「シンドバッド 黄金の航海」1974年アメリカ


ゴードン・ヘスラー監督 ジョン・フィリップ・ロー キャロライン・マンロー トム・ベイカー

「いったいどうしてこんな映画を見たのかというと・・」
この映画のキメゼリフがもう一度聞きたくてね(笑)」
「シンドバッドの仲間が『ボクはアラーの神を信じますよ』と言うと・・」
「シンドバッドはこう答える『人間も信じろ!』(笑)。で、これってまさにアメリカ同時テロ以来のアラブ世界へのメッセージではあ〜〜りませんか・・」
「(笑)狩刈くんは反米主義者だしね」
「あっあそれまずい、まずいですよ。世間では反米主義者は平和ボケだと思われる・・でも平和ボケでナニが悪い!平和なら平和なりの価値観をうち立てていくことこそ重要ですよ、ボケちゃ困るけれども」
「はいはい・・と、ところでこの映画は70年代のレトロな特撮がバンバン出てきて、ストーリーもまあ奇想天外だし、大人から子供までワクワクして見られる娯楽作品ね」
「そう。<七回目の冒険>と<虎の目大冒険>というシンドバッド映画シリーズの間に挟まれた第二作で僕は子供の頃全部観たけど、今回の<黄金の航海>が一番ワクワク!ドキドキしたっけ・・」
「アラブの船長シンドバッドが航海の途中で、ヘンテコな金の銘板の破片を手に入れるのね。そしてそれは、とあるアラブの国に伝わる伝説の宝物の一部で、その銘板全部を伝説の泉に投げ込んだ者は不老不死、絶大な富と権力を手に入れることが出来る・・」
「で、そいつをやはり付け狙っているのが魔法使いのクーラ。シンドバッドはクーラと闘う首相と、ひょんなことから知り合った女奴隷と仲間たちみんなで、伝説の泉めざして大冒険。ちなみにこの女奴隷がキャロライン・マンロー♪
「80年代に入って<インディ・ジョーンズ>とか、90年代の<ハムナプトラ>とかの秘境冒険大活劇の原型がここいらにあるわけね・・」
「いや、このテの冒険活劇なんてのはもっと大昔からあったわけだけれど、女奴隷キャロライン・マンローの原型はここで作られた・・
「魔法使いが魔法使うたびにに老けていくんだけどそれを心配する従者とかの描き方が結構念の入った演出ね」
念が入ったといえばキャロライン・マンローの衣装ですよ、着ているみたいで着ていなくて、いつもうっすらオイルを塗ってお肌がテカテカ、アブらっけムンムン♪てなかんじ・・」
「はいはい(笑)さっきからソレばっかり。もっともそういうお父さん向けの(笑)目のツケどころもちゃんと忘れないサービス精神が、娯楽としてとっても良く出来てるってことはいいよね」
「そうそう。子供でも連れてお父さんが見に行くタイプの映画なんだね、『おい、シンドバッドの映画、見に行こうや』とか子供を誘ってね。『原作はアラビアンナイトだぞ!』ってね『学校で習ったろ?』とか言いながら・・それで目はキャロライン・マンローのデカい胸元に釘付け。出てこないと寝てる(笑)だから子供の言う筋立てと話が合わない」
「(爆)まあ、よくもそうリアルなディテールが出てくるよ。お父さんになった時の狩刈くんが思い浮かぶよ・・」
「まあ大して今と変わらないはずだけどね・・と、ところで当時の映画の楽しみってのは特撮にもあったわけで、それもイマドキのCGとかのない画面合成とピアノ線と着ぐるみ模型の世界。そうしたレトロと女史の言うチャチさ加減がね、実は古くならないってことを発見したよ」
「古くならないっていうか、古いなりに楽しめるっていう感じね」
「そうなんだね。昔の人はこんなことで喜んでいたのか・・なあんていう見方。手作り感覚とでも言うかな。舞台裏、裏方さんの映画作りに賭ける暖かい熱意が感じられるというべきか」
「確かに今のCGに頼ってるような特撮は、本当らしく見えはするけれど、でもかえって映画の寿命を短くしてるかも・・一回観れば飽きるみたいな感じ。ワザとレトロっぽさを狙った<ワイルドワイルドウェスト>なんかも奇想天外さを狙ったのがミエミエで結局ゲンナリだったしね」
「この作品に出てくるアンコール・ワットもどきの舞台装置とか、ヘンテコな怪獣とかが飽きないわけじゃないんだけど(笑)型どおり、っていうところが逆にいいのかもね」
「もうちょっとこういうの、観てもいいよ」
「僕ももうちょっとキャロライン・マンローを・・と言いたいところだけれど、今度はね、シビル・ダニング♪
「だれそれ?」
「ふふふ。ナイショ。でも『原作はギリシャ神話だぞ!』ってね(笑)」
(2001.10.8)


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