「シックス・デイ」2000年アメリカ



ロジャー・スポティスウッド監督 アーノルド・シュワルツェネガー

「わたしはまあ、あんまりこのテの映画を見ないからモノ珍しさも手伝って、まあ面白かった。飽きさせないし手に汗握るって感じで・・でもシュワちゃんが老けたのはまあ、仕方ないよね(笑)」
「僕もまあ面白かったな。僕はあんまり売れなかったダークな<トータル・リコール>なんか好きだったから、今回のコレもイケたクチ。で、実はこの作品のあんまり売れなかったらしいんだけれどね」
「違法になってるクローン技術を駆使してお金儲けだかを企んでいるバイオテクノロジー企業の会長が何故かビル・ゲイツのそっくりさん、ていうのも面白いよね・・」
「ははあ、彼ね。まあ、物語は手が込んでいる方で、ひょんなことからその企業によって勝手に自分のクローンを作られちゃったシュワちゃんの怒りバクハツ!てな展開は、予定調和的で浅薄なヒューマニズムに底打ちされたアクション巨編をあますところなく支えてアクビが出ないくらいの凄い緊張感をそこはかとなく醸し出してたよ・・」
「なんだか(笑)ホメてんだかケナしてんだか分かんないけど・・」
「いや、脚本はよく出来ていたんじゃないかな。どうして彼のクローンが作られたのか? とか、あのヘリ会社の友人は一体どうなっていたのか? とかいったあたり・・ああ、なるほどね、と思わされた」
「それから些細なことだけど、奥さんの描き方が、結構よかった・・警察に監禁されて『違法の葉巻なんか吸ったからかしら?』なんて言わせるあたり。カットは少ないのに彼女の人となりみたいなものが伝わるし・・」
「まあハリウッドの手練れが作れば、とりあえずスマートな感じになる、てな映画で、実際のところ僕も見てるあいだはそれなりに面白かったんだよ・・でもクローンという問題を扱いながら、なんか、悩みが少ない、浅い。で、それはシュワちゃん映画だけに仕方がない、とおもねて見ちゃったね(笑)」
「狩刈くんとしちゃ、この映画でクローン問題を掘り下げてほしかった、とかいうような無理難題を吹っかけるわけぇ?」
「まさか!(笑)そんなことはこの映画に期待しないけれど、なんか、全編どこを切っても予告編のこの映画は近未来社会のディテールとかも面白くて、それなりに楽しめるわりに、なんか新鮮味に欠けていてね・・手垢の付いた映画に思える。なんでだろ?」
「それはまあシュワちゃん映画の良くも悪くも安定したマンネリズム、みたいなものがあって、それで相変わらずご苦労さんねぇ・・っていうふうになっちゃうからだと思うなあ。<トゥルー・ライズ><エンド・オブ・デイズ>、どこを切っても金太郎でしょ(笑)」
「僕、この映画で一点だけよく分からなかったところがあってね・・最後にビル・ゲイツに『お前はクローンだ』と言われるシュワちゃんていうのは、ありゃ中盤以降ずっと活躍してきたシュワちゃんとは、実は違うんでしょ? つまり本物とクローンのシュワちゃんとは、ヘリでビルに乗り込む前に、服を取り替えっこしていたんだよね?」
「あ・・実は、そのへんはわたし、あんまり良く見てなかったの(笑)」
「(笑)これだもんな! まあどっちでもいいや(笑)。ところで、自分とまったく同じクローン人間がいたらどうだろうか?っていうのは、この映画でなくても面白い題材ではあるよね・・最大のライバルとなるか、あるいは最高の友人となるか、どちらかだ」
「狩刈くんの場合だったら最高の友人じゃないの・・で、二人してエログロムービーとか見て夜通し語り合っちゃったりしてさ(爆)」
「(爆)そいつぁ楽しい! 決めた。僕はそのために進んでDNAを提供するよ(笑)・・と、それはともかく、女史にはなんか、もうちょっと感想、ないの?」
「うーんと。そうね・・この映画の悪役の意図するところがよく分からないよね。ビル・ゲイツ君はどうして違法のクローンを作り続けてるわけ? まあお金儲けなんでしょうけれど、まだ儲かっていないみたいだし。議会を制圧して世界征服みたいなことを企んでるのかもしれないけれど・・で、問題は彼にあんまり魅力がないってこと。それに合理性も。<エンド・オブ・デイズ>の悪魔Gバーンみたいな意味不明さとはまた違ってね。味が薄いの・・」
「マッドサイエンティストのロバート・デュバルは、あまりにも科学バカの善人医師を演じすぎていて役柄の面白味を欠いていたし・・」
「その他のチンピラクローンデカたちもまあ薄味(笑)。所詮この映画は<ブレードランナー>のレプリたちみたいに自分の存在について悩んだりしないし、そういう思考を映画全体が背景にしてないから・・」
「薄味だっていうわけだね(笑)」
「濃いのはシュワちゃんだけ・・で、彼は吠えるだけで悩まない。コナンの時からずっとね」(2001.8.7)


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