| 更新:2006年3月31日 |
東京地裁 民事第25部―4月7日 民事第50部―4月19日 地裁大法廷(103号)へ 勝利判決をかちとろう ! 「この裁判は、国家理性が問われている」(山本博・全国弁護団長) |
| いよいよ4月7日(金)に東京地裁民事第25部が、4月19日(水)に同50部が判決の日を迎えます。2002年7月東京地裁への第一次提訴以来4年、13地裁15裁判体、449名の原告、全国弁護団154名で闘ってきた全国の住基ネット差し止め訴訟の天王山といってもよいかと思います。みなさん、東京地裁の判決法廷に参加しましょう。勝利判決をめざして! <原告の主張に明快な判断を!> 原告側は、住基ネットは憲法13条によって保障されるプライバシー権を侵害するものであり、本人確認情報(住所、氏名、生年月日、性別、住民票コード、変更履歴)の住基ネットにおける流通の差し止めと損害賠償を請求して裁判闘争を闘ってきました。原告側が主張し立証してきたのは次の5点です。 @コンピュータ社会といわれる現代社会においては、個人情報の保護が重要であり、プライバシーの権利は自己情報コントロール権として具体的に保障されなければならないこと。 A住基ネットは、本人の同意なく本人のあずかり知らないなかで個人情報をネット上に流通させ利用するものであり、自己情報コントロール権を侵害する憲法違反のシステムであること。 Bコンピュータネットワークというシステムや自治体現場の管理の実態からすれば、住基ネットから個人情報が漏えいする具体的な危険があること。 C住基ネットによって、各行政機関が保有する個人情報を、住民票コードをマスターキーとして、名寄せし一元的に統括することが可能となるシステムができあがった。住基ネットを推進する側の狙いは、国民一人一人を監視するための国民総背番号制の構築にあること。 D国民の権利の侵害の重大性に比べ、住基ネットの必要性・有用性は少なく、住基ネットへの強制参加を嫌忌する者を住基ネットから離脱させても行政になんら支障はないこと。 多くの憲法研究者の協力をえて@、Aを立証し、上原公子国立市長の証言によってDを、長野県侵入実験を指揮した吉田柳太郎氏の証言によってBを、25部の原告である斎藤貴男氏の証言によってCを、それぞれ立証してきました。弁護団は、これらの証言を生かしながら、住基ネットの違憲性、危険性を、あますところなく立証するために最大・最善の努力を傾けてきました。金沢地裁違憲判決をおしつぶそうとする国側の有形無形の圧力に抗して、裁判所が、国民の誰にもわかる明快な判断を下すよう、私たちは強く求めるものです。 <住基ネット差し止め訴訟の地平> @憲法訴訟としてとりくんできた 原告側は、住基ネットは憲法違反であることを正面から訴える憲法訴訟としてこの裁判にとりくんできました。この原告の訴えを認めて、金沢地裁は、離脱を求める原告に住基ネットを強制することは憲法違反である、という判決を下しました(05/5/30)。それ以降、原告側の請求を棄却した裁判所の場合でも、判決の内容において、「プライバシー権は憲法において保障された権利ではない」という被告・国側の主張を斥けて、プライバシー権(自己情報コントロール権)が憲法13条によって保障される権利であることを認めざるをえなくなっています。【大阪地裁(06/2/9)、千葉地裁(06/3/20)】 憲法改悪の動きが急ピッチにすすんでいる現在において、プライバシーの権利などの人権を保障した現行憲法に違反し、個人情報の国家管理のシステムをつくることが、日本を「戦争のできる国」にしていく危険な動きと結びついていることを浮き彫りにし、憲法訴訟としてたたかってきた私たちの裁判闘争の意義は大きいと思います。 A国民総背番号制に歯止めをかける 社会経済生産性本部がおこなった住基ネットについてのアンケートでは、個人情報の流出につながり、国家監視につながるので、ない方がよいと7割から8割の人が回答しています。原告側の主張が多くの国民に浸透した結果を示すものとして、この数値をとらえることができます。また、住基カード(ICカード)の普及率は全国平均でわずか0.5パーセント程度です(2005年8月末現在)。コンピュータネットワークと共通番号と一人一人の行動を記録・蓄積するためのICカードの3つが、国民総背番号制には不可欠です。住基ネット差し止め訴訟は国民総背番号制に歯止めをかけているのです。 B自治体現場の不備を裁判所に認めさせる 原告側は、各地裁で自治体職員の証言や調査嘱託などを行ってきました。たとえば、北海道では札幌弁護士会による自治体へのアンケートによって、自治体現場では住基ネットのセキュリティ上の不備が数多くあることを事実をもって示し、「全国の自治体では重点項目は満点でセキュリティ上問題はない」とする被告・総務省のウソを暴いてきました。各地の裁判におけるこうした原告側の立証のつみあげによって、大阪地裁の判決では自治体のセキュリティの不備を事実としては認めざるをえなくなりました。千葉地裁の判決では、自治体現場から個人情報が漏えいする危険性が存在するということを初めて認めました。 結審において、「住基ネットの問題点について、考えられる争点・資料をすべてそろえ」て審理をつくしてきたと山本博・全国弁護団長が自信をもって述べたこの東京地裁での判決には、全国の4つの高裁と8つの地裁が注目しています。 |
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東京地裁50部結審(06年1月18日) 原告を代表して、深野良勝さん(全印総連委員長・提訴時)が「今裁判における憲法判断が日本社会の未来を大きく左右する分水嶺となるべき決断であることを肝に銘じてほしい」と意見を述べました。 山本博団長は「私たちは単に勝つ負ける次元で物事を考えているのではない。国民の誰でもがわかるような、争点についての理性ある判断を求めている。この裁判は国家理性が問われている。」 と裁判官に訴えました。奥田裁判長は「重い宿題をいただいた」と述べました。 東京地裁25部結審(06年2月7日) 原告の斎藤貴男さんが「この裁判は、これからの日本国民の、人間としてのありようを決定することになるのかもしれません。人間観とか世界観が問われることになります。深い呻吟と思索と考察に基づいた判決を」と述べました。 |
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原告の請求を棄却 3月20日 千葉地裁が不当判決! |
3月20日、千葉地裁(小磯武男裁判長)は、住基ネットへの本人確認情報の提供中止とネット上の情報の削除を求めた千葉訴訟において、原告の請求を斥ける不当な判決を下しました。原告・弁護団は、判決後の記者会見で判決の問題点・不当性を明らかにするとともに、ただちに控訴してたたかうことを宣言しました。◇判決の問題性・不当性を訴える――記者会見 判決後の記者会見には新聞社・テレビ局・通信社など11社の記者が集まり、テレビカメラが回る中で熱心な質疑・応答がかわされました。またその模様は、NHKなどのニュース番組で報道されました。 弁護団は会見の中で、今回の判決はかなり踏み込んだ判断をしているところに特徴があるとして次の点を明らかにしました。 1、プライバシー権を、「自己に関する一定の情報について、みだりに収集等されない権利」という表現で、人格権の一内容として憲法13条により保護される権利であることを認めた上、「本人確認情報」についても「一律に保護を否定することは相当ではない」との判断を示した。これは、被告側の“憲法は、プライバシー権(自己情報コントロール権)を認めるものではない”との主張を斥けたものといえる。 2、自己の情報の収集等の事前差し止めが認められる要件(「目的外利用や漏えいの危険性」)について判断を示し、住基ネットについても「本人確認情報の提供を差し止めることができる」とした。 3、情報漏えいやデータマッチングの危険性について検討を加え、前者に関しては、長野県侵入実験によって「市町村によっては、当該市町村内の庁内LANに不正侵入される危険性があり、当該市町村内の個人情報が改ざん等される危険性があることを否定することはできない」と初めて漏えいの危険性が存することを認めた。これは、被告側の“住基ネットシステムに危険性はない”との主張を実質上否定したものといえる。 4、判決は、住基ネットからの個別離脱を求める原告の請求を棄却しているにもかかわらず、すべての国民を、強制的に住基ネットに参加させる必要性については何の理由も示しておらず、判断を回避している。 弁護団はこのように判決の問題性と不当性を明らかにしました。そして、原告は「望まない人にまで住基ネットに参加させるのは権力の横暴だ。」と訴えました。 私たちのたたかいによって、裁判所は、訴訟の前提となる内容上重要な諸点において原告の主張を認めざるをえず、被告側の主張を斥ける判断を示したといえます。しかし、結論においては、「住基ネットの行政上の目的の正当性」や「法律上の規定」をタテにして、すべて被告側の主張を肯定し、“初めに棄却の結論ありき”とでもいうような強引な論法で原告の請求を棄却したのです。 今後、私たちは、控訴審において千葉地裁判決の問題点を明らかにし、逆転勝訴をかちとるためにさらにがんばります。 |
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2月9日 大阪地裁が不当判決 ――人権保護より国策の利益を優先―― |
| 大阪地裁(廣谷章雄裁判長)は、2月9日、住基ネット差し止め関西訴訟において、原告の請求を棄却する判決を下しました。 原告・弁護団は抗議の声明を発表し、控訴してたたかうことを明らかにしました。 野村務・弁護団長は「全国民に番号がつけられ、あらゆる情報を管理しようとする監視社会化が進むことが心配だ」と今回の判決の問題性を強調しました。 判決の特徴は次の点にあります。@憲法13条、19条の趣旨に照らして、「個人がその人格の生存や発展を阻害されるような態様で公権力の管理下に置かれない利益」を「法的に保護されるべきである」とした。A原告の主張を認め、プライバシー権を憲法上の権利であるとし、プライバシー権の一内容として「自己情報コントロール権」を認めた。B原告が最も強く主張し実証してきた“自治体現場におけるセキュリティ上の不備”を数多く認め、国側の主張を事実の面でも、論拠の面でも完全に否定しているといえます。 このように、判決は、幾つかの重要な争点について原告・弁護団の主張を認めながらも、結論において被告側の主張を全面的に肯定し原告の請求をすべて斥けるという不当なものです。控訴審にむけて、勝利判決をかちとるためにさらに奮闘しましょう。 |
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区民の異議申立てを認め、住基ネットの本人確認情報の削除を答申――中野区個人情報保護審査会 住基ネットの本人確認情報を、中野区から東京都に通知することに対する区民の異議申し立てを審査していた中野区個人情報保護審査会は、3月17日に「速やかに東京都その他の関係機関と協議をし、申立人らの本人確認情報について、職権消除の処理を求めるべきである」との答申を出しました。 しかし、中野区長は「申立てに係る外部提供の中止請求は認めることができない」と答申の求めを拒絶する見解を表明しました。 |
東京地裁が、杉並区の「区民選択方式」による住基ネットの参加請求を却下 3月24日、東京地裁は”杉並区住基ネット訴訟”で、杉並区の選択方式での参加請求を斥ける判決を下しました。判決は、請求を「行政権限の行使のためのもので、裁判所の審判の対象とならない」と“門前払い”しただけでなく、「区民選択方式」それ自体を「違法な行政事務」と決めつけた極めて不当なものです。 |
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