「超人ヘラクレス」1983年イタリア



 ルイジ・コッチ監督 ルー・フェリグノ シビル・ダニング

「ま、これは少年筋肉マンガ
「こういう映画を見ると、俳優も監督も、その他の皆さん、みんなよく恥ずかしくないなあって思う(笑)」
「お仕事だからねぇ(笑)。前回<シンドバッド黄金の航海>では女奴隷女優の決定版キャロライン・マンローをご紹介したわけだけど、その最後に予告したとおり、今回のこれはミストレス女優の決定版シビル・ダニング様が登場するなんともバカバカしい作品。でも原作はギリシャ神話」
「神話が泣くよ(笑)。なにかっていうとすぐに宇宙空間が出てくるのはどういうわけでしょ?
「まあ・・多分・・コスミックな神の眼差しを表現しているんだな、プラネタリウムよりヒドイけどね。ゼウスなんかサンタクロースだったし・・ロッサナ・ポデスタの演じた女神ヘラなんかチチョリーナかと思っちゃったし
「一応はギリシャ神話なりの展開なのね・・少なくとも登場人物の名前とかは」
「いちいちストーリーを繰り返すのもバカバカしてんだけれど、テーベの王子ヘラクレスはゼウスの落とし種。ミノス王と娘のアリアドネーの策略で殺されそうになって間一髪、ボートに乗せられドンブラコ・・やがてお婆さんに拾われました、と話は急速に桃太郎になっていく・・
「ダイダロスが送り込んだハエみたいなメカがまたクッダラないよね、タイムボカンみたいなの(笑)」
「ひゃっひゃっひゃっ!タイムボカンとはまさに言い得てるな(笑)」
「それからクマが父親に襲い掛かってきて、それをヘラクレスは投げ飛ばしました・・って、今度は急速に金太郎なの(爆)」
「時空を超えたところが神話的だよ、まさに(笑)とにかくありとあらゆる細部まで下らないんだけれど、主人公ヘラクレスはこう悩むんだね『ボクは他人より力が強い。それが哀しみを生むんだ』って。これって生まれいづる悩み実存的な苦悩じゃないかね(笑)。あの<超人ハルク>で全身ミドリ色に塗ってガオ〜〜ッとホエるしかなかったルー・フェリグノがだよ、こんなに賢くっていいのかね」
「<コナン・ザ・グレート>のシュワちゃんだってそこまで悩まなかったよね〜〜」
「映画自体が死に至る病、って感じなんだけど、そのうちカシオペア姫なんてキレイどころが出てきたと思ったらルー君、ハッスルして丸太を投げ飛ばしちゃったもんだから、それがまた宇宙空間までグーンと飛んでいく・・そこで宇宙船にパッと切り替わる。のかと思っちゃった」
「魔女キルケーとか渡し守のカロンとか、まあそれぞれに出てきてくれはするんだけど、なんだかね〜〜よく恥ずかしくないよね」
「で、問題のシビル・ダニング様はというと悪の化身ミノス王の娘アリアドネーだ。巨乳バクハツのコスプレ・スーパーガールでもう、おみ足にスリスリしたくなっちゃうところ、意外にも弱い。見せ場なし(笑)」
「アゼンとしてアッケにとられて、筋立てなんか忘れちゃったよ」
「(笑)僕も。ま、この映画は子供向け映画で、シビル姉さんが本領発揮するのは当然にR指定映画。実はこの年にポール・ニコラス監督が作ったリンダ・ブレア主演の女囚映画<チェーン・ヒート>の方では大活躍で、それはそれは僕、この作品を買ってるんだけれど、残念ながら今回のコレではまあ添え物でしかなかったな」
「あ、その映画はいつか見たよね、ヘンリー・シルバとかステラ・スティーヴンスとかベテラン脇役がよく出てたんじゃなかったっけ?」
「それそれ。でシビル・ダニング様は女囚の牢名主みたいなアネゴ役で、実に気合い入っていたんだけど、その後はいわゆるVシネマの方ばっかりで最近は音沙汰ないのが寂しい・・ってもう50じゃ、いいや(笑)不問に伏す」
「ルー・フェリグノも、聞かないよね・・って、聞きたくないけど」
「デビッド・バナー博士が行方不明だから仕方ないんだよ(笑)」
「まあ、というわけで今回は終わり! なんかいろんな映画のフッテージも入っていたみたいで、セットは学芸会並だし、どういうわけか音楽だけがまあマトモだったけど、とにかくひどい映画だった・・」
「どうせ最初からそう思って見るわけで、これはドライヴインシアターで彼女といちゃいちゃしながら見るようなね、見ても見なくてもいいような(笑)あ、ちょっと待って、今いいとこいいとこ! え?ここがイイの? いいとこなのに〜〜 イイのかい?みたいなさ(笑)それでそのまま宇宙空間にドカーン!だ(爆)」(2001.10.24)


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