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昨日を懐かしむためじゃなく、 今日を生き、明日をうたう、 ひとりを知り、愛を知る、  まあ、 だいたいフォークな感じで…

祝!2015Big Present2

「最新作品に見る、神様対王様~女王付き」
~岡林信康vs吉田拓郎対決第2弾~

 この冬、岡林・拓郎と相次いで最新作のCDやDVD、BDを発表した。発売時期と言い、これまでの音楽人生の総決算的な内容と言い、ライブアルバムであることと言い、まるで申し合わせたかのように似ている。もちろん偶然に違いないが、ここで両者を一遍に観賞できることは有難いことだ。
 
 とは言いつつ、実は告知内容を見て、買おうかどうかすら迷った。いかにも既視(デジャブ)感があったからだ。聴かなくても大体は分かるような楽曲の羅列。それでも買ってみたのは、長年の信者としての半ば義務感と、何より去年に続いてこの対決原稿を書こうと思い立ったからに他ならない。
 
 ところが、ちょっとしたハプニングがあった。拓郎のBDを見ながら、アマゾンを検索していると「この商品を買った方はこれも買っています」案内に中島みゆきの最新BDがあり、やたら評価が高い。酔った勢いもあって、思わずクリックしてしまった。なんと、フォークの女王様も図らずも同時期に同様のコンセプトの作品を産み落としていたのだった。
 
 以下に、内容を整理し、感想を書く。

1.作品名
  岡林:「ライブ45周年記念 2013/12/14日比谷公会堂





  拓郎:「LIVE2014



  中島:「縁会 2012〜3







 ■Tのひと言:長さだけは岡林の勝ち?ってなんのこっちゃ。鮮度では拓郎の勝ち。

2.構成
  岡林:CD2枚にDVD1枚。全20曲。ただし、DVDには、アンコールの3曲しか入っていない。
  拓郎:BD1枚にCD2枚。両方に全22曲が入っている。
  中島:BD1枚。全22曲。CDは別売りとなっており、一部曲目が異なる。

 ■Tのひと言:BDもCDも鑑賞できる拓郎の勝ち。岡林は映像の時代に乗り遅れたか。

3.曲目
 ■Tのひと言:3者ともオールタイムベスト的な曲目で構成。この点では、大きな得失なし。
 ■Tのひと言:私の好きな曲を抽出すると、
  岡林:26番目の秋、今日をこえて、山辺に向かいて、君に捧げるラブソング
  拓郎:人生を語らず、僕の道、サマータイムブルースが聴こえる、淋しき街
  中島:空と君の間に、最後の女神、地上の星、世情、恩知らず
 ■Tのひと言:入れて欲しかった曲はと言えば、
  岡林:誰ぞこの子に愛の手を、夜明けの風に、ストーム、申し訳ないが気分がいい、みのり、ラブソング、カボ
     チャ音頭、全ては恵みの雨となって
  拓郎:まだ見ぬ朝、流星、ファイト!、ローリング30、ひまわり、Life、サマルカンドブルー、若い人、フキの
     唄、大いなる、人生キャラバン
  中島:ファイト!、玲子、海鳴り、おまえの家、糸、(研究不足でスミマセン)

4.スタイル
  岡林:フォーク弾き語り、ロック、演歌、エンヤトット(御歌囃子)と、彼の音楽人生そのままに多彩(と言うか何
     というか・・・)。
 ■Tのひと言:やっぱ演歌以降にはついていけず、ロック(と言ってもフォーク・ロック)の比重を高めて欲しい。
  拓郎:弾き語り1曲(こうき心)<ハプニング的な旅の宿は別>を除き、バンド編成(一時期ほどではないが大規模
     )。
 ■Tのひと言:もう少し、弾き語りやアンプラグド的、ザ・バンド的な演奏の比率を高めて欲しい。
  中島:拓郎とほぼ同様だが、弾き語りはない(ギターは手にしたりしているが)。場所は拓郎と同じ東京国際フォ
     ーラムAである。
 ■Tのひと言:同じ瀬尾一三が関与(今回の拓郎は武部聡志だが)しているから、仕方ないか。

5.声
  岡林:今回ここが一番気になった。岡林の声が微妙に、というよりはっきりかすれている。というか、ぼやけて
     いる。独特の澄み切って美しいソプラノではない。加齢の仕業か、当日の体調の問題か分からないが、万
     全のコンディションとは言えなかったのではないか(とても「ベストパフォーマンス」との宣伝には与せ
     ない)。
  拓郎:声が良い。冒頭の「人生を語らず」のサビ部分前での唸り(咆哮)声は、一種演歌のこぶしのようで、若い
     ころの迫力が戻った。声に艶と深さがある。とても肺を一部切除したとは思えない。何でも、生まれて初
     めてのボイストレーニングを実施した由だが、その効果が出たのだろうか。
  中島:これまた強靭で迫力のある歌唱である。ワンアンドオンリーと言いたいところだが、誰かに似ているよう
     な気がして、考えてみると、そうだ、この力強さは、この伸びは美空ひばりに似ている。ひばりとみゆき     。それぞれ新旧歌の女王ではあるまいか。

6.その他
  岡林:「山辺に向かいて」の最後で感極まって途切れ、涙声になったのには感銘を受けた。まるで、74年元旦の
     アイシャルビーリリーストと同じように。神様、やはり人生のつらい時期を乗り越えてきたのだ。
  拓郎:洛陽は聴き飽きているが、2人のギタリストの共演には心動がされるものがある。
  中島:歩く姿はキリッとしており、顔相は慈悲に溢れている。そして楽曲はいちいち感動的な名作だ。

7.評価
現時点でのアマゾンでの評価(カスタマーレビュー)を見ると、
 岡林:(なんと)ゼロ
 拓郎:22個
 中島:66個(しかも星5つが51と圧倒的に多い)

 ■Tのひと言:圧倒的に中島の勝ちである。それにしても岡林のファンは何をしているのだろうか・・・?「最初
  に評価してみませんか」状態である。
 ■Tのひと言:しかし、この客観指標、馬鹿にしてはいけない。今回の作品対決、案外この順番が妥当な気がして
  いる。半分以上残念だが、時代が変わろう(世代交代)としているのかもしれない。

岡林と拓郎は、私の知る限り、1971年の全日本フォークジャンボリー@中津川と1972年の音搦大歌合(おとがらみだいうたあわせ)@日本武道館だけでしか共演(と言ってもすれ違い)していないが、どちらかが亡くなる前に、一度共演するところを見たいものだ。拓郎は岡林のエンヤトットを聴いたことがあるだろうか?
なお、拓郎と中島は2006年のつま恋コンサートで、文字通り共演しており、いわば相思相愛の仲である。

以上、いろいろ(批判的なことも)書いたが、両雄68歳にして、いまだ衰えることなく元気で音楽活動を続けていることは、望外な喜びであり、文字通り有難い。新しい歌が少なくなり、セットリストが固定化しつつあることは致し方なかろう。また、中島みゆきも還暦を過ぎ(62歳)、益々円熟味を増していくことだろう。
この、フォークの神様、王様、女王様の動静を今後とも注視していきたい。


以上 <2014年12月記>

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