ササミは、WEBでハリー・ポッター本の感想文を書いている。 それを読んでくれたイギリスのロナルド君からメールが来た。 彼は日本語を勉強していて『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 の邦訳を入手して読んだそうだ。原文で読めるのに面倒なことをするなあ と思ったけれど、本場の人がこの本をどう感じたか、紹介しよう。

【英国のロナルド君からの手紙】
でやあササミ、

ボクは日本文化も勉強しているんだけど、君が書いていた「トイレの花子さん」 の意味を調べるのにちょっと苦労したよ。「学校の怪談」で検索しようとして 間違えて「学校の階段」の建築構造のページを探したりしちゃったからね。

そういえば、日本語には同じ発音の言葉が多いから、言葉遊びが発達している。 英語でも語呂合わせのジョークやギャグが多いのは君の指摘している通り。でも、 これを他の言葉に訳すのは本当に大変だ。ロックハート先生の教科書のタイトル なんて、苦しい苦しい。本を読んで、笑っちゃった。 英語では頭韻を踏んでいるだけの

「Travels with Trolls」が「トロールとのとろい旅」
「Voyages with Vanpires」が「バンパイアとバッチリ船旅」
なんて、面白いなあ。君ならどう訳す? (「トロールと遠出」、「吸血鬼と航海記」なんてどう? )

僕たちはもう4巻まで読んでいるからわかるんだけど、この2巻がシリーズ前半で 最高に可笑しいよね。ロックハート先生は大バカでボクは嫌いなんだけど、彼の行動 はすべてギャグとしか言いようがない。しかし、ハーマイオニーのやつ、何を勘違 いしたんだろう。あんなお調子者を好きになるなんて、理解に苦しむよ。

ハーマイオニーといえば、マグル(魔法使いじゃない人たち)の出身ですごい努力家だ。 時々、どうしようもなくなるほど頑固なんだけど、 (君だけに教えるが)ボクは彼女のことが好きなんだ。ハリーだって、ああいう優秀な 友達が近くにいるから、マルフォイたちみたいにマグルを軽蔑してはいけないって ことが実感としてわかってくれたんだと思う。 これって、マグルの世界にある差別問題にも通じる大切なことかもしれない。 マグルとかユダヤ人とか黒人とか障害者とか、ラベルを貼って 軽蔑したり憎んだり同情したりするんじゃあなくて、その中の誰かと 友達になって、ラベルではなくって友達の顔を思い浮かべるべきなんだ。 反対に、特定の人から受けた非道い仕打ちが、その人のいるグループ全体への憎しみに 広がってしまうことが不幸の始まりなんだろう。 ハリーがダーズリー一家を憎んでいるのは、あんな目にあってきたんだから しかたがないんだけど、ハリーの憎しみがマグル全体に向けられたら たいへんなことになる(物語が終わってしまうだろ?)。 ウィーズリーの家族とハーマイオニーがついているから、ハリーはいつかきっと ダーズリー一家を許して和解する日がくると思うよ。 『例のあの人』だってマグルの父親への憎しみが、マグルを嫌う魔法使い純血主義 に走らせていると思うんだ。 それを止めることが、ハリーに課せられた使命。とっても大変なことだけど。 ハリーは『名前を呼んではいけないあの人』と不思議なくらい似ているところがある。 ハリーが『例のあの人』のようにならないように見守っていかないと。

それにしても今回、ハーマイオニーはやりすぎだ。ポリジュースなんて犯罪だよ。 さっきハリーにとって「ウィーズリーの家族とハーマイオニー」の存在が重要と 書いたけれど、やっぱり、ウィーズリーのほうがずーーーっと大事だね。 そりゃあ、たまには規則を破ったりするけどさ、 監禁されていたハリーを救ったのも、ロックハート先生の裏切りを防いだのも ボクたちのおかげ。妹を助けてくれたのはハリーだけど、ハリーを助けたのは ボクだってことも、忘れないで欲しいね。

それじゃあまた。

ロナルド・ウィーズリー

言い忘れたけど、このメールはよぼよぼのフクロウが運んできてくれました。 ロンは本当はロナルドっていうんだね。そういえば本に書いてあったよ。