「ブレージング・サドル」1974年 アメリカ


メル・ブルックス監督 クリーボン・リトル ジーン・ワイルダー

「まあ、モノはついでに見てみたら、という程度の作品だけど、それにしては結構、大作!てな感じの作りだよね、金がかかってる」
パロディ西部劇だから、ホロ馬車のながーーい列とかインディアンが迫ってくるモブシーンとか、見たような西部の街並みとかね・・でも、そういうのこそハリウッドでは安く出来るものよ」
「あ、そうか・・最近、地味なヨーロッパ映画づいてたんで、気が付かなかったよ(笑)」
「ストーリーはというと西部の荒野に鉄道を通すために、州政府の悪徳補佐官が、邪魔になっている街をならず者たちに襲わせる・・それに立ち向かう保安官が」
「なんと黒人(笑)。まあアメリカ人ならではの人種差別ギャグのオンパレードなんだけど、なんだかなー。僕、この作品はお手軽に作られちゃっていてね。というか、かえって後年のブルックス映画の更なるパロディみたいに思えちゃう」
「ブルックス映画でなければきっと見なかったと思う(笑)まあ、そんな程度」
「とはいえこれはオスカー候補作だった・・ということはアメリカ人の愛するタイプの映画なんだね。こういうの、最近は見かけなくなっちゃったけど」
セリフ回しがね、これが絶妙なギャグなの・・字幕では全然、伝わってないけど。ドイツ語なまりとかも入っていて、すみずみまで行き届いたセンスが笑える」
「ダジャレの範疇から、下ネタ、人種差別ネタ、映画界の内輪受け、いろいろある。ま、なんていうか、いかにもアメリカ映画、アメリカ社会のギャグだね、今回は西部劇ってこともあって特にそれが強かった」
「ところでブルックス監督自身の出番はそうは多くなかったのね」
「実は僕、俳優ブルックスが好きなんだ、今回はアホな州知事とかに扮しているんだけど、もっと彼が見たかったな。あのデカ鼻シブ面シャガレ声が好きなんだ」
「確か、大々的に映画を作りだした初めの頃よね、この作品は。3本目くらい? だからちょっと余裕がなかったっていうか、遊びが、言葉、セリフ回しに偏っちゃっていたのかも」
「そうかもね。そのくせ最後はハリウッドのスタジオで大暴れして、例によって、映画作りの楽屋落ちみたいなネタで遊んだりしてたよ・・この頃からネタは同じ」
「<スペースボール>じゃカメラとか撮影スタッフが出てくるし<新サイコ>じゃカメラがセットの壁を壊しちゃうし・・やってることは同じね」
「この<ブレージング・サドル>の次に作った<サイレント・ムービー>は、セリフに依存しないで作ったわけで、ブルックス監督としちゃ多分、相当にいろいろとやってみたかったんだろうね。ところで今回のカメオはカウント・ベーシーで、荒野で彼のオーケストラがスイングしてる(笑)ああいうのが、単純に楽しいんだよ」
「あとはKKKとか、ヒトラーとか(笑)」
「またしてもお馴染み・・っていうか、そういうの、いわば彼の映画じゃ常連出演者なんだ(笑)」(2001.2.10)

シネマ・ギロテスクに戻る