「クライム・オブ・パッション」1984年アメリカ



ケンラッセル監督 キャスリーンターナー アンソニーパーキンス

「ひゃっひゃっひゃっ(笑)」
「・・とバカ笑いするしかない映画ねぇ(笑)」
「これ見て、何か語り合うってこともないんだけれど、かといってそれじゃ、いいムードになれるかというと、断然ムリだし」
「(笑)一応、映画について・・昼間はデザイナー、夜は娼婦というKターナーがいて、そこに、自分は彼女の分身だと信じてるパラノイア牧師パーキンスと、セックスのことで夫婦仲に亀裂を来したジョンラフリンとが絡む・・」
「いいや、今回ばかりは何を喋ってもナンセンスだと思うよ。僕は、懐かしき風営法施行前のカブキ町とか思い出した。あるいは42丁目だね、Kターナーのコスプレ娼婦の大熱演は素晴らしい!もともと上品とはいえない顔立ちだけど、これはハマッてる。全編ニオッてくる(笑)なんていうか、むか〜し場末でよく見たような、洋モノポルノのテイストそのものだった(笑)」
「<ロマンシング・ストーン>と同じ頃の作品ね、彼女のキャリアとしてはごく初期の作品」
「映画はとにかくセックス、セックスのオンパレードで、これがいかにもラッセル監督らしいグロなパノラマというかな、紙芝居的なスピード感?で繋いでいて、あの想像力の飛躍にはまったく飽きない」
「全編ブラックユーモアなんでしょうけど、ウラもオモテもなく、結局はポルノ映画よね、これ」
「ま・・そうなんだね。<アルタード・ステーツ>の失敗を経て、ラッセル監督も捨て鉢になっていたのかな(笑)神も警察もコワかねぇぞって感じだ。多分、正常な感覚の持ち主なら、この映画で唯一理解できるのはJラフリンの奥さんで、そこにだけは、まあ共感すると思う」
「アニーポットね、あたしもそう思った。彼女は<ゴーストバスターズ>でも馴染みだから。あんないい奥さんを裏切ってJラフリンがKターナーに走るという結末は、なんとも・・」
「なんともブラックで、そこは一貫していたと思う。もともとラッセル監督ってちょっと説教臭いっていうかな。あまりのバカバカしさの連続で、登場人物がたまにマトモなことを言うとそればかりが映画のメッセージか・・みたいに目立っちゃうことがあるけれど、まあ今回はそれなりにおバカを全うして終わったと言う感じかなあ」
「ま、男はみんなKターナーみたいな女に憧れる、というのはあるのかも知れないわねぇ、彼女は結構母親的な感じ?あくまでもアタシがリードしてあげる・・みたいな感じで迫るでしょ?ああいうのが男はスキなのかなあ」
「ラクではあるよね・・いや研究して下さい、女史も(笑)」
「まあ、それはともかく(笑)パーキンス牧師、彼の支離滅裂さは、もう自分のパロディを物真似してるとしか言いようがないくらいだったわね」
「ひゃひゃひゃっキョーレツだね。完全に発狂してる・・全く意味不明の存在感をアピールしていて、この映画の破れかぶれなバッドテイストには大きく貢献した。それとリックウェイクマン編曲の、ドボルザーク新世界のアレンジもヒステリックで、それはそれは素晴らしいと思ったな」
「で・・この映画、ヒトに勧めると、ちょっとこっちの神経を疑われるかもしれないわね」
「まあね、でも僕は他でも疑われて仕方ないことしてるから(笑)まあ相手をよく選んでお薦めしたいな。それと、もし誰かと見るんなら、くれぐれも人選には配慮してねって感じだ」
「ま、それだけ神経を逆撫でする毒のパワーは充満してるよね、石井輝男監督の、その昔のエログロ路線みたいな感じ」
「ああ、センスは違うけど馬鹿馬鹿しい毒々しさは、案外そうかも」(1999.2.3)


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