アイアン・
ジャイアン
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 65

監督:B.ソネンフィルド
公開年:1999年


新聞や雑誌などでの評価が異様に高いので見てみました。とてもていねいに作られた良いアニメですね。
何と言っても、アイアンジャイアントの動き、表情、リアクションがいいですね。本当にあのようなロボットがいたらと思わせるようなリアリティがあります。周りの人たちとの交流の描き方なども自然で、よく感情移入でき、映画を楽しめます。
良くできたアニメですが、非常に残念なことは、あくまでも子供を対象にして作られたアニメであり、そのあたりを見切った作りであるということです。ですから、大人の目から見ると物語の深み、テーマ性など物足りない感じがします。同じアニメでも宮崎アニメのどちらかというとノスタルジーを含んだ作品群(いまひとつの作品も多いのですが)の深みと比べると、いただけません。
最後のクライマックスでアイアンジャイアントが変身して凶暴な兵器になるところなども、子どもたちにとっては「かっこいい」と感じられるかもしれないけれど、何となく最近のアメリカのアクション映画のお決まりの演出としか見えません。
良くできた教科書ですが、良くできた作品とは言い難いと思います。まあ、対象が子どもと限れば、評価はもっとあがると思います。


アイズ・ワイド・
シャット
テーマ 10
脚本×2 10(20)
演出×2 10(20)
映像 10
音響 10
主演 10
助演 10
おすすめ度 10
総合点 100

監督:S.キューブリック
公開年:1999年


すごい映画を見せてもらいました。これだけ完成度の高い映画を遺してくれたキューブリックに感謝しています。
テーマは「夫婦」もしくは「夫婦のセックス」。トップシーンのキッドマンのヌードで「セックス」を、2シーン目の着替えシーンで「夫婦」を表現し、たった2シーンで映画のテーマを語っています。
映画はクリスマスの2日間ぐらいの物語。シンプルな構成は、寸分の無駄もありません。必要にして十分。やや地味で堅くなりがちなテーマですが、秘密のパーティの話あたりからサスペンスが盛り上がり、観客をぐいぐい惹きつけます。こだわりの職人気質の監督、キューブリックの魅力十分の作品です。プロの作品です。
「ティーンエイジャーのセックス」でも「恋人たちのセックス」でもない、「夫婦のセックス」をテーマに、「愛」の問題を真摯に追求したこの映画。最後のキッドマンの一言は、キューブリック監督のメッセージとして、ストレートに受け止めればいいと思います。なんといっても「セックス」「ファック」は、夫婦間の高度なコミュニケーションであり、永遠のテーマなのですから。
見るもの全てに感動を呼び起こすといったたぐいの物語ではないのですが、見終わった時、強い感動に目頭が熱くなりました。
物語の筋で、少し強引なところ、伏線が分かりにくいところがない訳ではありませんが、全体からすれば大した問題ではありません。文句を付けるところは全くありません。100点満点です。


アクシデンタル・
スパイ
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 62

監督:T.チェン  
公開年:2001年


おなじみ、ジャッキー・チェンが古巣の香港に戻ってがんばっています。往年の切れはないものの、ここ何作かではまあいい出来なんじゃないでしょうか。
見せ場は敵に追われトルコの風呂から逃げるときのジャッキー・チェンの奮闘ぶり。素っ裸で逃げるんですが、お盆や新聞紙、花束などで股間を隠しながら敵と戦う姿は、まるであの日本の宴会芸のようで笑えること請け合いです。何度も見てしまいました。
ジャッキー・チェンの持ち味はなんと言っても体を張ったアクション。このところやや押さえ気味でファンとしては欲求不満をつのらせていましたが、今回の映画ではがんばりました。
日本のテレビでもおなじみのビビアン・スーが敵のボスの女役で出ています。薄幸のいかにもといったキャラクター設定ですが、同じジャッキー・チェンの映画「フー・アム・アイ」でなんと1秒(!)しか
登場シーンがなかったケイン・コスギと比べると、やはり人気があるんでしょうね。

今回の映画、韓国のスパイ物語を導入部に持ってきてミステリアスな感じで始まりましたが、結局いつものジャッキー・チェン調に戻ってしまいます。まあ、それはそれでジャッキー・チェンらしくていいとは思いますが、新境地を見せて欲しかったような気もします。
それとジャッキー・チェンも歳を取ってしまいました。仕方のないことですが、これからもがんばって欲しいと思います。


アザーズ
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 7(14)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 62

監督:A.アメナバール  
公開年:2001年


第二次世界大戦中、イギリスのチャネル諸島の島。主人公の女性(ニコール・キッドマン)と幼い子ども2人の住む古い館に、どうやら何者か(アザーズ)がいる・・・。さて、その正体は?というお話。
「光アレルギー」という青白い顔の子どもたち、いわくありげな3人の使用人たち・・・そしていかにも幽霊が出そうな館と、舞台は全て揃って、ゴシックロマン(ホラー)が展開されます。
なんといっても主人公のニコール・キッドマンがいい味だしていますね。カトリーヌ・ドヌーブなどの系列の正統派の美女で、舞台となる館にマッチしていますし、登場人物が少ないだけに注目を一手に受けて、かなりおいしい役といえます。
この映画、ホラーとしては一応の水準にあり、最後まで見せてくれます。しかし、何かが足らない。
ネタばれになるので詳しくは書けませんが、見終わった後の感動の大きさが、同種の他の映画と比べて、物足りないと思うのです。
それはなぜか。私が思うには、主人公の子どもたちに対する「愛」に共感できないためです。現実によくある話で、それはそれで「哀れ」とも言えますが、やはり母親の「愛」に感動は出来ません。(見ていない方にはなんのことか分からないでしょうが・・・)
その結果、映画の印象としては、最後のネタ明かしで「なるほどそうだったのか」とは思いますが、それ以上のものではありませんでした。
見た方のうち最後のオチが途中で分かったかたも多いでしょうが、私も映画の後半に入ったところぐらいでは分かりました。


アーサーとミニモイの不思議な国
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 62

監督:L.ベッソン 
公開年:2007年
「ロード・オブ・ザ・リング」のヒット以降、ファンタジー映画がたくさん作られていますが、これは、フランスのリュック・ベッソン監督が作ったファンタジー映画です。脚本もベッソン監督なので、オリジナルなんでしょう。
物語は、なんと自分の家のすぐ前に、身長2ミリ!の小人達がいたというお話です。子どもの頃に読んだ「誰も知らない小さな国」のコロボックルのような話に、ファンタジー心をくすぐられてしまいました。
導入部は、テンポよく不思議の国に入っていきます。ちょっと強引でご都合主義の展開ではありますが、ここはテンポが大事なので、いいでしょう。不思議の国に入ると、そこは、CGアニメの世界になります。無理に実写とアニメを合成しなかった、この判断も良いと思います。
話は、不思議の国のアリスや「スター・ウォーズ」「ロード・オブ・ザ・リング」をミックスしたような話で、シンプルですが、ベッソン監督は手際よく見せてくれます。
アニメのキャラクターも好き嫌いがあるでしょうが、私は好きでした。楽しく見られる映画です。
とにかく、よくまとまったファンタジー映画です。反面、ちょっと小さくまとまりすぎかなとも思います。もう少し、驚かせてほしかったです。
大きな不満は、エンディング。詳しくは書きませんが、ちゃんと決着をつけてほしかったです。監督としては、今後の商売を考え、シリーズ化も視野にいれた判断でしょうが、あれでは欲求不満が残ります。残念!


アートオブウォー
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 5(10)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 53

監督:C.デュゲイ  
公開年:2000年


ウェズリー・スナイブス版「M:I−U」といったところかな。国連の仕事を助けるため裏で活躍する特殊工作員のお話。
一緒に逃げ回る中国人通訳の女性との絡みは「M:IーU」と比べると割とあっさりした感じですが、ねちょっと重くなくて私はこちらの方が好みです。
途中で2人の行くところ、行くところで敵が出現して何かご都合主義の脚本だなと思ったのですが、最後の種明かしで納得。私は割とだまされてしまいました。仲間が殺されて復讐心に燃える主人公の心の動きもよくわかり、サスペンスとしてよく練られた脚本です。
国連を舞台にしたアクション映画ですが、どうも話のスケールが小さいといった印象です。ドナルド・サザーランドの事務総長役がしっくりきません。ミスキャストじゃありませんか。裏で特殊工作員が暗躍するという設定も、逆にB級映画風の印象を与えてしまいます。
全体的によくまとめてはありますが、毎度おなじみどこかで見たような話になっているのが残念です。
でも、アートオブウォーって「兵法」のことだったんですね。どこが「兵法」かよくわかりませんでしたが。


あの子を探して
テーマ
脚本×2 7(14)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 76

監督:C.イーモウ  
公開年:1999年


同じ監督の「初恋のきた道」を先に見ました。同じように学校を舞台にした映画ですが手法はガラリと変わります。きれいなヒロイン、きれいな映像を使って、自分の父母の恋と愛を探して叙情的に描いた「初恋のきた道」に比べ、「あの子を探して」はドキュメンタリー映画のような手法で、中国の田舎の小学校の子どもたちの様子や、都会に出稼ぎに出た子どもを探す代用教員の女の子の姿を淡々と描いていきます。
なんといっても主演の素朴な女の子を含め、小学校の児童たちの自然な動きが印象的です。子役だとは思うんですが、余り演技を感じさせないのは、監督が時間をかけて雰囲気を作っていったのではないかと思います。
見終わった後、ほんわりといい気持ちになります。まあ、「トトロ」のような世界ですが、このようなストレートな映画は今の日本では、「宮崎アニメ」以外ではなかなか作れなくなったかもしれませんね。ちょっぴり残念です。
それと、最後の教室でのシーン。黒板をフィックスで延々と映しているだけのシーンですが、子どもたちの様子が自然でものすごく良いですね。
仕方がないのかもしれませんが、代用教員の女の子と子どもたちの姿を生き生きと描いた前半に比べ、後半、代用教員の女の子が出稼ぎの男の子を見つけたあたりから、物語はかなり教条的な宣伝的な終わり方になります。太平洋戦争前や戦後の20年代、30年代初めごろまでは日本でもよくあった描き方のような気がしますが、いくら中国とはいえ、今の時代ならもっと違う描き方もあったのではないでしょうか。


アバター
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 46

監督:ジェームス・キャメロン 
公開年:2009年
ご存知「3D」で大人気となり、観客動員数の記録を作ったSF映画。
(ネタバレ注意)
テーマはずばり「環境問題」。惑星「パンドラ」を舞台に、鉱物資源を得るために環境破壊を進める「人間」と原住民の「異星人(人間から言えばですが…)」とが対立。人間側が原住民と人間を組み合わせた「アバター」を作り、採掘計画をスムーズ進めようとします。この「アバター」を操作(このあたりの仕組みがいまいちわかりませんが…)する人間の主人公と原住民の女性との恋を織り交ぜながら、CGをフルに使ったドラマが展開されます。というか…ほとんどCGの映画です。私はまるでPCゲームのような印象を受けました。
私は「3D」版ではなくて、DVDで「2D」版を見ただけですので、劇場で「3D」版を見たかたとは、印象が大きく違うとは思います。でも、「2D」版で見ても、随所に「3D」を効果的に使った映像が使われています。
演出は、さすが「ターミネーター」や「タイタニック」のキャメロン監督。最後まで、ぐいぐいと引っ張っていって、あきさせません。
でも、この映画…一言で言えば「トンデモ映画」です。
上でも書いたように、私は「3D」版を見ていませんので、「3D」という見世物の部分は知りませんが、「3D」を外した普通の映画として見ると、「環境問題」をテーマにしているものの、内容はわりと浅いという感じです。
ゴア元副大統領が出演したドキュメンタリー映画「不都合な真実」など、2006年ごろは、「環境問題」の盛り上がりもあり、人々も素朴に「環境問題」を受け入れていた面があります。しかし、それから3、4年。依然として「環境問題」は取り上げられていますが、当時ほど素朴な「盛り上がり」ではすまない段階に来ています。そういう意味では、この「アバター」は、遅れてやってきた、素朴な「環境問題の映画」と言え、これを今出してくるのは、タイミングがずれている感じがします。
また、物語を面白くするために単純化したのかもしれませんが、「人類」が「悪」で、惑星の「原住民」が「正義」と完全に分けて描いたのは、なんとなく変な感じがしませんか?そのあたりを、もう少しは掘り下げないと、とてもではありませんが、大人の鑑賞に耐える映画にはなりません。せいぜい小学生レベル、いや高学年の子はもう少し賢いと思うので、小学生低学年レベルの映画です。
「環境問題」というベールをまとっていると、映画はわかりにくくなります。例えばペンギンを描いたアニメ映画「ハッピー・フィート」も、あのスケールやペンギンたちの表現など、大変素晴らしい映画なんですが、終盤に無理に環境問題を詰め込んだため、悲惨な出来になってしまいました。
「3D元年」として、映画だけでなく、家電業界なども盛り上がっています。確かに技術の革新というのは、新しいものを創出するという素晴らしい面がありますが、表面だけを見て、そういうのに簡単に乗せられないような見識も必要でしょうね。


アヴァロン
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 48

監督:押井守    
公開年:2001年


近未来SF。バーチャルな戦闘ゲームに若者たちが熱中しているある国。未帰還者になった伝説のグループ「ウィザード」のリーダーを捜して、主人公の女性ゲーマーが未知のステージを目指す。
押井守監督の思い入れなのか、ゲーム用語が次から次に出てきます。タイトルの「アヴァロン」はボードゲームメーカーの「アヴァロン・ヒル」を連想させるし、チーム名の「ウィザード」も、あのRPG「ウィザードリィー」からの名前でしょうか。「ファイター」や「シーフ」などもファンタジーゲームではおなじみの名前です。
この映画の売りは、なんと言ってもその映像。ほとんどのシーンで何らかの加工を加え、いろんな試みが行われています。今までに見たことのない映像。あの「マトリックス」を彷彿とさせます。
別に「マトリックス」のまねをしたのではないでしょうが、残念なことに「アヴァロン」があとから公開されたため、ちょっと損をした感じです。
そして、上でも書いた映画の設定やストーリーがちょっと安っぽいですね。ゲームは「たかがゲーム」です。なぜ、ゲームのために危険を冒すのかという点に、説得力がありません。「マトリックス」では「コンピュータに支配された人類を救う」という目的があって、それなりに納得させられます。このあたりが「アヴァロン」では弱いためドラマが持続しません。印象に残るのは「凝った映像」だけです。


阿弥陀堂だより
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 7(14)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 76

監督:小泉尭史 
公開年:2002年
つい見逃していた映画ですが、2年遅れでビデオで見ました。
「雨あがる」の小泉尭史監督の監督2作目。「雨あがる」が消化不良で今ひとつの感があったので、どうかと思いながら見
ましたが、今回の「阿弥陀堂だより」では、かなりよくなったと感じました。
まず、テーマがいいですね。
売れない小説家の夫と、有能な医師でありながらパニック障害に悩む妻の2人を中心に、長野県の四季の中で、人の命、死というものを静かに描きます。この夫婦に生活感が乏しいのは少し気になりますが、この場合は、これくらい抑えたほうがいいのかもしれません。
それと、阿弥陀堂に住む老女を演じた北林谷栄の演技が、周りのアマチュアの人たちと違和感がないように、かなり抑えた演技となっており、やり過ぎず、ほどよい感じです。
また、音も丁寧に拾ってあり、好感を持ちました。
戦争の暗い影もすこし感じさせながら、人の命を見つめた映画で、温かい気持ちで見終わることが出来ました。
この映画、最初からゆったりとしたテンポで始まるので、最初の20分から30分ぐらいは、正直言ってしんどい感じもあります。村の広報誌の阿弥陀堂だよりが出てくるあたりから、ようやく面白くなってきます。このあたり、もう一工夫あったら、もっとよかったかもしれません。
それと、途中で、実際の村の人たち(と思われる)に、主人公の小説家が話を聞くシーンが挿入されます。フィクションとノンフィクションを融合させようという監督の意欲かもしれませんが、違和感があるのは確か。このシーンが必要だったのか微妙です。
でも、全体的には、いい部分がそれを上回っているため、多くの人にお勧めできるいい映画だと思います。 


アメリ
テーマ
脚本×2 9(18)
演出×2 10(20)
映像 10
音響 10
主演 10
助演
おすすめ度 10
総合点 96

監督:J.P.ジュネ 
公開年:2001年


私は基本的に明るい映画は大好きです。暗い映画は嫌いです。(もちろん例外はありますが・・・)しんどい話であっても、どこかに希望のもてる映画であってほしいと思います。
この映画、最初からテンポがいいですね。アメリの生い立ちや性格など簡潔にそして十分に描かれており、すぐに引き込まれてしまいます。終わりもいいですね。安易なハッピーエンドという人もいるかもしれないけれど、こんないいエンディングなんて、簡単に作れるようで難しいですよ。私の持論として「オープニングとエンディングがいい映画は、優れた映画である」と考えていますが、まさに傑作でした。
ちょっと変な女の子のコメディ映画と見る向きもあるでしょうが、テーマは今にぴったりのテーマ。家庭環境の影響で他の人との関係がうまく結べない・・・今や社会問題といってもいい重要な問題をテーマに選んで、それでいて堅苦しくなく、さらりとおもしろく描く力量はさすがです。
それと、主人公のアメリや脇役のキャラクター、カリカチュアライズされてはいますが、画面の独特の色合いと相まって、それぞれがいい雰囲気を醸し出しています。
いい映画に出会いました。
特にダメなところはありません。しいて言うと、「恋のすばらしさ、愛の大切さ」という普遍のテーマをよく描いているんですが、もう少し、ほんの少しでいいから深みがほしかったような気がします。この映画の性格上、これでいいというのも制作者の判断としてはよく分かります。でも、見終わった後の感動、感銘という点で、あと少しだったような気がします。


アメリカン        ビューティ
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 66

監督:S.メンデス   
公開年:1999年


ビデオで見ました。ケースに「ブラックコメディ」と書いてあったんですが、これは違うんじゃないでしょうか。重苦しくて全然笑えませんよね。
でも、現代のイライラ感がよく出ているし、実際どこにでもありそうな家族の崩壊の物語を、娘の友人に恋してしまう中年男性の姿を通して面白く描いてあります。
この映画、細かなところの演出がうまいなと感じました。最後の妻の姿。何気ないところですが、自分の身を守ろうととっさに銃を隠すところ、そしてそのあとの泣き崩れるところは喪失感がよく出ていると思います。このようなツボを押さえたていねいな演出が随所に見られます。いいですね。また、妻や娘、異様な隣人家族など、周りの人物もうまく描かれています。
職人気質の感じられる上質の作品という感じがします。

まあ、このようなテーマなので仕方がないかもしれませんが、見終わったあとドーンと落ち込みますね。最後に救いや希望が見えそうになっていただけに、エンディングは奈落の底に突き落とされたような感じ(まあ、そこが狙いなんでしょうけど・・・)になります。
映画館では、終わったあと暗い顔をした観客がぞろぞろと出てきたんでしょうね。


雨あがる
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 49

監督:小泉堯史   
公開年:1999年

冒頭から雨のシーン。川が増水して足止めを食った主人公夫婦。宿には様々な職業の庶民がいっぱい。些細なことでいさかいがあり、主人公の侍が妻から禁じられていた賭勝負で金を稼いでごちそうを振る舞い、宿の人たちの気持ちを和らげる。
「七人の侍」を彷彿させる導入部で、黒澤明監督の遺志を継いで未完の脚本を映画にしたいというスタッフの熱意が伝わってきます。
冒頭のゆったりとしたリズムがいいですね。
でも、その後がちょっといけません。まず、テーマがよく分かりません。善良な市井の人々のひたむきな姿を描きたかったんだと思いますが、善人を描くためには悪人を描かないとピンときません。しいて悪人といえるものは主人公を襲う道場主とお城の重臣ぐらいですが、ちょっと弱いと思います。殿様を善人にしたのはいいと思うんですが、善人だらけではね。
この殿様も、設定がわがままなお殿様なので仕方がないかもしれませんが、支離滅裂です。単純に面白がっていた殿様が、藩のためを思い苦渋の決定をしたのかなと思っていると、すぐ後には主人公を連れ戻すべく馬を走らせるといった描き方では人物像に深みが全くありません。
主人公の侍も、人の良さが仇になってうまくいかないもどかしさ、苦悩をもう少し描かないと、単なるお人好しでしかありません。また、妻もただ微笑んでいるだけの印象で、夫婦の機微が今ひとつ伝わってきません。最後、宿を訪れた城の重臣に言う決めの言葉も歯が浮いたような印象です。
結局、25分で描けるものを無理矢理1時間30分に延ばしたような感じで、せっかく偉大な黒澤の名前を使って映画にしたのですから、もっと頑張って欲しかったと思います。


アルゴノーツ
伝説の冒険者たち
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 7(14)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 71

監督:N.ウイリング  
公開年:2000年


1963年に作られたレイ・ハリーハウゼンの「アルゴ探検隊の冒険」のリメイク版。余り期待せずに見たのですが、これがなかなかの出来。拾いものでした。
まず、脚本、演出がしっかりしています。導入部、王様の父親が弟に殺されて、赤ん坊の主人公が逃げだし、成人して仇のところに戻るまで・・・。省略をうまく使いテンポよく進めています。このあたりがもたもたする映画が意外と多いんで、好感が持てます。
冒険の方も、探検隊のメンバーそれぞれに見せ場を作ってあり、このあたりは良くできた脚本だと思います。仇役のずるがしこさを示す“抱擁”のシーンも、ちゃんと3回使って、定石通りの仕上がりです。
配役では、なんといってもこの仇役のデニス・ホッパーがいい味だしています。このような物語は適役が魅力的でないとだめですよね。
主人公のジェイソン・ロンドンもハンサムで、最初頼りないのが、最後にはたくましく成長するのが見事です。

どうしても本家「アルゴ探検隊の冒険」と比較して、申し訳ないんですが、特撮によるモンスターの魅力が今ひとつです。最新のCG技術を使ってレベルの出来にはなっているんですが、これらの技術を見慣れてしまったせいか、昔の人形アニメのぬめぬめとした魅力にはかなわないようです。そのような中で、ガーゴイルは気持ち悪さや動きがなかなか良かったと思います。
いずれにしても、なかなか頑張ったリメイク版でした。


硫黄島からの手紙
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 57

監督:C.イーストウッド 
公開年:2006年
クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」に続く、硫黄島シリーズ第2弾。「父親たちの星条旗」では、太平洋戦争の硫黄島の戦いを、アメリカ軍の視点から描きましたが、この「硫黄島からの手紙」では、逆に、日本軍からの視点で、悲惨な戦争を描いています。
主に描かれるのは、硫黄島の守備隊を指揮する栗林忠道中将。アメリカでの駐在武官の経験がある栗林中将は、合理的な思想の持ち主として描かれ、劣勢となった当時の日本軍の戦い方である「バンザイ突撃(英語では自殺攻撃という)」を最後に行う「玉砕主義」を戒め、「徹底抗戦」を指導します。私は戦史はあまり詳しくありませんが、確かに地下塹壕を張り巡らし、アメリカ軍の熾烈な砲撃、空襲などに耐えながら、後方からアメリカ軍に対して砲撃などを加える、しぶとい戦い方は、守りの戦い方としては本道で、その様子が詳しく描かれています。
もうひとりの主人公が、若い妻と幼子を故郷に残し、なんとしても生きて帰りたいという兵士、西郷です。最初のうち、ちょっとアメリカ人ぽい性格の描写に、私はとまどいましたが、物語の中盤以降、観客は「西郷をなんとか生きて帰したい」という気持ちで感情移入できるようになり、物語の展開としては、巧くいったと思います。
前作の「父親たちの星条旗」が酷い出来だったので、今回もあまり期待しないで見に行ったのですが、何を描きたいのか、まったく伝わってこない「父親たちの星条旗」に比べると、よかったと思います。
それから、「父親たちの星条旗」で、私がNGを出した「死体描写」ですが、今回は、少しは抑えられた感じで、いちおう納得というところです。
映画の出来とは、ちょっと違うのですが、この「硫黄島からの手紙」に関して、面白いことを感じました。私の職場にいる若い女性2人の反応です。
ひとりは、私より早くこの映画を見てきた人です。その感想は、「泣ける映画と聞いて、ハンカチを手に見に行きましたが、年配の観客のなかには泣いていた人もいましたが、私は全然泣けませんでした。感動も無かったし、表現はグロいし・・・」ということでした。
もうひとりの女性は、まだ映画を見ていないのですが、この映画について、「是非、見てみたい映画です。泣ける映画なんでしょう・・・」。
そうです。ふたりに共通するのは「泣ける映画」です。最近、若い人を中心に「泣ける映画」が求められていると聞いていましたが、図らずもそれを証明した感じです。私も、映画に感動を期待することは多いですが、「泣く」ことを期待するというのは、分かるような、分からないような・・・。
でも、この映画、確かに「泣ける」映画ではありません。それは、最近の多くの邦画のように、観客を「泣かせる」仕掛けをせず、栗林中将と西郷を中心に、割と淡々と描いているからだ思います。
さて、映画全体としては、エピソードを詰め込みすぎの感もあり、話が表面的に流れる感じがします。そして、日本人の観客としてみると、登場人物の描き方が、ちょっとアメリカ人ぽい感じがするとか、微妙なところで、日本人的な部分を強調しすぎだったりして、違和感を感じるところはありますが、アメリカ映画としてみると、頑張っているほうかもしれませんね。でも、これぐらいの映画は、日本が作らなきゃだめですよ。邦画の戦争映画は、相変わらず「特攻」「特攻」のオンパレード。日本人って、本当に特攻が好きなんでしょうか。それとも、特攻以外の戦争映画では、「侵略者」の部分が出てくる可能性もあり、内外の批判を恐れているのでしょうか。
でも、戦争映画を作るということは、人間の最大の悪である「戦争」とはなんだったのか、常に問いかける必要があるということです。「戦争」の渦に巻き込まれた人間の姿を描くことによって、「戦争」を忘れないことだと思います。「戦争」を忘れた人たちは、「本当の戦争」を、また始めてしまうでしょう。ですから、自らを戦争の「被害者」として描く傾向のある「特攻」を描写するときには、注意をしなければなりません。「戦争の悲惨さ」を訴えているつもりで、「英雄的な行為」として「戦争を美化」してしまう愚を犯してはなりません。もちろん、その上で「特攻」を描くなら、情に流されることなく、しっかりと「特攻」を描かなければなりません。
ちょっと、主張が強くなってしまいました。閑話休題。
最後に、栗林中将のピストルを拾ったアメリカ軍兵士が、そのピストル(コルト・ガバメントM1911A1)を腰のベルトに差しているシーンが、一瞬見えるのですが、それを見て、私と、一緒に見に行っていた息子は思わず声を上げそうになりました。「あっ!ハンマーをコッキングしたピストルのセイフティがオフになっている!あぶない!」。こんな見かたをする親子は、我々だけですかね・・・。


活きる
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 78

監督:Z.イーモウ  
公開年:1994年
1940年代からおよそ30年間の中国の激動の時代を生きたある一家の物語。賭事に明け暮れる裕福な家庭の放蕩息子が賭事に負けて一文無しに。愛想を尽かした妻も実家に帰り、お先真っ暗といった感じで物語は始まります。
家を取られ、父も急死した放蕩息子ですが、妻が帰ってきて心を入れ替え、伝統芸能の影絵で生計を立てようとがんばり始めます。このあたりの描写が見ていて気持ちがいいですね。
内戦や文化大革命といった歴史的な事実を織り交ぜ、それらに痛烈な批判を浴びせながら物語は続きます。中国も変わって来つつあるとは思いますが、よくぞこのような映画を作ることができたなと思ってみていましたが、やはり中国では公開が認められていないんですね。納得。それにしても、特に文化大革命への怒りは大きいようですね。
主演の放蕩息子を演じたゴオ・イオウがすばらしい演技で、圧倒されてしまいました。
チャン・イーモウ監督の映画は、ハードな中にもユーモアがあり、この映画でもそのあたりが救いにはなっています。
「初恋のきた道」などのヒットで、彼の旧作が公開されるようになりありがたいことです。
(ネタばれ注意)映画キャッチコピーは「昨日より今日、今日より明日 きっときっといいことがある」なんですが、この言葉を肯定的にとって映画をみた私は、かなり落ち込んでしまいました。途中までは明るくて、愛と希望に溢れていたのに・・・。
中国の人たちは悲劇が好きなのでしょうか。いくらなんでもそこまで・・・と思うような、悲惨な話が続きます。まあ、それだけイーモウ監督の文化大革命などに対する怒りが大きく、それを訴えるためには必要だったのでしょうが・・・。


1945戦場への橋 ナチス武装戦線
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 3(6)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 31

監督:ウォルフガング・パンツァー 
公開年:2010年
いかにも劇場未公開、B級テイスト満点の邦題を見て、ひょっとしたらと思ってレンタルで借りたら、やっぱりそうでした。あのドイツの戦争映画の名作「橋」のテレビ用リメイク版のようです。
元々の「橋」も、実話を基にした話でしたので、当然この「1945戦場への橋 ナチス武装戦線」も基本的には同じような話となっています。
戦争末期、防衛のため急遽徴兵された少年たち。訓練もほとんどされていない少年たちに対し、指揮官は、とりあえずある橋を守るように命じます。しかし、少年たちの世話をする予定の古参兵が射殺されたことから、少年たちは、訳もわからず必死に橋を守ろうとアメリカ軍と戦います。ところが、その橋は実はアメリカ軍の進撃を遅らせるために、ドイツ軍によって爆破される予定だったことがわかり、生き残った少年たちは怒りを爆発させるという話です。
同じ話を元にしているものの、「橋」と「1945戦場への橋 ナチス武装戦線」は、まったく別物の映画となっています。「戦争映画100!バトル&ウエポン」の著者、大久保義信さんは映画「橋」について、『ことさら劇中で「戦争は悲惨だ」とか、「子供たちは犠牲者だ」等と叫ばないところに、この映画の価値がある』と述べています。私も同感ですが、「1945戦場への橋 ナチス武装戦線」では、その逆で、大声で「戦争は悲惨だ」とか「子供たちは犠牲者だ」等と叫んでいるんです。
第一、少年たちの教師の女性が、すでにアメリカ軍と激しい戦闘を展開している少年たちを家に帰すように、防衛隊の幹部(?)に掛け合い、戦闘の合間に駆けつけて連れ帰ろうとするなんて、実際ありえますか?また、少年たちのクラスメイトの少女が、アメリカ軍の兵士のところに行って「相手は少年だから戦闘をやめてくれ」と頼んで、それに応えてアメリカ軍の兵士が少年たちを何とか助けようと呼びかけるなんて・・・まさかそんなことないでしょう。映画「橋」ではまったく描かれていないシーンがたくさん加えられています。戦場では、たとえ少年であっても銃を手にして歯向かってくれば、「敵」でしかないでしょう。
少年たちの哀しさを淡々と描いた「橋」と違って、ある意味で「きれいごと」の話が続く「1945戦場への橋 ナチス武装戦線」は、「平和ボケした」とも言われる、どこかの国の描く戦争映画と同一線上にあるように見えます。同じドイツ映画でも、時代が変わると違うものですね。
なお、劇中でアメリカ軍戦車として、スイス軍の戦後第一世代の戦車「Pz61」が出ています。私は映画では初めて見ました。あるサイトによりますと、もう1台のシャーマン戦車はカナダ軍の「グリズリー巡航戦車」だそうです。
それから最後に一言。監督の苗字が「パンツァー(Panzer)」ってのはシャレですか。日本語で言えば「装甲」なんて意味で、「Panzerkampfwagen(パンツァー・カンプ・ワーゲン)」は「装甲戦闘車両・戦車」って意味なんですが・・・。それともそんな苗字は多いのかな?


インサイダー
テーマ
脚本×2 9(18)
演出×2 9(18)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 85

監督:M.マン   
公開年:1999年


マイケル・マン監督、健在といったところでしょうか。米たばこ産業の内部告発を巡って、告発者とそれをテレビ番組「60ミニッツ」で放送しようというプロデューサーの話。
実話が元になっていて、でてくる企業名や番組名などもすべて実名。丹念に取材した脚本を元に足腰のしっかりとした映画に仕上がっています。
最近、構えだけ立派で、中身はメロメロの映画が多いだけに、この映画はなんとなく60年代あたりのアメリカ映画に見られた硬派の映画を彷彿とさせるものがあります。
構成としては、前半は告発者を中心にしたストーリー進行ですが、中盤からお蔵入りになるのを必死でくい止めようとするプロデューサー中心の話になります。なるほど、そのほうがわかりやすく物語りも盛り上がってきます。
告発者役のラッセル・クロウも、「グラディエエーター」とは違った面がでていていいですね。プロデューサー役のアル・パチーノもいつもながら、やや気張りすぎの演技ですが、この場合は合うのかもしれません。
実話が元になっているだけに、リアリティという点では文句なしのお勧め作です。

物語の最初の方、告発者が番組出演を決意するまでの流れが今ひとつわかりにくい感じがします。物語の展開上、頭の方を重くしたくなかったので省略したのかもしれませんが、もう一工夫欲しかったと思います。その後の流れは文句なしだと思います。
それと、結末のプロデューサーの身の処し方については、実話なのか脚色なのかわかりませんが、それしかないと思いつつも、報道の限界を見せつけられた感じがして・・・。まあ、アル・パチーノがかっこいい終わり方といえばそうですが・・・。


ウォーターボーイズ
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 57

監督:矢口史靖 
公開年:2001年


実話が基になっているんですが、なんといっても「男子のシンクロナイズドスイミング」をテーマにしたという点が最高です。それだけでおもしろそうじゃないですか。
イルカの調教士の竹中直人や、オカマバーのママの柄本明など個性的な役者をちりばめたなかで、やったこともないシンクロにとまどいながら挑戦する若者たちのドラマが展開します。
基本的には、「シコふんじゃた」みたいに、「スポ根」物にするほうが、物語も盛り上がるし作りやすいと思うんですが、そのあたりはサラリと処理しています。賛否両論あるところでしょうが・・・。
そして、なんといっても圧巻は、ラストのシンクロのシーンです。実際の高校生を使ったのかと思っていたら、役者さんたちが合宿して演技しているんですね。なかなか良くできていて感心しました。
まあ、気楽に楽しんで見てもらえばいい映画なんですが、物語の運び方など、あちらこちらで雑な部分があり、残念です。なんといっても、シンクロをやったことのない高校生たちが、イルカの調教を手伝いぐらいで簡単にシンクロが出来るようになったという印象を与えているところが、どうも納得できません。コメディであっても、そのあたりのリアリティはしっかり描かないと、シラけてしまいます。
レンタル店ではずっと借りっぱなしの状態で、人気の高い映画だと思いますが、もう少しがんばればもっとよくなると思うだけに残念です。
蛇足ですが、私がようやくこの映画をレンタルで借りた、その次の日にテレビ放映が・・・。がっかり。


ウォリアーズ/
インポッシブル・
ミッション
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 3(6)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 45

監督:P.コズミンスキー 
公開年:1999年

コソボ紛争に派遣されたイギリス軍の国連PKF部隊の苦悩を描く映画。「ウォリアーズ」は兵士たちが使っているイギリス軍のウォリアー歩兵戦闘車の名前と「勇者たち」を重ねたものでしょうか。
イギリスBBCのテレビムービーで、ムスリムに対するセルビア兵の虐殺行為が続く中、中立を保つことを要求される兵士たちの苦悩する姿が丁寧に描かれています。
当然のことながら激しい戦闘シーンなどはありませんので、それを期待して見た人はがっかりするかもしれません。イギリスを含むNATOは空爆など積極的に介入した側でもありますので、映画としてはイギリス側に傾いた解釈かもしれませんが、PKFの意義に対して批判的な部分もちゃんと描いてはあります。
コソボでのPKF活動の最後の方で何か事件のようなものがあって、参加した兵士たちは心に大きな傷を負ったようなんですが・・・。というのも、その部分が省略されているため何があったか分からないのです。何となく分かるような気はするんですが省略されています。テレビムービーという制約の中で描けなかったのか、そこは省略の方がいいと判断したのか、どちらもありなんですが、クライマックスを外されたようで訳が分かりません。ここは難しいかもしれませんが、ちゃんと描くべきだと思います。
ウォリアー歩兵戦闘車は映画初出演かな? かっこいいですね。


WAR       運命の戦場
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 2(4)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 28

監督:S.ニコラエスク  
公開年:1998年

ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊をテーマに、ルーマニアの奥深く潜入するアメリカの特殊工作員の活躍を描くアクション映画。
ルーマニア陸軍の協力の下、T−55戦車やBTR−60系の装甲車、小火器はカラシニコフ系のAIMなどが総出演。兵器マニアにはうれしい限りです。

まず、びっくりしたこと。編集が滅茶苦茶です。プロの仕事とはとても思えません。冒頭のカーチェイスシーン。編集がおかしいため、それぞれの車がどう動いているのかわかりません。また、ヘリコプターでルーマニアの奥地に向かうシーン。機内は夜のシーン、ヘリが飛んでいるのは昼間。それが交互にでてくるので混乱してしまいます。予算の制約等、大変だと思いますが、もう少し何とかならなかったものでしょうか。
ストーリーも、ふた昔前のスパイ物か特殊工作員物をなぞらえただけ。相棒が死んでしまうのも最初のうちで予測がつくような脚本。銃弾の雨にもびくともしなかったのに、最後にでてきて主人公の盾となり、自分から弾に当たっていくような展開。失笑ものです。
B級映画とはいえ、脚本をもうすこしまともに作れば、印象はかなり違った物になると思うのですが・・・。


ウインドトーカーズ
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 5(10)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 61

監督:J.ウー  
公開年:2002年

第二次世界大戦の太平洋戦線。アメリカ先住民のナバホ族の言葉を、暗号として通信に使うアメリカ軍。もし日本軍に捕まりそうになったらナバホ族の兵士を殺してでも暗号を守れという命令を受けた護衛役の兵士の苦悩が軸になって物語が展開します。
元々、困ったような表情のニコラス・ケイジがピッタリのはまり役(?)。割とシンプルな脚本で深みに欠けるような気もしますが、わかりやすくまとまっているとも言えます。
この映画の最大の売りは、ど派手のアクションシーンでしょう。さすが「男たちの挽歌」のジョン・ウー監督。リアル志向の「プライベート・ライアン」とは、ひと味もふた味も違う、派手派手の凄まじい戦闘シーンが描かれます。
最大の売りの戦闘シーン。それが、この映画の長所でもあり、欠点でもあります。
ひとことで言えば、リアリティはありません。ただただ派手なシーンが続くだけです。「フロントライン・戦略特殊部隊」でも書きましたが、戦争映画に必要なのは、「緊張感の持続」です。
実際のサイパンの戦闘では、あそこまでなかったのではと言う大戦闘がCGを使って描かれ、発砲シーンもライフルやピストルの装弾数無制限の乱発。そして「M:I−2」「ブラックホーク・ダウン」のように、銃を撃てば必中、相手の弾はなかなか当たりません。派手ですが、緊張感のかけらもありません。これでは、いくらすごい戦闘シーンも、怖くないし、しらけてしまいます。
ナバホ族の通信兵と主人公との交流と、苦悩がわかりやすく表現されているだけに、それを派手な戦闘シーンがスポイルしています。リアリティのある戦闘シーンだったら、もっと得点が高かったと思います。そこが残念ですね。


A.I
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 3(6)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 38

監督:S.スピルバーグ 
公開年:2001年


近未来、たくさんのロボットが人間のために働いている世界。「・・・何か鉄腕アトム風」。感情を持つ初めての子供型のロボットが作られ、難病の子どもを持つある夫婦に与えられる。夫婦、とりわけ母親は、当初この事態にとまどい、でも最後には決断して受け入れることにする。でも、その後事態は一変し、主人公のロボットの子どもは自分が人間でないことを知りつつ、母親の愛を求めて悩む。「・・・ここも何か鉄腕アトム風」。結局、母親に置き去りにされるが、ピノキオのように「人間になりたい」と願い・・・。といった流れで話は進みます。
主演のオスメント君の訴えるような表情に、母性本能をくすぐられる人もいるかもしれません。
また、ジゴロロボットのジョーを演じるシュード・ロウもなかなかいい味を出していて気にかかる存在です。
「スタンリー・キューブリックに捧げる」・・・。この映画は亡くなった巨匠キューブリックを徹底的に前面に出しています。皮肉っぽく言えば、そうとでもしないと商売にならなかったんじゃないですか。キューブリックのアイデア、脚本を元に制作・・・。
でも当然脚本はいろいろ手が入っているでしょうし。結局はスピルバーグの映画でしょう。もしキューブリックが作っていたら、全く別の映画になっていたと信じたいです。
<ネタばれ注意>一番の問題はテーマです。どんな状況でも母親を求める子どもの純粋な愛を、ロボットの話に託して描きたかったのでしょうか。そうだとしたら、この映画で描かれている母と子の愛は「異常」です。母と子はヒトとしては別の人間であり、個性であるという視点が抜け落ちています。母と子は完全に一体化していて、「近親相姦的」ですらあります。スピルバーグが考える親子の理想が、そんなにじとっとしたウェットな関係だったのかとびっくりしました。よって「テーマ」は低く採点しました。似たようなシチュエーションの物語がたくさんある手塚治虫の「鉄腕アトム」の方が数段よくできています。


X−メン
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 62

監督:B.シンガー  
公開年:2000年


ミュータントに対する差別的な動きが進む近未来。人間を支配しようというミュータントとそれを阻止しようというミュータント(X−メン)とのサイキックウォーを描いたSF。
原作はあまり知りませんが、アメコミの雰囲気が良くでています。ミュータント同士の戦いも十分迫力あるものになっていて、楽しめます。
子供に聞きましたら、アメコミの方では主人公はサイクロップの方で、ウルヴァリンはX−メンのなかでは脇役の方になるそうです。確かにかっこよさ、強さ、爽快感でいうとサイクロップの方かもしれませんが、ミュータントの苦しみ、悲しみを表現するためにはウルヴァリンが主人公の方がいいのかもしれません。
シンプルな構成でわかりやすく作ってあり気楽に楽しめる映画ですが、やや迫力に欠ける感じです。アメコミ原作のこの種の映画によく見られますが、原作のファンにとっていろんなサービスがあって楽しめるものになっていても、単体の映画としてみた場合物足りなくなってしまう場合が多いように感じます。
アメコミの映画化ですから、もう少し派手に盛り上げてもよかったと思います。
ただ、それなりに楽しめますので、パート2を期待したいものです。それができそうなエンディングになっているので・・・。


M:I−U
テーマ
脚本×2 5(10)
演出×2 5(10)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 55

監督:J.ウー   
公開年:2000年


トム・クルーズ製作・主演の「ミッション・インポッシブル」第2弾。込み入った陰謀物語だった前作から、がらりと変わって女泥棒との恋を織り交ぜながらアクション中心のストーリー展開となっています。
ジョン・ウー監督お得意のアクションも健在。「男たちの挽歌」の世界がオーストラリアで展開されます。

今回も期待は裏切られました。トム・クルーズが惚れ込んで作ったという「ミッション・インポッシブル」。結局、テレビシリーズの「スパイ大作戦」とは、基本コンセプトを借りただけでまったく違う話なんですね。それはそれで悪くはないんですが、テレビシリーズのスマートさを生かしつつ、現代風にうまくアレンジして作れば、面白い作品ができあがったような気がするのですが。まあ、2作とも普通のアクション映画になってしまいました。
女泥棒との恋を軸に据え、最後までハラハラドキドキを持続させるというのは脚本もいいし、演出もさすがジョン・ウー監督。しかし、「男たちの挽歌」ゆずりのアクションシーンは今となってはちょっと古いのではないでしょうか。「男たちの挽歌」の時は、まるで日本のヤクザ映画のような、ある種の情念のようなものがあり、あのハチャメチャなアクションシーンもそれなりに受け入れられたのですが、「M:I−U」でそれを繰り返しても・・・?。無限にでてくるピストルの弾、敵のサブマシンガンの弾は全く当たらず主人公の撃った弾だけが当たるアクションシーン。それはそれで映画の約束事といえばそれまでですが、「男たちの挽歌」や「デスペラート」ではそれほど気にならない過激なアクションも、「M:I−U」ではさらにパワーアップしたこともあって、リアリティを損ない、「そんな馬鹿な・・・」といったしらけた気分になってしまいます。まあ、映画ではあまり見ない「ベクター」などのピストルが見られたのはよかったですが・・・。


踊る大捜査線
THE MOVIE
テーマ
脚本×2 6(12)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 71

監督:本広克行  
公開年:1998年


テレビ放送の第1回目、最初の10分間を見ただけで、大ファンになりました。テレビシリーズについては書きたいことがたくさんありますが、ここは劇場版の評価なので一言だけ。コメディで誇張した表現はありますが、警察の姿はだいたいあのようなものです。これを見たら、他の刑事物はうそだらけで見る気もしません。作品にとって、リアリティがいかに大切かということを教えてくれました。
さて、劇場版の方です。テレビのスペシャル版があまりにもひどかったので心配していたのですが、織田裕二の青島刑事が元気で、お馴染みの助演陣も絶妙のサポート。ファンサービスいっぱいの楽しい映画に仕上がりました。「これが最後の踊る大捜査線」とのふれこみだったため、最後のシーンでは青島刑事が死んでしまうのではないかと不覚にも泣いてしまいました。

テレビシリーズの大ファンですので、100点満点をあげたいところですが、ちょっとアラが目立ちます。
パロディいっぱいのサービス精神はいいんですが、ちょっと陳腐で物語が軽くなりました。小泉今日子の役も、取って付けたようで無理があり、サスペンスも盛り上がりません。そして何よりも、あれだけ素晴らしかった助演陣が今ひとつ活きていません。和久さんが誘拐事件の被害者の家の周りをうろつくのは、警察のイロハから外れており、リアリティを損ねます。すみれさんや真下にも、もう少し活躍させてほしかった。
ファンとしては、80点、出来は60点、その間をとった点数と理解してください。


踊る大捜査線 
THE MOVIE2 
レインボーブリッジを封鎖せよ!
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 6(12)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 63

監督:本広克之  
公開年:2003年
もう2作目は作られないと思っていたら、5年ぶりに青島刑事が帰ってきました。
テレビ放送初日からの「踊る」ファンの我が家としては、映画公開までオフィシャルサイトをチェックしつつ、公開初日の朝一番で1時間半並んで、一家4人で見てきました。
オープニングでおなじみの曲が流れてくると、もうそこは「踊る」ワールド。
<ネタばれ注意>冒頭のテロ訓練も最初から青島刑事が大活躍でつかみは十分。
親子4人で十分堪能してきました。
全体的な印象としては、1作目の「踊る大捜査線 THE MOVIE」より、テレビシリーズのテイストが強く残っていると感じました。 青島刑事をはじめ、室井、和久さん、すみれさんなど周りの面々が、テレビシリーズの時のように生き生きとして描かれており、「踊る」ファンに大サービスといったところです。
映画の1作目より、青島刑事が活躍しているのもいいですね。
難しい2作目なので、テレビシリーズのスペシャル版のようにひどいものになっているのではと心配していましたが、十分楽しめるものに仕上がっており、ほっとしました。
「踊る大捜査線」の魅力のひとつは、コメディでありながらも、警察の組織や捜査などが手を抜かずにリアルに描かれている事だと思います。
その点で、今回の2作目は、1作目を越えるおもしろいものを作ろうという気持ちが暴走して、リアリティに欠けるものとなってしまいました。
<ネタばれ注意>
一つは、連続殺人事件の犯人グループにリストラを絡めたことです。確かに今の時代を反映して、意表を突く興味深い設定ではありますが、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
もう一つは、新キャラの女性キャリアも、分かりやすくするため誇張したキャラクターになっていますが、誇張が強すぎて真実味に欠けます。また、一歩間違うと「やはり、女性ではダメだ」となりそうで、個人的には不快でした。
連続殺人事件の解決もあっさりしたもので、物語へののめり込み度という点では、1作目のほうがよかったと思います。
残念なのは、1作目と2作目の間隔が5年もあったということです。みんな元気で1〜2年後に3作目を期待したいところです。
最後に、映画のタイトルは長いですね。


踊る大捜査線 THE MOVIE 3 やつらを解放せよ!
テーマ
脚本×2 4(8)
演出×2 4(8)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 47

監督:本広克行 
公開年:2010年
ご存知、「踊る大捜査線」映画版の第3作目。もうないのかもと思っていましたが、7年ぶりに3作目の公開です。
家族揃っての「踊る」ファン。早速、公開日に劇場に家族全員で見に行きました。
係長に昇進した青島刑事。今回は、新しい「湾岸警察署」に引越しをすることになり、「引越し本部長」に任命されて大張り切りです。「踊る」のいいところは、「捜査」も当然するけど、「公務員」としての警察官の姿を、コミカルな衣に包みながら、ずばりと指摘するところにあります。今回も、お約束のギャグを散りばめながら、「スミレさん」や「室井」「スリーアミーゴス」など、お馴染みの面々が登場して、ファンにとっては、サービス満点の映画に仕上がっています。そして、犯人役もテレビ版を含めて勢ぞろいといった感があり、なんともにぎやかな映画です。
でも、これ「踊る」ですか?もちろん、亡くなったいかりや長介さんを除けば、ほとんどテレビ版からの出演者で固めてあります。ちょっぴり警察の体制を皮肉るところも入っているし、コメディ仕立ての部分も十分に残っています。確かにテレビ版を同じものを…というのは無理な注文であることはわかります。でも、テレビ版で印象的だったのは、主人公から脇役まで、どの配役もぴったりとそこにはまり、光っていたことです。そのあたりは、感心するぐらい丁寧に作ってあり、それが感動や見た後の爽快感につながっていました。今回の映画は、サービス満点で、たくさんの人々を出したことがあだになったのか、ひとりひとりの描き方が通り一遍になったような感じがします。主役の青島と準主役のすみれさんとの絡みも、あまりにもあっさり。本当は、このあたりが核になって、いろんな物語が展開するのが、一番「ファン」にとっては、うれしいところなんですが、「切り捨てられた」ような感がします。そして、その他、多くのチョイ役さんたち…。もっと大切にしてほしかったです。(そんなところを楽しみにしているファンもいるのです)
また、ストーリーの展開も、「THE M0VIE」の2作目までは、なんとなく捜査の面白さで強引に引っ張っていったところがあり、それはそれで、やむをえないかなという思いもありましたが、今回は、そのあたりも物足りない出来です。
第一、見終わって、誰が印象に残りましたか?人それぞれでしょうが、私は誰も印象に残りませんでした。
映画が始まった時には、どんなにマンネリになっても、あの「寅さん」のように、1〜2年に1回は作ってほしいと思っていましたが、これだけ、軌道修正が進むと、「もういいな」って感じです。興行収入はいいんでしょうが・・・・。


ムトゥ踊るマハラジャ
テーマ
脚本×2 8(16)
演出×2 8(16)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 81

監督:K.S.ラビクマール
公開年:1995年


「ブームに乗ってヒットした映画」だろうと思って、軽い気持ちで見た映画ですが、いやーびっくりしました。しっかり作られたインド製ミュージカル。ノリもいいし、楽しく見ることができ、元気の出る映画。こういうのはいいですね。
内容としてはよくある話ですが、いっぱい笑わせて最後には涙を取る脚本は良くできているし、演出もコメディの基本を押さえてうまく作っています。ダンスシーンでのプロモーションビデオ風の映像も、楽しんで作っている様子が感じられるし、音楽もいいですね。
それに、開放的な主演、助演陣。私はインドに対するイメージがいっぺんに変わってしまいました。
最高の娯楽映画です。

ちょっと長すぎて、中盤が少しだれるかなといったところはありますが、気楽に楽しめばいいと思います。


鬼が来た!
テーマ 10
脚本×2 9(18)
演出×2 9(18)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度 10
総合点 89

監督:J.ウェン  
公開年:2002年

この映画、重そうなテーマなので、体調がいいときに見よう思っていたら、レンタル店から早々に姿を消してしまい、見逃していたのですが、ようやく見つけて見ました。
すごい映画ですね。日本人の負の部分をここまでえぐり出して描いているのに、びっくりしました。
内(日本兵)に対しても外(中国人)に対してもやりたい放題の日本陸軍の「いじめ体質」の描写。見ていて胸くそが悪くなりそうなぐらいのリアルな描写で、するどく迫ります。また、逆にのんびりとした「海軍さん」が、陸軍から責められて豹変する姿も日本人というか人間の弱さがよく出ています。
そして、何よりも、戦争中とはいえのんびりとした中国の農村の人たちが、わけも分からず日本兵と通訳の中国人を監禁するよう押し付けられて、右往左往するお話から、最後の虐殺に至るまでの緊張感の高まりが、映画の構成として秀逸です。また、中国人の描写も、侵略者の日本軍と、虐げられ抵抗する中国人という図式にとらわれることなく、日本人とうまくやっていこうというおばさんや、取引しようという男たちなどの姿がいろいろ描かれ、物語に厚みがあります。原作にあるのでしょうけど、日本人(中国人ではない)慰安婦の描写なども、ちょっぴり織り込むところもリアリティがあり、さすがです。
日本人にとっては、避けて通りたい歴史ですが、是非見てほしい映画です。
特に文句をつけるようなことはありません。相前後して見た「ラスト サムライ」と比べると、日本人に対する洞察力は、数段上です。


親指ウォーズ
テーマ
脚本×2 3(6)
演出×2 3(6)
映像
音響
主演
助演
おすすめ度
総合点 34

監督:S.オーデカーク 
公開年:1999年


スターウォーズのパロディをなんと親指人形(そういう名前があるか分かりませんが)でやっちゃおうという、その馬鹿馬鹿しさに力が抜ける思いがしますが、まあ笑わせてくれます。
映像の方は親指の腹に合成された目鼻がユニークで面白いと思いました。コンピュータグラフィックを使った映像も本格的です。でも、こんな仲間内のお遊びで作ったような映画にそれなりの金を使えるなんてすごいですね。

この映画の波長にぴったり合った人にはいいでしょうが、私はこのパロディは少し程度が低いと思います。それと下品ですね。
元の作品をベースに笑いを加え、半分以下の時間でお手軽に見られる。ただそれだけです。あわよくば元の作品を食ってしまおうという意気込みが感じられないので、お子さま映画ぐらいにしか見えません。