「スラムダンス」1987年アメリカ



ウェインウォン監督 トムハルス ヴァージニアマドセン ハリーディーンスタントン

「<ジョイラッククラブ>のウォン監督の、これは抑制の効いたサスペンス劇です」
「というか<アマデウス>のトムハルスの芸達者なところが好きなの。もっとバンバンと主演作があってもいいのに」
「・・というか(笑)僕は断然Vマドセンなんだなぁこの映画は」
「ストーリーはというと、漫画家トムハルスがある日、何者かに強引にラチされて、例のブツを出せっと迫られるけれど彼には何のことか分からない・・で警察に行って事情を話すと、これはどうやらかつてつきあっていた女が絡んだ謎らしい、しかもこの女は殺されていて、その犯人に仕立てられそうにすらなって、おやおやと思っているうちに生前彼女から送られてきていた写真が手に入る。どうも乱交パーティの写真みたいだ・・・」
「滑り出しはとても快調、全編テンポもいいし凄く新しい感覚っていうか、ごく最近の映画にも似たセンスだよね。それでまた彼は襲われて写真を奪われるんだけど、意外なところにもう一枚写真があった!」
「スタントン刑事が、例によってオトボケ風の味わいで、絡むんだか絡まないんだかで(笑)結局どうやらその写真は政治家たちのセックススキャンダルの証拠写真だったらしいんだけれど、全ての謎は最後になっても明らかにされないのね」
「そう。サスペンスとして非常に奥ゆかしい(笑)だってこういう巻き込まれ型サスペンスっていうのは、どうしても巻き込まれた主人公に感情移入するから、謎が謎を呼ぶし、そこは見極めたいという気もするけれど、だからといって全てが明るみに出ちゃったら、なあ〜んだ・・ってことにもなりかねない」
「そこが抑制の効いた・・っていう意味ね」
「その通り。別れた妻、悪役、下宿のおばさんも細部が丁寧。ああいう人間味の細部があるからサスペンスに味が出る。それとVマドセンの描き方。既に死んでるからっていう設定もあるだろうけれど、セリフ少なく、あくまでもトムハルスの回想のなかにしか登場しないし、あの美貌はホントため息が出るくらいに素敵!しかも権力に抹殺された美女という役どころはなかなかはかなくて(笑)印象的だ」
「ベタボメねぇ、ま、確かに彼女は<エレクトリックドリーム>の時からすっごく可愛いって思ってはいたの、雰囲気ある女優よね」
「いやあ嬉しいな、そう言って貰えると・・うんうんトムハルスも良かったけれどね、彼、見ないね・・」
「意外と<アマデウス>の後が続かなかったっていうか、ちょっとワンパターンな気はする。それにあの童顔っていうかなー、まJトラボルタがこれだけウケてるんだから彼が脚光浴びてもいいような気もするけど」
「トラボルタほど濃くはないけれど・・カジモドの声じゃね(笑)」
「それと映像の妙というのは狩刈くんも言うとおり、とってもモダンなセンスよね、深みのある、コントラストが鮮やかな映像だったし」
「そう。やっぱりウォン監督なりの香港ムービー的なテイストはあったかも知れない・・って最近のテイストだけど。とにかくこの映画は、なんか87年作品というのに気がつかないくらい新しさがあるよね、音楽とかもそうだし」
「HOLLYWOODの看板の裏が出てくるのは、ウォン監督としてはなにか思い入れがあったのかも」
「なるほど・・楽屋落ちみたいだけど、わざわざああいう場所を選んだっていうのは、ハリウッドで作ったぞーみたいな、ね」
「キャスティングも面白いの。アダムアントが意外な、でもハマった役で出てたっけ」
「そうそう・・それから<アンネの日記>でアンネをやったミリーパーキンス! わずかながら貫禄十分の登場には、ちょっと驚いた」
「まあ小品だけど、密度の濃い映画よね」(1999.3.6)


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