[付録] ニュースと感想 (146)

[ 2010.6.17 〜 2010.7.25 ]   

  《 ※ これ以前の分は、下記のページで 》


    2001 年
       8月20日 〜 9月21日
       9月22日 〜 10月11日
      10月12日 〜 11月03日
      11月04日 〜 11月27日
      11月28日 〜 12月10日
      12月11日 〜 12月27日
      12月28日 〜 1月08日
    2002 年
       1月09日 〜 1月22日
       1月23日 〜 2月03日
       2月04日 〜 2月21日
       2月22日 〜 3月05日
       3月06日 〜 3月16日
       3月17日 〜 3月31日
       4月01日 〜 4月16日
       4月17日 〜 4月28日
       4月29日 〜 5月10日
       5月11日 〜 5月21日
       5月22日 〜 6月04日
       6月05日 〜 6月19日
       6月20日 〜 6月30日
       7月01日 〜 7月10日
       7月11日 〜 7月19日
       7月20日 〜 8月01日
       8月02日 〜 8月12日
       8月13日 〜 8月23日
       8月24日 〜 9月02日
       9月03日 〜 9月20日
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       10月05日 〜 10月13日
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       12月25日 〜 1月01日
    2003 年
       1月02日 〜 1月13日
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    2004 年
       1月03日 〜 1月16日
       1月17日 〜 1月22日
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       4月13日 〜 4月23日
       4月24日 〜 4月25日
       4月26日 〜 5月11日
       4月26日 〜 5月11日
       5月20日 〜 5月29日
       5月30日 〜 6月14日
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       7月03日 〜 7月27日
       7月28日 〜 8月21日
       8月22日 〜 9月27日
       9月28日 〜 10月22日
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       11月09日 〜 11月16日
       11月17日 〜 12月12日
       12月13日 〜 1月07日
    2005 年
       1月08日 〜 1月16日
       1月17日 〜 1月29日
       1月30日 〜 2月14日
       2月15日 〜 3月02日
       3月03日 〜 3月17日
       3月18日 〜 4月02日
       4月03日 〜 5月11日
       5月12日 〜 5月29日
       5月30日 〜 6月07日
       6月08日 〜 6月23日
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       7月07日 〜 7月25日
       7月26日 〜 8月14日
       8月15日 〜 9月06日
       9月07日 〜 9月26日
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       10月22日 〜 11月14日
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       12月10日 〜 12月21日
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    2006 年
       1月15日 〜 1月26日
       1月27日 〜 2月12日
       2月12日b〜 2月26日
       2月27日 〜 3月08日
       3月09日 〜 3月13日
       3月14日 〜 3月24日
       3月25日 〜 4月14日
       4月15日 〜 6月03日
       6月04日 〜 6月26日
       6月27日 〜 7月09日
       7月10日 〜 8月10日
       8月10日 〜 9月04日
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       11月07日 〜 12月16日
    2007 年
       1月01日 〜 2月23日
       2月24日 〜 3月18日
       3月19日 〜 3月31日
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       5月22日 〜 7月25日
       7月26日 〜 9月15日
       9月16日 〜 10月19日
       10月20日 〜 11月19日
       11月20日 〜 12月23日
       12月25日 〜 1月11日
    2008 年
       1月12日 〜 2月02日
       2月03日 〜 3月20日
       3月21日 〜 4月23日
       4月24日 〜 6月14日
       6月15日 〜 7月31日
       8月01日 〜 10月11日
       10月12日 〜 11月08日
       11月09日 〜 12月31日
    2009 年
       1月01日 〜 2月16日
       2月17日 〜 4月18日
       4月19日 〜 6月01日
       6月02日 〜 7月19日
       7月20日 〜 8月14日
       8月15日 〜 9月18日
       9月19日 〜 10月27日
       10月28日 〜 12月09日
       12月10日 〜 12月31日

    2010 年
       1月01日 〜 2月02日
       2月03日 〜 5月08日
       5月09日 〜 6月16日
         6月17日 〜 7月25日







● ニュースと感想  (6月17日)

 (1)
 きれいな写真のサイトを紹介する。
 非常にハイレベルの写真。アマが撮影したらしいが、プロレベルのものも多い。
  → Open ブログ 「きれいな写真のサイト」
 
 (2)
 WOX という総合的な無料ウェブ・サービスがある。FC2 みたいなものだが、より洗練されているようだ。通好み。
  → Open ブログ 「WOX (無料ウェブ・サービス)」


● ニュースと感想  (6月17日b)

 「市場原理万能主義」について。
 市場原理万能主義を唱えているのは古典派だが、なかでも池田信夫は近ごろ、ひどいありさまになってきている。

 (1) 日本振興銀行
 日本振興銀行が家宅捜索された問題で、池田信夫はこう書く。
 相手もプロなのだから合意の上での取引であり、倒産をまぬがれたのだから誰も損をしていない。振興銀行は、感謝こそされても非難されるいわれはない。
( → 池田信夫ブログ
 しかし、この相手とは、誰か? 巨額詐欺事件のSFCGだ。詐欺師とつるんで、金を得ようとしている。
  → 振興銀、SFCGに違法取引持ちかけ 警視庁、出資法違反でも捜査
  → 流出資産は2670億円 SFCG、残金わずか61億円
 だから、「誰も損をしていない」どころではない。数千億円もの損害が発生している。正確に書くなら、「悪党である振興銀行とSFCGは損していない」だけだ。世間には莫大な損害を負った人々がいる。
 そもそも、法定利息を上回るような巨額の金を払うとしたら、それは、まともな商売ではない、と気づくべきだ。詐欺のような犯罪がらみだから、莫大な利息を払えるわけだ。
 池田信夫は、「何でもかんでも自由経済がいい」と思い込んでいるから、結果的に、詐欺師をのさばらせるようになる。また、詐欺師とつるんで、詐欺師の金を少しピンハネして儲けよう、という連中まで出てくる。
 もうちっと、物事の本質を考えるといい。「まともな商売」というのがどういうものかを、考えて方がいい。

 (2) 小さな政府
 日本の社会保障給付は、一般会計と年金会計あわせて年間80兆円ぐらいあるので、これをBIとして頭割りで配ると、一人あたり年60万円ぐらい。4人世帯で240万円だから、まずまずだろう。その代わり生活保護も公的年金も、土木事業や農業などの補助金もすべてやめ、厚労省と農水省を廃止すれば、財政は大幅に改善する。
( → 池田信夫ブログ
 呆れて物を言えない。Wikipedia から引用すると、こうだ。
2006年度の社会保障給付費は89兆1,098億円で、一人あたり69万7,400円であった。内訳は、医療28兆1,027億円(31.5%)、年金47兆 3,253億円(53.1%)、福祉その他13兆6,818億円(15.4%)となっている。また、高齢者関係給付費は、62兆2,297億円となり、同給付費の69.8%を占めている。2025年度の社会保障給付費は141兆円(国民所得比26.1%)に達するとの見通しである(「社会保障の給付と負担の見通し」(2006年5月厚生労働省推計)の「並の経済成長」のケースによる)。
 数字から言うと、80兆円でなく 90兆円だが、ま、それはいい。問題は、医療と年金の金が入っていることだ。
 第1に、医療保健なしで、どうするのか? アメリカみたいな状況になることを、国民の誰が望むのか?
 第2に、年金は、どういうつもりか? 金をもらうのは高齢者であり、金を払うのは現役世代だ。社会保障の金を払いたくないといっても、現役の高齢者の分は払う必要がある。「自分がもらわないから、金を払わない」という理屈は成立しない。なぜなら、もともと、現役世代は今すぐは金をもらえないからだ。「社会保障をやめれば、その分の金が今すぐ手元に来る」と思うのは、とんでもない間違いだ。高齢者の年金を、どうするつもりか? 頭が狂っているとしか思えない。(年金制度というものを、払ってすぐに金をもらう制度だと思っているようだ。狂気の沙汰。)

 そもそも、先の世論調査でも、日本人の多数派は、「高福祉・高負担」を望んでいる。「低福祉・低負担」を望んでいる人は少数派だ。小沢の唱える「小さな政府」なんて、今は時代遅れなのである。「最小不幸社会」を唱える菅直人が人気なのだ。世論を見誤ってはならない。
( ※ そう言えば、池田信夫の予想は、「菅直人の最初の仕事は郵政国営化で、民主党は次の参院選で惨敗」というものだった。いかに予想が外れるか、すでにバレてしまった。)

 池田信夫というのは、世間にデマばかりをふりまいて、社会に有害だから、何とかした方がいいんだが……とは思うが、私が「真相はこうだ」と書くぐらいしかないのかな?
( ※ だけど、いちいち書くのも馬鹿馬鹿しい、という気がしてきた。今後はあんまり見ないようにしよう。肥溜めみたいなものだし、糞がいっぱいあるのは、もともと当然だから。)


● ニュースと感想  (6月18日)

 (1)
 Gmail を使うと、Google で検索したときに、やたらと広告が表示されるようになる。(副作用・弊害)
  → Open ブログ 「Gmail のせいで広告」
 
 (2)
 Google 検索結果で、広告欄の文字を薄くする。
  → Open ブログ 《 お知らせ 》


● ニュースと感想  (6月18日b)

 消費税 10% というのは、是とも非とも言えない。増税単独ならば最悪だが、減税と組み合わせれば最善だ。すなわち「新中和政策」。
  → nando ブログ 「消費税 10% の是非」


● ニュースと感想  (6月19日)

 (1)
 増税で得た金は、社会福祉にも、財政再建にも、使える。だが、金を二重に使うことはできない。なのに、金を二重に使うつもりでいる阿呆がいる。
  → nando ブログ 「増税の意味」

 (2)
 増税で財政再建は可能か? 単純な計算でも、44兆円の赤字を埋めるには、消費税を 27% に引き上げる必要がある。
  → nando ブログ 「増税で財政再建?」


● ニュースと感想  (6月20日)

 「消費税 10% への国民の声」について。
 消費税増税を提議した菅直人に対して、国民の声はどうか? NHK の調査がある。それを見やすくしたサイトを文章を転載しよう。
6月14日のNHKの世論調査によれば、

菅内閣を
・「支持する」は61%(前月比、40%アップ)
・「不支持」は23%(前月比、45%ダウン)

消費税率UPを含む税制の抜本改革の超党派での議論は、
・「大いに評価する」:27%
・「ある程度評価する」:48%
・「あまり評価しない」:16%
・「まったく評価しない」:5%

来年度以降、満額(月額2万6000円)を支給は難しい表明は、
・「大いに納得できる」:40%
・「ある程度納得できる」:30%
・「あまり納得できない」:15%
・「まったく納得できない」:10%

( → 出典原文 NHK
 ということです。

 ──

 なお、「消費税 10に賛成か反対か」を問うネット上の調査があったが、おおむね、賛否が4対6ぐらいかな。
  → 調査1 , 調査2調査3  ただし、「今は反対だが、将来では賛成」という選択肢は、示してなかった。これがあれば、これが最も支持されたと思える。(実は、菅直人の見解は、これ。)


● ニュースと感想  (6月20日)

 (1)
 歴史上、財政再建のための例は、失敗例と成功例が見られる。
  → nando ブログ 「財政再建の過去例」

 (2)
 ドーマーの定理とは、
   名目成長率 > 国債金利
 であれば、財政破綻しない、という経済学の理屈。
  → nando ブログ 「ドーマーの定理」


● ニュースと感想  (6月21日)

 「消費税の還付」について。
 消費税の還付という案があるそうだ。
  → 軽減税率、税の還付検討=消費税見直しで低所得者対策
 これに対して、ネットに異論が出ている。
  ・ 生活必需品の線引きはどうするのか
  ・ 事務手続きが大変だ
  ・ レシートを取っておく手間が大変だ

 常識的な「税の還付」という形だと、上記のような問題が起こる。しかし、これを簡略化した形もある。
 「年間 300万円までは生活必需品の費用と見なして、その 10% にあたる 30万円を還付する」
 つまり、「消費税を 10%に上げるが、同時に、毎年 30万円を還付する」というわけだ。
 ここでは、「消費に比例する分の増税」と、「低額の還付」とが組み合わさっている。このことで、消費税の逆累進制という弊害をなくす。
 これなら、問題ないだろう。

 [ 付記 ]
 なお、この 30万円は、「還付」と言えるが、「減税」と言ってもいい。あるいは、「ベーシック・インカム」と言ってもいい。どっちみち、国民への給付金だ。
 このような形を取った場合、景気が回復すると、消費税の税収は急拡大するはずだ。年収 300万円で暮らしていた人が、年収 400万円で暮らすようになると、払う消費税の額は、ゼロから 10万円に急増する。(名目値は 30万円から 40万円だが、そこから 30万円を差し引くので。)


● ニュースと感想  (6月21日b)

 大学の数学教科書となるものが、ネット上で無償公開されている。とても優れた出来映えだ。
  → Open ブログ 「大学の数学教科書(無償)」


● ニュースと感想  (6月22日)

 (1)
 マイクロソフトの Office 2007 は、メニューがリボンになって、使いにくくなった。これを Office 2003 のように戻すソフトがある。(無償)
  → Open ブログ 「Office 2007 のメニューを戻す」

 (2)
 5万字もの漢字をパソコンで使う方法。(無償)
  → Open ブログ 「大・漢字辞典」
 (3)
 タンク法の本質は何か? 通貨の濃度を調整することだ。それゆえ、「通貨濃度調整法」とも言える。
( ※ 用語の話です。特に読む必要はありません。)
  → nando ブログ 「タンク法(通貨濃度調整法)」


● ニュースと感想  (6月23日)

 (1)
 Word 2010 を試用してみた。その評価は……
  → Open ブログ 「Word 2010 の評価」

 (2)
 同一の果物を毎日食べていると、果物アレルギーになることがある。ご注意。  理由は、果物か、果物の添加剤(農薬)かは、不明。
  → Open ブログ 「果物アレルギー」

 (3)
 景気回復があれば、税の自然増が見込める。その額はどのくらいか?  法人税だけで 20兆円以上の税収増が見込める。(他に所得税も。)
  → nando ブログ 「 税の自然増(特に法人税)」


● ニュースと感想  (6月24日)

 前日の nandoブログ 「税の自然増(特に法人税)」という項目に、[ 付記 ] を加筆した。その記述を、以下に転載する。
  ──
 法人税の税率について、私の見解を言えば、次のようになる。
 日本の法人税と、米国の法人税は、実効税率はほぼ同じぐらいである。このくらいが世界標準だ。この割合から下げる必要はない。
 香港などでは、税率が低いが、これは、外国から企業を招こうという国策だ。自力では産業や企業を構築できないような小国の政策である。見習う必要はない。

 欧州では、税率が低いが、これは、次の二点による。
  ・ 欧州は統一市場である
  ・ 欧州は税制が別である
 市場は統一されているのに、税制が別だから、企業は域内で、税率の低いところへ行きたがる。そのせいで、各国は税率の引き下げ競争をする。しかしそのせいで、各国は自分で自分の首を絞めることになる。見習う必要はない。

 日本だって、同様にしたければ、法人税を「国税」でなく「県税」にすればいい。そうすれば、各県は企業を招こうとして、法人税の引き下げ競争をするだろう。しかし、そのせいで、日本全体の法人税収は激減するだろう。各県は自分で自分の首を絞めることになる。

 結局、欧州の法人税が低いのは、企業を活発にしようとしているからではなくて、各国が無駄に引き下げ競争をしているからだ。そして、そういう馬鹿げたことをするのは、欧州が「市場は統一するが、税制は統一しない」という、歪んだ制度をもつからだ。当然、見習う必要はない。


● ニュースと感想  (6月24日b)

 (1)
 ドーマーの定理は、中短期的には成立しない。名目成長率や国債金利が変動すると、累積債務の巨大さのせいで、破綻する。ただし、破綻するのは、累積債務が巨大になったときではなく、そのしばらくあとだ。
  → nando ブログ 「ドーマーの定理の否定」

 (2)
 サッカーW杯の新しい公式球であるジャブラニが批判されている。そんなに不評なボールが、なぜ採用されたのか? そのわけは……
  → Open ブログ 「ジャブラニ(W杯公式球)」


● ニュースと感想  (6月25日)

 前日の項目(ドーマーの定理の否定)の後半に、加筆しました。次の趣旨。
 「数式ばかりを見て、数式の意味を理解しないと、数式を得ても、誤解することになる。数式に囚われると、真実を得ても、そこから虚偽を引き出す」
  → nando ブログ 「ドーマーの定理の否定」  【 補説 】


● ニュースと感想  (6月25日b)

 増税の財源としては、消費税が考えられる。だが、それ以外にも、何か別の税はないか? ある。
  → nando ブログ 「消費税以外の増税」


● ニュースと感想  (6月26日)

 (1)
 「法人税の引き下げ」という主張がある。だが、これは物事の半面しか見ていない。「配当課税」という視点が抜けているのだ。
  → nando ブログ 「法人税と配当課税」
 (2)
 電子出版があちこちで話題になっている。では、個人の自費出版は、可能か?  会社を選べば、いちおう可能である。かなり安価に出版できるので、利用してもいい。ただし私としては、あまりお勧めしない。そのわけは……
  → Open ブログ 「電子出版(自費出版)」


● ニュースと感想  (6月27日)

 「世界が一つになるために」について。
 【 質問 】
  世界は一つの国になるには、どうすればいいですか? ( cf. 知恵袋

 【 回答 】
 世界は一つの国になればいい、と思う人がいる限り、世界は戦争になります。ヒトラーであれ、アレキサンダー大王であれ、世界は一つの国になればいいと思って統一に乗り出しました。ヒトラーは欧州をすべて支配し、アレキサンダー大王は欧州や中東を統一しました。共産主義もまた、世界の統一をめざしました。しかし、その過程では戦争があり、また、統一が崩れる過程でも戦争がありました。
 「世界を一つの国にしよう」と思う限り、世界は一つの国になりません。
 ただし、この世界から、国というものが一つもなくなることは、あるかもしれません。それは「世界を一つの国にしよう」と思わなくなったときでしょう。

( ※ 参考。相良直美の歌。   (^^); )


● ニュースと感想  (6月27日b)

 「トヨタの LFA の衝突事故」について。
 トヨタの LFA の衝突事故が話題になっている。4000万円もする高級車なのに、乗員2名が死亡。相手はただの BMW3なのに、乗員2名は生存。
  → Google 検索


● ニュースと感想  (6月28日)

 財政破綻の問題について、まとめふうに述べる。ポイントとなる点がいくつかある。
  → nando ブログ 「財政破綻のポイント」


● ニュースと感想  (6月29日)

 サミットは世界的な「財政緊縮」路線を宣言した。このことで、世界恐慌がもたらされる可能性が(いくらかは)ある。
  → nando ブログ 「世界恐慌の危険」


● ニュースと感想  (6月30日)

 「iPhone は失敗作?」について。
 池田信夫のブログは、ホントに爆笑させてくれる。
  → iPhone 3Gはジョブズの敗北宣言
 iPhone をさんざんけなしているが、基本データが誤り。正しくは下記。
  → 「iPhone」が売れている
 最新ニュースはこれ。
  → Appleの歴史の中で最も成功とジョブス

 ただ、私としては、iPhone と iPad はセットで考えた方がいい、と思う。両者のOSは同じだし、iPad は「デカい iPhone 」とも言えるからだ。ともあれ、この両者をセットで考えれば、すごい大成功と見なしていいだろう。アップルの株価総額は、マイクロソフトをしのいでいるからだ。
 なお、台数だけで見ても、駄目だろう。利益率を考えれば、とても高い利益率を誇っている。アップルの経常利益率は、何と 27%だ。 → 出典データ


● ニュースと感想  (6月30日b)

 「不均衡のモデル」について。
 池田信夫が「不均衡」について論じているが、またしても見当違いなことを書いている。   → 「合成の誤謬」の誤謬
 頭の悪い彼のために教えて上げよう。不均衡のモデルは、これだ。
  → トリオモデル
 これを見れば、なぜ不均衡が起こるか、ミクロ的にわかる。彼の主張のどこが間違っているかもわかる。


● ニュースと感想  (6月30日c)

 「デフレ解消のためにリフレ政策を」と主張する人々がいる。(リフレ派)  しかし、この政策こそが、財政赤字を野放図に拡大させたのだ。現在の巨額の財政赤字の原因は、リフレ派のせいだ、とも言える。
  → nando ブログ 「財政赤字とリフレ」

 [ 付記 ]
 池田信夫の話は、たいていがインチキだが、リフレ派を批判するときだけは、正しい。次の話もそう。
  → 浜田先生の思い出
 勝間和代との対談を批判している。ここでは、勝間和代なんかよりは、池田信夫の方が正しい。


● ニュースと感想  (7月01日)

 古典派(サプライサイド)は、「構造改革による、生産性の向上で、景気回復を」と唱える。この説のどこが間違いか?
  → nando ブログ 「構造改革はなぜ駄目か?」
  → nando ブログ 「自由とは何か? (政治)」


● ニュースと感想  (7月01日b)

 「消費税の還付」について。
 菅首相が一定所得以下の世帯に、消費税の還付をする方針を示した。
  → 毎日新聞 2010-06-30
 こういう税制の細かいことは、首相が考えるべきことではないのだが、それはともかく、まともな政策担当者は以内のだろうか? 
 「一定所得以下の世帯に、消費税の還付」
 というのは、たとえば、400万円なら 10万円の還付で、高所得者には還付なし、というふうにする。しかし、こういうふうに差を付けるのは、やたらと無駄な事務が増えるだけで、無駄の極みだ。
 では、どうするべきか? 次の方式が最も簡単だ。
 「還付は、全員一律(たとえば1世帯あたり 20万円)。一方、高所得者に対しては、所得税率を1%か2%ぐらい上げる」  こうすると、高所得者は、 20万円の還付を得て、かつ、所得税率を1%か2%ぐらい多く払う。結果的には、消費税の還付額を、所得ごとに微調整するのと、ほとんど同じ結果になる。
 つまり、結果は同じで、事務が大幅に減る。とすれば、この方が、ずっと利口というものだ。
 
 なお、還付の方式は、「 ID口座」がベストだろう。ここに政府が 20万円を入金すると、ここから健康保険料や年金納付料などが支出される。この方式なら、他人による「なりすまし」などの問題も生じない。(ID口座は基本的に納金のための口座であるからだ。)


● ニュースと感想  (7月02日)

 (1)
 自由とは何か? アメリカンな自由は、経済的な自由主義と結びついているが、その自由主義のせいで、経済はかえって破壊される。(それが不況だ。)
 人々に不幸をもたらす自由とは、いったい何なのか? 
  → nando ブログ 「自由とは何か? (経済)」

 (2)
 リベラリズムとは、何か? それは社会的な自然淘汰主義への反発として理解される。


● ニュースと感想  (7月02日b)

 「所得税と消費税」について。
 所得税の最高税率は、現在、国税を合わせて 40%だ。( 1800万円以上の分。)住民税は 10% だから、合計 50% となる。
 ここで、所得税の最高税率を引き上げる、という案がある。たとえば、「 3000万円以上の分は 45% にする。(住民税と合計 55% にする。)
 このような案は、妥当だろうか? 「それは駄目だ、高所得者が海外逃避するぞ」という意見がある。しかし、その意見は数字的におかしい。なぜなら、「日本は消費税が低い」という現実があるからだ。日本は5%で、海外諸国は 20% 程度。
 仮に、年収が 200 あったとする。 (単位はいい加減。モデルだから。)
 (1) 税が 50% なら、残りは 100 で、これに消費税5% がかかると、手取り分は 約 95 だ。
 (2) 税が 55% なら、残りは 90 で、これに消費税5% がかかると、手取り分は 約 85.7 だ。
 一方、外国なら、どうか? 
 (3) 税が 50% なら、残りは 100 で、これに消費税 20% がかかると、手取り分は 約 83.3 (= 100/120)だ。
 
 この (2) と (3) を比較すると、85.7 は 83.3 よりも多い。(2) の方が、手取り分が多い。
 というわけで、最高税率を 55% にしても、日本は消費税率が低いから、日本の方が総合的な税の支払額は低いことになる。海外に逃避すれば、所得税率は 5% 低くても、消費税が 15% も高いから、税の支払額は高いことになる。海外逃避すれば、損をする。だから、まともな頭があれば、海外逃避なんかするはずがない。

 以上が、まともな計算だ。こういう計算もできないで、「高額所得者が海外逃避する」と考えるのは、計算ができていない。経済学者失格だ。(消費税の分の計算が抜けている。尻抜け計算。)

 結論。
 日本では消費税率が低い。この状況では、最高税率を5%引き上げることには、妥当性がある。それで高額所得者が海外逃避することはない。


● ニュースと感想  (7月03日)

 「高所得者の海外逃避」について。
 「所得税率を上げると、高所得者が海外逃避する」
 という見解があるが、これは間違いだ。

 たとえば、日本で高所得者への課税に反対する人は、年収が 2000万円以上あるはずだが、その人が税率の低い国(たとえば香港)に海外移住しても、年収が 2000万円以上になることはない。たぶん、無収入になるはずだ。(人間は引っ越しても、仕事は引っ越せないので。なお、香港に住居をおいて、日本で仕事をした場合には、日本で所得税を払うことになる。)
 同様に、海外から高所得者を招いても、日本で高い所得税を払うことにはならない。たとえば、アップルのジョブズが日本に来たら、日本アップル社でやる仕事は何もないから、所得はゼロとなり、税金も払わない。(現実にはジョブズは米国でもともと給料をもらっていないが、それはまた別の話。)
 アメリカの所得税の実行税率は、日本とほとんど同様だ。それでもアメリカに金持ちが集中するのは、なぜか? 税率が問題なのではなくて、稼げる所得が問題だからだ。
 簡単に言えば、次の対比だ。
  ・ アメリカで …… 100億円を稼いで、45億円の税を払う。
  ・ 香港で    …… 1億円を稼いで、1000万円の税を払う。
 前者の税率は 45%で、後者の税率は 10% だ。とすれば、香港で仕事をする方が有利か? 否。アメリカで仕事をする方が有利だ。「たくさん稼いで、たくさん税を払って、たくさん手取りを残す」というわけだ。
 
 一般に、先進国では、税は高いが、所得も高い。税の低い国では、所得を稼ぐための機会もまた小さくて、たいして稼げない。だから、高所得者は、海外逃避なんかしない。むしろ、現地に留まって、どんどん稼いで、どんどん税を払う。

 なお、同趣旨のことは、下記項目の最後でも述べた。(法人税の話で。)
  → 6月08日
 一部抜粋しよう。
 人は税率なんかで居住国を変えたりしないものだ。たとえば、孫正義は、「税率が低いからケイマンに行こう」なんて思わない。「税率なんかどうでもいい、日本で事業をしたい」と思うから、日本にいる。だからこそ億万長者になった。
 賢明な人間は、「なるべく少なく税を払おう」とは思わず、「なるべく多く所得を稼ごう」と思うものだ。払う税を半分にしようとは思わず、稼ぐ所得を百倍にしようと思うものだ。
 ちなみに、「最高税率を下げよ」と述べているのは、ろくに稼げない凡人だけである。大金持ちは、そんな無益な論議をするよりも、せっせと稼いでいる。税率の高い国で。(つまり大金を稼げる国で。)


● ニュースと感想  (7月03日b)

 現代では、自由そのものが抑圧をもたらす。こういう逆説的な状況では、自由からの自由こそが大切だ。
  → nando ブログ 「自由からの自由」


● ニュースと感想  (7月04日)

 (1)
 「保守主義とは何か」を示す。それは「リベラリズム」の対語であり、「ネオリベラリズム」に相当する。
  → nando ブログ 「保守主義とは何か?」

 (2)
 インフレ目標が有効だとしたら、効果があるどころか、逆効果がある。物価は上昇するとしても、生産量は拡大するどころか縮小する。つまり、インフレにはならず、スタグフレーションになる。
  → nando ブログ 「インフレ目標は逆効果」


● ニュースと感想  (7月05日)

 「自由とは何か?」という話題の関連で、「個人主義」に対比される「共同体主義」について言及する。
  → nando ブログ 「共同体主義(コミュニタリアニズム)」


● ニュースと感想  (7月06日)

 ハーバード大のサンデル教授の講義が話題になっている。ここではさまざまな問題提起がなされているが、「正解」は示されていない。そこで、私なりに、「正解」を示すことにしよう。
  → nando ブログ 「正義とは何か?」


● ニュースと感想  (7月07日)

 「正義とは何か?」よりも、「悪とは何か?」を語るといい。  悪についてどう語るか? 「悪は人間にとって不可避だ」と語ればいい。
  → nando ブログ 「悪とは何か」


● ニュースと感想  (7月08日)

 自由というものを野放図に認めると、おかしなことになる。それよりは「常識」「良識」を働かせた方がいい。では、なぜ? いろいろ考えると、「自由」よりも「愛」の大切さに気づく。
  → nando ブログ 「自由と愛」


● ニュースと感想  (7月09日)

 Firefox は、スキンを交換できる。いろいろ凝ったデザインがあるが、見やすさの点ではどれもイマイチだ。そこで、私が自作して公開した。
  → Open ブログ 「Firefox のスキン」


● ニュースと感想  (7月09日b)

 「相続税の二重課税」について。
 生命保険金を年金の形で分割払いで受け取った場合、所得税が課されるのは、相続税と所得税の二重課税なので、違法だ、という判決が下った。
 しかしながら、今回の場合、二重には課税されていない。相続税の分はもともと限度額以下なので無税となる。分割払いの所得税は2万円ぐらい。結局、2万円ぐらいの所得税を免除されて、課税額はゼロとなる。
 しかし、数千万円(5000万円以上)の財産を相続して、課税がゼロというのは、納得がいきませんね。年収200万円ぐらいの人だって、働いて稼いで、そこそこ税金を払っているのに。
 こういうふうに「相続税をゼロにせよ」というのは、「最高税率を引き下げよ」というのといっしょに起こった政治方針だが、こういうふうに「富めるものには優しく」「貧しいものには酷税を」(消費税引き上げ)という方針では、国がおかしくなる。
 自民党や小沢の方針がそうだったが、菅直人も最近では洗脳されて「法人税引き下げ」なんて言い出している。困ったことだ。菅直人もボケてきたか……と思ったが、そうではなくて、日本中がみんなボケてきているようだ。菅直人はそれに染まってしまったのだろう。(法人税引き下げも、菅直人の独自案ではなく、マスコミで多くの人々がそう主張しているからだ。)
 日本人全体が、高齢化社会となって、ボケてきているのかも。

 [ 付記 ]
 担当大臣は、「取りすぎた税金を還付する」と言っているが、それが公正だとは思えない。「莫大な財産を受け取った人に限り、課税ゼロとする」というふうになるからだ。もともとの「相続税の限度額が高くて、たいていが免税になる」という問題を解決してからにした方がいいだろう。
 もっとも、「税率 50%」という極端な高率課税は妥当ではないが、10%〜20% ぐらいなら課税してもいいと思う。そういうふうに過去の税率を想定して、それを上回る分だけ、還付すればいい。
 過去の分への課税は違法か? 違法である。ただし、時効分の返還は、必要ない。だから、時効分の返還についてのみ、新たな基準を出しても、それは違法ではない。もともと返還義務はないからだ。


● ニュースと感想  (7月10日)

 「クルーグマンの記事」について。
 財政緊縮路線だと、世界恐慌が起こりかねない、という話を私は前に書いたことがあるが、クルーグマンも同じ日付で同じ記事を書いていた、とわかった。
  → クルーグマンの記事(和訳)
 
 cf.
  → 私の記事( nando ブログ)

 ともあれ、「消費税増税」なんて路線は、全然ダメなのである。このことを理解していないのは、菅直人だけではない。自民党もそうだし、朝日や読売の論説(社説)もそうだ。
 まともなことを言う経済学者はいないものだろうか? ま、クルーグマンが何かを語るとしたら、それに賛同する経済学者はあまりいない、というのが事実だろう。

 [ 付記 ]
 あとで気づいたのだが、2010-07-08 の朝日・朝刊にも、クルーグマンの同じ記事(和訳)が掲載されていた。


● ニュースと感想  (7月10日b)

 (1)
 愛とは何か? 利己主義とは逆で、自分の利益を相手に与えることか? 違う。与えあうことで、全体の利益を増すことだ。
  → nando ブログ 「「愛」の原理」

 (2)
 悪に対して、どう立ち向かうか? 憎しみをもつべきか? いや、悲しみをもつべきだ。
  → nando ブログ 「悪・憎しみ・悲しみ」

 (3)
 バーナンキの背理法を説明するモデルとして、わかりやすいモデルを示す。
  → nando ブログ 「バーナンキの背理法 2(モデル)」


● ニュースと感想  (7月11日)

 法人税を減税して、消費税を引き上げる、という方針がある。国民には不評だが、保守系のエコノミストは、それを支持している。「そうすれば起業が活性化する」というふうに。本当はどうなのか?
  → nando ブログ 「法人税の意味」


● ニュースと感想  (7月11日b)

 「消費税と所得税」について。
 バブル崩壊後、税収として、消費税は安定しているが、各種の所得税激減しているそうだ。
  → グラフと解説
 棒線グラフの図を見るとわかるが、初めのころは、右上がりのカーブだったのが、バブル崩壊後は長期低落傾向にある。一方、経済規模自体はそこそこ拡大し続けているから、経済規模の拡大の割には、税収は伸びていないことになる。GDP比の税収は、比率的にどんどん下がっているわけだ。

 ここから得られる結論は、次の通り。
 「強制的に安定的な税収が欲しいのならば、消費税の増税がベストだ。何が何でも財政を安定させたければ、消費税の増税が当然だ」
 「しかしながら、本来は、景気を正常化するのが先決だ。そうすれば、何も増税しなくても、各種の所得税がどんどん伸びるので、税収はひとりでに大幅に増える(自然増収)」
 というわけで、「消費税増税」をめざす帳簿屋の発想と、正しい経済政策の発想とが、ともにわかるわけだ。

 [ 付記 ]
 上記のブログでは、「投資減税」を提案しているが、これの筋が悪いことは、前にも述べた。一部抜粋しよう。
 「投資をしても、消費不足の状況では、生産の増加はありえない。多くの企業が稼働率の低下で悩んでいるときに、投資をしても、さらに稼働率が下がるだけだ。」
 詳しくは
  → nando ブログ


● ニュースと感想  (7月12日)

 「世代間格差」について。
 前項の消費税引き上げ賛成派は、消費税引き上げの理由として、「世代間格差の是正」を掲げている。池田信夫もしばしば、「世代間格差の是正」を主張している。
 しかしこれは、よく考えると、話がおかしい。

 (1)
 そもそも、勤労世代と高齢者世代における不公平という問題は、初めから存在していない。なぜなら、この両者は、二つのグループに分けられるわけではなく、同一集団だからだ。というか、同一人物であるからだ。
 人は誰しも、年を取る。つまり、勤労世代を経て、高齢者世代になる。子供のときは親に面倒を見てもらい、成人したら働いて親の面倒を見て、高齢者になったら子供の世代に面倒を見てもらう。……誰もがそういうふうになる。(例外的に、金持ちの人は、若いころの貯蓄で自活できる。それは恵まれた人の場合。)
 ここでは、世代間で利益の配分変更があっても、特に損得はない。不公平ということもない。誰もが、損をする時期もあるし、得をする時期もある。それだけのことだ。この基本原理を理解していない間抜けが多すぎる。

 (2)
 そもそも、年金というのは本来、次のことを原理としている。
   勤労世代 → 高齢者世代
 このような形の利益分配がある。昔は「仕送り」の形で、子供が親の面倒を見ていたが、そうではなく、社会制度の形で、勤労世代が、高齢者世代の面倒を見るわけだ。
 池田信夫は「高齢者は自分の貯蓄だけで面倒を見ろ」ということなのかもしれないが、それだったら、公的な年金を整える意味がない。「何でもかんでも個人でやれ」という「小さな政府」主義は、文明国では基本的には支持されていない。政府が社会保障制度を整えるのは、文明国では当然のことだ。
 「社会保障制度なんかぶっつぶしてしまえ」
 というのは、池田信夫みたいな「自由主義経済」の信奉者の理念なのだろうが、そういうことを主張するのなら、文明国を出て、どこかの途上国か租税回避地で暮らせばいい。たとえば、ケイマンとか。池田信夫が日本から出て行ってしまえば、日本ももっと住みやすくなるかもね。

 (3)
 老人が多くの金を得ているというが、老人はその金を自分で使い切ってしまうわけではなく、その金の大部分を相続財産として、次の世代に残す。米国人ならいざ知らず、日本の老人というのは倹約意識が強いのだ。爪に火を点すような貧乏な老人が死んだあとで、数千万円の貯金が残った、という話はよくある。
 私としては、「相続税の税率を上げる」ということで、この問題をかなり解決できると思う。しかしながら読売や自民党は、「相続税を免税にするかわりに、免税国債を販売せよ」と述べたりする。これでは「国債を売ることを名分に、相続税をゼロにする」ということ意だから、あまりにも不公平だ。
 保守主義者というのは、「貧乏人をいじめて、金持ちを優遇すれば、日本は強くなる」と思い込んでいる人が多すぎる。そのせいで、論理は滅茶苦茶になる。
 池田信夫も、「世代間格差がどうのこうの」と述べるぐらいだったら、「相続税の税率を大幅に引き上げよ」と述べるべきだ。なのに、貧乏な老人をいじめることしか能がないのだろうか。

 (4)
 今日の豊かな日本を形成したのは、今の高齢者世代だ。戦後の焼け野原の状態だった国を、せっせと働いて、世界第二位の国にした。そして、豊かな国富を残した。私有財産の形では残さなくても、ソニーやトヨタやホンダなどの会社という形でも残した。それらを、そっくりそのまま、次世代や次々世代に譲り渡した。
 とすれば、たとえ私有していないとしても、それらの国富を残した貢献として、多大な金を得たとしても、十分に理は通る。なぜなら、若い世代は、それらの国富を無償で受け取ったからだ。高齢者世代は、無の状態から、ソニーやトヨタやホンダなどの会社を生み出した。しかし、若い世代は、高齢者世代からそれらのものを無償で受け取ったのだ。(世代全体で。)
 ここでは、市場原理では、配分は正当になっていない。ソニーやトヨタやホンダなどを生み出した高齢者世代は、その対価を得ていない。市場原理では、強者が富を得るのであって、弱者は富を奪われるしかないのだ。(翌日分を参照。ゴーン社長の例など。)
 というわけで、高齢者世代が、多くの富を得たとしても、それは別に理不尽ではない。なぜなら、市場原理では、富の配分は公正ではないからだ。単に「奪う能力のあるものが奪う」だけであって、「富を生み出したものが富を配分される」わけではないからだ。
 どちらかと言えば、ろくに働いてもいない若者世代の方が、問題だ。今日の若者世代は、ろくに稼いでいないし、ろくに働いてもいない。(派遣などの愚劣な低賃金労働しかしていない。)……これは、高齢者世代がせっせと働いてきたこととは、正反対だ。
 ただし、今日の若者世代が、ろくに稼いでいないし、ろくに働いてもいないのは、若者たち自体のせいではない。為政者のせいだ。
 だから、根源的には、為政者が悪い。ただ、そのせいで、若者たちはまともに働いていない。とすれば、「高齢者が富を得ているのはけしからん」と非難することはできないのだ。若者たちが高齢者に富を渡すのは、もともと当然のことである。それは子が親を養うのと同じことだ。問題は、富を親の世代に渡したあとで、若者世代が貧困になることだ。そして、それは、高齢者世代が悪いのではなく、現役世代の為政者が悪いのだ。責めるべき相手を間違えてはならない。

 [ 付記 ]
 それにしても、高齢者と若者との間で富の奪い合いをする……という池田信夫の発想は、あまりにも見苦しい。高齢者と若者とでは、どう考えたって、高齢者の方がずっと貧しい人生を送ってきた。彼らが若いころにどれほど貧困状態であったかを思い出すといい。
 若い世代は、高齢者世代よりも、多くの富を生み出せるが、その理由は、高齢者世代が、産業基盤を整えてくれたからだ。そして、そのあ垂れられた産業基盤を利用して、若い世代が高い生産量をなし遂げたとしたら、それは、高齢者世代から基盤を贈られたからなのだから、一種の「仕送り」をするのは、当然だろう。
 若い世代が何もかも自力でやっているつもりなのなら、高齢者世代と同様に、焼け野原から生み出すべきだ。つまり、アフリカの途上国で、自力で生み出すべきだ。
 池田信夫みたいに、「高齢者世代から産業基盤をタダで贈られて、しかし対価を払いたくない」というのは、エゴの極致である。「もらうときは喜んでもらうが、そのお礼はしたくない」という発想。また、「自分で稼いだ金は、全部自力で稼いだのだ」という自惚れ。
 ここには、感謝の心が、まるきり欠けている。ほとんど「人でなし」の発想だ。情けない。
 経済学者というものは、目には見えない経済原理を、素人に教えて上げるものだ。なのに、帳簿の計算だけをして、若者と高齢者の損得勘定をする。素人丸出し。馬鹿丸出し。経済学の「け」の字ぐらい、学んだ方がいいだろう。


● ニュースと感想  (7月12日b)

 「選挙の分析」について。
 民主党の敗北と自民党の勝利が決まったようだ。( 2010-07-11 20:30 )
 私なりに分析してみよう。

 (1) 民主党の敗北の根本理由は、菅直人の増税路線だろう。これで増税論議が低調になってくれれば、日本は救われる。増税なんて馬鹿げていますからね。

 (2) それでも民主党は、比例区では自民党に勝っている。票では勝って、選挙では負けている。これは、選挙制度に歪みがあるからだ。
  ・ 1票の格差は5倍
  ・ 地方は定数1で自民党が独占し、都会は定数2以上で自民党も取る
 こういうふうに、自民党に極端に有利な選挙制度となっている。今回の結果の本当の理由は、選挙制度の歪みだろう。

 (3) 今後はどうなるか? 改選議席だけだとわからないが、非改選議席もある。この分を考えると、民主党と公明党との連立以外にはありえないだろう。民主党とみんなでは、過半数になれない(と思う)。
 民主党と公明党は、政策がとてもよく似ているので、お似合いの二人だ。 (^^); たぶんこの連立になるだろう。みんな は、たぶん、連立に加わらないだろう。
 民主党と公明党で、過半数になるかどうかは、はっきりしない。ただ、ちょっと計算したところでは、過半数になりそうだ。非改選の数が大きいので。

 ま、詳しい話は、明日以降に議席が判明してからになるだろうが、現時点( 2010-07-11 20:30 )では、このくらいの話となる。


● ニュースと感想  (7月12日c)

 「公明党との連立」について。
 与野党の票差はかなり開いているので、民主党としては公明党と連立を組むしかないようだ。(みんな では足りないようだ。)
 しかし、公明党の方は、「連立しない」と述べている。( → 時事通信
 しかしこれは、建前だろう。連立をするための条件を吊り上げる条件闘争だ。そこで問題は、民主党は公明党に、(買収費として)何をプレゼントするかだ。
 私としては、次のことであろう、と推定する。
 「次の参院選の選挙制度を改革する。地方の小選挙区を廃止し、全国一律、中選挙区にする。定数を3ぐらいにして、公明党が当選する可能性を高める」
 これだと、選挙区の歪みも是正される。損をするのは自民党だけで、他の政党はすべて得をする。また、民意に即する形で、正確になる。
 今回の選挙は、選挙制度の歪みのせいで、自民党が勝ちすぎた。この選挙制度を改めることを条件にすれば、公明党は乗ってくるだろう。なお、政策そのものは、もともと民主党と公明党はとても近い。政策は問題とならないだろう。
 公明党としては、おいしい話ばかりなのだから、乗らないはずがない。何しろ、公明党というのは、与党になるためなら、あっちでもこっちでも、簡単になびく政党だからだ。

( ※ ただし、これを書いた時点では、「現在の与党と、みんな との合計が、過半数をギリギリ上回る」という可能性もある。みんな との連立は、可能性としては皆無ではない。ま、ありえないとは思うけど。それでも、ここ数日は、話題にはなるだろう。公明党と、みんな とを、はかり にかけることになるかも。)


● ニュースと感想  (7月13日)

 「民主党の敗因」について。
 民主党の敗因について、「菅首相が消費税についてどうのこうの」という報道が多く出ているが、間違っている。
 比例区の議席は、数字は票のままだが、選挙区の議席は、票とは食い違っている。議席は、民主党は 28議席で、自民党は 39議席だ。票は、民主党は 39%で、自民党は33%だ。まったく食い違っている。
 したがって、民主党の敗因は、「選挙制度の歪み」であるにすぎない。票がそのまま議席数になるなら、民主党が 36議席で、自民党が 31議席になるはずだ。もしそうなったら、現有議席数は、民主党は 8増えて 114議席になる。これなら公示前の 116議席から 2議席しか減っていないことになる。
 ま、その場合も、過半数には届かないから、結果的には大差ないかもしれない。しかし、見た目の印象は、大きく異なっているはずだ。「民主党には鉄槌が下された」というような判断にはならなかったはずだ。(2議席減ですからね。)
 それにしても、1票の格差が5倍もあるようなデタラメな選挙制度だと、何もかもおかしくなる。できれば最高裁が、今回の選挙を「無効」にしてほしいものだ。
 ま、それだけだと、民主党ばかり得をしそうだから、衆院も参院も、すべて選挙のやり直しをしてしまえばいい。(……というのは過激すぎるから、実現性はないけれど。でも、私としては、デタラメな選挙制度は、大嫌いだ。5倍の格差なんて、馬鹿にしすぎ。それに「地方は小選挙区で、都会は中選挙区」といういい加減さも、呆れる。自民党に有利になるような、制度のゲリマンダー。)


● ニュースと感想  (7月13日b)

 「高所得者への課税」について。
 日産のゴーン社長が9億円弱を稼いでいるという。これは別に悪くない。日産は数千億円の赤字を出していて、倒産寸前だったのだから、それを是正しただけでも、数千億円の利益を生み出したことになる。その成果報酬として、年間 10億円に満たない金を払っても、日産は損をしないだろう。むしろ、ゴーン社長が出ていったら、年間8億円を節約できても、年間数百億円の赤字を出すかもしれない。そっちの方が問題だろう。

 一方、大日本印刷の社長は、8億円弱も もらっているそうだ。同社は経営がよくできているわけでもなく、社員の給与水準は低い。だから、社員と社長との格差(比率・倍率)はものすごいらしい。
 この社長はどうしてこんなにもらっているのかと思ったら、30年間も独裁経営をし続けていることと、創業者の2代目ということで、会社の利益を食いつぶしているようだ。あと、従業員の給与を、なるべく引き下げているらしい。( → 元社員の告白

 こういう経営者には、たっぷりと課税してた方がいいと思いますね。
 もし国外に出て行ってしまったら? 他の役員や従業員の給与が上がるので、みんな大喜びでしょう。
 社長への課税が減るので、国の税収はかえって減ってしまうだろうが、こんな独裁者みたいな経営者はいなくなった方が、ずっと日本のためになる。
 だいたい、「高所得で税金を払う人が国の役に立つ」という理屈が成立するなら、マフィアの親分にみかじめ料をみんなで払えばいいのだ。そうすれば、人々は金をむしり取られて、マフィアの親分が数千億円を稼いで、税金をたっぷり払う。それで日本の税収が増える。
 こんなマフィアの親分は、さっさと国外追放した方がいいのだが、「いた方が日本の税収が増える」と計算する人もいそうだ。(国税庁の回し者か?)


● ニュースと感想  (7月13日c)

 (1)
 金とは何か? これには、経済学的な意味と、人間的な意味との、双方がある。  このことから、所得税が累進制をもつことも、説明される。
  → nando ブログ 「金とは何か? (所得税)」

 (2)
 労働者は賃金を得る。それはいかにして決まるのか? 労働市場で、市場原理によって決まるのか? そうとは言えない。
  → nando ブログ 「賃金とは何か?」


● ニュースと感想  (7月14日)

 「高度医療と財源」について。
 高度医療が進むと、途方もない巨額のコストがかかることになる。このまますると、健康保険はパンクしそうだ。というか、国民の医療負担が莫大になりそうだ。さらに、社会保障費の負担が増えて、財政赤字が拡大して、消費税が超高額になりそうだ。
 その一方で、日本では認可されないので、高度医療がいつまでたっても受けられない、という問題も生じている。
 ここには二律背反がある。これをどう解決するか? あちらが立てばこちらが立たず、というふうだが。というか、どっちも立たないようだが。  (^^);

 これについて、私なりの提案をしよう。こうだ。
 「混合診療を認める。高度医療については、保健の負担率を下げる。超高齢者についても、同様」
 たとえば、千万円を越えるような高度医療については、患者負担を3割でなく、5割とか7割とか9割とかにする。事実上の混合診療だ。
 ここでは、混合診療は、「金持ちのための高度な医療を野放しにする」という意味ではなくて、「莫大な経費のかかる処置については、患者の負担を高めて、実質的に混合診療にしてしまう」ということだ。金の節約が狙い。
 こうなると、「金のない人は高度な医療を受けられない」となるが、それは仕方ない。標準的な診療ならば、誰もが受ける権利を持つが、あまりにも高額な医療では、保険の負担には馴染まない。
 それでも、高度な医療について保健を受けたいと思う人には、それなりの特別な民間保険を設定すればいい。いや、すでにあるかな。癌保険とか。……ともあれ、高度医療は、政府による健康保険には馴染まない。財源の問題があるからだ。どうしてもそれが欲しい人は、それなりに自分で保険料を払うしかない。論理的必然。

 現状は、「保険料は払いたくないが、高度医療は受けたい」という自分勝手な滅茶苦茶論理を取っているから、矛盾が起こる。「保健の受益を得たいのであれば、保険料を払う」という原則に則れば、問題は解決する。
 要するに、単純な論理の問題だ。「高度な福祉が必要だから、消費税を 20%に上げよ」と述べている人もいるが、あまりにもお気楽すぎる。20%では、過去の借金を払うだけで消えてしまうはずだ。高度医療や高齢者医療を全員に十分に施すのであれば、消費税は 30%ぐらい、いや、40% は必要だろう。読売新聞あたりは、「法人税を大幅に減らせ」と主張しているから、その場合には、消費税は 50% ぐらいになるかもしれない。
 ともあれ、高度なサービスがほしければ、その高度なサービスを欲しい人だけが保険料を払えばいい。全員に否応なく押しつけて、その保険料を徴収する、なんて、とんでもないことだ。

 ちなみに、私だったら、80歳ぐらいで高度医療を受けて3年間余計に送る権利なんかいらないから、現役時代の税金を負けてほしいと思う。80歳ぐらいで寝たきり生活を3年間過ごす権利なんか、いりません。高度医療を受けられずに死んでも構いません。天寿だと思います。(軽い治療ならば受けたいけれどね。)
 それより、高齢にならないうちに、贅沢をしたいね。本音を言えば、青春時代のすかんぴんだったころに、お金がほしかった。あと1万円でも。  (^^);
 金がありがたいのは、若いころです。寝たきり老人に数千万円をかけても、たいしてありがたくない。
 
 [ 付記 ]
 ただし、このような措置は、社会的な合意が必要である。誰か少数者が勝手に決めるべきものではない。
 このような場合には、「正義とは何か」は、社会という共同体で意思決定をするべきだ。……それはまた、政治とか法とか問題でもある。
 こう考えてみると、法について考えるサンデルが、共同体主義になるのは、当然なのかもしれない。法を決めるのは共同体だからだ。
 サンデルは、倫理学者ではなく、(ハーヴァード大学)行政学部の人だから、すべからく共同体主義になった、と言えそうだ。
 語るに落ちた、という話みたいだ。  (^^);


● ニュースと感想  (7月14日b)

 「民主党の多数派工作」について。
 民主党が参院で過半数割れをした。このあと、過半数に至るには、11議席以上の積み増しが必要で、かなりハードルが高い。(国民新党が離脱したあとでは、もっと多くの積み増しが必要だ。公明党との連携が不可欠。みんなの党の議席だけでは足りない。)
 それより、もっと容易な方法がある。衆院で3分の2を確立することだ。現在の議席数は、これ。
 → 衆院の議席数
 現在の与党が 312で、欠員が2議席だから、3分の2超にあたる 320議席までは、あと8議席あれば足りる。無所属が5議席あることも考えると、どこかの党を引っ張り込むことで、3分の2になることが可能だ。
 参院の場合は、連立相手は公明以外にはない。衆院の場合には、共産党でも足りる。共産党と組むことはなくても、「共産党と組んでもいいよ」というカードを出せば、他の党との交渉で有利になる。
 ま、共産党と組むことも、考えられなくはない。昔は自民党と社会党が組んだのだ。あれに比べれば、意外性はない。
 私が共産党の委員長なら……多少は我慢しても、連立を誘われたら、OKしますね。ゼロに比べれば、ずっとマシだし。これをきっかけに、「共産党は怖くない」という評判が立てば、議席数を大幅にアップすることもできるし。

 というわけで、現実にどうなるかは別として、衆院で3分の2を狙う方が、よほど現実味がある。
 民主党の執行部は、みんなの党にしきりに秋波を送っているが、センスないですね。馬鹿丸出しというべきか。

 想定される事態。
 民主「民主党は本日、みんなの党との連立政権を樹立しました」
 記者「それで参院で過半数を握れるんですか?」
 「いえ、まだです」
 「じゃ、どうするの?」
 「このあと、他の党と連立します。公明党とか」
 「何で最初からそうしないの?」

 ま、どうなるにせよ、国政の停滞だけは、避けてほしいものだ。政治の脳死状態なんて、シャレにならない。


● ニュースと感想  (7月15日)

 木村剛が逮捕された。これは、不良債権処理という経済政策そのものが間違っていたことを意味する。
  → nando ブログ 「木村剛と不良債権処理」


● ニュースと感想  (7月15日b)

 「口蹄疫の牛」について。
 口蹄疫の牛をどうするかで、県と国とがもめている。ただし、国の主張は、論理的に破綻している。
《 民間種牛 国が殺処分も、宮崎県拒否なら 》
 この日、農林水産省を訪れた東国原知事は、同町の農家所有の種牛を県の管理とした上で、遺伝子資源として残したいと「特例」を求めた。山田農相は「再びワクチンを接種する事態が生じた時に『私は打たない。特例で救済してもらう』ということになれば、危機管理ができなくなってしまう」として譲らず、法律に基づき殺処分を求めた。
( → 2010年7月14日 読売新聞
 「再びワクチンを接種する事態が生じた時に『私は打たない。特例で救済してもらう』ということになれば、危機管理ができなくなってしまう」
 というのは、論理的に成立しない。「私は打たない」というのは、農家の勝手だ。しかし、「特例で救済してもらう」というのは、不可能だ。今回のように、農家が県に無症状とするのであれば、農家は救済されない(牛が救済されるだけだ)。また、そういう農家がたくさん出れば、県の側が「そんな牛、いらんよ」と拒めば、それまでだ。
 つまり、救済はありえないし、同じ例が続出することもありえない。1頭の牛が救われたからといって、1000頭の牛が救われるということはない。
 農相の理屈は、次の理屈と同じだ。
 「国会議員から首相を一人出すのを許したら、国会議員から首相が次々と出てしまい、首相の数が何百人にもなってしまう。それは問題だ。だから、国会議員から首相を出すのを許してはならない」
 この理屈の馬鹿らしさは、誰でもわかる。なのに口蹄疫では、わからない。頭がイカレている。

 口蹄疫の発生直後は、やたらと甘い規制をして口蹄疫を拡大し、口蹄疫が治まったあとは、やたらと厳しい規制をする。無意味なほどに。……こういう非科学的な体制が、物事の根幹にある。
 私の提案は? バカな事務官僚に任せるべきじゃない。専門家集団が判定するべきだ。前にも述べたように、日本疾病センターを構築し、そこが判断するするべきだ。素人の出る幕じゃないんですよ。
 政府がやるべきことは、政治家が目立つパフォーマンスをすることじゃなくて、必要な制度を整えることだ。


● ニュースと感想  (7月16日b)

 「IMFが消費増税を提言」について。
 IMFが「消費増税を」と提言した。
 国際通貨基金(IMF)は14日、日本に対する年次審査報告を発表し、先進国で最悪の水準となっている日本の財政状況について、「2011年度から段階的に消費税率を引き上げ、財政再建を始めるべき」と提言した。
 特に税率について、「(消費税率を)15%に引き上げれば、国内総生産(GDP)比で4〜5%(20兆円程度)の歳入増が生じる」などと言及している。IMFが税率や引き上げ時期などを詳細に示して増税を日本に求めるのは初めてだ。
 報告は、「ギリシャの財政危機に端を発した欧州の信用不安を背景に財政再建の緊急性が増している」と強調した。そのうえで、日本の消費税率について、14〜22%まで引き上げる案を提示。税率引き上げで短期的には「当初の3〜5年間は、成長率を 0.3%程度押し下げる」と推計した。しかし、中長期的には、「老後の不安などで蓄えていた貯蓄が消費に回る効果が見込める」として「毎年を 0.5%ずつ成長率を押し上げる」と結論付けている。

 IMF報告骨子
 ・ 2011年度から消費税率を段階的に引き上げ
 ・ 法人税率の引き下げなど成長戦略も同時に実施
 ・ 基礎的財政収支の赤字を今後10年間、GDP比で年平均1%分ずつ削減
 ・ 景気回復が弱まった場合には、日銀の追加金融緩和が必要
( → 読売・夕刊 2010-07-15
 消費税を 10%も引き上げれば、実質所得は 10%も下がる。当然、GDP は 10% 下がるはずだが、「成長率を 0.3%程度押し下げる」と推定している。頭がイカレているとしか思えない。マクロ経済学が全然できていない。馬鹿丸出し。
 
 好況期ならば、似たことは成立する。増税しても、その分、歳入が増える。その金を、政府が使えば、公共投資が増える。その金を、財政再建に使えば、(金を受け取った)民間の資金が増えるので、民間の投資が増える。しかし、ゼロ金利のときには、資金需要がないから、民間の投資は増えない。結局、消費税として国民から受け取った金は、無意味に滞留することになる。その結果は、ひどいデフレだ。

 こういう馬鹿丸出しに比べれば、菅直人のいう「増税で国が福祉産業の拡大」という方が、よほどマシである。IMF よりは、菅直人の方がまだしも馬鹿の度合いが低い。IMFのはほとんど自殺政策だ。……じゃなかった、日本破滅計画だ。クジラを殺す日本を破滅させてやろう、という陰謀だろう。黄禍論ですかね。(?)


● ニュースと感想  (7月16日c)

 (1)
 インフレ目標は、最大限に成功したとしても、インフレではなく、資産インフレを引き起こすだけだろう。
  → nando ブログ 「インフレ目標で資産インフレ」

 (2)
 土砂崩れ(土石流)が深層から起こるのを、深層崩壊という。これへの対策がないと言われる。しかし、ある。表層をシールして、雨水の浸透を防げばいい。
  → Open ブログ 「深層崩壊の対策」


● ニュースと感想  (7月17日)

 (1)
 インフレ目標を実施するとして、その目標となる率はどのくらいか? 2%ぐらいか? いや、2%では景気は改善しない。
 。
  → nando ブログ 「インフレ目標の率」

 (2)
 深層崩壊について、前日分で述べたが、早くも被害が生じた。この件について加筆した。
  → Open ブログ 「深層崩壊の対策」 【 追記 】


● ニュースと感想  (7月17日b)

 「タイ産のマーチは安いか?」について。
 タイ産のマーチは、安いのか? 「安いに決まっている」と思っている人が多いようだ。
 「人件費も安いし、法人税も安い。だからタイ産のマーチは、安いはずだ。このあと、日本の工場は、どんどん海外に出ていくだろう」
 というふうに。
 しかし、専門家はそう見ていない。自動車雑誌の「ベストカー」の最新号が、タイ産のマーチをフィットなどと比較している。そのデータによると、タイ産のマーチはちっとも安くないそうだ。途上国基準の安っぽい部品を使えば安くできるが、日本基準では通らない。そこで、日本向けにはきちんとした上質な部品を使って、輸入後には品質検査を二重に行なってチェックする。こういうふうに、品質確保にさんざん苦労したら、たしかに国産品と同等レベルの品質になったが、価格は国産をかえって上回るようになったという。(タイから日本に車を運ぶ運搬費を込みで。)
 運搬費の分だけ高いと考えると、海外輸出の拠点としては、日本でもタイでも同程度になるか、タイの方がいくらか安くなりそうだ。しかし日本向けの生産だけなら、国産の方が安上がりらしい。
 というわけで、「日本の工場がどんどん海外に逃げていく」ということは、ありえそうにない。
 エコノミストが「外国は、人件費も安いし、法人税も安い。だから日本の工場がどんどん逃げていく」といくら主張しても、それは嘘だと判明するわけだ。
 現実には、日産の海外工場は、米国やイギリスなど、いろいろある。途上国にもあるが、先進国にもある。一方、法人税が安いと言われる韓国や香港やアイルランドには進出していない。他の自動車会社も同様だ。
 こういう基礎事実を無視して、「法人税の安いところに企業が逃げていく」と嘘をつくエコノミストが多いのは、まったく困りものだ。正しくは、「需要の多いところに進出する」でしょう。


● ニュースと感想  (7月18日)

 菅直人は、経済政策として、「増税して社会福祉に支出」という方針を示している。これは「福祉分野の公共事業」とも言える。これは成立するのか?
  → nando ブログ 「第3の道とは」


● ニュースと感想  (7月18日b)

 杉人工林は、間伐しないと、森林の荒廃になりかねない。しかしながら間伐は採算には乗らないので、ボランティアに頼るしかないという。このままだと、森林は、慢性的な赤字事業となる。どうすればいいか?
  → Open ブログ 「杉林の転換(列状伐採)」


● ニュースと感想  (7月19日)

 (1)
 暑い。猛暑なのは、なぜかというと、偏西風が北上したため。
  → Open ブログ 「猛暑と偏西風」

 (2)
 暑さがひどいときには、冷水シャワーがお勧めだ。
  → Open ブログ 「シャワーのお勧め」

   (3)
 アナログ停波を延期するべし、という有識者提言が出た。  この話題について、情報を調べてみる。
  → Open ブログ 「地デジとアナログ停波」


● ニュースと感想  (7月19日b)

 「iPhone/iPadで起業するな」について。
 池田信夫が「iPhone/iPadで起業しよう」という講演をして、金儲けを企んでいる。
  → 該当ブログ
 しかし、こういうのには、踊らされない方がいいだろう。
 私としては、別に、彼の商売を邪魔してやろうという魂胆はないから、上記の講演を聴くのは構わない。金を払うのも構わない。それは、ご自由に。
 しかし、「iPhone/iPadで起業しよう」と思うだけならいいが、実際にそんなことをするべきではない。そんなことをしたら、99%は失敗する。
 なぜかといえば、IT分野は、みんなそうだからだ。成功している例は、非常に少ない。成功した例としては、次のいずれかだ。
  ・ IT技術力が非常に高い。独創的技術。
  ・ 普通の人が狙わない、ニッチな市場を制覇する。
 前者の例としては、Google の成功例があるが、成功したのは世界一の Google だけである。世界3位以下の莫大な数の企業は、ほとんど消滅している。(検索エンジンでは、Google か Yahoo ぐらいしかない。Bing なんて知られていないし。)「世界1か、さもなくば死か」という状況だ。
 後者の例としては、女の子向けのニッチな市場などがある。こういう例では、「女の子の感性」というものが非常に重要になる。ただし、普通の男性には、まず無理だ。特にオタクなんてのは、感性が正反対だから、全然ダメだ。

 とにかく、IT分野というのは、死屍累々である。会社を辞めて、起業したのはいいが、小企業の哀れさで、あっけなく撃沈、という例は、非常に多い。
 その見本として上げられるのは、当の池田信夫の電子出版だろう。自分が起業して、社長に納まったが、この事業が成功する見込みは、ほとんどゼロである。というのは、大日本印刷などの大手企業が、どんどん電子出版に乗り込んできたからだ。こうなったら、小企業の出番は、ほとんどない。いくら先んじて市場を開拓したつもりでも、大企業が出てきたら、もはや手遅れだ。
 小企業がやるとしたら、大企業が出る前に、市場を支配することだ。そのためには、その市場があると知られないうちに、市場を創出することだ。「電子出版の市場があるぞ」と世界で広くいわれてから、アメリカの物まねで、日本で電子出版の分野で起業しても、成功するはずがない。ということは、起業に投じた莫大な金が、すべて無駄に消えてしまう、ということだ。多大な損失が出るだけだ。
 池田信夫の場合は、副業だからまだいいが、本来の会社を辞めて、新たに起業したら、あまりにも悲惨だ。特に、今みたいに不況のときには。

 一般に、ITの分野は、非常に優秀な人がいっぱいいる。しかも、世界レベルで、競争にさらされている。ちょっと思いつきが出たぐらいのことで起業すれば、必ず失敗する。
 どうしても起業するなら、「その市場がある」と誰も気づいていない市場を、自ら創出して、その市場を独占できた場合だけだ。
 ひるがえって、iPhone/iPad なんて、今からでは手遅れだろう。せいぜい、「 iPhone/iPad を使ったソフトウェアの開発」ぐらいだ。それは、不可能ではないが、ありふれた道であるがゆえに、大儲けなんて、まず不可能である。起業したとして、うまく行った場合でも、現在の収入と同じぐらいだろう。「大金持ちになる」なんて、ありえない。だいたい、それだけの実力がある人なら、既存の企業でも、頭角を現しているはずだ。だったら、既存の企業のなかで、出世を目論む方が、ずっと賢明だ。特に、今みたいな不況のときには。
 ともあれ、
  ・ 勝負に勝った場合の成功報酬が小さい
  ・ 勝負に負けた場合の破綻の危険が大きい
 という二点からして、iPhone/iPad による起業は、お勧めできない。どうしてもやりたければ、誰も思いついていない分野でやるべきだ。iPhone/iPad による起業は、誰もが思いつくがゆえに、やめた方が無難である。(目新しいソフトを作る、というぐらいのことでは、全然ダメだ。最高度に成功しても、一発屋になるだけで、継続的な成功は見込めない。)

 ただし、たった一つ、うまく儲ける方法がある。
 「iPhone/iPad で金儲けをする講座」
 を開講することだ。そうすれば、カモを引っかけて、後援会の代金をちょうだいできる。
 あるいは、
 「iPhone/iPad で金儲けをする方法」
 という本を書くことだ。(勝間和代ふう。)これで、カモを引っかけて、本の代金をちょうだいできる。

 こういうふうに、カモをだまして引っかけるという方法だけが、金儲けの唯一の方法だ。 Google の真似をするにせよ、iPhone/iPad を使うにせよ、どっちみち、それを話題として、カモを引っかければいい。
 ま、その意味では、池田信夫のやっていることは、とても賢明だ。勝間和代ぐらい賢明だ。


● ニュースと感想  (7月20日)

 (1)
 池田信夫はしばしば、「若い世代から高齢者世代へ、所得の移転が起こる」と主張する。
 これが間違っていることについては、1週間ほど前に説明した。
  → 7月12日
 一方、根源的な点については、2年余り前に言及した。そちらも参照。
  → nando ブログ 「高齢者の損得」

 (2)
 民主党の小沢一郎には、賛否の両論が寄せられる。では、小沢一郎とは、どんな存在なのか?
  → nando ブログ 「小沢一郎とは何か?」

 (3)
 横浜で彩雲(七色の雲)が観測されたという。
  → Open ブログ 「彩雲」


● ニュースと感想  (7月20日b)

 「世界恐慌の理由」について。
 池田信夫ブログに、よい記事があった。といっても、池田信夫本人の意見ではなくて、書評だから、書籍の意見。
  → 池田信夫の書評
 これによると、世界恐慌を起こした理由は、当時の金融担当者が「金本位制」にこだわったことだ。── 「金本位制を守ることが善だ」と思い込んだせいで、それを守ろうとしたあまり、かえって不況を拡大してしまった。

 ここで話を終えたら、詰まらない。だから、このあと、私が書く。
 実は、このことは、現在と相似形である。
 「財政均衡を守ることが善だ」と思い込んだせいで、それを守ろうとしたあまり、かえって不況を拡大してしまう。
 これが現況だ。とすると、まさしく、世界恐慌のときと相似形である。「金本位制」が「財政均衡」に変わっただけだ。しかるに、その意味は、どちらも(二つとも)ほとんど変わらない。
 
 7月16日b で述べたように、IMFは、財政均衡主義のもとで、日本に増税を迫っている。これはちょうど、世界恐慌の前夜の、金融担当者と同様だ。
 当時の方針については、ケインズが批判した。現在のIMFの方針については、私やクルーグマンが批判している。このこともまた、当時の状況に似ている。
 歴史は繰り返すという点からすると、世界恐慌は再現するのかもしれない。その震源は、増税をした日本かも。


● ニュースと感想  (7月21日)

 「法人税減税の効果」について。
 法人税減税については、「そんなの効果はない」と私は思っていたが、頭のなかで考えているだけで、文章にはしていなかった。(面倒臭くて。あと、独自の意見でもないので。)
 そのまま放置していたのだが、その内容を、私が思っていた以上にきちんと表現したエコノミストがいたので、その文章を紹介する。孫引き。
 法人税率を引き下げて減税することが日本の成長戦略であり、株式市場にとっても好ましいと考えられているようです。しかし、法人税減税の影響で消費税増税の増税額が大きくなり、経済にマイナスの影響となる可能性はないでしょうか?そう考えていたら、いくつか法人税減税の問題点を指摘する意見がありました。
 まず、今週号の週間ダイヤモンドで野口悠紀雄氏は、
 『法人税減税をしても多くの法人が法人税を払っていないから、効果が無い。(中略)仮に、こうした事情が無くても法人税は事業活動に影響しない。なぜなら法人税は利益にかかる負担だからだ。利益は企業活動の結果として最終的に決まり、利益最大化は企業の基本的な行動原理である。だから、税率が変化しても法人の行動に影響を与えることは無い。』
 と主張します。全くその通りで、税率の変化と無関係に投資の決定は行われ、雇用も余分に増加することは無いでしょう。また、企業が税率の低い海外へ逃げると考えるのも日本は海外分も含めて課税しているので影響が無く、外資が入りやすくなるというのも買収防止策が取られることが多く、税率とは関係が小さいと同氏は指摘しています。
 あるいは、日経ヴェリタス紙では京都大の中野剛志氏が『法人税減税は究極のバラマキ』と題して政策を批判しています。注目すべき主張は、
 『法人税は内需を縮小させる公算が大きい。なぜなら今の日本経済は需要不足でマネーが投資に向かわない貯蓄超過だからだ。しかも、過剰な貯蓄はもっぱら法人部門にある。法人部門にカネはあっても投資先がないというのがデフレ不況の問題の本質だ。』
 という指摘でしょう。利益が見込める投資先があれば企業は既に活発に投資しているでしょうし、大型の投資では借入を行うか、増資を行うことが主流ですから、減税の必要性はありません。
 このような理由で法人税減税分が成長戦略とならず、消費税率の引き上げ分に上乗せされるなら、景気悪化策になるに違いないでしょう。
( → 引用サイト
 私も同じようなことを考えていたが、ま、誰でも簡単にわかることだと思う。こんな簡単なこともわからないで、「法人税引き下げ」なんて論じる人々がいるのだから、ほとほと呆れる。しかも、それが、与野党の共通認識だという。で、法人税減税のために、消費税を上げるというに至っては、何をかいわんや。
 これを「駄目だ」と指摘する政党は、共産党ぐらいだ。経済を理解できない政党ばかりで、共産党だけがまともだとは。呆れる話。

 [ 付記 ]
 「法人税を引き下げないと、企業が逃げていく」
 という主張があるが、この数十年間に、日本から逃げていった企業など、たぶん、ほとんどないだろう。海外生産を始めた企業ならたくさんあるが、日本という市場を放棄した企業など、ほとんどないはずだ。
 例外的なケースとして思い浮かぶのは、ユニデンかな。しかし、この会社は、法人税が低い国をめざしたのではなく、高品質品を求める日本市場では戦えないから、低品質でも低価格の商品を受け入れる米国市場に逃げただけだ。なお、米国の法人税は、ちっとも低くないので、当然ながら、法人税の低い国に逃げたわけではない。単に巨大な市場を求めただけだ。
 「法人税を引き下げないと、企業が逃げていく」
 なんて、事実を見れば簡単に嘘だとわかるのに、よくもまあ、「王様は裸だ」というような嘘ばかりを付いて、人々をだますものだ。だまされる方も、どうかしているが。

 ジャイアン「おまえのプリン(給食のオマケ)を、おれによこせ。さもないと、おれは、隣のクラスに出ていくぞ。そうなったら、このクラスは、誰からも守ってもらえないぞ」
 スネ夫「わかりました。僕のプリンを上げます」
 しずか「いやよ。出ていきたきゃ、あなた勝手に出ていけば」
 ジャイアン「何だと! こいつめ!」
 のび太「しずかちゃんをいじめるな!」
 教師「ジャイアンの言うことが正しいので、みんなでジャイアンにプレゼントしましょう。これが学校の方針です」

( ※ そのあとでジャイアンは、教師に袖の下を贈りましたとさ。)


● ニュースと感想  (7月21日b)

 「消費税の減税」について。
 「消費税の増税」という菅直人の方針が大騒ぎになったばかりだが、「消費税の減税」という案も考えられる。
 前項(本日別項)では、「法人税の減税は、景気回復効果がない」と言うことを説明した。特に、「消費税の増税と、法人税の減税」ならば、プラス効果がなくて、マイナス効果だけがある。
 そこで、これをそっくりひっくり返して、「消費税の減税と、法人税の増税」という案が考えられる。

 そこで、考えてみると……
 (1) 消費税については、5%の消費税課税がなくなるので、所得(と資産)が5%増えた効果があり、需要が5%増える。これで一挙に景気回復。
 (2) 法人税は、大幅に増税しても、問題ない。もし景気が悪ければ、どっちみちほとんど税を払っていないから、関係ない。もし景気が回復すれば、税率アップを補って余りあるほどの巨額の利益が生じるから、万々歳だ。

 というわけで、「消費税の減税と、法人税の増税」というのは、景気対策としては、非常に有効なのである。やってみる価値は、十分にある。

 ただし、難点も一つだけある。「下げたり上げたり」というのが、事務手続きの点で、非常に面倒だ、ということだ。そこで、この問題をなくすのが「定額減税」なのだが、しかしまあ、どっちみち、効果としては大差はないから、私としては、これは十分に「あり」だと思いますね。経済政策としては。(まともです。)

( ※ ただし、実現性から言えば、まず、ありえないだろう。定額減税よりも、もっと抵抗があるはずだから。本項は、実現性は無視して、効果だけを述べた。)


● ニュースと感想  (7月21日c)

 暑くて喉が渇くときには、水割りのジュースがお勧めだ。
  → Open ブログ 「水割りジュース」


● ニュースと感想  (7月22日)

 「上海VWの事故」について。
 事故の記事。
  → zakzak
  → 中国の記事の英訳


● ニュースと感想  (7月22日b)

 マイクロソフトの入社試験は、学力テストではなくて、パズルないしトンチみたいな問題が出るそうだ。「富士山をどう動かしますか?」というふうな。  その正解を示す。(私なりに)
  → Open ブログ 「富士山をどう動かしますか?」


● ニュースと感想  (7月23日)

 「IQが高いと成功する」と思う人は多い。しかし現実を見れば、そうではないとわかる。では、なぜか?
  → Open ブログ 「IQが高いと成功するか?」


● ニュースと感想  (7月24日)

 「菅直人と細川護熙」について。
 菅直人を見ていると、細川護熙・元総理大臣と二重写しに見える。
 次の記事を参照。
 閣僚らの反発は、来年度予算の概算要求基準の骨子に、当初、社会保障費などを除く政策的経費の「一律10%削減」を盛り込もうとしてわき起こった。
 菅首相は“経済オンチ”と揶揄(やゆ)された財務相時代、明治維新の立役者の1人、勝海舟の曾孫・勝栄二郎主計局長らから経済政策について細かくレクチャーを受けた。この功績からか、勝氏は菅内閣発足後、事務次官への昇格が内定している。
 このため、「いくら国家財政が厳しいとはいえ、政策のメリハリもつけずに『一律10%削減』とは、あまりにも財務省的な発想だ。菅首相は野田佳彦財務相(53)とともに、財務省の軍門に下った」(民主党ベテラン)との見方が。
 批判を避けるためか、20日に決定した概算要求基準の骨子には「一律10%削減」は盛り込まれなかったが、まだ、菅首相や野田氏はあきらめていないという。
 鳩山内閣が官僚のサポートを十分受けられずに失敗したため、菅首相には「官僚を使いこなす」という意識が強いとされる。だが、ミイラ取りがミイラになり、「官僚主導」「財務省主導」を復活させつつあるのか。
( → zakzak
 菅直人はもともと政治には強いのだが、経済には弱い。経済学を体系的に学んだこともない。なのに財務大臣になったものだから、にわか仕込みで経済学を勉強した。しかし、勉強したときの先生が、上記のように、財務省の官僚だった。おかげで、財務省の官僚にすっかり洗脳されてしまった。
 「経理があって、経済学がない」
 というのが、財務相の昔からの特徴だが、これに染まってしまったわけだ。

 ここまでを見ると、細川護煕とよく似ていることに気づく。どちらも国民的人気が高かった(細川の支持率は 9割ぐらいだった)のだが、消費税の引き上げで人気ががた落ちした。細川の場合は、「ある朝、目覚めてみると、消費税の引き上げ案が発表される」という事態。菅直人も、大同小異だ。
 で、どうして、二人ともそうしたか? 財務省の官僚が、黒子となって、後ろで指図していたからだ。
 財務省の官僚としては、うまく首相を洗脳すれば、日本を思うとおりに操れると思ったのだろうが、残念ながら、首相を踊らせることは出来ても、国民を踊らせることはできないわけだ。

 とはいえ、財務省の官僚が、こういうことをするのは、あくまで彼らが善意だからだ。で、善意ゆえに、首相を駄目にして、さらには国家を破滅させようとする。……それというのも、間違った経済学を取っているからだ。というよりは、経済学を知らず、帳簿のことしか考えていないからだ。

 実は、財務省の官僚(の優秀な人)は、原則として、東大法学部の出身であり、その後、米国の経済学部に留学する。そこで一生懸命学ぶのだが、学ぶのはフリードマン流の経済学が多い。しかも、点数を上げるのが目的だから、主流派の見解ばかりを学んで、批判的に経済学の分野の全貌を見るということがない。学んでも、ろくに学んだ結果とならない。しかも、古巣に戻れば、経理(財務)が最優先になってしまい、昔学んだことはきれいさっぱり忘れてしまう。
 そして、こういう官僚に学ぶから、「頭はいいけれど、まともに考える能力がない」という官僚の指揮の下で、洗脳されてしまうわけだ。

 とはいえ、本当の責任は、菅直人にあるのではない。「これが正解」というプランを示せない経済学者全体にある。マスコミなどには、「経済財政諮問会議を復活せよ」という意見もあるが、それを復活させても、まともな方針が出せないのでは、何の意味もない。
 特に、小泉政権みたいに、「竹中と木村剛の方針」なんかで突っ走ったら、状況は改善するどころか、悪化する。(実際に悪化した。)

 要するに、菅直人がまともな方向に進めないのは、彼が間違っているからというより、まともな正解を示せない、日本の経済学界全体にある。「大規模減税」という正解を示している経済学者は、まったくいない。「消費税増税」だの、「法人税減税」だの、全然トンチンカンな方針を示している人たちばかりだ。
 こういうふうに「正解なし」の状況では、菅直人が迷走するのも、やむを得ない。
 だから、本当に必要なのは、菅直人が正解を選択することではなくて、菅直人の前に正解を含む選択肢を示すことだ。現状では、彼の前に示された選択肢のなかに、正解は含まれていない。こういう状況では、菅直人を批判しても、どうにもならない。誰が首相になっても、やはり迷走するだけだ。


● ニュースと感想  (7月24日b)

 「経済財政白書」について。
 経済財政白書が発表された。
  → 内閣府の原文
 要旨は下記リンク。
  → 日経による要旨
  → 共同通信による要旨
 後者から、一部抜粋すると、
 「財政再建では歳出の抑制とともに歳入を増やす努力が重要。」
 「需要面の拡大は、生産性を高めるなどの供給面での対応があって初めて可能になる。」
 この二点は、どちらも間違いだ。
  ・ 歳入を増やす努力をすれば(増税をすれば)、かえって歳入は経る。
  ・ 生産性を高めようとすれば、解雇・失業が増えて、需要はかえって減る。
 これらの点は、すでに何度か指摘したので、本項では言及しない。

 もっと重要な点があある。「法人税を引き下げると、国家の歳入が増える」という詭弁。
 先進国で最も高い日本の法人税(40・69%)の実効税率に関連して、経済協力開発機構(OECD)諸国では「20%以上30%未満」の国が、国内総生産(GDP)に占める法人税収の割合が最も多いとの分析結果を提示した。法人税率の引き下げが企業の事業拡大を後押しし、利益が増えて、結果的に税収増につながることを示すことで、法人税率の引き下げを促した。
( → 読売新聞 2010-07-23
 紙の新聞にはグラフもある。表で書くと、次の趣旨。

    税率      法人税収(GDP比)
     40% 以上    …… 小( 2.5% 程度)
   30%〜40% 未満 …… 中( 3.0% 程度)
   20%〜30% 未満 …… 大( 3.8% 程度)
     20 未満     …… 小( 2.5% 程度)
                   ( OECD諸国 1981〜 2008年)

 このことから、次のことを結論している。
 「法人税率を上げると、かえって税収は減る。それよりは、法人税率を下げた方が、税収は上がる」
 しかしこれは、統計のペテンだ。

 (1)
 そもそも、サンプル数が少ない。40% 以上といえば、日本と米国だけだろうが、そのうち日本は、世界で唯一の長期不況だ。長期不況であれば、法人税の税収が低いのは当然である。税率の高低とは関係ない。単に不況では法人税が下がるというだけのことだ。

 (2)
 日本の法人税の税収が少ないのは、各種控除がたくさんあるからだ。これが最大原因なのに、このことに言及していないのは、ペテンも同様だ。

 (3)
 記事によると、「企業が家計に分配する原資が必要」と述べているが、前に円安で景気が少し回復したときには、原資はたっぷりとあっても、企業はそれを内部留保にまわすだけで、家計に分配しなかった。当時の文章から引用しよう。
 現状(2003年の後半)に当てはめよう。企業は輸出によって利益を出しているが、それを労働者へ配分せずに、内部留保に回して、企業業績を向上させようとばかりしている。「黒字がいっぱい出たぞ」と大喜びをしている。しかし、そんなことをすればするほど、不況脱出は困難になる。
 正しくは、輸出によって利益を、内部留保に回さず、労働者にたっぷりと配分することだ。企業はふだんは、「成果主義」と主張しているのだ。とすれば、成果が出て、利益が出たのなら、その成果を労働者にちゃんと配分するべきだ。
 しかるに、そうしない。企業は利益を独り占めしようとする。経団連あたりも、しきりに賃下げを主張する。かくて、企業はますます業績が好転するが、いつまでたっても不況を脱出できなくなる。……間違った理論に従って行動すると、こういう結果になるのだ。
( → 泉の波立ち 2003年11月23日 の [ 付記 ])
( ※ 他にも同種の内容は → サイト内 検索
 というわけで、原資だけがあっても駄目なのだ。それが歴史の教えてくれることだ。(ほんの7年前のことなのに。もう忘れちゃうとは、健忘症か。)

 なお、記事によると、次の話もある。
 「財政再建に向けて、景気動向に税収が影響されにくい消費税中心の税体制に移行する必要性」

 まったく困った認識だ。法人税は、景気の悪いときには税収が減り、景気の良いときには税収が増える。これは、困ったことか? いや、逆に、好ましいことだ。
 このことは、高校の経済学の教科書に、ちゃんと書いてある。「ビルトイン・スタビライザー」(自動安定装置)という概念で。
 つまり、景気が悪化したときには、自動的に減税になり、それが景気回復効果をもたらすから、景気の悪化の度合いが減る。
 逆に、景気が悪化しても定額の税収を得れば、家計や企業の負担は大きいから、景気の悪化を加速してしまう。つまり、状況をかえって悪化させる。(というのは、経済というものはもともと、景気の変動を増幅する「不安定構造」をもつからだ。放置すれば安定するのではなく、その逆である。)

 「景気の変動にかかわらず、安定した税収を」という発想は、「安定した税収を得るために、国家経済の変動をいっそう拡大する」という発想だ。それは、世界恐慌期における「均衡財政路線」と同じであり、不況を恐慌に変貌させる政策である。
 このような基本的なイロハさえも理解できないで、「安定した税収を」と書くのは、狂気の沙汰だ。
 経済学を知らない人間が、一国経済の方針を立てようとする。そして、1世紀前の世界恐慌から何も学ばずに、同じ方針をふたたび取って、日本を破滅させようとする。
 法人税減税にせよ、消費税増税にせよ、狂気的な政策ばかり取ろうとしているのが、日本の政治だ。このままだと、日本は破滅的な事態になりかねない。
 それにしても、それを是正する役割を、マスコミに求められるのだが、読売にせよ、朝日にせよ、すっかり古典派経済学に染まってしまったから、政府と同じ愚を取ろうとする。政府の愚を治すかわりに、政府の愚を推進する。
 ま、そういうことだから、日本は 20年も不況であるわけだが。……それにしても、「今までは間違っていた」ということすら認識できないようでは、困ったことだ。
 日経による要旨によれば、
 日本では過去20年程度にわたって慢性的な需要不足が続き、デフレからの脱却が困難になったと指摘。「バブル崩壊の負の遺産は払拭(ふっしょく)されていない」との認識を示し、家計部門を中心とする日本経済再生の必要性を訴えた。
 ということだが、過去20年程度にわたって、政府やエコノミストの処置が全然見当違いで効果がなかった、という点についての認識が欠落している。構造改革やら、量的緩和やら、そういうことを必要だとしてきたのが、これまでの経済財政白書だった。しかし、その通りにしても、まったく効果がなかったのだ。その点についての反省がまったく欠落している。
 自己の誤りを認識できないようでは、経済財政白書は、今年もまた、間違いを繰り返したということにしかならない。過去20年の不況というよりは、過去20年の認識ミス・判断ミスだろう。それを自己認識しない限り、どうしようもない。
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● ニュースと感想  (7月25日)

 「法人税の減税」について。
 前日分の続き。
 法人税の減税という案は、小泉時代にも提唱されたことがあった。2002年。
 法人税減税をめぐって、政府税調会長と竹中大臣が対立。前者は、「需要不足のときに法人税を減税しても無意味」という主張。後者は、「長期的な観点からサプライサイドで法人税減税をやるのだ」と主張する。 まったく、二人とも頭が悪すぎる。子供にもわかるように説明しよう。
   ……(中略)……
 企業に1兆円を渡して、それで何か効果が出るか? 企業はそれを、ありがたがるか? 「金をもらえれば喜ぶだろう」と竹中は思うようだが、企業の立場になって考えよう。企業としては、どう受け止めるか?
 法人税減税や投資減税なら、「今は減税、将来は増税」と言われても、何の意味もない。もともと設備は過剰なのだから、それで得た金を単に預金するだけだ。ちっともありがたくない。
( → 2002年8月23日b
 詳しくはそちらに書いてあるので、そちらを参照。

 なお、次の話もある。(結果論)
 政府の「法人減税」の方針は、規模が1兆円。トヨタの年間利益は、5000億円。以前に比べて、倍増で、大儲け。なのに、労働者への賃上げは、ほぼゼロ。( → 2002年8月18日


● ニュースと感想  (7月24日c)

 経済政策で重要なのは、財政か経済か? 財政の安定と経済の安定の、どちらを優先するべきか?
  → nando ブログ 「財政か経済か?」



● ニュースと感想  (7月25日b)

 科学技術の話題を三つ。

 (1)
 地デジ(地上波デジタル)の推進のため、アナログ放送を停止する方針が出されている。ただし、その理由は、嘘だ。
  → Open ブログ 「地デジ推進の嘘」

 (2)
 いわゆる視聴率というものの数字は、インチキである。というのは、家庭内で2台目、3台目のテレビの分を、カウントしていないからだ。
  → Open ブログ 「視聴率の嘘」

 (3)
 プラスチックは、分別回収したあと、リサイクルしてプラスチックに戻すより、燃やして発電エネルギーとして回収する方が、効率的だ。その情報を示す。
  → Open ブログ 「プラごみ発電」





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