見せ場の高速道のシーンも、今までに見たことのない新鮮な映像で最高でした。
スーパーマンのように空を飛ぶネオにはびっくりですが、元々が架空世界を舞台にした映画ですので、それもOK。感情をあまり表に出さないネオの気持ちの高揚がよく伝わります。
この映画は、「マトリックス」シリーズ3部作の中間に位置する映画で、悪役のエージェント・スミスの描き方など中途半端なところもあり、
最後も「続く」でスパッと終わります。でも、「ロード・オブ・ザ・リング」など最近、このような3部作が多く慣れてきたせいか、かえって小気味よい終わり方と思いました。
難しい2作目をうまく料理したウォシャウスキー兄弟の手腕には脱帽です。3作目の「マトリックス レボリューションズ」が楽しみです。
本当におもしろい映画ですが、残念なところが2つ。
まず、前半の「ザイオン」での勢力争いなどの描写がちょっとくどくて退屈します。言葉では「危機が迫っている」というのですが、映像的にそのような描写がないためだと思われます。短くてもいいのでコンピュータの攻撃のエピソードを挿入すれば良かったのではないでしょうか。
もう一つも「ザイオン」での描写です。ネオとトリニティーのベッドシーンは、生命への強い欲求が表れていいと思うのですが、「ザイオン」の住民たちが集団で踊る性的なダンスは、あまりにも長すぎて物語のリズムを崩しています。何か新興宗教の集団的な興奮状態をイメージさせる描写で違和感もあり、もっとサラッと描けなかったものでしょうか。
これを除けば、ほかにないスタイリッシュなSFアクション映画の傑作で、お勧めです。


マトリックス     レボリューションズ
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 81

監督:A.ウォシャウスキー、L.ウォシャウスキー  
公開年:2003年
マトリックスシリーズの完結編。といっても、この映画を含むあとの2作は、当初から企画に上がっていた訳ではないと思いますが・・・。
この映画のように3部作の場合、一つ一つの映画をどのように評価していいか苦しむところです。基本的には、それぞれを単体の映画としてみた上で、3部作の意味合いを加味して評価するということでしょうか。
ウォシャウスキー兄弟が3作目で見せたかったのは、機械と人間の壮絶なバトルだったのでしょう。画面を埋め尽くす戦闘、圧倒的なスピード感。圧巻です。ドラマ部分では、2作目と同様に、長いセリフなどでもたつくところもありますが、自分のイメージを映像化する力はなかなかのものです。ただ、バトルに力が入りすぎたせいか、1作目で見せたスタイリッシュなカッコよさは、2作目、3作目と次第に薄れてしまいましたが・・・。
この結末は、よく考えれば事前に推測できたものですね。なんとなく盛り上がらないとの批判もありますが、1作目から続く、映画「マトリックス」の世界から考えれば、3作をまとめて1本として物語を展開すれば、このような結末にするしかないかもしれません。でも、少しウェットな方向に行き過ぎた感じはします。もっと、カッコよくできなかったものでしょうか。
映画「マトリックス」は、魅力的な仮想現実の世界を構築し、その中で黒ずくめの衣装、黒いサングラスのスタイリッシュな主人公たちが、ワイヤーアクションの力を借りて空を舞う。そして、さらに進んだCG技術。そのような要素が絡み、あの「スター・ウォーズ」(もちろん最初の3作)シリーズに
迫るような、エポックメイキングな映画となりました。ウォシャウスキー兄弟は、これを超えるのは大変でしょうが、がんばってほしいものです。


マルホランド・
ドライブ
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 7(14)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 65

監督:D.リンチ  
公開年:2001年


「ツイン・ピークス」を見ていないのでよく分からないのですが、どうやら、その延長上にある作品のようですね。自動車事故で記憶を無くした女が、女優を目指す別の女のところへ転がり込み、2人一緒になって記憶をたどっていくという話。どれが真実で、どれが嘘か全く分からないミステリアスな物語が続きます。
デヴィット・リンチ監督が「自分の中に浮かんだアイデアを大切にして作った映画で、雰囲気を味わってほしい」というように、ストーリーよりもムードを優先させた映画のようです。
ストーリーの先が読めないという意味では十分ミステリアスな物語を楽しめました。
上にも書いたように、この映画は、監督の頭の中にどんどん浮かんできたアイデアをそのまま映画にした感じ。そのため、普通のミステリー物のように謎解きをしようとして見ると、話の展開が論理的でなくて、つじつまが合わなくなります。私もそのように見た一人で、混乱してしまいました。例えば、F.フェリーニの映画のように、最初からこの映画はイメージを優先した映画であると思って見ていればいいんでしょうが・・・。
それにしても「ストレート・ストーリー」を作った同じ監督とは思えないほど、映画の感じが違いますね。


マンマ・ミーア!
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 7(14)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 76

監督:フィリダ・ロイド 
公開年:2009年
ご存知、スウェーデンの人気POPグループ「ABBA」のヒット曲に乗せて展開されるミュージカルの映画版。ミュージカルの方は、日本でも劇団四季が上演しており、それを見たことのある妻に誘われて、いつものように「夫婦50割引」で見に行きました。
私は、これまでも述べているように、事前になるべく予備知識を仕入れずに映画を見る方なので、当然ストーリーなどはまったく知らずに見ました。
なんと!びっくり!
この映画は、ひょっとしたら映画では初めての「中高年向け」ミュージカルじゃないでしょうか。(あまり沢山見ている訳ではないので断言はできませんが・・・)
舞台は、ギリシアの美しい小島にあるホテル。経営者の女性の娘が結婚することになりましたが、実は娘は自分の父親が誰か知りません。ある日、母親の日記を盗み見たところ、母親が若い頃に付き合っていたと思われる男性の名前が、なんと3人も・・・。そこで、娘はその3人の父親候補に自分の結婚式への招待状を送ったところ、3人ともが島を訪れ、そして大変な騒動になる・・・という話です。
ミュージカルにぴったりのシンプルで、それでいて興味をそそられるストーリーです。
タイトルの「マンマ・ミーア」も、直訳すると「私のママ」ですが、転じて「なんてこったい!」という意味のようで、「ABBA」のヒット曲と踊りが満載で、楽しい映画です。
そして、「初めての中高年向けミュージカルでは」と書きましたが、ママとその2人の女友達の歌と踊り、そして招かれた父親候補3人の歌と踊り・・・。決してうまくはないと思いますが、「中高年」のバイタリティを感じさせるミュージカルで、中高年の観客にとっては元気が出る映画です。楽しんで見てください。
とくに注文はありませんが、この映画は若い頃「ABBA」の曲を聴いていた「中高年」に完全にターゲットを当てたミュージカルです。ですから、娘とその花婿などについての描写もありますが、メインではありません。
若い観客にとっては、60歳を迎えるメリル・ストリープの顔のしわが気になる、なんかおばさん、おじさんたちが頑張っている変なミュージカルに映るかもしれません。でも楽しいミュージカルです。お勧めです。


Mr.&Mrs.
スミス
テーマ
脚本×2 2(4)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 38

監督:D.リーマン 
公開年:2005年
それぞれ違う組織に属している殺し屋の男女が、一目で恋におち結婚。たまたま、2人とも同じ相手を狙うミッションを与えられ、お互いが殺し屋であることが分かり、殺し屋の鉄則として殺しあう羽目になるが、最後には・・・という物語。
「おもしろかったよ」という話を聞いていたことから、レンタルで見ました。
確かに、派手なアクション、スピーディーな展開、そして適当に笑わせてという、コメディ・アクション・ロマンス映画。
でも、最後がいけません。この類の映画は、奇想天外でも無理やりでもいいから、なんらかの決着をつけてくれないとだめです。「その手があったのか、ちょっと強引な展開だけど、まあいいか」と思わせて終わるのが本道です。でもこの映画、思いっきりMr.&Mrs.スミスの2人が暴れたあと、さあどうなるのでしょうかといって終わります。うそー!


テーマ 10
脚本(×2) 10(20)
演出(×2) 10(20)
映像 10
音響 10
主演 10
助演 10
おすすめ度 10
総合点 100

監督:F.フェリーニ 
公開年:1954年


ご存じ、フェデリコ・フェリーニ監督の初期の代表作です。
辛口採点にしては点数が甘いと言わないでください。私の原点であり、基準であり、文句なしの100点満点です。
テーマは「愛」です。といっても日本人の言う「愛=情」ではなく、イタリア人の「愛」、カトリック教徒の「愛」です。しかし、それほど抹香臭くなく、人間の悲しい性も十分描き込んであり、私の人生観にも大きな影響を与えてくれました。
サーカス、ドリーするカメラ、物語に直接関係ないフェリーニ監督の心象風景などなど、その後の作品に繰り返し出てくる表現やモチーフが、すでに揃っています。
マリアの象徴ともいえるジェルソミーナや、愚かな人間の姿をあらわしているザンパノなど、哀調を帯びたテーマ曲とともに、いつまでも心に残ります。

悲しいのは、フェリーニ監督とパートナーのジュリエッタ・マシーナ(ジェルソミーナ役)が亡くなったこと。しかし、フェリーニ監督は最後までかなりの高レベルの作品を作り続けたし、夫の死を看取り後を追うように亡くなったジュリエッタ・マシーナの姿に、素晴らしい夫婦の姿を見るようで、うらやましく感じます。

2001年6月4日、アンソニー・クインが亡くなったというニュースが流れました。テレビの前にしばらく立ちつくし、「道」のいくつかのシーンを思い浮かべました。ザンパノ役は粗野な男の中にある哀しみのようなものがよく表現されており、名演だと思います。アカデミー賞の助演男優賞も2回受賞しているとのこと。そして何より嬉しいことは、アンソニー・クイン自身は、ザンパノとは違い晩年まで意気軒昂なところを見せてくれたことです。・・・合掌。
今になって気づきました。なぜ映画に魅せられるのか、なぜ映画が素晴らしいのか。理由はいくつもあると思いますが、その一つにフィルムに記録されることで「永遠の命」(キリスト教的な意味で)を得られるということを。


M:I−U
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 5(10)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 55

監督:J.ウー  
公開年:2000年


トム・クルーズ製作・主演の「ミッション・インポッシブル」第2弾。込み入った陰謀物語だった前作から、がらりと変わって女泥棒との恋を織り交ぜながらアクション中心のストーリー展開となっています。
ジョン・ウー監督お得意のアクションも健在。「男たちの挽歌」の世界がオーストラリアで展開されます。

今回も期待は裏切られました。トム・クルーズが惚れ込んで作ったという「ミッション・インポッシブル」。結局、テレビシリーズの「スパイ大作戦」とは、基本コンセプトを借りただけでまったく違う話なんですね。それはそれで悪くはないんですが、テレビシリーズのスマートさを生かしつつ、現代風にうまくアレンジして作れば、面白い作品ができあがったような気がするのですが。まあ、2作とも普通のアクション映画になってしまいました。
女泥棒との恋を軸に据え、最後までハラハラドキドキを持続させるというのは脚本もいいし、演出もさすがジョン・ウー監督。しかし、「男たちの挽歌」ゆずりのアクションシーンは今となってはちょっと古いのではないでしょうか。「男たちの挽歌」の時は、まるで日本のヤクザ映画のような、ある種の情念のようなものがあり、あのハチャメチャなアクションシーンもそれなりに受け入れられたのですが、「M:I−U」でそれを繰り返しても・・・?。無限にでてくるピストルの弾、敵のサブマシンガンの弾は全く当たらず主人公の撃った弾だけが当たるアクションシーン。それはそれで映画の約束事といえばそれまでですが、「男たちの挽歌」や「デスペラート」ではそれほど気にならない過激なアクションも、「M:I−U」ではさらにパワーアップしたこともあって、リアリティを損ない、「そんな馬鹿な・・・」といったしらけた気分になってしまいます。まあ、映画ではあまり見ない「ベクター」などのピストルが見られたのはよかったですが・・・。


M:i:V
テーマ
脚本×2 7(14)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 64

監督:J.J.エイブラムス 
公開年:2006年
トム・クルーズ主演のアクション映画「ミッション・インポッシブル」シリーズの第3弾。公開時のキャッチフレーズは、「シリーズ最高作!」。まあ、大体、新作が出れば、「最高作」と銘打つのは当然で、見てみると「ダメ」という映画は、今までもたくさん見てきました。ということで、レンタルまで待って見てみたんですが、結論から言いますと、「確かに、シリーズ最高作」でした。
ご存知のように、この映画は、かつてのテレビシリーズの「スパイ大作戦」(原題はミッション・インポッシブル)のリメイクという形で作られたものです。このシリーズの見どころは、スパイ組織IMFのチームが、変装や特殊なスパイ機器を駆使して、相手をだまし、毎回、困難なミッションを遂行するというところでした。ところが、トム・クルーズの映画シリーズは、そのチームワークでミッションを達成する部分をほとんど描かず、1作目は、冒頭で1回(たぶん)、2作目「M:I-U」にいたっては、ほとんど描かれなかったような気がします。テレビシリーズと映画とは、違うわけですから、自由に作ればいいのですが、なんとなく、タイトルだけ借りて、違う映画を見せられているようで、違和感があったのは事実です。
今回の映画は、そのチームワークのミッションの部分が、一応3回描かれており、原点回帰した感があります。
トム・クルーズもシェイプアップして頑張っており、好感が持てます。
脚本のほうは、相変わらずの「ご都合主義」オンパレードですが、今回は、ショッキングな冒頭部分のつかみもいいし、チームワークのミッションを適当に散りばめながら、話の筋は奪われた妻の救出のほうに、ぐいぐいと引っ張っていく作りなど、全体的に、アクション娯楽作品としては、王道をいく巧みさが感じられます。意外な「お勧め作品」となりました。(失礼…)
リアリティのなさなど、細かいところのあらさがしをすれば、いくらでも出てくる映画ではありますが、今回は作りのうまさに助けられて、楽しく見ることが出来ました。
でも、これ、4作目もつくるんでしょうか。ドル箱作品ですので、たぶん作るのでしょうね?どうかな?


ミッション・トゥ
・マーズ
テーマ
脚本×2  3(6)
演出×2  4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 39

監督:B.デ.パルマ
公開年:2000年


人類が火星への第一歩をしるすが、未知の生命から攻撃されて連絡が途絶える。妻の病気のため一番乗りを譲った主人公が仲間を救おうと救出ミッションに出発する。
物語は、火星版「未知との遭遇」といったところ。
火星をリアルに描こうと努力している。

この映画なんか変・・・。最新CGを使い、物語も船長の犠牲などで盛り上げ、最後の未知との遭遇で感動を・・・という仕掛けですが、全般的に「ちゃちなんです。
まず、SF映画に欠かすことのできない宇宙船の出発や到着のシーンが全くありません。すべて省略表現です(ミッション・トゥ・マーズのはずなのに・・・)。そういう表現もあるでしょうが、「お約束」を外されたようで欲求不満に陥ります。予算がなかったんでしょうか。
それと、岩場から現れた巨大なお面。メイキング映像でシンプルな形を目指したといっていますが、はっきり言って「なんじゃこれは」とズッコケました。
宇宙船から着陸船への乗り移りも(済みませんネタばればかりです)あまりにもご都合主義で「それはないだろう」といった感じです。
そして何よりも困ったことは、せっかく後半で「火星で発見された未知の生命の謎を解明」といった展開になって期待していると、あっけなく謎が分かってしまい、あとは「未知との遭遇」のリメイク。面白くもなんともありません。
まあ、強いて言えば60年代あたりのB級かC級のSF映画のちゃちな雰囲気が味わえるといえばそうかもしれませんが・・・。
ブライアン・デ・パルマって、ここまで酷かった?


ミラーウォーズ
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 35

監督:B.チグニンスカイ 
公開年:2006年
ロシア・アメリカ合作のアクション映画。ロシア物は、いちおうチェックということで見てみました。
ロシアが開発中の最新鋭ステルス戦闘機「サーベルタイガー」(カナード翼付きでスホーイ製となっていますので、Su−35かSu−37といったところでしょうか)の飛行を妨害しようとする謎の男と、ロシア連邦保安局(FSB)、アメリカ中央情報局(CIA)との戦い、それに巻き込まれたテストパイロットたちの姿を描きます。
なんといってもスホーイ(Su−35かSu−37)の迫力ある飛行シーンがたっぷり味わえます。飛行機のコクピット内や計器類なども大写し、非常用脱出シートを射出したあと、キャノピーを外したまま着陸するシーンなど、見どころは一杯。ロシア空軍またはスホーイの全面協力といったところです。もちろんアメリカとの合作ですからF−15イーグルも派手にミサイルを発射します。
ドラマのほうは、この類のスパイ物、アクション物の定番といったところで、新味はありません。特に問題なのは、主人公不在というところです。若いテストパイロットが主人公のように見えますが、ちょっと頼りないし、FSBの職員(隊員?)も主人公には中途半端。どちらかというと、謎の男のほうが興味深いですが、これは悪役ですし、主人公がよく分からないというか、そのあたりがいい加減な脚本ですね。若いテストパイロットと元スパイのアメリカ人女性との恋も唐突で強引な設定ですし、なかなかドラマが盛り上がりません。
結局は、ステルス戦闘機「サーベルタイガー」が主人公なのかな???
クライマックスの飛行場での銃撃戦では、敵味方ともAK74やAKS−74Uを使っています。敵と味方で使用銃は多少違いを見せたほうが、それらしいと思うのですが・・・。
それから、たいした話ではないのですが、銃撃戦のあと、FSBの職員が持っているAK74のアップが出てきますが、AK−74で特徴的な大きなマズルブレーキ兼フラッシュハイダーがなぜか取り外されています。発射シーンの時に、空砲用のマズルアタッチメントをつけていて、それを外した後、面倒くさかったのかもしれないな・・・と勝手に空想してしまいました。
ロシア映画は、なるべくチェックするようにしていますが、いまいちのものも多いですね。でも、マニアには、チェックすべき部分もあり、そこが面白いとは言えます。


ムトゥ踊るマハラジャ
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 81

監督:K.S.ラヴィクマール
公開年:1995年


「ブームに乗ってヒットした映画」だろうと思って、軽い気持ちで見た映画ですが、いやーびっくりしました。しっかり作られたインド製ミュージカル。ノリもいいし、楽しく見ることができ、元気の出る映画。こういうのはいいですね。
内容としてはよくある話ですが、いっぱい笑わせて最後には涙を取る脚本は良くできているし、演出もコメディの基本を押さえてうまく作っています。ダンスシーンでのプロモーションビデオ風の映像も、楽しんで作っている様子が感じられるし、音楽もいいですね。
それに、開放的な主演、助演陣。私はインドに対するイメージがいっぺんに変わってしまいました。
最高の娯楽映画です。

ちょっと長すぎて、中盤が少しだれるかなといったところはありますが、気楽に楽しめばいいと思います。





ムルデカ17805
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 49

監督:藤 由紀夫  
公開年:2001年


太平洋戦争でインドネシアに進駐した日本軍兵士が敗戦後そのまま残り、インドネシアの独立のために現地の人たちとともに戦うという、実話を元にした映画。実話の方はニュースで見ていたので、どのような映画になっているか楽しみに見ました。前半が「青年道場」という名前で、インドネシアの若者を組織し軍事教練を進める日本軍の若い将校らの話。後半では、敗戦となり、いろいろ迷ったあげくインドネシアの独立運動に参加、次々と倒れていく姿を描いています。
現地ロケで雰囲気は良く出ています。最近、このような邦画の戦争映画が少し途絶えていたので、新鮮に思えました。
まあ、爆破シーンのミニチュアなど、どうしても見劣りする部分もありますが、映画に協力した、インドネシアの軍隊の動きは、さすがにきびきびしています。
脳天気に「正義の味方」として描けるアメリカ映画と比べますと、どうしても日本の場合は難しいですね。青年将校たちの純粋な気持ちによる「青年道場」の組織化も、見方を変えれば日本軍の単なる現地支配の一形態としか見えません。一応、上層部の命令に反発するというエクスキューズのような表現はありますが、見ていてどうしても気になります。これでは、日本軍が当時侵攻していたアジアの国々から「軍国主義を美化した映画」という批判を浴びそうです。
前半は必要最小限に止めて、後半をもっと描き込んで欲しかったと思います。「プライベートライアン」の前後の現代のシーンは、ややしつこくて賛否両論あるようですが、この映画の場合、あっさりしすぎかもしれません。
それから、最後の方でインドネシア独立運動に参加した日本人たちが次々に銃弾に倒れていくシーンがありますが、そこに至るまでのそれぞれの日本人たちの描写があまりないので唐突な感じがします。これでは盛り上がる話も盛り上がりません。
最後に、三八式歩兵銃や九九式機関銃(たぶん?でもいずれもプロップ銃で本物ではないでしょうが・・・)がたくさん出てきて良かったです。


めがね
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 2(4)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 37

監督:荻上直子 
公開年:2007年
「かもめ食堂」の荻上監督が、鹿児島県の与論島で撮影した「のんびりムード」の映画。
「かもめ食堂」は、フィンランドに開店した日本食堂を舞台に、そこに集まる日本人やフィンランド人との交流を描く、心温まる映画で、私の好きな映画の一つです。
今度は、日本の離島を舞台に、どんな映画を作ったのかと興味があり、見てみました。
「かもめ食堂」では、おにぎりがとても美味しそうで、料理の描き方が独特だったんですが、今回も、料理や食べるシーンがよく出てきます。その意味では、「かもめ食堂」の雰囲気をある程度残しつつ、新たな映画を作ったというところでしょうか。今回の食べ物は「カキ氷」。沖縄のぜんざいに似ていますが、「かもめ食堂」のおにぎりほどは、美味しさが伝わらなかったような気がします。
「かもめ食堂」と「めがね」。同じ監督の一見、似たような映画ですが、そのアプローチの仕方は、似て非なるものです。「かもめ食堂」は、まるで実話ではないかと思わせる映画で、普通の人たちが出てきます。それに比べて「めがね」の方は、「現実にありえない」話で、「普通でない人」ばかりがでてきます。
「かもめ食堂」は、演出としては、基本的にオーソドックスなもので、他人が次第に心を通わす過程を丁寧に描き、心温まる感動を与えてくれます。それに対して、「めがね」の方は、かなり狙った演出で、基本的に登場人物は心を通わしてはおらず、寂しさを持ち続けています。ですから、映画を見ての印象は感動ではなく、ある種の「癒し」ともいえるものですが、その寂しさを持ち合わせていない人にとっては、まったく感情移入できません。「たそがれ」や「メルシー体操」など、正直なところ、私はこの映画に「乗り切れ」ませんでした。当初、島の人たちに違和感を感じていた主人公が、簡単に「たそがれ」を受け入れるなど、物語としては底が浅い感じがしました。
それから、気になった点をひとつ。先にも書いたように、この映画では、食べ物がよく出てきます。そのなかで、朝食のシーンが何回か出てきます。映画の舞台は、南の島ですが、朝食のおかずが「シャケの切り身」や「イクラ」など、北の地方でとれる食材です。もちろん、それが出てきても、不自然ではないのですが、どうせなら、南の島でとれる食材にこだわってもらいたかったです。


メメント
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 65

監督:C.ノーラン  
公開年:2000年


仕掛けのおもしろさがこの映画の全てといえます。
妻を何者かに殺された男が主人公。犯人に殴られたショックが原因で、主人公は数分後には自分のしたことを忘れてしまうという記憶障害にかかります。このため記憶の代わりに撮ったポラロイド写真にメモをしたり、自分の体にメモを入れ墨するなどして、妻を殺した犯人を追いかけるというストーリー。これを聞いただけでおもしろそうだと思う人は多いと思います。
映画が進むにつれて、主人公の以前の行動が少しずつ分かっていくという「リバース」の構成がおもしろく、最後まで観客を引きつけます。
少しずつ真実が明らかになるという意味では、推理もの、サスペンスものの定石をふまえた上で、新しい試みに挑戦しており、編集がうまいですね。DVDについていた「もうひとつのメメント」という、時系列に沿った編集版と比較すると、同じ素材が編集次第でいかにおもしろくなるかということが分かります。
それと、主人公役のガイ・ピアースは、シュワルツネーガーを若くしてもっとシャープにした感じで、いいキャラクターだと思いました。

おもしろい仕掛けなんですが、その仕掛けを100パーセント生かし切っていないのが残念です。
この仕掛けを生かすためには、観客をだましながら、結末でいかに大きな衝撃を与えられるかどうかがポイントといえます。しかし、はっきり言って早い時点で結末はおおよそ想像がつきますし、最初に出てくるシーンの説明を受けて映画が終わるという感じなので、もうひとつ面白みに欠けます。見終わって「うーん」とうなるまでには、もう少しのところで足らなかったという印象です。
ここは、この仕掛けを使って、もう一ひねり、ふたひねりして最後まで観客をだまし、もっとショックを与えてほしいところです。そういう意味では、この映画のようにサスペンスものでもいいですが、ホラーの方がこの仕掛けに合っているかもしれません。



メン・イン・ブラック2
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 5(10)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 49

監督:B.ソネンフィルド 
公開年:2002年


異星人の監視を行う秘密組織MIBのエージェント、おなじみの「K」と「J」のはちゃめちゃな活躍を描くコメディ「メン・イン・ブラック」の続編。ぶっきらぼうな「K」、お調子者の「J」のコンビは前作通り。今回も様々なエイリアンが登場して大暴れ。
前作は「K」と「J」の師弟同士のテンポの良いやりとりが中心でしたが、今回は「J」と目撃者の女性とのちょっとした恋物語がいい味付けになっていて、続編としてはがんばっています。
冒頭の敵エイリアンの登場シーン、地下にすむエイリアンとの戦いなど物語は定石通り進みます。でも、引退していた「K」を連れ戻してコンビ復活というところまでが単調で長すぎ退屈します。もっとスピーディーに「K」を復活させ、前作を見た観客にかっこいい「K」の姿をこれでもかこれでもかと見せてほしかった。「K」が老けたみたいでスタイリッシュさが足りなくなったような気がしました。
「K」が復活したあとは、MIB本部を占拠したエイリアンとの対決だけ・・・。まあ、前作もそこそこの出来でしたが、続編は残念ながらさらに3割ほど出来が悪くなった感じです。