ニュース(肝臓関連)

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メタボの生活指導に有用な本が出版されました (2010/7/30)  

兵庫で整形外科を開業する中村巧先生がご自身のメタボ対策を1冊の本にまとめられました。
100歳を超えて人生を走れる身体づくり―Dr.中村&Dr.坂東の 目からうろこの21世紀の新しい食事と運動療法

メタボリック症候群の治療で最も難しいのが治療です。多くの内科医が減量に成功できず、薬物療法主体で治療をしているのが現状です。
整形外科医である著者が、内科医の視点とは全く違った方法で減量プログラムに成功し、そのノウハウを余すことなく公開されています。
内科医である私が本書を読んだ時に目からウロコの連続であるとともに、自分の不勉強を大いに恥じました。
本書を参考にメタボの患者さんの減量に取り組むとともに、メタボの患者さんの予後を左右するであろう筋肉量低下によるロコモーティブ症候群に対しても積極的に介入していきたいと思いました。

β-インターフェロン+リバビリン併用療法が保険適応に (2009/10/30)  

C型肝炎に対するβ-インターフェロンとリバビリンの併用療法が保険適応となりました。インターフェロンの投与方法は最初の4週を600万単位連日、その後は週3回となっています。
β型は鬱症状が出にくいインターフェロンであり、鬱症状が出やすい患者さんの治療の選択枝が広がりました。

B型肝炎治療、C型肝炎治療のコンセンサスミーティング(DDW-Japan2006) (2006/10/15)  

10/11-12にDDW-Japan 2006に参加してきました。B型肝炎治療、C型肝炎治療のコンセンサスミーティング
に参加してきました。レポートをupしました。
B型肝炎、C型肝炎ともに各年齢層での自然経過に違いがあるために、治療指針が細かくなる傾向にありました。
走り書きのメモを参考に速報を作成していますので、内容の一部が正確でない可能性もありますが、ご容赦ください。

B型肝炎に対する新しい抗ウイルス剤エンテカビル発売 (2006/9/21)  

9月21日にB型肝炎に対する新しい抗ウイルス剤エンテカビル(商品名:バラクルード)が発売になりました。
従来のラミブジンよりも耐性ウイルスの出現率が低いのが特徴です。
メーカーのHPはこちらです。
9/28も岡山で開かれた発売記念講演(小俣政男先生)を聞いてきました。
その中で小俣先生は「5年投与して変異ウイルスの出現が数%以下の薬が使える状況
で初めて慢性肝炎に対するevidenceも出てくる。その薬がentecavir」といった話をさ
れていました。さらに「HBVキャリア全体の経過がはっきりわかっているのでは
ない。自然経過で改善する症例も多数あるので、慢性肝炎に対する抗ウイルス剤の効果
についてのstudyの結果が出るまでには時間がかかるだろう。むしろ、肝臓癌、肝硬変症例でのevidenceの
方が早く出るだろう」と話されていました。のことでした。

肝炎、肝硬変、肝癌治療の最新情報が本になりました (2006/2/19)  

NHKから、肝炎〜肝癌までの治療を詳細に説明した「今日の健康」の別冊が発行されました。
専門医の自分が読んでも十分な内容であり、患者さんには参考になると思います。
ただ、網羅的なために患者さん自身が病気のどのステージにあるかを理解しないと難しい内容かもしれません。
本の紹介はこのページで

PEGインターフェロン+リバビリンの併用療法の適応が拡大されました。 (2005/12/22)  

C型肝炎の画期的治療としてPEGインターフェロン+リバビリンの併用療法が行われていますが、12/22に今回、「ジェノタイプ2かつ高ウイルス量」の患者さん、「低ウイルス量だがインターフェロン単独療法で無効あるいはインターフェロン単独療法後再燃」の患者さんに、週1回、24週間投与として承認されました。ウイルス消失率は約90%とのことです。詳しくはこのページで

ウイルス肝炎患者さん向け文庫 (2005/11/29)  

本屋さんで立ち読みをしている最中に、ウイルス肝炎について一般向けに書かれた文庫を見つけました。著者の与芝先生は肝臓学会でも有名な先生ですが、内容は素人さん向けに平易に書かれています。
2004年に出版された本のため、最新情報が少し弱い部分もありますが、基礎知識を得るのには非常に良い本と思います。本の紹介はこのページで

第41回肝臓学会 (2005/7/1)  

6/16-17に肝臓学会が大阪で開かれました。今回は初日のみ参加しました。研究的な発表が多く、一般の方に参考になる内容は虎の門病院の熊田先生の「高齢者のIFN治療」ぐらいでした。
  ・65歳以上で合併症なしの症例→ペグ+リバ→効果なしあるいは副作用(+)→IFNの少量長期投与(抗炎症狙い)
  ・65歳以上で合併症有りの症例→IFN単独→経過中にHCV-RNA(-)にならなければIFN少量長期
  ・低ウイルス量:β-IFNが副作用が少ない。1週目でRNA陰性化したら8週でOK,陰性化しなければ24週の投与
  ・ALT正常化例:ウイルス消失率はALT異常群と同じだがIFN後にALT持続異常を来すものが10%程度存在

会場で鉄制限食のレシピ集の広告がおいてありました。申し込みはFAXあるいは葉書のみとのことです。
問い合わせは03-5243-0951(美翔物流)


インターフェロン自己注射が承認 (2005/4/8)  

2005/4/6の中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)総会で、C型慢性肝炎患者治療のための「インターフェロンアルファ製剤」について、「自己注射」として保険適用が認められました。
「少なくとも2週に1回は外来を受診すること」が条件となっています。

脂肪肝の治療(2004/10/22)  

スポーツの秋です。生活習慣病の治療は運動+食事療法です。最近、読んだ本で両者を組み合わせた有効な治療法(マフェトン理論)を見つけました。詳しい説明が神奈川県立体育センターのホームページに掲載されています。


ペグインターフェロン+リバビリン療法が承認 (2004/10/22)  

10/21-22に肝臓学会が開催されていましたが、会期中の10/22にペグインターフェロン+リバビリン療法が厚労省から承認されました。まだ輸入承認の段階で、実際に発売されるのはもう少し先ですが、C型肝炎治療も新しい時代に入るとともに、やっと欧米の治療レベルに追いついたといえます。治験の詳細は別ページ

コンセンサス 肝疾患 治療〈2004〉が発売 (2004/3/28)  

昨年のDDWで話し合われた肝疾患治療のコンセンサスが「コンセンサス 肝疾患 治療〈2004〉」 としてアークメディアより出版されました。
このページで紹介できなかった詳しいdataが載っています。興味のある方は一読下さい。

PEG-インターフェロンが2003年12月から保険適応になりました (2004/2/29)  

週1回の投与で治療可能なPEG-インターフェロンが2003年12月から保険適応になりました。自覚症状の副作用が軽い反面、白血球、血小板減少が従来のIFNよりも強い傾向にあるとのことで投与を行う48週間、毎週血液検査の結果を見た上での投与を義務つけられました。
治療効果は肝臓病講座のC型肝炎(治療)をご参照下さい。現在は単独療法のみ保険適応です。1b高ウイルス量、2型の超高ウイルス量群ではリバビリンとの併用療法が望ましいかもしれませんがそれ以外では高率のウイルス排除が実現できています。

生体肝移植の保険適応が拡大されました (2004/1/25)  

2004年1月1月より生体肝移植の保険適応が拡大されました。詳しくは専門施設に確認してください。主な改正点はウイルス性肝硬変(肝癌合併例を含む)が適応となったことです。ただし肝硬変についてはあくまでも肝不全状態を呈する非代償期の肝硬変のみが適応であり、肝癌についてもミラノ基準(5cm1個以下あるいは3cm3個以内)を満たすことが条件となっており、これらの基準をはずれるケースは今まで通り自費診療になります。

「C型肝炎」 治療に関するRecommendation:DDW-Japan 2003 コンセンサス・ミーティング (2003/10/20)  

今回のコンセンサス・ミーティングの大きな特徴は近いうちに保険適応になるPEG-IFN(単独療法)、および瀉血療法についてのrecommendationをまとめたことであった。
一方で、世界の趨勢から日本の保険医療が3〜5年遅れており、治療においてはそのギャップを認識する必要があり、recommendationが複雑になっている。

C型肝炎に対するIFN療法はIFN単独でも十分に有効な一部の症例を除き、PEG-IFN+リバビリンが柱になることが確認された。しかも投与期間は1年以上が望ましいことも確認された。しかしながらPEG-IFN+リバビリンが保険適応になるのはあと数年はかかると予想され、それまではgenotype 1、高ウイルス量の症例については従来の6ヶ月のIFN+リバビリン療法後に6ヶ月のIFN単独療法を追加するのが望ましいこととなった。低ウイルス量の症例についてはIFN単独療法、genotype 2の高ウイルス量の症例については6ヶ月のIFN+リバビリン療法が望ましいこととなった。
IFN+リバビリンについてはリバビリンが中止されると有効率が極端に低下する一方で減量しても最後まで投与した症例では有意な有効率の低下がみられないことが報告され、早めの減量も考慮すべきとの指摘もあった。

一方で虎の門病院の荒瀬らは2年以上の長期投与例の検討で2年以上HCV-RNA陰性化が達成できた症例の70%、3年以上RNA陰性の100%(症例数はわずか6例)でウイルスの持続陰性化が達成できる報告をし、IFNの長期投与も今後検討すべき治療法であることを示した。
 
瀉血については1〜2週ごとに200〜400mlの瀉血を血清フェリチン値が10ng/ml以下になるまで続ける治療でALTの低下および組織進展の抑制が認められ、発癌抑制効果が期待できることが確認された。

第39回日本肝臓学会 (2003/5/23)  

・Bl型肝炎に対するlamivudine療法
 HBeAg陽性高ウイルス量の患者で耐性ウイルスが出やすい
 血中のウイルス量は減るが肝組織内のウイルス量は減らない
 IFN+LAMでSC率は上昇するが(約60%)、変異株の出現率は同じ(組織進展例や投与中のDNA量の多いものが多い)
 HBワクチン療法併用
  HBeAg陰性例では90-100%DNA陰性化を維持。HBeAg陽性陽性例では経過中のbreakthroughが59%みられるのに対し、
  ワクチン投与群では27%のみ

・肝癌の治療成績の標準化
 肝癌のstage(TNM分類)および肝予備能(Child-Pugh分類)それぞれをスコア化し、両者の合計スコアで予後を検討。
 肝癌のstageが早期で、肝予備能が良好な症例のスコアが最も低くなる(J Gastroenterol. 2003;38(3):207-15)
 JISスコア 0-2点は切除あるいはRFA、3-5点は肝移植の成績が良い結果となった。
 今後、多数例でこのJIS scoreで予後を検討する必要がある。

Vibrio vulnificus菌の分離状況  ('03/3/8)

下記にもありますようにVibrio vulnificus菌は肝硬変の患者さんが感染すると重篤な状態となり、わずか一日で死亡されることもあります。
この菌の分離状況が感染症誌(76:528-535,2002)に掲載されていました。
海水、海泥ともに海水温が15℃を越えてくる4〜5月ころより陽性率が上昇し10月くらいまで高い陽性率が続きます。またカキにおける陽性率は6〜9月に高まりますが10〜12月にも検出されているようです。以上より晩秋近くまでVibrioは海水に存在しており、涼しくなったからといって油断は禁物です。   

岡山市民病院が肝臓病についての電子メール相談室開設  ('01/8/19)

岡山の山陽新聞(8月15日付)に掲載されていました

岡山市立市民病院(天瀬)は、肝臓疾患の原因や治療法などについて市民に広 く知ってもらおうと「肝臓病に関するEメール相談室」を同病院のホームページ上に開設。8月16日から質問、相談を電子メールで受け付け、専門医が個々の相談に応じる。同病院では内科患者の2〜3割を肝臓疾患の患者が占めることから今年5月、 肝臓病を専門にしている東俊宏副院長と狩山和也医師を招聘(へい)。相談室の 開設は、医師にかかる前に病気の症状や最新の治療法、診断法などを知ってもらい、肝臓病を早期発見するのが狙い。電子メールなら手軽に個々の相談に応じることができるという。寄せられた相談には東、狩山両医師が直接、肝炎や肝硬変などそれぞれの症状に応じた治療法や診断法を電子メールでアドバイスする。アルコール性肝障害の予防法や、肝炎ウイルスに感染した可能性などの質問にも答える。
相談者はメールに性別と年齢、具体的な相談内容を書いて送信する。相談料は無料で、医師は一週間以内に返信メールを相談者に送る。狩山医師は「肝臓は 『沈黙の臓器』と言われており、なかなか表に症状が出て来ない。少しでも不安のある人は、気軽に相談してもらいたい」と呼び掛けている。
 相談用の電子メールアドレスは toshihiro_higashi@city.okayama.okayama.jp

ビブリオ・バルニフィカスによる感染に注意を ('01/8/19)

詳細は国立感染研究所感染症情報センターのページ( http://idsc.nih.go.jp/others/vvulni.html)に紹介されています。以下に抜粋を載せておきます。補足としては海水温が低下しないとビブリオの増殖はおさまらないので9月になって涼しくなったからといっても油断は禁物です。

腸炎ビブリオやコレラ菌などと同じビブリオ科に属し、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)と性状などで共通点も多いグラム陰性桿菌です。主に暖かい海水中の甲殻類や魚介類の表面や動物性プランクトンなどに付着しつつ増殖し、周囲の海水中にも遊出します。2〜3%の塩分濃度で良く増殖し、汚染された魚介類の摂取や皮膚の創傷などから人に感染します。
健常者では下痢や腹痛を起こすこともありますが、重症になることはほとんどありません。しかし、免疫力の低下している人や特に肝硬変などの重大な肝臓疾患のある人なとでは注意が必要となります。また、治療のために鉄剤の投与を受けている貧血患者も注意が必要という指摘もあります(医系微生物学:朝倉書店、初版本p.211)。肝臓でのクリアランスの低下や、血清鉄が細菌の病原性や増殖性を増すことなどから、細菌が血液中に侵入し、数時間から1日の潜伏期の後、峰巣炎等の皮膚病変の拡大や、発熱、悪寒、血圧の低下などの敗血症様症状を起こし、生命を脅かすことがあります。この細菌が血行性に全身性感染をおこした場合、致死率は50〜70%と非常に高くなります。
我が国では刺身や寿司等の材料となる多くの魚介類の摂取が原因となっていますので、肝臓障害をもつ当疾患に対するリスクの高い人は、夏季に生牡蠣や十分調理されていない魚および貝類を食べないようにする。貝を煮るときには貝が開いてからも5分間、蒸す場合には9分間以上の調理を行う。開かない貝は食べないようにする。むき身の牡蠣は3分間以上ゆでるか、191℃で10分間以上油で焼く。調理済みの食品が他の生の魚介類からの汚染を防ぐ(まな板など)ようにする。調理したらすぐに食べるなどの点に注意が必要です。 創傷があるときは暖かい海水や汚れた水が、傷に付着するのを防ぐなどの防御法をとることが必要となります。海岸や岩場で裸足で歩いて貝の殻などで怪我をし感染したと思われる事例も過去にありますので、ハイリスクの人は海岸での素足歩きは禁物です。

第37回日本肝臓学会('01/5/18)

ワークショップ1 C型慢性肝炎難治例の治療戦略 座長:熊田博光(虎の門病院) 八橋 弘(国立長崎医療センター)

インターフェロン+リバビリン併用療法:詳細は別ページ
  
インターフェロン療法による肝発癌予防   山口大学、京都府立医大いずれよりもIFN再投与にて発癌率が低下する報告あり

新たな抗炎症療法 Bezafibrate(ベザトール)による肝機能改善効果(東京女子医大) →原発性胆汁性肝硬変での有用性が報告されているBezafibrate(ベザトール)がC型肝炎に有効な報告が。GPTが低下するのみでなくRNA量も低下する可能性も。

インターフェロン坐薬(大阪府立病院) →天然型IFN(大塚製薬オー・アイ・エフ)1000単位(注射薬は500〜1000万単位)を坐薬にすることで2-5ASが反応し、RNA量が低下することが確認された。ウイルス量が著明に低下した症例ではALTの低下もみられた。

今回の学会でC型肝炎の治療方針は@抗ウイルス剤併用によるウイルス排除率の向上およびAウイルスを排除できない場合にはインターフェロンの再投与(あるいは長期投与)を中心とした発癌抑制の2方向に向かうと感じられました。座長の先生の規制緩和による保険適応拡大を望むコメントも印象的でした。

長期生存を目指す肝癌治療('00/10/11)

日経メディカル誌2000年9月号55〜57ページに下記の肝癌研究会発表内容をまとめた記事が出ていました。
肝癌手術後2年の再発率がインターフェロン投与群で5/15(33%)、非投与群12/15(78%)と投与群の再発率が非常に低い
(大阪市大第2外科)。
内科治療5年生存率がインターフェロン投与群で83%、非投与群で45%と投与群の予後が良い(東京大消化器内科)。
レチノイドで治療後3年の再発率が投与群で12/44(27%)、非投与群で22/45(49%)と再発が押さえられる(岐阜大第1内科)。

記事の最後にこれからの肝癌治療は局所療法を行うとともに再発予防策を講じる重要性を述べています。さらにこれらの治療法や
予防薬が保健適応になっていない点も指摘し、早期に保健適応がなされ普及させる必要性も述べられています。

第36回日本肝癌研究会('00/6/28)

肝癌再発予防戦略(シンポジウム2)
   肝癌治療後のIFN投与により術後1〜2年を境に急速に再発率(特に異所性再発)が低下する。
   非環式レチノイドにも同様の効果が認められる
ラジオ波焼灼術の適応・効果・合併症(シンポジウム1)
   従来のエタノール局注療法、マイクロ波凝固療法に比べ凝固範囲が広く大型の肝癌にも有効。一方で凝固範囲
   にムラがあり、施設により局所再発率が大きく異なる(ほとんど0%〜20-30%)。合併症としては発熱、腹痛が多い。
   現時点では保健適応ではないので限られた施設でしか治療が受けられない。
炭酸ガスによる造影エコー下経皮的治療
   今回、シンポ1の虎の門病院をはじめとして複数の施設から肝動脈に留置したカテーテルより炭酸ガスを動注し、
   見えにくい肝癌をはっきりさせてエタノール局注療法、マイクロ波凝固療法を行う治療の紹介がありました。 

小柴胡湯('00/1/29)

小柴胡湯の副作用について以下のような報道がありました。
「1998年から2年間 に小柴胡湯を服用し、その副作用と疑われる症例として、50人が間質性肺炎を起こ し、そのうち8人が死亡。間質性肺炎を起こした肝がん患者4人のうち3人、肝硬変患者は7人のうち2人が死亡。」

肝臓病の専門雑誌「肝胆膵」(アークメディア発行)37巻6号(1998年)821-827ページに小柴胡湯の総説があります。慢性肝炎ではGPT低下作用、B型肝炎ではウイルス減少作用、C型肝炎では発癌抑制作用が報告されています。副作用については今回も報道された間質性肺炎の解説があります
@すでに長期間投与している症例では間質性肺炎を発症する可能性は低い
A初期症状として発熱、乾性咳漱(痰の出ない咳)、労作時呼吸困難がありこの段階でレントゲンなどの精密検査を行い、早期発見・早期治療を行えば回復する
B注意する症例群として高齢者、慢性肺疾患やアレルギー性疾患を持つもの
といった特徴があげられています。
今回の報道でも肝硬変、肝癌での死亡例が多いようです。小柴胡湯は比較的体力のある患者さんが適応であり、肝硬変、肝癌患者さんでは体力が低下しており、むしろ補剤とよばれる漢方薬が望ましいと言われています。

鉄摂取制限で肝機能改善('99/9/20)

肝臓40巻8号に鉄摂取制限が慢性C型肝炎に有効である報告が出ていました(綾部市立病院)
鉄の多い食品 ソバ、白パン、大豆、豆腐、納豆、牡蛎、どじょう、わかさぎ、いわし、まぐろ、かつお、さば、たらこ、レバー、黄身、ほうれんそう、パセリ、ひじき
鉄の少ない食品 米、餅、おから、たい、たら、いか、ホタテ貝、カニ、たこ、カレイ、鮭、白味、ヨーグルト、チーズ、バター、アイス・クリーム、キャベツ、レタス、キュウリ、タマネギ、トマト、大根、カボチャ、人参、トウモロコシ、唐辛子、タケノコ、りんご、オレンジ、バナナ、桃、レモン、柿、西洋なし、ワカメ、しいたけ、しめじ

生活習慣病に関連した新聞記事('99/9/9)

読売新聞岡山版
('99.7.4.)
20歳頃の体重より 5キロ以上太った人の56%が生活習慣病に(岡山大学保健管理センター)
大学入学時の体重をもとに、アンケート調査で現在の体重と疾患について調査 したところ、入学時やせ型で5kg以上太っても標準体重にとどまる「隠れ肥満」の56%が高脂血症、高血圧、糖尿病といった生活習慣病を発症。
山陽新聞
('99.8.25.)
昨年の人間ドック調査(日本病院会)
「異常なし」と判定されたのは全体の16%のみ。高コレステロール血症、肝機能異常者が増加している。

第35回日本肝臓学会総会('99/6/24-25)('99/7/10)

慢性C型肝炎に対する IFN+サイクロスポリンA(CsA)併用療法:昭和大学藤が丘病院 消化器内科 
  
12ヶ月後のウイルス陰性化率 12ヶ月後のALT正常化率
IFN+CsA併用群 51.3% 63.8%
IFN単独群 21.1% 31.6%

以前よりIFNは肝炎の程度の軽いものが効きやすい、前治療として抗炎症効果を期待して強ミノCを投与したり、禁酒、瀉血をした群の有効性が高い傾向があるといった背景があり、CsAはIFNが効きやすい状況を作っているのかもしれません。一方でCsAには培養細胞内でHCVの増殖が抑制されるデータもあるとのことで抗ウイルス作用もある可能性があります。今のところのCsAはC型肝炎には保険適応ではありませんのですぐには一般病院では使用できませんが、肝炎治療の突破口になるかもしれません。

肝臓病の食事療法('99/7/10)

肝臓病の専門雑誌「肝胆膵」(アークメディア発行)38巻5号に「肝臓病と病態栄養」の特集号がでていました。科学的に分析された内容が豊富に紹介されており各病態での栄養基準も示されています。かつて「高カロリー、高蛋白」食が肝臓病の食事療法として長く信じられていましたが、提唱されたのが1950年頃で現在の日本人の平均的な食事内容は1950年当時の「高カロリー、高蛋白」食になっているとの内容です。興味のある方は雑誌をご覧ください。

肝癌予防に有効な薬剤 ('99/5/15)

世界的な医学雑誌であるNEJM 340巻13号(4/1号)に日本の施設より肝癌予防に有効な薬剤としてレチノイドの成績が発表されていました。詳しくはhttp://www.nejm.org/content/1999/0340/0013/1046.aspにあります。
この手の話はしばしば新聞で報道されるのですが、多くは学会発表程度であったり動物実験レベルの話を人間に当てはめて誇張するものが多いのですが、NEJMは超一流誌でありかなり信頼性はあると思います。
開発メーカーや保険適応になる予定は不明ですが、これから注目したい話です。

第85回日本消化器病学会総会('99/4/22-24)('99/5/10)

HGV, TTVは肝炎ウイルスか?数施設からの報告をまとめると、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスほどの明らかな肝炎ウイルスの性格はなく、特に慢性肝炎に関与する可能性は低いと考えられた。一方で、急性肝障害を起こしている可能性は残っており、ちょうどEBウイルスやサイトメガロウイルスのようなもの(キャリアが多く時に急性肝炎を起こす)として認識すると理解しやすいウイルスかもしれない。

第2回日本肝臓学会大会('98/10/16-17)('98/11/7)

瀉血療法について名古屋大3内より2題発表あり:瀉血によりフェリチン値を10ng/mlに低下させ20ng/ml以下に維持。治療前のALT、ferritinの高い群で有効性が高い。ウルソデオキシコール酸(ウルソ)との併用が有効性を高める。

東大2内よりB型肝炎ウイルス(HBV)に対する 抗ウイルス効果が確認されているlamivudine(AIDS治療薬)に耐性HBV株に新たに開発されたadefovir、lobucavirといった薬の効果を確かめた実験結果が発表されていました。まだ試験管内の実験なので臨床で使えるにはもう少し時間がかかりそうです。

アメリカNIHのJH Hoofnagle博士が特別講演:2002年頃にC型肝炎ウイルスの酵素(proteaseやhelicase)に対する阻害薬の臨床応用が期待される。

新しい肝炎治療(世界消化器病会議)('98/10/10)

9/6-9/11ウィーンで開かれた世界消化器病会議に行ってきました。

C型肝炎に対するIFN療法:@肝に取り込みやすくしたPEG-IFN-α2aにより高い陰性化率A300万単位週2回24週投与でウイルス量の低下と組織の進展阻止Bリバビリンの併用でIFNの治療効果アップ。48週という長期投与の紹介もありCリバビリンにアマンタジンを併用した治療の紹介もあり
C型肝炎に対する抗ウイルス剤:既にリバビリンは海外ではC型肝炎に承認されていますが、HCVのNS3領域のproteaseやhelicaseを阻害する薬剤の開発が進んでいる紹介がシェーリング・プラウという製薬会社からありました。

B型肝炎の治療:@ラミブジンの有効性が報告されていました。おおよそ20%前後のHBe抗原からHBe抗体へのseroconversionが得られるとのことです。また移植後のB型肝炎増悪にも非常に有効との報告もあり、急性肝不全領域での有効性が期待されます。Aワクチン療法:骨髄移植でHBs抗体のドナーからの骨髄がHBVキャリアに移植されるとウイルスの排除が起こる報告やターゲットと考えられるウイルス蛋白に免疫を高める蛋白をくっつけたワクチンを投与するとHBs抗原が消失する報告がありました。ただ後者はアジア人での成績が悪いとのことでした。

インターフェロン無効C型肝炎とその対応(DDW-Japan 1998)('98/4/29)

・治療効果を高める方法
  強ミノC前投与IFN療法(鹿児島市立病院 新上先生)強ミノC 100ml1ヶ月間前投与しS-IL2Rの低下したもので著効が得られ易くなる。
  急性増悪直後のIFN療法(川崎病院肝臓病センター 木野山先生)急性増悪直後にウイルス量が減少した時期にIFNを開始すると著効率が上がる
  β2回打ち(埼玉医大3内科 藤原先生)βIFNの2回打ちで終了6カ月目の時点でALT(GPT)の正常化が約70%にみられる
・ALT(GPT)の改善を目指した治療法
   IFN少量長期療法(虎の門病院 荒瀬先生)600万単位週1回程度の投与で約40%の症例のALTが正常化する
  瀉血療法(名古屋大3内科 矢野先生)2週間に1回200〜400mlの血液を抜くことを7〜8回行うとALTの低下がみられる    

TTV:新しい肝炎ウイルスか?(DDW-Japan 1998)('98/4/29)

・都立駒込病院 柴山先生
  非A-G型肝炎の17/30(57%)に検出。他のウイルス肝炎に比べALP,γ-GTPが高くなりやすい。
・岩手医大1内科 鈴木先生
   劇症肝炎で7/16(44%)陽性であった。急性型で4/9(44%)、亜急性型で3/7(43%)で検出。

市民公開肝臓フォーラムが岡山市で開催('98/1/25)

2/14(土)午後1:00〜4:00、岡山市農業会館5階大ホールで市民公開肝臓フォーラムが開かれました。
◎テーマ1:慢性肝炎から肝臓がんへの進展防止をめざして
◎テーマ2:肝臓移植
問い合わせ先:川崎医科大学附属病院川崎病院肝臓病センター事務局 086-225-2111(内線)3900  

肝臓学会西部会(大阪)報告('97/12/30)

12/5-6肝臓学会西部会(大阪)に行ってきました。「ウイルス肝炎治療の新しい展開」というシンポジウムがありました。α/βインターフェロンの併用療法や強ミノCの前投与の有効性などが発表されていました。劇的な進歩はありませんが少しずつ前に進んでいるようです。またG型肝炎(GBV-C)の主題示説もありました。感染既往を反映するE2抗体の出現でG型肝炎感染者の数はかなりあることがわかりましたが、それでも肝炎との関連は明らかでなく現時点では肝炎ウイルスとしての意義はあまりないとのことになりました。

慢性肝炎治療のコンセプトと実際(第39回日本消化器病楽病大会)('97/10/30)

B型肝炎:自然経過では20歳代までは自然治癒例が多く、IFN治療効果も良い。30歳以上になるとIFNの効果は落ちてくる。現在、他の抗ウイルス剤(ラミブジン)の投与が検討されている(保健適応ではない)。
C型肝炎:従来のIFN治療を凌駕する投与法法は今のところなし。発癌抑制のdataはかなりはっきりしてきた。一方で、肝臓病薬による肝炎沈静化でも発癌抑制が期待できる成績も発表された。虎の門病院から究極の対症療法として強ミノC大量療法+IFN少量長期投与(これも保健適応でない)の成績の発表があった。

最近のウイルス肝炎研究の動向について(臨床雑誌「臨床医」7月号)('97/8/9)

一般の方には少々難しい内容ですが結構コンパクトにまとまっていると思います。特に座談会の内容が良いように思います。それにしてもこの数年の進歩には目を見張るものがあります。興味のある方は普通の本屋さんでも取り寄せれば購入できると思います(¥2100)。

肝癌の再発について(第33回日本肝癌研究会)('97/6/27,28)

肝癌研究会で肝癌治療後の再発について、肝炎の治療が再発予防に有効ではないかとの
発表が東京女子医大消化器病センター斉藤先生および神奈川県立ガンセンター内科の多羅尾先生よりされました。
またアジアの肝癌の現状として台湾の先生よりの特別講演がありましたが、肝動脈塞栓療法(TAE)とエタノール局注療法(PEIT)を併用した治療で良好な成績が得られたとの発表がありました。
(本研究会の抄録は会場で発売されていましたが1日目の終わりには売り切れになっていました。)

肝臓病の栄養療法(第94回日本内科学会)('97/4/29)

去る4月24日から4月26日の3日間、大阪にて日本内科学会が開催されました。宿題報告で岐阜大の武藤泰敏先生が「肝病態と栄養治療」と題する講演をされました。内容は@非代償生肝硬変に対する分岐鎖アミノ酸顆粒経口補充療法、A肝癌再発に対する非環式レチノイド療法の話で、従来の「肝炎は高カロリー、高蛋白」といった単純な栄養療法の話(すでに日本人の食生活が高カロリー、高蛋白の過栄養になっていますが・・・)よりはずっと興味深いものでした。
(詳しくは内科学会誌臨時増刊号64-66ページに発表の抄録があります)

名古屋でDDW-Japan'97開催('97/4/6)

消化器病学会、内視鏡学会、肝臓学会、胆道学会、膵臓学会などの合同学会である
DDW-Japanが4/17-4/20の間、名古屋国際会議場で開かれます。
抄録を読んでいますと下記で紹介したβインターフェロン2回打ちの新しい投与方法が報告されていました。
難治性C型慢性肝炎に対するIFN-β新連日(1日複数回投与)、間歇(1日1回投与)交代療法の有効性について
(姫路赤十字病院:奥新浩晃先生)4月19日 11:00〜11:30

慢性C型肝炎に対するβインターフェロン1日2回投与についての学会発表('97/3/1)

・DDW-Japan 1996(神戸)

β-IFN 3MIU1日2回4週連投後にα-IFN 10MIU2週連投12週間歇投与(週3回)を併用することで従来ウイルスが陰性化しなかった高ウイルス群で70%のウイルス陰性化がみられた。
(詳しくは雑誌「肝臓」38巻1号11-18ページに論文が掲載されています)

・日本肝臓学会東部会(東京)

β-IFN 6週連日投与(1日投与量は6MU)を1日1回打ちと2回打ちで効果を検討したところ、6ヶ月後の
ウイルス陰性化率が1日1回打ちが2/10(20%)であったのに対し、1日2回打ちでは4/9(44%)であった。
(詳しくは雑誌「肝臓」37巻suppl.(2) 122ページに発表の抄録があります)

岡山市内の病院に肝臓病センター開設('97/1/16)

岡山市の川崎病院(岡山市中山下2-1-80, TEL 086-225-2111)に肝臓病センターが開設されました。
内科、外科、放射線科医師の連携に加え、栄養士、薬剤師、検査技師が加わり総合的な肝臓診療を
目指すとともに病院-診療所の連携強化、市民への情報公開と新たな診療形態を目指したセンターの
ようです。注目されることは肝疾患の治療のみならず予防を主眼に置いた予防部門を設けたことです。
これからの活動に注目したいと思います。

患者の会、自助グループ('97/6/15)

全国肝臓病患者連合会(03−3323−2260)
全国肝臓病患者団体協議会(03−5982−2150)
おかやま肝臓友の会(086−225−2111,内線3900)