「モンティパイソン アンド ホーリーグレイル」1974年イギリス

テリーギリアム、テリージョーンズ監督 モンティパイソン

「製作から24年後の今日、あらためてこうして見ると、この映画の面白さは訳が分からないね(笑)」
本当に面白いのかさえ分からない(笑)けど、そこはバカバカしいの一言で片づけたくはならない?」
「うーん(笑)確かにあんまり熱狂的に語り合いたいという気持ちはないな、特にモンパイフリークと語り始めるとヘンにノスタルジックになっちゃうかも」
「相当にアクラツなイギリス風ユーモア、体制批判みたいなものはちょっとねー・・もはや古めかしいというか」
「そりゃ仕方ないよ。この映画で本当におかしいのは、とにかく全体がキ○ガイ病院のように見えるところだよ、僕はそう思うな、その他の例えば<人生狂騒曲>や<ライフ・オブ・ブライアン>みたいな映画は一応こなれた映画として見れる気もするけど、この作品では恐るべきハチャメチャぶりが映画の進行そのものを破壊してる、それが楽しめるかどうかはもう観客次第でね」
「で、わたしはちょっと楽しめなかったの、立ち止まってばかりいるようにも見えたし、そこのところをテレビシリーズのようにギリアムアニメで転調突破していく意表の突き方が伝わらなかったよ」
「ううむ鋭い指摘(笑)アニメ効果は、確かにやや弱かったような気はするな・・監督と出演でギリアム忙しかったのかな?」
「それでも、最初に馬に乗ったふりして出てくるでしょ、それが映画が進むに連れてごく当然みたいに思えてくる、そんな自分にフッと気がつくような瞬間、面白さが爆発するわね」
「彼らのペースに知らず知らず巻き込まれてるってことは多いよね。とはいえ、どうにかこの映画にまとまりがあるとすれば、それはアーサー王を演じたGチャップマンの功績だと思うね、彼の偉容というか尊大さ、そして突然口ごもってしまいその場が一瞬空白になるような絶妙さ、そのコントラストが随分見受けられた」
「ま、それだけ物語は寸断されたワケだけれど(笑)Jクリーズはあまり活躍してなかったように思ったけど」
「そうかなあ・・数多くの端役で活躍してたんじゃないかな(笑)前にも話したけど彼の芸風は長いシークエンスで効果的に発揮されてく。一発ボケでなく、どちらかというとツッコミ役で段々とテンションが高まって爆発するみたいなね、その意味では出番は少なかったのかもね、芝居とかの問題じゃないから、このテの映画は。それと全く自主映画みたいな条件で製作されたってことも災い(幸い?)してるんだと思うな、ヘタウマの笑いと素人の笑いとは全然違うけど、まあ素人映画で犯しがちなミスから来る可笑しさを正面切ってとりあげてるところもあるよね」
「例えばクローズアップがほとんどないとか、全員が必ずこちらを向いていて、互いに顔を見合わせて話したりする場面がないとか」
「そういうことをきちっと明確に意識しながらやってる」
「だから今になって見ると相当に異質な映画っていう観は否めない」
「最近の映画、特にアメリカ映画は常に画面が動いているじゃない、ドリーにしてもトラックにしても。そういう洗練とは別の、そこにカメラ置きました、よーいハイッていう雰囲気こそが学生演劇集団モンティの出発点だったとは思う」
「じゃテレビシリーズの経験は生かされてないの?」
「うーん(笑)ホントに凄いバカやってる、という感じでもないんだよなぁ確かに。そこがまたヘンに変なんだけどね」(1998.8.13)

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