「カジノロワイヤル」1967年イギリス

ジョンヒューストンほか監督 デビットニーブン ピーターセラーズ

「まあ、あんまり語ることも無いんだけれど(笑)」
「確かにそうだ。やめようか(笑)」
「せっかくだからオールスターキャストを見ていきましょ。まずわたしはウッディアレンの例によってマザコン的小心者のおバカ加減がとっても好き。ほとんどアドリブじゃないかしら、あの銃殺される場面は」
「僕はオーソンウェルズ御大だな、彼の映画<フェイク>を少し思い出させる。あえなく頭を打ち抜かれて・・というのもおバカウェルズをまっとうしたし。まったく<黒い罠>や史上最高の映画<市民ケーン>を撮った人物とは思えない。もっとも、この映画に限らないけどね」
「あとほんの一瞬だけ登場するジャンポールベルモンドもね、たまたま通りかかっただけっていうか、偶然隣のスタジオで撮っていて、間違えて入ってきたって感じ」
「そしてピーターセラーズ。この、あまりにも下らない不思議な映画は彼のおかげで少しは纏まりがあったように思うな」
ナポレオンになったりロートレックになったりするのに?」
「そう(笑)。あとマイケルケインになったりしてる」
「まあね(笑)。確かに彼が出てきてからは見ていて心構えが違った(笑)いつかなんかやってくれるって思ってたけど、変装以外には特になんにもやってくれなかったよねー(笑)。彼とアーシュラアンドレスとの絡みが続くと、Dニーブンがしばらく出てこなくなって、なんか少し違う映画になっていくのかと思わせながら、今度はピーターセラーズ自身がどっかにいなくなっちゃってまたDニーブンが出てくる」
「ま、それぞれクセのある役者たちが勝手にお遊びをしたという感じ。PセラーズとOウェルズは仲が悪くて二人のカジノのシーンは別々に撮ったらしい。ここまでハチャメチャに遊ぶんならどうしてショーンコネリーを出さなかったのかっていうのが不満だなあ」
「Sコネリーも出ていたんだけど誰も気がつかなかったっていうのは?(笑)本家としては絶対に出せないわよ、こんな映画には(笑)」
「本当に笑えるかというと、実は全然笑えない映画だったりする。アクビの連続だった(笑)。本当にお遊びしてるかというと、まあ語るに落ちるし(笑)。バートバカラックの音楽が救いといえば救いだな、軽快で小粋で、とても洒落てるよね」
「映像のレトロな雰囲気が今となってはオシャレよね、スパイの秘密アジトにミニスカートの金髪美女がうじゃうじゃ出てきて」
「最近の<オースティンパワーズ>みたいな懐古趣味の原点がここにあるわけだよね、<電撃フリント>とか。<黄金の七人>とか。要するにこの時代には、こういう映画がウケたんだってことが後世に残された」
「そういう意味では、スタイル。それがあったってことよ、ハチャメチャにもスタイルがあった」
「確かにそうかもね。ハチャメチャのアホぶりについてはレスリーニールセンの映画なんかがこれを継承してきたわけだけれど、ここまで本当のオールスターでバカやるという面での継承は、最近は途切れてるよね、アルトマン監督で是非やってほしい」
「またやってほしいわね、ロバートデニーロなら必ず出るわね」
マーロンブランドも」
「それに加えて・・」
ケビンコスナーだ!!」
「うんケビンコスナー!!」 (1998.7.3)

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