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光度変化測定用ソフト Limovie


English Page



Limovie  Light Measurement tool for Occultation observation used VIdeo rEecorder  


超高感度のCCDビデオカメラやビデオカムコーダの普及により、星食観測もビデオを利用して行われることが多くなりました。観測と記録が手軽にできることと、バッテリー駆動で移動観測も可能なことから、星食や接食、小惑星による恒星食など様々な現象の観測に用いられています。特に、30分の1秒という高い時間分解能が得られることから、食の時刻測定の分野で大きな成果をあげてきました。ビデオの解析の方法として、従来はモニタ画像を目視して、星が消えたフレームの時刻を調べる、という方法によって行われてきました。しかし、星食の中には瞬間的でない減光や増光がとらえられることがあります。また、完全に増光や減光が行われず、中間の光度で推移する場合もあります。重星の食の場合には、階段状の光度変化が見られます。更に、木星の衛星の相互食のような場合、数分以上かけたゆっくりした光度変化が起こります。これらの現象の場合、目視による解析では、現象がどのフレームで起こったのかを特定することが難しい、という問題がありました。また、重星の等級を知るためには、光度変化を定量的に求める必要があります。これらの情報は、ビデオの目視では得ることができません。

Limovieは上記の課題に対し、キャプチャしたビデオファイルから画像を読み出し、1フレームごとに測光を行うことにより、ビデオに記録された星食現象を定量的にとらえ、解析するために開発されたソフトウエアです。このソフトウエアは2005年の開発以来これまでに、次のような解析に用いられてきています。


1.月縁および小惑星による掩蔽の現象時刻の解析

2.ビデオカメラの露出と時刻の関係の解析

3.重星を構成する恒星の等級 (複数の観測からは位置角、離角)を得る

4.新たな重星の発見

5.月縁および小惑星の表面の形状(コンタクトアングル)の推定

6.恒星の視直径の推定

7.小惑星による恒星食で減光量の少ない現象の検出 や 短時間の現象の検出

8.衛星の惑星による食、および衛星の相互食の解析


これらの解析結果は、 星食観測のページ にまとめられています。


ソフトウエアについて


がんぞう(渡辺寛太)氏作のコンポーネントTGKAVIを用いて、Borland Delphi6で作成されています。
フリーソフトですので、自由に配布することができます。基本的に無保証無責任ですので、個人の責任において使用してください。
作者 宮下和久


謝 辞  

本ソフトウエアを作成するにあたり、次の方々にお世話になりました。
がんぞう(渡辺寛太)様のコンポーネント TGKAVI を使用させていただきました。また、AVIファイルの種類と扱いについてもご教示いただきました、
国立天文台 相馬 充様には、ガリレオ衛星食データの解析をしていただき、様々なご指摘とご助言をいただきました。せんだい宇宙館 早水 勉様には、小惑星による恒星食の解析に使用いただき、有益なご助言をいただきました。また、TIViへの対応に際し、ご教示とご協力をいただきました。
Dave Herald
様には、英語圏でのコンピュータへの対応およびPAL方式への対応についてご指摘とご助言をいただきました。
Dave Gault
様と Steve Preston 様には、音声信号表示機能についてご提案いただきました。
これらの皆様からご支援いただき、ソフトウエアとしての機能の確立と精度の向上を行うことができました。また、よりよい活用のしかたについての考察を深めることができました。この場をお借りし、御礼申し上げます


 なお、以上に記しましたのは、初期バージョン 0.9.15 までにお世話になった方々です。それ以降も、世界各地から大勢の皆様に助言や御指摘をいただきました。皆様の名前を、本ページ末の更新履歴に記載してあります。


ダウンロード




マニュアル

日本語版 (Ver 0.9.29) ユーザーズマニュアル

新バージョンで加えられた機能も含めて全面改訂しました。


英語版 LIMOVIE.doc
Dave Herald
氏によるLimovieのマニュアルです。 英文ですが、わかりやすく、充実した内容となっています。Ver.0.9.20対応です。ノイズの多い画像からよりよいデータを得る方法や、重星の光度測定の方法など、測定に役立つ 情報が掲載されています。


改訂履歴


Version

付加機能・改良項目

Suggested by






0.9.29

Linked Tracking 機能: 視野内の他の恒星などの動きにともなって対象星の測光用領域を動かす機能。風などで望遠鏡が揺れたときに有効にはたらく。

TIViの読み取り機能の操作性の改善。

Mpeg2ファイルも読み込み可能に。

Tom Campbell

Henk J.J. Bulder

Takashi Tsujitsuka

Feb.9

2008

0.9.28

回折シミュレーション用パラメータを求めるための計算機機能。 

回折シミュレーションの高速化。(従来の2倍に)  恒星の視直径を考慮したシミュレーションの追加。

Tom Campbell

Kazuhisa Miyashita

Oct.23

2007

0.9.27

統計計算およびフィルター機能: 測光値に対するフレーム間の移動平均、FFTローパスフィルターを加えた。

シンチレーションやバックグラウンドのノイズを低減し、現象を見やすくする。

ビデオインサータTIViの表示の高精度自動読み取り: 機能を追加するとともに、フレーム露出と時刻について、特に蓄積型カメラについて確認。

Dave Herald

KazuhisaMiyashita

Hideyoshi Karasaki


Sep.9

2007

0.9.26f

ビデオインサータKIWI-OSDの表示の高精度自動読み取り機能: ミリ秒の精度を持つKIWI-OSDの表示を、光度測定値と共に記録することにより、現象時刻の推定をより容易に精度よくおこなうことが可能に。

Kazuhisa Miyashita

Gerhard Dangl

W.C. Yue

Geoff Hitchcox

Dec.24

2006

0.9.25

複数の対象の同時測定機能: 対象星以外の星も同時に測定し比較することで、薄雲やシンチレーションの影響を評価することができる。

AVISynth: AVIファイル読み込みの制限を取り除く、AVISynth への対応がなされた。

グラフ表示機能: Exelなどの表計算ソフトを使わずに、グラフを直接表示させることができ
回折シミュレーションとのフィッティング機能: より精度よく現象時刻を推定することができ
CSV
ファイル読み込み機能: 一度解析した結果としてのCSVファイルを、Limovieで再度読み込み、グラフ表示や回折の解析をおこなうことができ

重星の回折シミュレーション機能: 

Tony George


Steve Preston

Kazuhisa Miyashita




星食のビデオによる観測の可能性について、Ver.0.9.15を用いての解析例を、国立天文台報にまとめた。

ビデオ画像用光量測定ソフトウエアLimovieの開発と星食観測への応用 (PDF 1.9Mb) 

 (せんだい宇宙館の早水勉氏、国立天文台の相馬充氏との共著論文)

以降のバージョンは、ここで検討された解析法を、機能として実装することを目的に開発が行われている。

Kazuhisa Miyashita

Tsutomu Hayamizu

Mitsuru Soma





Jun.23

2006

0.9.24

設定のIniファイルへの保存(Update Setting Items)機能を加えた。 

バックグラウンドの形状名を変更。 Lunar Limb --> Avoid Sunlit Face;  Meteor --> Meteor/Lunar Limb

Meteor(流星) 用のバックグラウンド領域が、地球照で光る暗縁部などの場合、最もよくAperture部のBackgroundを代表する、とのDave Herald氏の指摘による。

Display Speed Control : 再生速度を可変に。

Field Show においても「再生」を可能に。

Dave Herald




Dave Gault

Derek C Breit

May.29

2006

0.9.22

Field Order(どちらのフィールドが時間的に先か)を選択する機能を加えた

Field Orderについては、下記を参照のこと。

ビデオ録画とタイムインサータの表示時刻

Testing LiMovie Fields” by Derek C Breit

Derek C Breit


May.12

2006

0.9.21

PAL方式のビデオの全画面を表示可能に。

Threshold of star tracking : この敷居値以上のピクセルの重心でトラッキングを行うことにより、ノイズの多い画像でのトラッキング精度の向上。

W.C. Yue

Dave Gault

Dave Herald

Apr.29

2006

0.9.20

Linear Tracking: 極軸が合っていない場合、星が視野を一定速度で横切るように動く場合にそれを追尾する機能

Field Measure : これまでのフレーム単位の測光に加えて、フィールド単位の測光も可能にした。

Field Show : 画面を上下に分割(split)して、2つのフィールドを分けてみることができるようにした。

Drift Tracking : 星の移動にあわせて測光領域が自由に動くことのできるモードを追加。流星も測光可能に。 


ピクセル値の読み取りを、Scanline に改める。測光の速度を8%高速化する。

Dave Herald

Tsutomu Hayamizu

Steve Preston

Koji Maeda

Hidetoshi Yoshida





Oct.10 2005

0.9.15

音声グラフ表示機能。音声時刻信号の検出を可能に。

Dave Gault

Steve Preston

Sept.3 2005

0.9.11b

英語圏での使用に対応。PAL方式への対応。

Dave Gault

Aug.16 2005

0.9.10

星像の3Dグラフ表示機能を追加

Kazuhisa Miyashita

Aug.9 2005

0.9.9

月縁モード・流星モード
Background
の形状を対象に合わせて設定する機能を追加

Toshio Hirose



処理の効率化


July.24 2005

0.9.8

タイムインポーザTIViに対応

Tsutomu Hayamizu



CSVファイルに、TIVi秒数、StarTracking-On,Off等も記録




Flicker free 機能を追加。 その他バグフィックス。


Jun.30 2005 

0.9.7 

同一画像の重複と思われる数値の連続に対する警告を付加

Mitsuru Soma



出力ファイルのヘッダ部に、測定対象のAVIファイル名を付加


Jun.28 2005

0.9.6

Background の半径の指定のバグを修正




Background の半径の最大値を20から25に変更


Jun.25 2005

0.9.5

最初の公開version




StarTracking機能の追従性を改良

Kazuhisa Miyashita

Jun18

2005


ガリレオ衛星食(May.3 2003)の全過程の計測で動作試験

Kazuhisa Miyashita