三大怪人史上最大の決戦」1972年スペイン・フランス



ジェス・フランコ監督 ハワード・バーノン デニス・プライス

「なんでこんな映画、見なきゃいけないの?」
「あっあっ・・僕がどんなにJフランコ好きか知ってるくせに(笑)でも、まあ・・そうだよね。えー。なんででしょうか・・」
「なんででしょうか、じゃないよーまったく。いつかも<ジュスティーヌ>でダマしたでしょ、サドものコスチュームもので全然エロじゃないって」
「その通りだったでしょ。おまけにタイロン・パワーの娘ロミナまで出てるしシルヴァ・コシナも・・見て損はしないと思ったんだけどなあ」
「でも映画としちゃサッパリ!で今回は、フランコ監督の吸血鬼モノは有名だからってんで・・確かに有名になるでしょーよ、このヒドい出来ではね、これ映画?」
「まあまあ、いちいちごもっともなんだ。で、えー早速、物語に入らさせていただきますが、えーかの有名なフランケンシュタイン博士が、得意の蘇生術でドラキュラ伯爵の死骸を甦らせて、次々に村人を襲わせて吸血鬼にさせちゃって、怪物フランケンともども皆で仲良く世界征服を企むんだけど、これに対してスワード博士という人とジプシー娘と狼男の連合軍が満月の夜に迎え撃って、まあ見事、善は悪に勝つ、という溜飲の下がる素晴らしい傑作です」
「・・・・」
「見所はと言いますと、これ全編見所とも言えますが、特に素晴らしいのはコウモリの死骸と化したドラキュラを実験用ビーカーに入れて、そこに若い娘の生き血をドボドボ入れますと、なんと死んでいたはずのコウモリが苦しがって生き返るシーンであります」
「・・・・」
「この場面、溺れてるとしか思えない可哀相なコウモリちゃんでした・・・あ、ちぇっ。女史のやつ、いなくなっちゃったよー。じゃ、この際、一人トークするしかないか。<冷血人間スネーク>の時以来だ」
「ははは。でも<スネーク>の方がまだマシと言えるんじゃないかなあ、あっちにはまだ映画的な体裁はあったし」
「そうだよねぇ。Jフランコの映画っていうのは、撮影中も、撮影後も、いったいどんな映画になるのか誰も分からないんじゃないかっていうくらいに、無意味なカットばかりで出来てることが多いよね」
「セリフがね、ないんだよね。多分脚本なんかないんだね。で、出来上がったフィルムに勝手なナレーションをつけて、なんとなく物語らしきものを語って、あ、そう・・とか思っているうちに終わっちゃう。でもこの映画はなんとリメイクもの!(爆)この種の三大怪人大集合映画は、実は40年代のユニバーサルの専売特許だったんだ」
「この映画で面白いと思ったところは、実はまったくナイんだけれど(笑)強いて言えばですよ、強いて言えば最後に吸血鬼と化した村の女がフランケンシュタイン博士の助手を襲って殺しちゃって、それに憤慨した博士がドラキュラもろとろ自分で全員退治しちゃうんだよね『わたしが蘇生してやったのに恩知らずめ!!』とか言って。で、うっかり怪物フランケンも殺しちゃったりして、博士、よっぽど頭に来たんだろうね(笑)」
「そこにスワード博士が到着して、まあ戦わずして勝利をおさめる・・・だからかな、スワード博士は神に感謝したりしてね」
「あれ、すごくヘンな展開だよね、すごく不思議。普通の人じゃ、もすこしマトモな結末を考えると思うんだよ」
「うーん。でも普通の人は、あそこにたどり着く前に、映画館を出ちゃうんじゃないかなあ」
「あ、それは言えるかも(笑)。でも前半はさ、なんか太股丸出しの赤いネグリジェ女が見境いなく喚き散らしていたり、急にキャバレーのカンカンショーが始まったり、とにかく全編キ○ガイ病院の仮装学芸会だよね、で、それって面白くない?」
「どうかなあ・・最初のタイトルバックでスクリーン一面にデカデカとJess Francoって出るでしょ。あそこで僕なんかワクワクしちゃって、あとのシーンはどうでもイイくらいなんだ(笑)」
「そんじゃ最初の3分で終わってるんだ(笑)じゃこっちもそろそろ切り上げようか」
「そーしよー。今度はもちっとマシな吸血鬼映画を見ようね〜〜」(2000.3.27)



シネマギロテスクに戻る