「X線の眼を持つ男」1963年アメリカ



ロジャー・コーマン監督 レイ・ミランド

「これはまあ、コーマン監督らしいアイディアの一人勝ち映画だね。シンプル・イズ・ザ・ベスト!」
「そのアイディアというのは、単に眼が良くなりたいっていうだけ(笑)」
「だからこそ、いいんだね。主人公は医者で、自分の目で透視が出来ればレントゲンなんかいらないし誤診も防げるし、人類にとってハッピーなことばかりだ・・と考える。で、独自に開発した目薬をさすとア〜ラ不思議!透視ばっちりというわけ」
「最初の方は笑いをとる展開で、クスクスしちゃう場面が多かった。パーティの会場で、お客みんながハダカに見えたりして、当たり前の展開なんだけど、そのチープさが良かった(笑)」
「で、ある患者の手術をやるにあたって、執刀医は明らかに誤診をしてる・・そこで主人公ミランド君は誤診だ!バカな!すったもんだの挙げ句、執刀医の手をメスで傷つけてミランド医師は勝手に執刀する。そこいらあたりからトーンがシリアスになってきて・・」
「だんだんとサスペンスになってくるのね。ひょんなことからミランド医師は警察に追われて逃げ回らなきゃならなくなって・・行方をくらます」
「くらました先が見せ物小屋で透視ショーをしていたってわけ(笑)。最高に可笑しい。見せ物小屋でも、ほかの芸人たちから、あいつ本物かな?本物なら、こんな見せ物小屋なんかにいるわけがない・・とか言われるし、小屋のオーナーがマネージャーについて金儲けしようとしたり」
「段々ともの凄いサングラスっていうか、頑丈な黒メガネをかけるのね、理由は眼を閉じていてもモノが見えて見えて仕方ないから(笑)」
明るすぎて夜も眠れないとか(爆)」
「なんかこういうマッドサイエンティストの末路って、いつも哀れで、そこをレイ・ミランドは切実に演じていたから、映画全体のバカバカしさと好対照で良かったと思うの。悩めば悩むほど笑っちゃう」
「まあ、でも結構シリアスなエンディングなんだよね、不気味な終わり方(笑)。でも、笑っちゃう」
「全体としてはお決まりの展開ばかりで、わたしとしちゃ、そこはちょっと工夫してもらいたかった・・カジノとか行くのも」
「透視ができりゃ誰だってカジノに行くさ(笑)」
「そういうお決まりより、もっと斬新なアイディアで見たかったっていう感じはあるけど・・」
「レイ・ミランドは<恐怖省>とかでもそうだったけど、なんかカラダの動きが鈍くて(笑)ヒッチのケーリーグラントとかJスチュアートとかと似たような境遇に置かれる割りに、爽快なサスペンスにならない」
「二枚目俳優というよりは明らかにカルト系。あの深刻そうな眉間のシワは宇津井健と対決させたい(笑)でも、まあ、あんまり文句言ってもしょうがない映画だしねぇ。なんか最近こういうのばっかりね(笑)」
「次はお好みにまかせます」(1999.7.1)


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