真言宗豊山派


俳諧誌『田植塚』(乾)

2006年02月26日

享保四年『田植塚 乾』 









     夏 部 
  
材木に買れて桐の若葉かな       月空 居士 
紫陽花の華も尾を出す日照哉      尾州 吟水 
置さりや僧都は鳴てほとゝきす     同 林月 
五月雨の晴や鶏啼屋根の上       筑前内野 助然 
あひたりと薬はきかし芥子の花     伊勢肥柄 紫筍 
青柳の分別借るや今年竹        桑折 衣吹 
紙楔うつやあふきにー異見       桑折 素柳 
高足の鞠か鳴たかほとゝきす      同 古覧 
水加減畔から覗く早ゆりかな      同 蝶翠 
竹の子や走りかゝつて片手打      尾州 ー秀 
汗なかす臍から凉し手水鉢       同 里草 
白雨や臍?れし其たとへ        同 桃川 
ゆすられて落るは梅の若気也      駿州沼津 虎林 
姫百合に立や娘の艶くらへ       同 英和 
氏神を道から拝む水鶏哉        豊前長浜 方翠  
時鳥啼や爰にも山一重         保原 易耕 
三曲の吟か雲井の郭公         同 奇云 
初鰹女中なからも上戸客        白川 何一子 
鍬の柄の抜て走るや麦鶉        同 百出 
菱窓に山見て凉む月夜かな       掛田 苔雫 
浮ふ瀬はなしや小茶屋の花葵      鎌田 吟花 
冠よりあかの裸のすすみかな      尾州 桜川 
手拍子は二階座敷かほとゝきす     同 舟歌 
空船をゆすり崩すな行々子       同 焼井 
一村の火伏に咲や桐の花        桑折 渭流 
骨よハき団扇や人の十五六       同 闘角 
鼻へ出す奢そなけれきりの華      同 桜吟 
味淡し牡丹になりて小盃        亡人 不碩 
凪さふな雲見習んほとゝきす      白石亡人 水音 
青梅や鉢にうかるゝ青海波       本宮亡人 万角 
出掛りてー里一里のすすみかな     保原 自牛 
撫られて眠れ柳の下すすみ       同 鬼角 
人並に猫も跡から凉ミかな       増田 運中 
卯の花や二日の月は入りなから     尾州 除西 
泥に酔ふ鮒のあたまの暑さ哉      同 爽始 
散芥子に蝶は手品のなかり鳧      同 千里 
後生嘸かたひら軽き世のしまひ     駿州長沢 吟笑 
しめ出しの廓に狂ふ蛍かな       福島 靡風  
釣船に酔ふてうつむく緋ゆり哉     同 吟鶴 
十徳の風流はさもあわ桐の花      桑折 ?走 
木枕を割て御ための蚊やりかな     同 卜端 
やかましき市に馴てや行々子      同 桐子 
ふらふらの蓮の蛙や楽坊主       江戸 錬石 
子を寐せてほかりほかりの蚊やり哉   飯坂 莚鐘  
もみ瓜や酢い中となる茄子漬      同 不珍 
夏菊や此時ほしき秋の風        尾州 風野 
はり肘て松は暑さをこらへ鳧      桑折 ー水 
白無垢や垢も一しほ花卯木       同 梅雫 
硝子の鷺を放さんかきつはた      同 波燕 
夏の夜は虱狩間に明にけり       同 淇風 
色々の声色似せて凉かな        同 緑水 
気抜した人のたとへや氷餅       保原 歌橋  
ーくもりさそふ麓のしミつかな     福島 志中 
彼鳥の糞も尋んきりの華        同 和石 
葩て飛蚤や日和の三世相        桑折 乙角 
凌霄や千疋猿の梢より         同 如? 
水茶屋や椽の下より杜若        同 柳縁 
青梅の祖父と呼れん今年から      同 梅人 
気違をおひき出すや行々子       同 不? 
穢多村の聟入はやせ行々子       白川 四夕 
楫音をしつめて風の幟かな       須賀川 晋流  
階子からー瀧見たるあやめかな     岩城 沾薄 
東路やあやめの台に松露籠       同 右巴 
薬日や蓬五葉の伊吹山         同 昨非 
君か手に鶉となりて粽かな       同 沾梅 
染鍔の厨子に輝くあやめかな      同 沾荷 
  
  







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