「大地震」1974年アメリカ

マークロブソン監督 チャールトンヘストン エヴァガードナー

オールスターパニック映画華やかなりし時代の一編ね」
「その通り。当時は<ポセイドン・アドベンチャー>だの<エアポート75>だの<タワーリング・インフェルノ>だのと、海、空、街でパニック続出だった。で、小学生で見た僕としてはこれ、傑作の部類だとは思うし、年に一度、防災の日に見たいとも思う(笑)」
「それほど傑作じゃない(笑)。このテのパニックものは人間模様がどう描かれているかがポイント。その点、この映画はちょっとねー」
「いきなりマジに考えないで欲しいな(笑)確かに人間模様という意味では<ポセイドン>に比べるとツッコミが甘い。それは<ポセイドン>が閉じられた空間でおのずと人間模様が濃縮されざるをえなかったのに対して、この映画は街なかということもあって拡散しがち・・」
「おいおい(笑)どっちがマジになってんのよ」
「ついつい(笑)それで・・最初はCヘストンとEガードナーの夫婦喧嘩みたいなとこから入る。これが最後までモチーフとして続きながら、Cヘストンとジュヌビエーヴビジョルドとの不倫ぽい熱愛、そこいらはロマンスの要素。一方地震研究所では、近いうちに大地震が来るぞ・・と分かってワクワクさせつつ、若い研究者が権威ある年寄りの横暴で葛藤。更には熱血コップのジョージケネディ(笑)がお間抜けな展開で停職処分に。酒場でヤケ酒をあおってる。まだある。スーパーマーケットの店員が、ヘンテコな女に色目を使ったり、スタントバイカーの二人組が出てきたり・・」
「要するに、まあそうやって大都会を舞台に人間関係を作り出そうというのよね、そこがドダイ無理」
「これは奇跡的な人間模様ですよー(笑)。地震が起きるまでの1時間、僕は飽きなかった。ご都合主義ではあるけれどね」
「で、いよいよ地震でドラマがどう深まるか、というと、全然深まらないわけ。もっと工夫のしようはあったわね」
「だから(笑)マジに見ないでいこう、どうせパニック映画なんだから」
「観客の興味は、いつ、どのように地震が起きるか? で、その地震のシーンは結構見応えあった
「とにかく長い。10分間くらい揺れ続けてる。ありったけのセットを壊しまくって、そこはカタルシス。全く正統的な地震映画だと思う」
「軍隊が出てくるじゃない、でも治安維持のためなのね。スコップ持って人命救助かと思っていたら、みんな銃を構えてガレキの街で隊列組んで。あれは我彼の違いって感じだった(笑)」
「途中、Gケネディが子犬を拾ったりしてヒューマンな展開もある。おまけに州兵の狂気みたいなもの、あれは極限状況で精神に異常を来すっていうかな、そんな豹変も面白いし」
「あと、最初から、どうもダムに亀裂が出来てるんじゃないか、っていう伏線もあったわね。みんなが地下3階に避難してるのにっていう緊迫感ね・・ああいうお約束は、常套とはいえよく出来てる(笑)とは思う」
「酔いどれウォルターマッソーが意外なところで登場して笑いを呼ぶし。古くさいギャグ飛ばしたりして」
「そうね・・でも問題は共感なのよ、前半の人間模様に共感が感じられないの。この人は助かるかしら!?っていう思い入れが足りないって、ずっと思って見ていたんだ、わたしは」
「はあ・・共感不足か。僕に言わせればお色気も不足してた。そこは残念だったなあ。まEガードナーは別としてもGビジョルドもお色気というには程遠い感じの女優だしねぇ。<戦慄の絆>でさえ、全然ピンと来なかったんだから・・」
「音楽はジョン・ウィリアムスね」
「ものものしいオープニングがね、これはもうモンド映画だ!って雰囲気でね(笑)ヘリコプターで大都会上空を飛んでね。昔見た時、僕はあのオープニングだけで緊張感に襲われたものだ」(1999.7.28)

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